ああいう安い品物は、たくさんださずに、かずが、きまっている
ことがわかりました。
きっと、これを「エサ」にして、おきゃくさんをよぴあつめて、
ほかの品物もかわせるつもりだな。
A君は、試食に熱中するだけではなく、試食のねらいに気づき、他の コマーシャルや広告に気づくようになっていったのである。おそらく、
その過程では友達の情報や教師の暗示なども参考になったであろうと思 われる。A君は周りから様々な刺激を受けながら、自らの問題を追求し ていったのである。そして、A君の興味は「裏方の仕事」へと向かった
のである。6)
今日、ぼくは、スーパーマーケットに、ししょくではなく、見学 にいきました。
そして、魚やさんの、うらのしごとばに、入れてもらいました。
そしたら、いろいろな物がありました。
①まず、ラップをかけるきかいがありました。
ぼくは、いちいち一つずつ手でかけるんだと思っていた。きか いだとすごく早いので、びっくりしました。
②ながしの中には、こおりがいっぱい入っていて、その中からか つおを出して、きっている人もいました。
ぼくが見ていると、1はずかしくて、手もとがくるっちゃうな」
なんて、いっていました。
③天井を見ると、青いケイコウトウがあって、そのまわりに、金 あみがはってあったので、きいてみたら、 「はえをころすでん三
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だよ」といいました。
はえが、金あみにとまると、しびれてしんでしまうそうです。
それから、ぼくがいちばんおどろいたことは、
④魚のあら(はらわた、しっぽや骨のこと)がいっぱい入ったポ リバケツが、いっぱいあったことです。
「これをどうするのですか」ときいたら、
「これをとりにくるせんもんの人がいるんだよ。そして、これは 石けんをつくるざいりょうだよ」
といいました。
ぼくは、こんなあらとかで、石けんができるなんて、びっくり
しました。
興味は「裏方の仕事」へと移り、A君は自主的に調べたり、観察した りしている。 「店づくり」に興味を見せなかったA君は、 「試食」から 様々なことに興味を持ち、進んで追求をし始めたのである。一人ひとり
の子供の経験を考慮に入れた教材を開発することは、子供の興味を生か し、自ら問題を追求し、解決していく子供を育成することにつながると 考えることができよう。
有田は、 「わたしは『追求の鬼を育てる』ということを、長年教育目 標にして努力してきた」7)と述べている。 「追求の鬼」とは、課題を進
んで解決していく能力を持った子供ということができる。「追求の鬼」
を育てるためには、子供の経験に応じた興味ある教材を提示することが 必要となる。ただ、興味ある教材を提供すればすぐに「追求の鬼」が育
つわけではなく、問題を解決するための能力を育てる必要があると有田 は考えている。まず、ある事物・事象から疑問や問題を見つける力を培
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っていく必要があるとする。自ら問題を発見するためには、子供はそれ までの経験をもとに考えるのであるから、教材は当然子供の経験に応じ た内容を含んでいなければならない。続いて、子供は発見した問題や疑 問を解決するために調べる能力が必要とされるのである。有田は、調べ るには資料活用力と思考力が必要であるとしている。電話をかけて聞い たり、市役所で資料を入手したりして問題解決のために役立てることが 資料活用力であり、資料を活用する際に必要となるのが思考力である。
そして、資料を調べた上で自分なりの判断をし、それを表現する力が必 要となるのである。このような能力を育てることを考慮に入れて、有田
は教材を開発するのである。
では、子供が意欲的に追求していくような内容のある教材の条件とは 何であろうか。有田は、次の4つの条件をあげている。
1つめの条件は、 「未知と既知の配分がうまくいっている教材」8》か どうかということである。未知の内容が含まれることによって子供は追 求しようとし、既知の内容があることによってそれをもとに思考したり 判断したりすることができるのである。未知の内容ばかりであれば、子 供は考える手がかりを得られず、興味を持つこともないといえる。既知 の内容ばかりだと、新しい経験が得られず、子供は追求しようとはしな い。仮に子供が興味を持ったとしても、その時だけの興味に終わり、経 験が深まることはないといえる。だから、子供が意欲的に追求するため には、子供の経験をもとに未知と既知の配分がうまくいっている教材が 必要となるのである。
2つめは、「めあて・見通しが立ち、自分なりの追求計画が立てられ、
取り組める教材」9)かどうかということである。めあて・見通しが立つ ということは、子ども自身に何が既知であり、何が未知なのかがわかっ