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富山の医薬品生産の動向

第3章 富山の医薬品産業の動向

第 2 節 富山の医薬品生産の動向

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図3-4 国内の医薬品生産金額の推移(全国と2015年のトップ5都府県)

出所:日本政策投資銀行(2018)「『くすりの富山』の伝統と躍進-国内トップから世界的 製造拠点へ-」

図3-5 医薬品剤形別の生産金額構成比(全国と富山県)

出所:日本政策投資銀行(2018)「『くすりの富山』の伝統と躍進-国内トップから世界的 製造拠点へ-」

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年次2001年2002年2003年2004年2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年2015年 生産金額211,007232,987246,213254,951263,635441,671468,307516,650573,557473,737575,412608,334608,916616,256732,544 対前年比92.1%110.4%105.7%103.5%103.4%167.5%106.0%110.3%111.0%82.6%121.5%105.7%100.1%101.2%118.9% 全国比3.2%3.6%3.8%3.9%4.1%6.9%7.3%7.8%8.4%7.0%8.2%8.7%8.8%9.4%10.7% 生産金額6,504,3186,489,2786,533,1086,525,2936,390,7226,438,0826,452,1666,620,0916,819,5896,779,0996,987,3676,976,7126,894,0146,589,7626,820,413 対前年比92.0%99.8%100.7%99.9%97.9%100.7%100.2%102.6%103.0%99.4%103.1%102.9%101.7%97.2%103.5%

富山県 全国

表3-3 医薬品生産額富山県と全国の比較単位:百万円 200120022003200420052006200720082009201020112012201320142015 富山県2,1102,3302,4622,5502,6364,4174,6835,1675,7364,7375,7546,0836,0896,1637,325 全国65,04364,89365,33165,25363,90764,38164,52266,20168,19667,79169,87469,76768,94065,89868,204

60,000

61,000

62,000

63,000

64,000

65,000

66,000

67,000

68,000

69,000

70,000

71,000 0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

医薬品生産金額 富山県全国

単位:億円単位:億円単位:億円単位:億円 図3-6 医薬品生産額富山県と全国の比較グラフ 出所:富山県厚生部くすり政策課(2016)「富山県薬業の概況」、厚生労働省(2001~2015)「薬事工業生産動態統計年報」の数値データに 基づき表とグラフを筆者作成

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図3-7 都道府県別医薬品生産金額順位(2015年)

出所:厚生労働省(2015)「薬事工業生産動態統計年報」の数値データに基づきグラフを 筆者作成

図3-8 都道府県別医薬品生産構成比(2015年)

出所:厚生労働省(2015)「薬事工業生産動態統計年報」の数値データに基づきグラフを 筆者作成

医薬品産業にとって2005年の「薬事法」の改正はターニングポイントであった。富山県 薬事工業生産動態統計年報によれば、医薬品生産額の推移は 2005 年 2,636 億円、そして

「薬事法」改正にともない2006年は4,417億円と前年比1.7倍と飛躍的に伸びていること がわかる。内訳では、受託製造が3倍近く増加している。また、2015年と2005年の伸び 率を比較すると2.8倍であり、医薬品の生産金額を順調に伸ばしていることがわかる(図

3-0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000

富山 埼玉 東京 大阪 静岡 神奈川 栃木 兵庫 徳島 滋賀 732,544

604,101 555,407

495,375 455,063

317,689 281,624

250,668 239,373

213,266

百万円

富山

10.7% 埼玉

8.9%

東京 8.1%

大阪 7.3%

静岡 6.7%

神奈川 栃木 4.7%

4.1%

兵庫 3.7%

徳島 3.5%

滋賀 3.1%

その他 39.2%

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9)。2015年の医薬品生産金額は埼玉県を抑え、富山県が 7,325億円で全国1位となった。

2015年度は1,162億円増加、前年比119%であり47都道府県中最大である。

図3-9 富山県の医薬品生産金額の推移

出所:厚生労働省(2003~2015)「薬事工業生産動態統計年報」の数値データに基づき 生産金額の推移グラフを筆者が作成し説明文を挿入した

2005年以前と2005年薬事法改正以降の富山の企業・行政・市民の変化を表3-4に示す。

表3-4 2005年以前と以後の変化

2005年以前 2005年以後

企 業

配置薬を中心として製造

2005年の医薬品生産額が2,636億円で全国8位 設備投資金額2004年138億円

大手製薬会社は自社製造を中心とする、ジェネリッ ク医薬品生産高が低い

受託医薬品は半製品までしか製造できない 配置薬製造販売は毎年減少が続く

自社生産の変化率の減少が続く 医薬品関連の産業集積

長期にわたる顧客との信頼関係を構築

「先用後利」の伝統的商法による信用と信頼

配置薬から医薬品製造へと変化

改正薬事法の施工により委受託が完全自由化。10 年 間で生産金額が2.8倍になる

2015年の医薬品生産金額が、7,325億円で全国1位 設備投資金額2011 年351億円、運転資金2015 年 434.1億円と増大

2015 年の一人当たりの医薬品生産金額は、68 万 7,000円で全国1位

大手製薬会社より受託製造会社へ委託が増加。2014

年度より25.4%の大幅な増加

受託医薬品はワンストップで完成品まで製造が可能と なる

ジェネリック医薬品生産高の増加 2,462 2,550 2,636

4,417 4,683 5,167

5,736

4,737 5,754

6,083 6,089 6,163 7,325

2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 5,500 6,000 6,500 7,000 7,500

2003年 '04年 '05年 '06年 '07年 '08年 '09年 '10年 '11年 '12年 '13年 '14年 2015年 億円

10年間で2.8倍に増加 2005年から2006年の

1年間で1.7倍に増加

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2005年以前 2005年以後

企 業

配置薬製造会社は他社生産の変化率が大幅に増加 医薬品関連の産業集積の更なる充実

2011年東日本大震災の危機管理による委受託増加 委託先との長期にわたる製造・品質管理に対する信 頼関係

信用と信頼を大切にする「先用後利」の精神が根底に ある

現代へと受け継がれる商売の礎となり「人を大切にす る」という原点がある

江戸時代より今日まで日本のビジネスモデルとして続 いている

行 政

江戸時代より「藩」から「県」主体で取り組んできた

(官主体)

2002 年「薬務担当課」と「薬業振興」が統合され「く すり政策課」となった

くすり政策課が薬事行政を行っている

医薬品の製造及び販売にかかる許認可業務と医薬 品産業に関する支援事業や活性化事業を行ってい る

富山市役所には「薬業物産課」があり、薬業物産 展、薬業振興政策を行っている

富山県はくすりを地場産業として育成し、積極的な 薬業振興政策を行う

明治40年、日本初の薬学校である富山県立薬学校 を設立。薬事教育への長い歴史がある

高等学校は薬事関係学科が複数校にあるのは富山 県のみ

1963 年、富山大学には唯一の和漢医学総合研究 所がある。1999年漢方診断学部門設立

運転資金や設備資金の貸し付け

2005 年薬事法改正時の他県の政策の違いに現れ、

更なる県主体で取り組んだ(官主体)

県の薬業行政の厚みが続く薬業振興を自治体が担う のは富山県のみである

2006 年には前年比168%と飛躍的に生産金額が伸 び、その後も増加する

医薬品産業の活性化がジェネリック医薬品の普及を 押し上げる

富山県薬業連合会は、医薬品メーカーからの受託先 の紹介を積極的に行い、「くすり政策課」との連携を密 にしている

くすり政策課の果たす役割が、富山県の医薬品産業 の発展に大きく貢献している

くすり政策課内に振興開発班が設置される

2006 年から富山県薬事研究所では、公設試験研究 機関として品質試験を行い信頼性確保の一助となっ ている。薬業の中柱的役割。

ジェネリック医薬品の普及率の向上が、主要産業であ る医薬品産業の地域活性化に直結している。ジェネリ ック政策は他地域への展開例とされている

富山県は医学薬学関連部門の産学官連携を推進す る体制をより強化している

2005 年に富山医科大学と旧富山大学の統合により、

現在の富山大学となる

2008年経営基盤強化資金制度を追加する

2017年富山県立大学に医薬品工学科が設置される

市 民

薬業教育には古い歴史のあり、富山売薬と共に変 化

江戸時代より富山売薬の隆盛により、読み書きそろ

暮らしやすい県として有名である

家計収支に関する指標では、可処分所得が全国1位 であり、生活にゆとりがある

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2005年以前 2005年以後

市 民

ばん、身なり、辛抱強く客と向き合うことを売薬に教 え、それが市民の生活に根付いている

教育の必要性が高まり寺子屋から始まる教育文化 の信用保持のため、薬学が必要となり、日本で初め て薬学専門学校「共立富山薬学校」の設立

三方を山に囲まれ独立した県域

粘り強く勤勉な県民性を持ち、用心深さと協調性、こ の特性こそ、まさに富山のくすり売りそのものである

47都道府県の就業魅力度ランキングでは1位である 若い人材の地元企業への就業は地域活性化につな がり、県立富山大学の就職率はほぼ100%である 富山県薬剤師会は、「くすりの健康教室」を開催し、ジ ェネリック医薬品の紹介を行っている。薬剤師間が情 報共有や課題解決を行っている

出所:厚生労働省(2014)、富山県薬業史資料集成上下(1983)富山県薬業史通史1987)、

富山県薬事審議会資料(2009~2014)、坂本光司&幸福度指数研究会(2011)、富山 県民会館(1986)、富山県教育史編さん委員会(1971,1972)のデータに基づき筆者 表を作成

全国医薬品生産額の推移を見てみると、2011年度における医薬品最終製品の生産金額は

6兆9,874億円で、前年度の6兆7,791億円と比較すると、2,083億円(3.1%)の増加とな

っている。

薬価基準改定が実施された年は減少する傾向がある。2010年は薬価改定があり減少し、

2011年は改定がなく増加となっている。なお、薬価基準改定は2年おきに実施されている。

2001 年度から 2011度までの全国の医薬生産額の推移は、全国的に増加傾向であった。

2012年以降生産金額が下がったのは、薬価が下がったことが原因である。配置用家庭薬に ついては毎年減少が続いている(図3-10)。

単位:百万円 単位:百万円

図3-10 医薬品生産金額の傾向(全国)

出所:厚生労働省(2001~2015)「薬事工業生産動態統計年報」の数値データに基づきグラフ を筆者作成

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000

5,600,000 5,800,000 6,000,000 6,200,000 6,400,000 6,600,000 6,800,000 7,000,000 7,200,000

医薬品生産金額の傾向(全国)

全種類 配置用家庭薬

百万円 百万円

60

2001年2002年2003年2004年2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年2015年 金額 (百万円)6,195,3626,144,8016,173,3746,121,1696,390,7226,438,0826,452,1666,620,0916,819,5896,779,0996,987,3676,976,7126,894,0146,589,7626,820,413 伸び率 (%)4.5-0.80.5-0.84.40.70.22.63.0-0.63.1-0.2-1.2-4.43.5 構成比 (%)100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0100100 金額 (百万円)5,425,8605,391,2575,458,9485,440,1845,741,2805,803,5815,828,0865,992,7656,174,2026,148,8766,344,5126,263,0106,193,9835,868,9275,996,890 伸び率 (%)5.8-0.61.3-0.35.51.10.42.83.0-0.43.2-1.3-1.1-5.22.2 構成比 (%)87.687.788.488.989.890.190.390.590.590.790.889.889.889.187.9 金額 (百万円)769,503753,545714,426680,984649,442634,501624,080627,327645,378630,223642,855713,702700,031720,835823,523 伸び率 (%)-3.8-2.1-5.2-4.7-4.6-2.3-1.60.52.9-2.32.011-1.9314.2 構成比 (%)12.412.311.611.110.29.99.79.59.59.39.210.210.210.912.1 金額 (百万円)715,461701,839666,865636,758611,492599,259592,963598,438616,601602,193617,231689,018677,407700,376804,561 伸び率 (%)-4-1.9-5-4.5-4-2-1.10.93.0-2.32.511.6-1.73.414.9 構成比 (%)11.511.410.810.49.69.39.29.09.08.98.89.99.810.611.8 金額 (百万円)54,04251,70647,56144,22637,95135,24331,11728,88928,78628,03025,62424,68422,62420,45918,962 伸び率 (%)-0.2-4.3-8-7-14.2-7.1-11.7-7.2-0.4-2.6-8.6-3.7-8.3-9.6-7.3 構成比 (%)0.90.80.80.70.60.50.50.40.40.40.40.40.30.30.3

配置用家 庭薬

生産 医療用医 薬品 その他医 薬品 一般用医 薬品 出所:厚生労働省(20012015薬事工業生産動態統計年報」の数値データに基づき表とスパークラインを筆者作成

表3-5 全国医薬品生産金額の推移

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薬価基準改定は、2002年(-6.3%)、2004年(-4.2%)、2006年(-6.7%)、2008年(-5.2%)、

2010年(-5.75%)、2012年(-6.0%)、2014 年(-2.65%)に実施された。特許権存続期間中の新 薬については、欧米ではほとんど下がらないが、日本では 2 年毎に薬価を見直す制度があ り、薬価が下がり続けている。図3-10に見られるように、薬価基準改定が実施された年は、

生産金額が減少していることがわかる。ただし2005年4月「薬事法」改正により製造販売 業の許可制度の創設と委受託の完全自由化が行われた年の翌年、つまり2006年は特殊事情 によりやや増加した。なお、全国における医薬品生産金額の推移は、全体的に増加の傾向に ある。

図3-11 全国医薬品生産金額の推移

出所:厚生労働省(2001~2017)「薬事工業生産動態統計年報」の数値データに基づき 薬価基準改定の年のグラフを筆者作成 (近似曲線と隔年の枠を作成)

61,954

61,44861,734 61,212

63,907

64,381 64,52266,201 68,196

67,791

69,874 69,76768,940 65,898

68,204

54,000 56,000 58,000 60,000 62,000 64,000 66,000 68,000 70,000 72,000

2 0 0 1

2 0 0 2

2 0 0 3

2 0 0 4

2 0 0 5

2 0 0 6

2 0 0 7

2 0 0 8

2 0 0 9

2 0 1 0

2 0 1 1

2 0 1 2

2 0 1 3

2 0 1 4

2 0 1 5 億円

※枠は薬価基準改定があった年