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第 5 章 社会ネットワークと DC との関係検証

6. ディスカッションとインプリケーション

与える」), 仮説H3d(「社会ネットワークの中心性は, 企業の再構築能力に正の影響を 与える」)が検証された。

る。

H3a 社会ネットワークの中心性は, 企業の環境感知能力に正の影響 を与える。

成立

H3b 社会ネットワークの中心性は, 企業の学習能力に正の影響を与 える。

成立

H3c 社会ネットワークの中心性は, 企業の統合能力に正の影響を与 える。

成立

H3d 社会ネットワークの中心性は, 企業の再構築能力に正の影響を 与える。

成立

出所:筆者作成。

本稿の冒頭に示した通り, 本研究の目的は, 中国の製造業を対象に社会ネットワークの 構成次元(強度, 異質性, 中心性)とDCとの関係を検討することであった。検証した通

り, 仮説1(1a-1d), 仮説2(2a-2d), 仮説3(3a-3d)がそれぞれ支持されたことで,

DCを構築され, 進化される要因として社会ネットワークの各次元(強度, 異質性, 中心 性)が重要な役割を果たすことが明らかになった。

以上を踏まえ, 本稿の理論的なインプリケーションは, 以下2点である。

第一に, 社会ネットワークの強度, 異質性, 中心性およびDCの4つの次元を先行研究に 基づいて中国の自動車産業に適用することができる変数を作成し, 実証的に明らかにした 点である。第二に, 中国の製造業において社会ネットワークの強度, 異質性, 中心性がDC に与える関係を明確化した。

第二に, 実践的なインプリケーションとして, 社会ネットワークの強度, 異質性と中心 性のいずれも, 企業のDCを構築, 進化させる過程において重要であることを明らかにし た。自社の研究開発だけではなく, 他社とのネットワークを構築, 維持することも企業に とって重要である。社会ネットワークの構成次元のうち, とくに, 社会ネットワークの強 度については, 中国の文脈において弱い関係より強い関係の方が企業にとって役に立つこ とはすでに確認した。分析の結果明らかになったことに基づけば, 企業が提携のパート ナーを発見し, 関係を維持する際に, 社会ネットワークのこらら3つの次元を考慮しなが ら行動することが重要である。

7.小括

本章では, 冒頭で構築したDCと社会ネットワークの各次元のあいだの関係の分析モデ ルを用いて, 次に,中国の製造業を対象としたアンケート調査の結果に対して, 統計分析 と考察を行った結果, 前章で提示した仮説1(1a-1d),仮説2(2a-2d), 仮説3(3a-

3d)が成立したことを判明した。

また本章ではSPSS 23.を用いて統計分析を行ったが, 以下の付録では, 異なる方法

LISREL 8.7を用いて, 共分散構造分析を行い以上の結果の検証を試みた。

付録

本章第2節で提示したモデルをLISREL 8.7でも検証した。その結果を添付する。

図5-2は社会ネットワークとDCの共分散構造分析モデルを示す。

図5-2社会ネットワークとDCとの関係のパス図(標準化係数)

図5-3社会ネットワークとDCとの関係のパス図(T値)

次の表5-26は, 図5-2,図5-3に示されている各パスの標準化係数とT値をまとめ, 一

覧にしたものである。

表5-26 社会ネットワークとDCモデルの検定統計量

パス 標準化係数 T值

NIN→EC 0.27 3.20

NIN→LC 0.38 4.72

NIN→INC 0.22 2.82

NIN→REC 0.23 2.64

NHE→EC 0.19 2.13

NHE→LC 0.22 2.61

NHE→INC 0.36 4.19

NHE→REC 0.35 4.76

NCE→EC 0.39 3.56

NCE→LC 0.29 2.90

NCE→INC 0.32 3.20

NCE→REC 0.26 2.42

出所:筆者作成。

表5-27は, T値とそれが対応する有意水準(P)80を示している。

表5-27 T値とP値の対応関係

T値 有意水準(P)

T>1.66 p<0.1(Pは10%で有意 )

T>1.98 p<0.1(Pは5%で有意 )

T>2.62 p<0.01(Pは1%で有意 )

通常, T値が1.98を上回る場合, 有意確率は0.05以上に達しているとみなされる。本論 で説明した通り, すべてのT値は有意であり, 因果関係があるということが共分散構造分 析の方法でも確認できる。

80 検定統計量のtFの値と, 統計量から導かれたp値と同じものである。

6 章 長安汽車における DC の形成・変化に社会ネットワークが