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福島第一原発敷地内と福島第一原発敷地周辺との地質層序対比

ドキュメント内 福島第一原発敷地とその周辺地域における (ページ 64-67)

第 3 章 福島第一原発の地下地質

3.5 考察

3.5.3 福島第一原発敷地内と福島第一原発敷地周辺との地質層序対比

以上で述べた福島第一原発敷地内の地質層序と周辺地域の地質層序との対応を,柳沢ほ か(2003),久保ほか(1990)の各セクション,佐藤ほか(2019b),敷地(「10 m盤」B-9孔 の柱状図を使用)および小良ヶ浜北(Fig. 2-2)の柱状図を使用し(Fig. 3-15),柱状対比を 行って確認した(Fig.3-16).

Fig. 3-15に示す範囲において,大年寺層は下位よりD1,D2,D4が分布する(久保ほか,

1990;柳沢ほか,2003).大年寺層最下位のD1は砂質シルト岩や砂質泥岩を主体とし,周辺

地域で確認されている火山灰層,例えば SF8.8,SF10,1,SF10.5(柳沢ほか,2003;高橋ほ か,2003)などが敷地内でもD1に挟在している(東京電力,1993;東京電力,2016b).こ れらの各火山灰層間の層厚は,南に行くほど厚くなる傾向が見られる(Fig. 3-16).D2は泥 岩を主体とし,敷地より北に約23 km離れたFig. 3-15の小浜,大甕,大塚,割羽迫(Fig. 3- 16の柱状図(a))では,全層厚が80 m以上に達し,火山灰層はD2下限のSF11からSF35ま でを挟在する.しかし,福島第一原発敷地内ではSF11(To22)とSF11に重なる砂質シルト 岩が,厚い所でも層厚2 mほどで分布するのみであり,地質断面の項で述べたようにSF11 まで削剥されD2は薄く残存しているか分布しない場所もある.

D4は,断続的に複数回起こった海底地すべりによりD4a,D4b,D4cの3つのユニットに区 分される(柳沢ほか,2003).敷地の南側(Fig. 3-16の(g)地域)において,北側(Fig. 3-13 の柱状図(b)・(c)・(d))でD4aは分布せず,D4bがD2に直接重なるとしている.敷地内でも,

D4bの火山灰層であるSFα(To23)が分布することから,敷地の北側と同様にD4bが直接D2

に重なると考えられる.各ユニットの下底は海底地すべり面であり(柳沢ほか,2003),下 位層を削剥している.敷地内では前述したようにD2が分布しない場合があることや分布し ても層厚が約 2 m と薄いことから,海底地すべりによる削剥は敷地付近でもっとも大きく なると考えられる.

敷地内に分布する中粒砂層Ⅰ・Ⅱは,最大層厚が約20 mで,SFαよりも10~13 m上位に 分布する.この中粒砂層と2章で詳述した南相馬市南部の未固結砂層(佐藤ほか,2019b)

とは,次のような層相の類似点がみられる;①中粒砂だけで無く細粒~粗粒砂で構成されて いる,②固結度が低い,③不規則な泥質層の挟在が見られる,④とくに下部の中粒砂層Ⅰに は乱堆積の層相を示す部分がある.また,未固結砂層は,D4bのSFγが堆積した以降に形成 されたチャネルを埋積した地層であるが,チャネルの底に当たる所は下位のD2境界から上 位10 mほどになることが,佐藤ほか(2019b)の地質断面図から読み取れる.このような層 位関係は,敷地のD2境界と中粒砂層Ⅰ・Ⅱとの層位関係と矛盾しない.このように,南相 馬市南部の未固結砂層と敷地の中粒砂層Ⅰ・Ⅱは対比される可能性が高く,中粒砂層Ⅰに挟 在する不規則な泥質層は,未固結砂層最下部で確認できたスランプ堆積物(佐藤ほか,

2019b)との類似が考えられる.

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Fig. 3-15 福島第一原発周辺と敷地内における層序セクション位置

柱状図位置は,久保ほか(1990),柳沢ほか(2003),東京電力(2016b),佐藤ほか(2019b;2021b)をも とづく.それぞれのセクションでの柱状図は,Fig. 3-16での層序対比に使用された.

Locations of stratigraphic sections around FDNPS and inside FDNPS area

They were based on Kubo et al. (1990), Yanagisawa et al. (2003), TEPCO (2016b) and Sato et al. (2019b; 2021b).

Geological sections made at these sections were used for stratigraphic correlation in Fig. 3-16.

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Fig. 3-16 周辺地域と原発敷地との柱状図対比【佐藤ほか,2021b】

周辺地域の柱状図(a),(c),(d),(g)は柳沢ほか(2003)をもとに作成.柱状図(b),(e),(f)の凡例はFig. 3-6 参照.SBは海底地すべりブロックを示す.SF+番号は,

柳沢ほか(2003)と東京電力(2016b)をもとに対比した火山灰層を示す.

Correlation of the columnar sections between the surrounding areas and the site of FDNPS【Sato et al., 2021b】

Columnar sections (a), (c), (d) and (g) of the surrounding areas were based on Yanagisawa et al. (2003). The legend of columnar section (b), (c) and (f) refers to Fig. 3-6. SB indicates submarine sliding block; SF with numbers

indicates volcanic ash layer which was correlated based on Yanagisawa et al. (2003) and TEPCO (2016b).

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