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原文の構成変更

ドキュメント内 通訳・翻訳プロセスモデルの検討 (ページ 84-87)

第 4 章

4.2.3 原文の構成変更

「原文の構成変更」は長い文を幾つかの短い文に分けたり、文の種類や文の構成 を変えたりすることにより、相手にとって聞き取りやすく、また、理解しやすくす るストラテジーである。これは Olohan(2000)で既に言及されたストラテジーである。

また、 劉(2010)は、「原文における文が長い場合、その文の構造に沿って翻訳する と、不自然な日本語になりうるだけでなく、理解を妨げることも考えられる」と指 摘し、原文の長文を分割するとともに、適切な接続詞を追加するストラテジーを明

示化と認めている。ミー(2016)の日越通訳に関する研究でも、同類の明示化スト ラテジーについて分析があったが、より狭い範疇で検討しており、「長文の小分け」

という名称が付けられている。本研究では、 Olohan (2000)及び 劉(2010)、ミー

(2016)を参考にしながら、より広い意味で「原文の構成変更」を捉えた。

例4:

話者VN01: Về/số lượng người/ tham dự/ thì/ trong/ cuộc hội thảo/ sắp tới đây/ sẽ/ có/

khoảng/ 200 người/ tham dự/、 bao gồm/ đại diện/ của/ các doanh nghiệp/ trong/ và/ ngoài nước/、 trong đó/ chủ yếu/ là/ các doanh nghiệp Nhật/ đã đang và sắp đầu tư/ vào/ Việt Nam/.

(について/人数/参加/ですが/において/セミナー/今後/未来テンス/ある/およそ/200 人/

参加/、含む/代表者/の/各企業/内/と/外/国/、そのうち/主に/は/日本企業/既に投資し た、投資している、これから投資する/へ/ベトナム。)

【今度のセミナーに参加する人数については、200 人ぐらい参加することになっており、国内 外の各企業を含んで、その中でベトナムに既に投資している、または投資する予定がある日 系企業がメインであります。】

通訳 VJ01: で、さんかん、参加者の人数なんですけども、およそ200人です。

話者JP01:え、はい。

通訳VJ01: ええと、っで、それで、日本の、おー、企業を中心としてベトナム国内、国外の企

業、が参加することになりました。

この例では、話者VN01による原文は比較的長いが(発話文の認定はBTSJ文字化 システムの発話文認定基準に則る)、通訳 VJI01は日本語に訳した時には、 聞き手 にとって理解しやすく、メモしやすくなるように長い文を分割するという処理を行 った。これは、聞き手にとって理解のしやすさを工夫する機能を持つ明示化ストラ テジーとして認められる。また、この場合の明晰化は談話レベルで任意的な性質を 持つストラテジーとして意味明確化のために使われたと見られる。

例5(被験者02)

起点テキスト:Ngày 09/07/2014/, tập đoàn (Tên công ty)/ đã/ phát động/ chương trình quyên góp/: Niềm tin/ Việt/ – Chung tay/ hướng về/ biển đảo/ quê hương/ nhằm/ khơi dạy/

lòng yêu nước/, niềm tự hào/ dân tộc/, hướng/ về/ biển đảo/ thân yêu/ trong/ mỗi cán bộ/ (Tên công ty)/.

(2014 年 7 月 9 日/グループ(社名)/過去テンス/呼び起こす/寄付プログラム/ビリーフ/ベ トナム/手を合わせて/へ向かう/海島/母国/ため/呼び起こす/愛国心/誇り/民族/向かう/

へ/海島/愛なる/中/従業員一員ずつ(社名)/)

【2014 年 7 月 9 日に、(会社名)グループは(会社名)の職員ごとの愛国心、民族 への誇り、親愛なる海島へ? を呼び起こすために、「ベトナムのビリーフ – 母 国の海島に向かって力を合せる」という寄付プログラムを発足させた。】

(翻訳):2014年7月9日に グループ名は「ベトナムへの希望-ベトナム領海へ向 けて手を合わせよう」という寄付プログラムを起こしました。目的は グループ名の 従業員の愛国心、民族の誇り、島への愛着を喚起することです。

この例では、翻訳者は長い原文を二つに分割し、翻訳している。この工夫によっ てメッセージの分かりやすさが多少増したと見られる。この場合の明晰化は確かに 伝達の効果を伴ったものではあるが、必ずしも行う必要があるとは限らないため、

談話レベルで任意的な性質を持つストラテジーとして意味明確化のために使われた と認定した。

4.2.4 反 復

「反復」とはある語、句を繰り返すことによって意味を強調するストラテジーであ る。この明晰化は「前置き表現の活用」と基本的には同様の機能を持つが、形式上 異なるため、個別のストラテジーとして認定する。

例6:

話者 JP03:そして、あのー、えー、私が発表する資料やパワーポイントの、ありま すようね。そういうものは、えーと、事前に送ったほうがいいですよね(ん)(ん)

はい。

通訳JV03: Tức là/những/cái tài liệu/để/ bà ý/ phát biểu/ trong, tức là/ powerpoint/, tài liệu powerpoint/ thì có phần/, có cần phải/ gửi/ trước/ cho/ bên các anh/ không nhở?。

(つまり/複数形/ため/彼女/発表する/中/つまり/パワーポイント/パワーポイント資料/

(どもった発音)/必要か?/送る/事前に/に/あなた達側/でしょうか?)

【つまり、彼女が発表するための資料、つまりパワーポイント、パワーポイント資 料はあなた側に事前に送っておく必要がありますでしょうか。】

例 6 の通訳では、「パワーポイント」の情報は 2 回も繰り返されている。特に意 図があるような反復ではない可能性もあるが、聞き手に対して強調するという効果 を伴うかもしれない。この場合の明晰化は語彙レベルで任意的な性質を持つストラ テジーとして意味明確化のために使われたと見られる。

ドキュメント内 通訳・翻訳プロセスモデルの検討 (ページ 84-87)