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富山のジェネリック医薬品の動向

第3章 富山の医薬品産業の動向

第 5 節 富山のジェネリック医薬品の動向

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販売の原点である「置き薬」を現代のニーズにマッチした形で取り組んでいる会社である。

特色としては、社員全員が登録販売者の資格を持っていることである。第2類・第3類の 医薬品販売を行っている。また製薬メーカーとタイアップして商品の開発を進めている。

2017年現在では顧客数4万2千件を超え、社員40名、売上高は5億円である。富山本社 の他、福井県の懸場2,200件も購入し、福井県や石川県にも営業所がある。薬を置くだけで なく、健康に関する悩みの話し相手になり、顧客とのコミュニケーションを重要視している。

「先用後利」のビジネスモデルを再構築した、新しい形の配置薬販売業の在り方の事例であ る。サプリの事例に見られるように、ホスピタリティの構築に積極的に努めていかなくては ならないのである。

今後、高齢化・過疎化により在宅率の増加が見込める可能性もあるが、高齢者や一人暮ら しの相談相手としての取り組みなど、ホスピタリティと人と人とのコミュニケーションが 重要であり、顧客満足度の向上が必要不可欠である。消費者の信頼を得る必要がある。

病気になる前のセルフメディケーションとして、配置薬だけでなくサプリメントやドリ ンク剤など現代の健康ニーズにあった、魅力ある商品の品揃えが重要である。薬の飲み合わ せなど、医薬品をわかりやすく説明する正確な情報提供も必要である。「先用後利」の伝統 ある配置薬文化を損なうことなく、今の時代にあったサービスとして見直すことが重要で ある。

配置薬は在宅医療サービスの充実に向けた一つの方法として注目されるようになった。

ここに今後の新しい配置薬の方向を見出した。高齢化・過疎化により、セルフメディケーシ ョンの需要があり、手元にありすぐ使える配置薬の新たな役割が増大している。

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表3-11 ジェネリック医薬品調剤率(北陸4県)

出所:厚生労働省(2009~2014)「調剤医療費(電算処理分)の動向」の数値データに基づ き表を筆者作成

(3)富山県で効果をあげている要因

①富山県くすり政策課の取り組み - 医療関係者への普及啓発研修

富山県における薬事行政は「くすり政策課」が主に担当している。医薬品の製造及び販売 にかかる許認可業務を行い、医薬品産業に関する支援事業や活性化事業を行っている。県内 製薬企業・配置業者に対する経営指導と融資相談、販路の拡大と配置員の育成・資質向上、

家庭薬の開発研究の推進を富山県として応援している。このことからも富山県として薬を 地場産業として大切に育成し、積極的な薬業振興政策を行っていることがわかる。また富山 県薬業連合会とも連絡を密にしている。富山県が薬業振興に大きく関わっていることも特 徴としてあげられる。薬業振興を自治体が担う例は、富山県のみである。各機関がお互いの 発展を支えていることがわかる。

富山県は、品質上の不安を解消するため、医療関係者に対する普及啓発研修を実施してい る。2013年度現在、「ジェネリック医薬品使用促進協議会」は年1回の開催頻度である。参 加メンバーは医療関係者(開業医、病院勤務医、薬局薬剤師、病院薬剤師、卸売業者、医薬 品メーカー等)以外に、高齢者代表、消費者代表、保険者も参加し、幅広い関係者間での情 報共有、意見交換が行われ、新しい取り組みがなされている。なお、富山県だけでなく他県 の医療関係者も受け入れたいと、積極的に働きかけている。先発医薬品と同様のGMP工程 でジェネリック医薬品が製造されていることを理解し、品質面での安心感を与え、不安を払 拭する効果は大きいのである。未だに医療関係者はジェネリック医薬品に対する不安感が 根強くある。ジェネリック医薬品に対する不安解消への地道な努力により、品質に関する信 頼性を得てきているが、今後も継続して信頼されるジェネリック医薬品としての地位を築 くことが重要である。毎年開催される、日本最大の展示会インターフェックスジャパンにお いても、全国の自治体から薬業振興による参加は、富山県くすり政策課のみである。

筆者も2012年、2日間にわたり、「2012年度医療関係者に対するジェネリック医薬品普 及研修」に参加し、ダイトとテイカ製薬の2社の研修を受けた。GMPに基づいた、製造現 場の見学とジェネリック医薬品の承認申請・製造管理・品質管理法・情報提供・供給体制の

2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2014年度 全国順位

全国平均 44.0% 47.7% 48.6% 52.6% 57.2% 61.4%

富山 49.6% 53.8% 54.7% 57.9% 62.0% 65.6% 10

新潟 45.3% 50.3% 51.1% 54.5% 59.5% 63.2% 23

石川 44.8% 48.5% 49.2% 53.0% 58.0% 63.6% 21

福井 45.8% 50.6% 51.9% 56.4% 60.8% 64.3% 13

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研修であった。ジェネリック医薬品と先発医薬品が同じ工場の同じ工程で作られているこ とが判明した。参加者は最新式の工場を見学し、GMP基準で製造されるジェネリック医薬 品に対して、品質や製造過程における不安解消と安全性への理解が深まり認識を新たにし た。ジェネリック医薬品を市場で普及させるには医療関係者などに対しての普及活動が重 要であり不可欠であることが判明した。

②富山県薬業連合会の取り組み

富山県薬業連合会は、1952年6月に富山県薬業界と富山県家庭薬協同組合連合会が合同 し、社団法人として富山県知事の認可を受け設立された。富山県薬業界の中枢団体として指 導教育、販路の拡大、経営改善など拡販事業を積極的に実施し、国民の保健衛生の向上に努 め、くすり業界と一致団結し、さらなる近代化と発展に向けて取り組んでいる。2014年 9 月現在、県内医薬品製造業者60社、医薬品卸売業者、医薬品関連企業等46社、組合・団 体9団体が加盟している。

医薬品製造の受託先を探す県外企業からの問い合わせに対し、「委受託総合マッチング窓 口」となっている他、新卒者や一般社会人を対象にした就職ガイダンスも行っている。また、

大手製薬製造企業の最新技術の第一人者を講師に迎え、製剤技術研修会を年 7 回開催。製 剤技術者の育成を進めて、ジェネリック医薬品の発展に大きな役割を果たしている。

1993年より毎年開催している「富山くすりフェア」では、「くすりの知識と正しい使い方」

「富山北部高等学校くすり・バイオ科による錠剤製造過程実演」「くすりをテーマにしたタ ペストリーの展示」などを行い、一般の人達に分かりやすく「富山のくすり」を紹介してい る。県内の薬業関係学科が設置されている県立高校 2 校の生徒たちに対し、業界を紹介し た小冊子の配布を行ったり、製薬工場や薬業施設への見学会を開催したり、若者の薬業界へ の理解・就職促進にも務めている。

③学校の取り組み - 人材の育成・確保

富山県では将来の医薬品生産業を担う薬剤師や技術者の育成・確保に向け、小中高校生を 対象とした工場見学、大学生を対象とした企業セミナーを開催している。また、国際化に対 応し、グローバル社会で活躍する人材の育成も進めている。県内の県立滑川高等学校には

「薬業科」、県立富山北部高等学校には「くすり・バイオ科」が設置され、医薬品製造等の 担い手の育成を図っている。薬業関係学科が複数校にあるのは全国で富山県のみである。富 山大学には薬学部の他にも、伝統医薬学を化学的に研究し東西医薬学の融合を目指す、わが 国唯一の和漢医薬学総合研究所が1963年から設置されている。NPO 法人「とやま医薬・

健康情報ライブラリー(とみネット)」の構築プロジェクトにおいて、富山大学と富山県く すり政策課が協働し、医薬品製販売業が実施すべき安全管理情報の収集を安価、かつ迅速に 実施できる仕組みを構築している。次世代を担う若い人材の地元企業への就職は、首都圏へ の人口流出を防ぎ、地域の活性化に繋がる。富山県は医薬学関連部門における、産官学連携

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④富山県薬剤師会の取り組み

富山県薬剤師会には約1000名の薬剤師と、約360ヶ所の調剤薬局がある。薬剤師の70%

が調剤薬局、その他病院・公務員が15%となっている。2010年厚生労働省の「平成22年 医師・歯科医師・薬剤師調査の状況」によれば、医薬品製造業に勤務する薬剤師数は、全国

平均が11.5%であるのに対し、富山県は 15%を占めている(2010年厚生労働省調査)。ジ

ェネリック医薬品に対する取り組みや考え方は様々である。調剤薬局の経営面からみると、

ジェネリック医薬品は安価で売上総額が下がるため消極的な調剤薬局もある。しかし2012 年度、ジェネリック医薬品が全体の30%を超えると保険点数4が加算となる国の政策により、

ジェネリック医薬品を患者に推進する薬局が増えてきている。

薬剤師会のホームページを活用し、薬剤師に対しアンケートを実施。ジェネリック医薬品 に係る好事例を抽出し、薬剤師間で情報共有や課題の解決を行っている。一般市民に対して は「薬の健康教室」を開催し、その中でジェネリック医薬品の紹介を行なっている。薬局店 頭ではポスターを貼ったり、富山県が作成したパンフレットの配布を行ったりしている。ま た薬剤師会のホームページでは、ジェネリック医薬品の比較検討できるホームページを紹 介し普及に努めている。

⑤富山県ジェネリック医薬品利用促進協議会の取り組み - ジェネリック医薬品採用基準 の作成

富山県ジェネリック医薬品利用促進協議会では、病院関係者、薬剤師、医薬品製造企業、

卸、消費者といった様々な関係者が集まり採用基準の作成を行っている。「低価格・品質管 理・安定供給・情報提供の充実したジェネリック医薬品を採用する」というコンセプトで作 成が行われている。医薬品製造業にとっては、安定供給や情報提供等の条件がクリアされな ければならず、品質の向上等が要求され努力が求められるものとなっている。富山県内の主 要病院で採用されているジェネリック医薬品のリストを集約する取り組みがなされている。

富山県の主要病院ではジェネリック医薬品の採用リストが公開されており、調剤薬局では 購入と在庫管理の面や、ジェネリック医薬品を選択する貴重な参考情報となっている。

⑥品質試験の産官の連携 - 富山県薬事研究所

富山県は中小医薬品製造業が多く集積している。富山県薬事研究所ではジェネリック医 薬品品質試験を実施し、2006年から公的試験機関による試験を行っている。生産する主力 ジェネリック医薬品について、一定の生産ロットごとに、富山県薬事研究所に品質試験を依 頼して、品質が確保されていることの再確認を受けている。公的試験機関による試験を行う ことにより、品質に関する信頼性確保の一助となっている。

富山県薬事研究所は、全国で唯一の薬事に関する公設試験研究機関であり、製剤開発の推