• 検索結果がありません。

共振器直結型回路での実現

第 2 章 フィルタの古典設計理論 13

2.2 回路合成

2.2.3 共振器直結型回路での実現

ては吸収できるコンデンサが存在しないため,吸収による解決を図ることができ ない.したがって,入出力直近のインバータにおいては,入出力側に負性素子が 現れないインバータを用いる必要がある.そこで,図2.22に示すような等価回路 変換を考える.

G

C

-C

-C G

C

1

-C

2

図 2.22: BPFの入出力端でのJインバータの変換

ここで,端子から見た入力アドミタンスが等しくなるとの条件からC1,及びC2 は次の様に求められる.

C1 = ω0C ω0

√ 1

(ω0C G

)2 = J ω0

√ 1

(J G

)2 (2.104)

C2 = ω0C ω0

√ 1

(ω0C G

)2

= J ω0

√ 1

(J G

)2

(2.105) したがって,入出力段のJインバータJ1及びJ4を片側の負性素子が無い回路を 用いてBPFを構成したものを図2.23に示す.

これにより,全ての負性素子を隣接する共振器のコンデンサによって吸収する ことができ,実現可能な回路構成となる.

In Out

G

A

G

B

C

r1

L

r1

C

r2

L

r2

C

r3

L

r3

C

g11

-C

g12

C

g2

-C

g2

-C

g2

C

g3

-C

g3

-C

g3

C

g41

-C

g42

図 2.23: JインバータとしてC素子π型回路を用いた場合のBPF(入出力端に負性 素子が存在しない場合)

タとして,一般に用いられる構成に共振器直結型回路とスタブ形共振器を用いる 構成の2つがあり,本項では前者について説明し,後者は次項にて説明する.ま た,説明には具体例としてこれまでと同様に3段BPFを用いる.

共振器直結型回路は,共振周波数f0及び外部QQe,結合係数kを用いることに よって設計される.したがって,以降では結合係数k,外部QQeの順にその導出 方法を示す.

まず,結合係数kは,図2.21に示したJインバータとしてC素子π型回路を用 いた場合のBPFから求められる.ここで,図2.21に示したBPFにおける1段目 の共振器と2段目の共振器付近のみを図2.24(a)に示す.

そして,図2.24(b)に示すようにインバータの負性素子を隣接する共振器に吸収 させると,インバータ部はCr1Cr2が相互容量Cg2によって容量結合している相 互誘導回路の等価回路になる.したがって,これを相互誘導回路表示すると,図

2.24(c)となる.ただし,このときの結合係数k2は相互誘導回路の定義から

k2 = Cg2

√Cr1Cr2

= J2

ω0

√Cr1Cr2

(2.106) である.したがって,共振器の段間にあるインバータは全て結合係数を用いて表 現し直すことができる.

一方,入出力端付近は結合係数ではなく外部Qを用いて表現される.このこと を説明するために,図2.21のBPFにおける入力端付近のみを図2.25(a)に示す.

図2.25(a)において,インバータを介して入力端を見たときの入力電源の内部

C

r1

L

r1

C

g2

-C

g2

-C

g2

L

r1

L

r2

C

g2

C

r1

-C

g2

C

r2

-C

g2

C

r2

L

r2

L

r1

L

r2

k

2

C

r1

C

r2

(a) J C

(b) ! "#$&%'

(c) (%)+*,-./

図 2.24: Jインバータを用いたBPFの結合係数

コンダクタンスGAは図2.25(b)に示すように変換される.この回路はさらに,図

2.25(c)に示すように相互誘導回路で表わすことができる.ただし,この場合の外

部QQeAはその定義より

QeA = ω0Cr1

0Cg1)2/GA = ω0Cr1GA

J12 (2.107)

である.出力端側も同様の方法を用いて外部Qを用いて表現することができる.

以上の説明から,図2.21に示したBPFを,結合係数kと外部QQeを用いて表 現し直した共振器直結型BPFの回路構成を図2.26に示す.

図2.26に示したBPFから,設計によって導出された共振周波数f0,及び結合係 数k,外部QQeの3種類のパラメータを有する回路構造を実現することができれ ば所望の特性を有するBPFが得られる.ただし,一般にこれらのパラメータから 回路構造を特定することは困難であるため,通常は電磁界シミュレーションや実 験を行い,必要なkQeを実現する物理構造の検討をすることによって回路設計

In

G

A

C

r1

L

r1

C

g1

-C

g1

-C

g1

In

(

0

C

g1

)

2

/G

A

C

r1

L

r1

In

(

0

C

g1

)

2

/G

A

C

r1

L

r1

Q

eA

(a) J C

(b) J !"#%$&')(

*

+, -/.0 1

GA%2 3

(c) J 4 + Q5)6

図 2.25: Jインバータを用いたBPFの外部QQe

In

J

12

/G

A

Q

eA

f

0

Q

eB

k

2

k

3

f

0

f

0

J

42

/G

B

図 2.26: Jインバータを用いたBPFの共振器直結型回路表現

が行われる.