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第 7 章 「多文化空間」における保育所の利用者及び利用状況について

第2節 利用者の特徴

171

172

ゴリーで,全体の約7割を占め,その次には,パート・アルバイトや派遣社員といった,不 安的雇用の形態にある回答者が多い.

それでは,次では職業分類の度数分布をみる.

(2) 職業の度数分布

本調査では,職業について,職種に関する質問(q25)において自由記述形式でおこなった.

q25について度数分布を確認したところ,98件の回答があった.そして,本章では,98件の 回答を分析可能な変数にするため,いくつかの職業カテゴリーに分類した.職業の分類は,

本論文第3章で使用した,「平成22年国勢調査に用いる職業分類」を参考にしておこなった.

それによると,98件の回答は,(1)管理的職業従事者,(2)専門的・技術的職業従事者,(3)

事務従事者,(4)販売・サービス職業従事者の以上4つのカテゴリーに全て分類可能であっ た.そこで,以上4項目からなる「職業分類」という新変数を作成した.

以下の表7-12は,職業分類の度数分布表である.

表7-12の通り,職業分類のなかで多数を占めるものは,専門的・技術的職業従事者と販 売・サービス職従事者である.全体で98件の回答のうち,多い値から見ていくと,専門的・

技術的職業従事者には,39人(39.8%),販売・サービス職従事者には,28人(28.6%),そ して,事務職従事者には,19人(19.4%)が回答した.これら以外の職業分類は,それぞれ 10パーセント未満の低い値となった.

以上のことから,利用者の職業は,専門的・技術的職業従事者が特に多く,その次に販売・

サービス職従事者が多いことが分かる.そして,この2カテゴリーで,全体の約7割を占め ている.そしてこの他の,主だった職業分類としては,事務従事者になる.なお,ここでい う「無職」とは,専業主婦である場合がほとんどである.職種について質問をおこなったq25 の回答結果を確認したところ,9件のうち1件は無回答でその他全ては専業主婦であること が分かった.

それでは,次では,職業と雇用形態の関係についてみる.

度数 全体パーセ ント

有効パーセ ント

管理的職業従事者 3 2.6 3.1

専門的・技術的職業従事者 39 33.9 39.8

事務従事者 19 16.5 19.4

販売・サービス職従事者 28 24.3 28.6

無職 9 7.8 9.2

合計 98 85.2 100.0

表7-12.職業分類の度数分布表

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(3) 職業と雇用形態のクロス集計

表7-12-1は,職業分類と雇用形態のクロス集計表である.割合の高い職業分類ごとに結

果を見ていく.専門・技術的職業従事者は,雇用形態としては「常時雇用されている一般従 業者」である割合が,40人中,26人(66.7%)と圧倒的に高い.次に多い,販売・サービス 職従事者は,「自営業主及びその家族従業者」である割合が,28人中,12人(42.9%),「パ ート・アルバイト,派遣・契約社員」である割合が,11人(39.3%),「常時雇用されている 一般従業者」である割合が,5人(17.9%)となっている.販売・サービス職従事者は,雇用 形態としては,自営業かアルバイトや派遣社員といった不安的雇用形態にあるものが非常に 多く,この2カテゴリーで,全体の8割を占める.

そして,事務従業者は,「常時雇用されている一般従業者」である割合が,19人中,15人

(78.9%)で,雇用形態として圧倒的に高い割合を示している.

以上のように,保育所利用者の職業分類と雇用形態の関係をみると,次のように整理する ことができる.(1)専門的・技術的職業従事者は,正社員率が高い,(2)販売・サービス職 従事者は,自営業主及びその家族従業者,又は,アルバイトや派遣社員といった不安的雇用 形態にある割合が高い.(3)事務従事者は,正社員率が高い.

上記のような特徴は,利用者の職業分類と雇用形態に関する大まかな特徴になるが,本節 では,より詳細な利用者の特徴を掴むため,表7-12-1をもとに利用者を,職業分類と雇用 形態に関する6つの階層に分類する.6つの階層分類が分かるように目印を付けたのが表7

-12-2である.

経営者、

会社・ 団 体役員

常時雇用 されてい る一般従

業者

パート・ ア ルバイ ト、派遣・

契約社員

自営業主 及びその 家族従業

無職( 学 生含む)

管理的職

業従事者 2(66.7%) 1(33.3%) 0(0.0%) 0(0.0%) 0(0.0%) 3(100%) 専門的・

技術的職 業従事者

1(2.5%) 26(66.7%) 3(7.7%) 9(23..1%) 0(0.0%) 39(100%) 事務従事

者 0(0.0%) 15(78.9%) 3(15.8%) 1(5.3%) 0(0.0%) 19(100%) 販売・

サービス 職従事者

0(0.0%) 5(17.9%) 11(39.3%) 12(42.9%) 0(0.0%) 28(100%)

無職 0(0.0%) 0(0.0%) 0(0.0%) 0(0.0%) 9(9.2%) 9(100%) 合計 3(3.1%) 47(48.0%) 17(17.3%) 22(22.4%) 9(9.2%) 98(100%)

表7 - 1 2 - 1 . 職業分類×雇用形態

職業分類

雇用形態

合計

174

保育所の利用者を,職業分類と雇用形態に関する階層に分類すると上記の表11_2のように 6つの階層に分類可能となる.また,以上の分類に従い,合成変数「職業階層分類」を作成 した.

以下の表7-13は,職業階層分類の度数分布表である.有効回答98件中,階層Ⅱが27人

(27.6%)と最も多く,その次に階層Ⅴに22人(22.4%)のひとが属している.それ以降は,

階層Ⅲの20人(20.4%),そして階層Ⅳの17人(17.3%)となる.階層Ⅰと階層Ⅵに該当す る人数は著しく少ない.階層Ⅱ~Ⅴにはそれぞれ全体の2割程度の人びとが属しており,保 育所利用者は,主に,階層Ⅱ~Ⅴで構成されていることが分かる.

経営者、

会社・ 団 体役員

常時雇用 されてい る一般従

業者

パート・ ア ルバイ ト、派遣・

契約社員

自営業主 及びその 家族従業

無職( 学 生含む)

管理的職

業従事者 2(66.7%) 1(33.3%) 0(0.0%) 0(0.0%) 0(0.0%) 3(100%) 専門的・

技術的職 業従事者

1(2.5%) 27(67.5%) 3(7.5%) 9(22.5%) 0(0.0%) 40(100%) 事務従事

者 0(0.0%) 14(77.8%) 3(16.7%) 1(5.6%) 0(0.0%) 18(100%) 販売・

サービス 職従事者

0(0.0%) 5(17.9%) 11(39.3%) 12(42.9%) 0(0.0%) 28(100%)

無職 0(0.0%) 0(0.0%) 0(0.0%) 0(0.0%) 9(9.2%) 9(100%) 合計 3(3.1%) 47(48.0%) 17(17.3%) 22(22.4%) 9(9.2%) 98(100%) 職業分類

雇用形態

合計 表7 - 1 2 - 2 . 職業分類×雇用形態

階層Ⅰ 階層

階層

階層Ⅳ 階層Ⅴ

階層Ⅵ

度数

全体パーセ ント

有効パーセ ント

階層Ⅰ 3 2.6 3.1

階層Ⅱ 27 23.5 27.6

階層Ⅲ 20 17.4 20.4

階層Ⅳ 17 14.8 17.3

階層Ⅴ 22 19.1 22.4

階層Ⅵ 9 7.8 9.2

合計 98 85.2 100.0

表7-13.階層分類の度数分表

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表7-14.回答者の雇用形態と職業に基づく6つの階層と職業・職種

階層 雇用形態と職業の特徴 職業・職種

経営者又は管理職の専門・技術職 エステ会社の役員、会社経営、会社の監査

正社員の管理又は専門・技術職

臨床検査技師、オンラインゲーム運営、新聞社の編集、専 門学校教員、市役所部長職(健康関係)、銀行、出版社の DTPオペレーター、医師、税務、管理薬剤師、大学教員、

外資系IT事務、事業投資、建築設計、研究職

正社員の事務又は販売・サービス職

レシピ開発、飲食店接客、お惣菜の製造販売、一般会社員、

メーカー営業管理、スーパーのマネージャー、美容師、会 社(受付業務)、一般事務、飲食店調理、運送会社内勤、

製薬メーカー、総合商社、ビジネスコンサルティング、公 務員、歯科助手(受付業務)

不安定雇用の多様な職業層

ソープランド、風俗店勤務(コンパニオン)、飲食店接客、

サービス業事務、量販店のレジ係、事務職、ネイルサロン、

アイリスト、看護師、化粧品会社、医師、ジュエリー店販 売員兼制作員

自営の多様な職業層

ネイリスト、エステティシャン、飲食店、ホテル、ライブ ハウス等での演奏、バー、美容業、建設設計、web制作業、

マッサージ、美容室(接客)、事務、文筆業、弁護士、会 計監査、演奏家、弁護士、医師

無職 専業主婦

上記の表7-14は,保育所利用者の階層分類の特徴とそれぞれの階層にどのような職業,

職種が該当しているのかを示したものである.階層Ⅰは,「経営者又は管理職の専門・技術職」,

階層Ⅱは,「正社員の管理又は専門・技術職」,階層Ⅲは,「正社員の事務又は販売・サービス 職」,階層Ⅳは,「不安定雇用の多様な職業層」,階層Ⅴは,「自営の多様な職業層」,そして,

階層Ⅵは,「無職(専業主婦)」となっている.

保育所利用者は,以上のような職業と雇用形態の特徴をもった6つの階層から構成されてお り,階層Ⅱ~Ⅴの人びとで全体の約9割を占めている.そして,それぞれの階層には表7-

14で示したような多様な職業,職種の人びとが属している.

以降では,保育所利用者の収入について見ていくが,ここで示した6つ階層分類を軸とし て分析を進める.

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(4) 個人年収の度数分布

それでは,保育所利用者の収入の状況を職業との関連でみていく.そのため,収入につい ては,個人年収(q26)の値を使用する.以下の表7-15は,個人年収の度数分布表である.

全体で101件の回答者のうち,最も多い回答は「100万円未満」で,25人(24.8%)がこ のカテゴリーの世帯収入に属している.それ以降は,「200万円以上400万円未満」に回答し たのが18人(17.8%),「100万円以上200万円未満」に回答したのが16人(15.8%),「600 万円以上800万円未満」に回答したのが13人(12.9%),そして,「400万円から600万円未 満」に回答したのが11人(10.9%)となっており,それ以外の収入区分に回答したのは,10 パーセントを切る低い値になっている.回答者の個人年収は,金額区分のうえでの下位3カ テゴリー(100万円未満,100万円以上200万円未満,200万円以上400万円未満)で全体 の半数以上を占めており,回答者の個人年収は,低い傾向にあることが分かる.

(5) 職業階層と平均個人年収

ここでは,職業と収入の関係についてみるため,クロス集計表による分析をおこなう.表 7-17は,職業階層と個人年収のクロス集計表である.表7-18は,表7-17の結果に従い,

各階層の年収平均を算出して整理した表である.なお,平均年収を算出する際は,個人年収 の各金額範囲の中央値をとった.

度数 全体パーセ ント

有効パーセ ント

100万円未満 25 21.7 24.8

100万円以上200万円未満 16 13.9 15.8 200万円以上400万円未満 18 15.7 17.8 400万円以上600万円未満 11 9.6 10.9 600万円以上800万円未満 13 11.3 12.9

800万円以上1000万円未満 5 4.3 5.0

1000万円以上1200万円未満 5 4.3 5.0

1200万円以上 8 7.0 7.9

合計 101 87.8 100.0

表7-15.個人年収の度数分布表

100万円未満

100万円以上 200万円未満

200万円以上 400万円未満

400万円以上 600万円未満

600万円以上 800万円未満

800万円以上 1000万円未

1000万円以 上1200万円

未満 1200万円以上

0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0( 0.0%) 1 (33.3%) 2 (66.7%) 3 (100%)

1 (3.8%) 2 (7.7%) 3 (11.5%) 6 (23.1%) 8 (30.8%) 2 (7.7%) 2 (7.7%) 2 (7.7%) 26 (100%)

1 (5.0%) 3 (15.0%) 8 (40.0%) 5 (25.0%) 0 (0.0%) 1 (5.0%) 0 (0.0%) 2 (10.0%) 20 (100%)

5 (33.3%) 3 (20.0%) 4 (26.7%) 0 (0.0%) 2 (13.3%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 1 (6.7%) 15 (100%)

5 (29.4%) 6 (35.3%) 3 (17.6%) 0 (0.0%) 1 (5.9%) 1 (5.9%) 0 (0.0%) 1 (5.9%) 17 (100%)

6 (85.7%) 1 (14.3%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 7 (100%) 合計 18 (20.5%) 15 (17.0%) 18 (20.5%) 11 (12.5%) 11 (12.5%) 4 (4.5%) 3 (3.4%) 8 (9.1%) 88 (100%)

表7-17.職業階層と個人年収のクロス集計表

階層

個人年収

合計

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