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第 3 章 福島第一原発の地下地質

3.3 研究手法

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3.3.2 詳細な層相を反映したボーリング柱状図の作成

本研究では,敷地内の地下地質を公表された柱状図を使用して対比するため,柱状図に記 載された記事(色調,固結度,混入物等の特徴など)を参考にした.記事の中には,層序を 組み立てるために必要な地層の層相や火山灰,化石等が記載されているため,記事の詳細な 記載を読み取り,地層区分の検討を行った.公表された一部の柱状図には,コア写真が付属 しているものがあったため,その場合は記載とコア写真を比較して整合性を確認した.もと の柱状図の地層区分を再検討し,記事の特徴からより詳細な対比を行った上で柱状図を作 成し直した.作成した柱状図の例をFig. 3-5に示す.柱状図の記事欄には,粒度,色調,固 結度の他に葉理等の堆積構造,礫種や礫径,偽礫の混入,炭質物や化石,軽石等の混入物,

急激な逸水等の事項についても深度と一緒に記述されている.

Fig. 3-5 作成した柱状図の例 (H25J-4)【佐藤ほか,2021b】

右の凡例は,柱状図を作成する際に使用したすべての層相の項目を示す.柱状図の横幅は土粒子の大きさ を示し,色や模様によって土質や混入物(炭質物,化石,生物擾乱等)を示している.

Example of columnar sections (H25J-4)【Sato et al., 2021b】

The legend on the right shows all the stratigraphic items used in creating the columnar sections. The width of each facies indicates the size of soil particles, the color indicates soil texture, and pattern indicates the inclusions (e.g., coal

materials, fossils, biological disturbances, etc.).

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3.3.3 敷地に隣接した夫沢川での地質調査

夫沢川は,原発敷地境界の南側を北西から南東に流れ太平洋に注ぐ,河川延長6.2 kmの 二級河川である(Fig. 3-6).敷地から近い場所で地質調査ができる露頭が存在するのは,こ の夫沢川河床と河川沿いのみである.もっとも敷地に近い露頭は,「35 m盤」H26S-5孔(Fig.

3-8,B-B’断面の最南端地点)から南に約100 mの距離であり,地質断面の整合性を露頭で

確認するのに適していると考えた.調査は,2018年5月および2019年6月に計4日間にわ たり,調査地域が避難困難区域であるため大熊町から公益目的の立ち入り許可を得て行っ た.

敷地内のボーリング柱状図の記載やコア写真の詳細な読み取りによる地下地質解析に加 え,敷地に隣接した夫沢川の地質調査を行うことで地下地質層序の整合性を確認し,柱状図 資料のみの敷地内の地下地質データを補強し,地質層序の解釈を行った.夫沢川沿いの露頭 でも火山灰層を採取し,採取した火山灰層と地層の層相との関連から層序を決定した.火山 灰の分析方法については先に第2章で述べた通りであり,本章では割愛する.

Fig.3-6 夫沢川位置図

黄色のシンボルは,火山灰採取地点を示す.露頭名は西から,Appendix table 2-1,2-2の夫沢川中流(Fig.

3-11f地点),夫沢川下流(Fig. 3-11d地点),夫沢川下流-2(Fig. 3-11b地点)である.

Route map at the downstream of the Ottozawa River

Yellow symbol indicates sampling location of volcanic ash layer. The outcrop names are, the midstream of the Ottozawa River (Loc. f: Fig. 3-11), the downstream of the Ottozawa River (Loc. d: Fig. 3-11), and the downstream-2

of the Ottozawa River (Loc. b: Fig. 3-11) from west to east shown in Appendix tables 2-1 and 2-2.

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ドキュメント内 福島第一原発敷地とその周辺地域における (ページ 44-47)