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理科教育における観察の機能に関する 実験的研究(第14報)
一虫めがねによる観察における観察方法の指示効果一
自然科学教育研究室 高 野 恒 雄
§1.研究の意味
§2.調 査 方 法
(1)調査 対 象
②観察方法の指示の与え方
§3.調査結果と考察
(1)観察記録の実例
② 観察得点に見出される効果
(3)各観察点の観察率に見出される効果
(4)学業成績,知能との相関
§4.結 論
§1.研究の意味
前報において,虫めがねによる像の変化の観察についての実験的調査とその分析を行な い,その特質をかなり明瞭にすることができた。本報においては,この虫めがねによる像 の変化の観察において予め観察方法を指示しておいて被検者に観察させた場合,これまで と同様著しい観察方法の指示効果がみられるかどうかを検しようとの意図のもとに,実験 的調査を行ない結果を分析してみたのである。
虫めがねによる像の変化の観察において指示する観察方法は,これまでの場合といくら か性格が異なり,ある意味ではつくりにくいといえる。つまり各観察点の観察を個々に促 進するような観察方法の指示はできないのである。そうすれば観察方法を指示するという よりは,観察結果を教示してしまうことになるからである。したがって観察方法の指示は あくまで全体的,概括的にし,被検者がなるべく明確な観点を把握しやすいように示唆し たわけである。調査の結果,観察方法の指示効果の特質を明らかにすることができたので
ある。
§2.調 査 方 法
(1)調 査対 象
茨城県西茨城郡岩間町立岩間第一小学校,4年生2クラス84名,6年生2クラス95名,
計179名。
(2)観察方法の指示の与え方
前報における観察問題,すなわち虫めがねによってみる新聞活字の像が,虫めがねの移 行にともなって変化する過程の観察を被検者に行なわせる前に,予め第1表のような観察 方法の指示をしておいたのである。
第 1 表
指示レた観察方法
虫めがねを目から紙まで動かしていくと,途中で紙の字の姿が,いろいろに変るから,
み落さないように,よく観察することが大切です。
このとき,紙と虫めがねを,なるべく平行にしながら,虫めがねを目から次第に離して 紙に近ずけていき,特につぎの点に注意して,観察してください。
(1)ぼんやりみえるか,はっきりみえるか,何もみえないか。
(2)大きくみえるか,小さくみえるか,実物と同じ大きさか。
(3)字がさかさにみえるか,まっすぐにみえるか。
ここで指示した観察方法は,前述のようになるぺく観点を把握しやすいように概括的な 示唆を行なうに止まり,観察点そのものを暗示するようなことは全然ないわけである。観 察時間は前報と同じく40分である。
なお被検者の観察記録を評価する際は前報,第1表にのべてある採点基準によって行な い,一つの観察点を観察できる毎に1点を採点した(観察を完全に行なった場合は10点と
なる)。
§3.調査結果と考察
(1)観察記録の実例
虫めがねによる像の変化の観察において,観察方法を指示した場合,小学生の被検者は どのような観察をしているかを個別的にみるために,実際の観察記録をあげてみる。4年 、
カ,6年生各1名のものである。
まず4年生の女子児童のものをあげる。学業成績は5段階法で全教科3,理科4である。
「(1)いちばんはじめは,よくみえないが,ただ目でみるのと同じようにみえる。虫めがねが紙にす こしちかずくと,おおきくみえてくる。
② 字が二じゅうにみえたり,あかくなったり,しろくなったりしていたら,なにもみえなくなっ
た。
⑧ だんだん虫めがねを目からはなしていくと,小さい字がさかさにはっきりみえる。
㈲ さかさの字と字のあいだが,だんだんひろがっていくようにみえる。
高 野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第14報) 147 字もおおきくなった。
(5)虫めがねをまたうごかすと,ぼんやり,ぐじゃぐじゃに字がおおきくみえたら,くろくみえて なにもみえなくなった。
⑥ こんどは,おおきく,はっきり字がみえる。まっすぐにかいてある。スイング,ジャズ,リス ト,ピアノなど,おんがくの字がおおきくみえる。
(7)だんだん,字がちいさくなってきて,虫めがねを紙につけたら,ほんとうの字とおなじだ。」
この観察記録においては,「はっきり」,「おおきく」,「さかさに」, 「まっすぐに」など という像の姿の表現が比較的多く明瞭であるのは,観察方法を指示したためかと考えられ る。②で「字が二じゅうにみえたり,あかくなったり,しろくなったりしていたら,なに もみえなくなった。」とあり,また15)で「ぼんやり,ぐじゃぐじゃに字がおおきくみえた ら,くろくみえて,なにもみえなくなった。」 とあるのは,観察点3と観察点7というい ずれも視野一面に何もみえなくなる状態の観察を表現しているわけであり,虫めがねの紙 に対する角度によって,全く何もみえない状態の前後にここで記録されているような混乱 した像の姿がみえるのである。また(6)で「スイング,ジャズ,リスト,ピアノなど,おん がくの字がおおきくみえる。」 とあるのは,この児童のもっている新聞紙片の中央にちょ
うどこのような音楽番組の予告が印刷されていたわけである。この記録を前報にのべてあ る採点基準によって採点すると,観察点1,2,3,5,6,7,8,9,10を見出して いることになり,観察得点は9となる。最高得点ではないが,かなりまとまりのあるすぐ れた観察記録といえよう。
つぎは6年生の男子児童のものをあげる。学業成績は全教科3,理科4である。
「α)虫めがねを目につけてみると,字のところだけが黒くぼんやりしている。大きさは実物と同じ
だ。
② 虫めがねを紙にすこしちかずけると,黒くぼんやりした字が大きくみえる。
⑧ もうすこしちかずけると,ぼんやりしたのが,うすくなってきた。もっとちかずけると,こん どはなにもみえなくなった。
㈲ 大きく黒い線が,ぼやけてみえてきた。さかさのようだ。
(5)それが,はっきりしてきたら,小さくなった。
(6)また大きくみえてきた。やっぱり,さかさだ。
(7)字が大きくみえ,ぼやけてきたら,赤っぼく,へんなふうになった。なにもみえなくなってし まった。
(8)虫めがねをもっとちかずけると,大きく,はっきりした字が,まっすぐにみえてきた。
(9)ちかずけると,だんだん字が小さくなった。
⑳虫めがねを紙にすれすれにちかずけると,字が小さくなり,実物と同じにみえた。」
この観察記録は,よく整理されているのが特ちょうである。表現はあまり豊かではない が,観察すぺき要所をかなり適確にとらえている。記録の項目の数も,見出しうる観察点 全部の数と同じ10になっている。(7)で「赤っぼく,へんなふうになった。」 とあるのは,
▲.
前述の通り観察点7の視野一面がみえなくなる状態の前後にみられる混乱した像を,表現 しているわけである。この記録を採点基準によって採点すると,観察1から10まで全部見 出していることになり,観察得点は満点の10となるQもちろん最高得点の一人である。
以上の例にもみられるが,観察方法を指示した場合には,全体的に整理されたまとまっ た観察をする傾向があり,観点の把握にむだがなく,かなりすぐれた観察記録になるよう に感じられる。
(2)観察得点に見出される 第1図 観察得点分布
効果 絢
@虫めがねによる像の変化の観察に ィいて,観察方法を指示した場合の人 30 マ察得点と人数との関係を図示する
@ 数
3 、「 亀f 、
W 啄 e 、
鍵灘聯濤驚乙布との間にどのような差異があるかを比較的に図示すると,4年生につ oいては第2図,6年生については第 」 、
@ 、
@ 8 、
@ 8 、
@ 、 、 8 覧
3図のようになる。 00
!2
覧哿j989ρ第2図 観察得点分布の比較(4年生)
第1図からわかるように,観察方
勿 一一…一 柔し拙、 法を指示した場合の得点分布は4年
へ 指赤した 生と6年生とで,よく似ている。4
ボ゜
Q)ZO
年生の場合の人数の山は得点5にあ
@ り,6年生の場合の山は得点6にあ
@ 〆へ〆 \ るが,最高得点は両学年とも満点の1 \
I \ 1・であり,最低得点は両粋とも48 、
、
h・ である。また山の高さはほぼ同じで
0
あり,得点分布のタイプが全体的に
f〆」̲ よく似ているのである。
6・ノ2 マ第膜ク} 7 〃@ 観察方法を指示しない場合と比較 してみて,まず両学年に共通してい
ム
高 野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第14報) 149 えることは,観察方法を指示した場 第3図観察得点分布の比較(6年生)
合には指示しない場合に比べて低得
点者の大巾な減少がみられ(特に4 40 一一一一一一 ス示しない
年生においてははげしい減少を示し キ旨示した
人ている),低得点者に大きな観察方 30
法の指示効果があらわれているので数 AIノノ@\
あるが,高得点者の増加は箆かであ 観o ) , 、 C @ 、 V 、
P \ り,高得点者にはあまり指示効果が 、
f 、
P \ 認められないことである。このこと !o
、 f 、 f 、 f 、
は,これまであつかってきた観寮に ノ 、@ノ 、 、 一一一
!
おける観察方法の指示効果と大体共 o 通の性質である。 ゜!z
もう一つの大きい差異は,両学年とも観察方法を指示した場合は,山の高さが指示しな い場合よりはるかに高く,孔点分布が集中していることである。このことを,観察得点の 標準偏差の形で比較してみると第2表のようになる。
第2表 観察得点の標準偏差の比較
\ 1指示しない 1指 示 した
4 年 生 { 1.4 6 1 1.34 1 1
6 年 生 1 1. 6 5 1. 3 7
第2表から,標準偏差の値においても,両学年とも観察方法を指示した場合は指示レな い場合に比べてかなり小さく,はっきりした差をもっており,観察得点の集中の度が強い ことを意味している。それからこの易合,全体的に4年生の方が6年生より標準偏差が小 さく観察得点がより集中しているといえる。低学年は比較的個人差が少なく,高学年の方 が個性の発達とともに個人差が大きくなり,観察得点の分散化となってあらわれているも のと考えられる。
つぎに観察方法を指示した場合の平均観二得点を求めてみると,第3表のようになる。
第3表 平均観察得点の比較
い年生(指示した) 6牲(指示した)i6年生4耽
}
j 1 ・.74 5・87 1 … 2
女 6.0 7 1 一U. 5 7 1. 0 8
全体 5・86 1 6.22 ・.・6
女/男 …6 …21
この表から,男女金体としては4年生の平均観察得点は5.86,6年生は6.22であって,
比率はかなり低い値の1.06倍であることがわかる。観察得点の年令差が小さいということ は,観察方法の指示効果が低学年の4年生に強くあらわれていることを意味する。
この平均観察得点を,指示しない場合のそれと比較してみると,4年生については第4 表,6年生については第5表のようになる。
第4表 平均観察得点の比較 (4年生)
i4年生(指示し姻 ・年生(指示した)暫した/指示しな、、
男 1 4.36 5・74 ・.32
女 4.9 1 6.07 1。24 1
全体 ・・62 i ・・86 ・・27
女/男 …3 …61
第5表 平均観察得点の比較 (6年生)
6牲(指示しな叫6靴(指示した)獅した/指示しな、、
男 1 ・… 1 5・87 1 ・・22
女 6.54 6.57 1 1.01
全 体 5.65 1 6.22 1 1.10 1 1
女/男 ・・36 … 2 1
これらの表から,4年生においては観察方法を指示しない場合の全体の平均観察得点が 4.62なのに対して,指示した場合は5.86で1.27倍となり,6年生においては指示しない場 合が5.65なのに対して,指示した場合は6.22で1.10f音となることがわかる。これまであつ かってきた観察の場合と比べるとその比はあまり大きいとはいえないが,いずれもはっき
りした観察方法の指示効果をあらわしている。Stude撹のt検定を行なってみると,4年 生においては危険率1%,6年生においては5%で,得点問に有意差が存在することがわ かるのである。
前にもふれたが,観察方法の指示効果はより低学年の4年生の方が6年生よりかなり大 きい。この傾向はこれまであつかってきた観察の場合にも一般にみられたものである。ま た4年生における得点比1.27という値は,第3表における年令差を示すところの6年生と
4年生の得点比1.06および前報においてのぺた指示しない場合の6年生と4年生の得点比 1.22のいずれよりも大きい。すなわち4年より6年への2年間の年令差よりも観察方法の
高 野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第14報) 151 指示効果の方が木きいことがわかるのである。
それから得点比は両学年とも男子の方が女子より大きい。すなわち男子の方により大き く観察方法の指示効果があらわれている。したがって観察方法を指示しない場合には観察 得点の男女差がある程度大きく女子が優位をしめていたのが,指示した場合にはずっと接 近して差が小さくなるわけである。
(3)各観察点の観察率に見出される効果
虫めがねによる像の変化の観察において観察方法を指示した場合,各観察点についてそ の観察点を観察できた被検者は全体の被検者の何%にあたるか(観察率)を,4年生と6 年生について示したのが第6表である。
第6表 各観察点の観察率(%)の比較
観察点}4牲(指示した) 6年生(指示した)16年生/4年生
1 9 1. 9 9 1. 3 1. 0
2 67.6 82・6 t …
3 7・.3 1 89・… 34 i … } 6・・i ・・8
5 35.・ 1 23・… 7
6 「 ・・.・ 1 8・7 ・・8
7 32.4 1 ・a2 1 ・・6
9 1 89・2 84・8 …
10 8 1. 1 8 2. 6 1. 0 ; [
第6表から,大体において4年生より6年生の方が観察率の高い観察点が多いことがわ かるが,その差の程度はいろいろであり,また逆に低いものもある。6年生と4年生の観 察率の比の目立って大きい,すなわち年令差の大きい観察点は観察点7と観察点3などで あるが,この二つの観察点はいずれも視野一面に何もみえない状態であり,前報の観察方 法を指示しない場合にも年令差は最高であった。前報にものぺてあるように,有形の像が みえないので低学年の方が把握しにくく,高学年になるにしたがってより客観的な観察を 行なえるようになるためと考えられる。
つぎに,観察方法の指示効果が各観察点の観察率においてどのようにあらわれているか をしらべてみると,4年生については第7表,6年生については第8表のようになる。
第7表 各観察点の観察率の比較(4年生)
観察点 ・牲(指示し如・年生(指示した)脂示した/指示臨、
1 4 6. 8 9 1. 9 2. 0
・ 1 57・4 i 67・6 ・・2
3 1 38・3 7・・3 ・・84 6. 4 8・・ 1 ・・3
5 3 6. 2 3 5. 1 1. 0
6 i … 6 i … 8 … 7 1 27・7 1 32・4 ・・2
8 1・・… 一・ …
9 1 78・7 i 89・2 …
10 59.6 i 81.1 1.4 i
第8表 各観察点の観察率の比較(6年生)
観察刺6靴(指示しなの 6牲(指示した)i指示した/指示臨、
・ 1 85・7 1 g・・3 i …
2 8 1. 6 I r 8 2, 6 1. 0
3 6 9. 4 89.1 [ 1.3 1
・ 1 … 6・・ 1 ・・6 5 28・6 1 23・9 ・・8
6 8・・ 1 8・7 【 …
7 57・・ 1 52・2 1 … 8 1 98・・ ・・・・・ …9 7 5. 5 8 4. 8 1. 1
・・ 1 55.・ 82・6 …
この二つの表から,両学年とも観察方法を指示した場合の観察率と指示しない場合の観 察率との比の形で示した観察方法の指示効果はかなり大きいといえる。大部分の観察点に ついて,観察率の比は1より大きい値となっている。
そこでまず両学年に共通して観察方法の指示効果の大きい観察点をあげると,観察点3,
4,10である。観察点3(活字の像は全くみえなくなる。)については,指示した観察方 法の中で「(i)ぼんやりみえるか,はっきりみえるか,何もみえないか。」 とあり,この何 もみえない状態に対する注意が一段とはたらくようになったため,観察できたのであぢ う。同じ何もみえない状態である観察点7には指示効果があまり出なかつたのは,観察点
高 野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第14報) 153 3の方が観察順序の始めの方にあらわれまたそのあらわれ方が観察点7の場合より認めや すいことによるのであろうと考えられる。
観察点4(ぼんやりはしているが,拡大された倒立の活字の像が,かすかにみえてく る。)は最もむずかしい観察点であるが,指示した観察方法の「(3)字がさかさにみえるか,
まっすぐにみえるか。」によって倒立の像に注意をよびおこされ,「②大きくみえるか,小 さくみえるか,実物と同じ大きさか。」 で像の大きさに関心をもつようになり,かすかに みえてくるこの観察点の内容を,次第に把握できるようになったものと考えられる。しか
し同じ倒立の像についての観察点6(倒立した像が縮小して,はっきり認められる。),お
よび観察点6(倒立の像が再び拡大する。)においては指示効果がほとんどあらわれない
のは微妙である。
観察点10(虫めがねが紙に接触すると,実物大の正立した活字がみえる。)については 指示した観察方法の「虫めがねを目から紙まで動かしていくと」や「虫めがねを目から次 第に離して紙に近ずけていき」によって,目から紙までの問の全コースをたんねんに念を 入れて観察し,紙に接触するまでみ落さずに注意を配るようになったと解される。また指 示の②の終りにある「実物と同じ大きさか」という言葉が効果的だったのではないかと思 われる。
これに反し,比較的観察しやすい観察点8(拡大された正立の像が,はっきりみえる。)
や観察点9(虫めがねが紙に近ずくにしたがって正立した像は縮小する。)などは,その 観察しやすさの故に観察方法を指示されなくてもかなりよく観察できるので,指示効果と
してはほとんどあらわれなかったものと考えられる。
(4)学業成績,知能との相関
観察方法を指示した場合の観察得点とこれらとの間の相関係数を求めてみると,第9表 のようになるQ
第9表 観察得点との相関係数
〜\一
S年生1・年生
全教科成副 +…21+・・42 、
理科成績 +…gl+・.43
!知 能1+…2 +・・38
4年生,6年生を通じて,前報の指示しない場合と同じように,いずれも学業成績の方 か知能より相関が高いことがわかる。しかし学業成績の中では理科成績との相関が全教科 成績との相関より高いのは,指示しない場合と逆である。この理由については一概に断定
はできないが,指示しない場合にはかなり綜合的な機能を必要としたが,指示した場合に は指示の助けによってその必要性が減少したものと解してもよいであろう。
§4.結 論
以上は,虫めがねによる像の変化の観察において観察方法の指示効果がどのようにあら われるかという点に絞って,実験的調査を行ないその結果を分析したものであるが,大約 つぎのようなことが認められた。
(1)観察方法の指示効果は,指示のしにくさにも関係して,これまであつかってきた観 察の場合に比べてあまり大きいとはいえないが,検定の結果はっきり存在するといえる。
(2)指示効果は特に低得点者の減少の形で強くあらわれ,高得点者に対する効果はあま り大きくない。そのため得点分布の集中化がみられる。また指示効果は低学年の方が強く あらわれる。
(3)観察方法の指示効果は,2年間の年令差よりも大きく観察得点の上昇となってあら われることが認められた。
終りにのぞみ・本研究の調査に便宜をはかられた茨城県西茨城郡岩間町立岩間第_.小学 校の職員の方々に,心から感謝の意を表する。