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スタブ形共振器への置換

第 4 章 楕円関数フィルタ 100

4.4 スタブ形共振器による構成

4.4.2 スタブ形共振器への置換

による特徴であり,図2.19に示したようにバターワースやチェビシェフ特性を用 いた場合は全て同じ共振器構成となっている.バターワースおよびチェビシェフ 特性は無極特性で,楕円関数特性は有極特性であることから,図4.14に示した回 路における2段目の共振器によって減衰極が実現されることが分かり,2つのLC 直列共振器の共振周波数が楕円関数特性から要求される減衰極周波数と一致する.

おけるサセプタンススロープパラメータの一致の条件から

Z21 =

l21

cos2β0l21 l22 cos2β0l22

tanβ0l21 tanβ0l22

vbd (4.124)

Z22 =

l22

cos2β0l22 l21

cos2β0l21

tanβ0l22

tanβ0l21

vbd (4.125)

bd = 2Cr21Cr22(Lr21+Lr22)2(Cr21+Cr22) (Lr21Cr21−Lr22Cr22)2

(4.126) l21 = πv

2

Lr21Cr21 (4.127)

l22 = πv 2

Lr22Cr22 (4.128)

として求められる.ただし,β0[rad/s] =ω0/vである.

1段目および3段目

2段目の共振器は楕円関数特性を実現する上で,重要な役割を果たしており,共 振周波数は勿論のこと,減衰極周波数にも注意が必要であるために,置換する共 振器の構成に大きな選択の余地はない.しかし,1段目および3段目の共振器につ いては減衰極周波数に関する要求はないため,2段目の共振器の場合と比較して置 換する共振器の構成に多少の選択の余地が存在する.ここでは置換するスタブ形 共振器として,短絡スタブ,または両端開放共振器,一端短絡共振器,両端短絡 共振器を用いる場合について検討を行う.

短絡スタブ

図2.27に示したように,LC並列共振器の最も単純な置換の1つとして短絡 スタブへの置換が考えられる.そこで,1段目および3段目の共振器を短絡 スタブへ置換する.図4.16に示すように変換すると,変換後の短絡スタブの 特性インピーダンスZ1[Ω]及びスタブ長l1[m]は共振周波数とサセプタンス

スロープパラメータの一致の条件から Z1 = π

0Cr1 (4.129)

l1 = v

4f0 (4.130)

と求められる.

Z 1 l 1 C r1 L r1

図 4.16: 1段目および3段目の共振器の短絡スタブへの置換

両端開放共振器

次に図4.17に示すように,2段目の共振器と同様の構成である両端開放共振器 を用いた場合について検討を行う.置換する共振器として,両端開放共振器を 用いると,この共振器の特徴として共振周波数の低域側及び高域側にそれぞれ 1つ減衰極を実現することができる.いま,2つの開放スタブで構成される共 振器を用いることによって発生する減衰極周波数をf1, f2[Hz](f1 < f0 < f2) とすると,置換後の各開放スタブの特性インピーダンスZ11, Z12[Ω]及び線

路長l11, l12[m]は次の式で計算される.

Z11 =

l11

cos2β0l11 l12 cos2β0l12

tanβ0l11 tanβ0l12

2vCr1 (4.131)

Z12 =

l12

cos2β0l12 l11 cos2β0l11

tanβ0l12 tanβ0l11

2vCr1 (4.132)

l11 = v

4f1 (4.133)

l12 = v

4f2 (4.134)

C r1 L r1

Z 11

l 11 l 12

Z 12

図 4.17: 1段目および3段目の共振器の両端開放共振器への置換

一端短絡共振器

一端短絡共振器を用いる場合について検討を行う.図4.18に示すような開放 スタブと短絡スタブで構成される共振器へ置換すると,通過帯域の高域側に 1つ減衰極が発生する.この減衰極の実現周波数をf1[Hz](> f0)とすると,

スタブの特性インピーダンスZ1[Ω]及び線路長l11, l12[m]は,

Z1 =

l11

cos2β0l11 + l12 sin2β0l12 2vCr1

(4.135) l11 = v

4f1 (4.136)

l12 = v 4

( 1 f0 1

f1 )

(4.137) と求められる.

C r1 L r1

Z 1

l 11 l 12

Z 1

図 4.18: 1段目および3段目の共振器の一端短絡共振器への置換

両端短絡共振器

両端短絡共振器を用いる場合についても同様に検討を行う.図4.19に示すよ うに,2つの短絡スタブで構成される共振器へ置換を行うと,この共振器の 基本特性によって,中心周波数の高域側に1つ減衰極を実現することができ る.このときの減衰極周波数をf1[Hz](> f0)とすると,各スタブの特性イン ピーダンスZ1[Ω]及びスタブ長l11, l12[m]は

Z1 = l11−l12 2vCr1 tan

( πf0

f1 )

(4.138) l11 = v

2f1 (4.139)

l12 = v 2

(1 f0 1

f1 )

(4.140) と求められる.

C r1 L r1

Z 1

l 11 l 12

Z 1

図 4.19: 1段目および3段目の共振器の両端短絡共振器への置換