理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第31報)
問題解決過程における観察の寄与(1)
高 野 恒 雄
(1979年10月17日受理)
Experimental Studies on the Function of Observation in Science Education(31):
Contribution of Observation to Problem Solving(1)
Tsuneo TAKANO
(Received October l7,1979)
Abstract
The degree of the contribution of observation to problem solving is in一 vestigated. This concerns the reasoning of cause as to the difference of the exothermic reaction between two sequences of the dilution of sulphuric acid by water. The effective contribution of observation in this problem
・・1・i・gis c・nfi・m・d・t th・・t・g・・f g・a・pi・g th・p・・bl・m and・f thinki兵9 of the cause of the difference of exothermic reaction. The conclusion ls that it is important to combine observation and conceptual thinking in the process of problem solving。
§1 研究の意味
本研究の第28報(礁蘭け襯点の意味.、l!こおいて,観察を促進するため「ものの見方」
をどう形成すべきかという問題意識のもとに,観察における「観点」の果す役割を本研究の第27報 までの実例について検討し,観点の持っている選別の機能と有機化の機能を柱に11種の観点に分類 した.第29熱お、、ては創造的観の様式拷え,雛の例として第・・報のヨウ素の観点におけ るスライドによる観点の暗示効果を検討し,霜の結晶の多様な姿についての視聴覚的な把握がヨウ素 の結晶についての観点を示唆するはたらきを認め,類似による類推の基礎的な様式の例としてとらえた。
前3。繰おいては,前々報の観察が主として空間的姻点のもとに対象をとらえてし・ることを考 え,これと対照的に時間的な観点に立つ観察の場合はどのような事清にあるのかを振り子の観察の場 合について調べ,時間的な観点による観察は空間的な観点による観察に比べて著しく困難であること が明瞭になった。
本報においては問題解決過程における観察場面を扱い,問題解決の必要感による観点の模索はどの ように行われるかを追求してみた。問題解決の目標は観点の発見にどう結びつくか,どんな影響を与 えることができるか,問題解決過程において観察はどれだけの寄与をなすことができるのか,それは どんな場合に強く表われるのかを,具体的な問題場面の中で調べてみた。
§2 問 題 与えた問題は,つぎのようなものである。
「濃硫酸から希硫酸をつくるとき,水に濃硫酸を注いで希釈すべきで,濃硫酸に水を注ぐと液が擾 ね散って危険であるから注意を要する。
この場合,同じ濃硫酸と水という二つの物質を混合させるのであるから,いずれの場合も発熱とい う現象が起こることでは変わりがないのに,加える順序が逆になるだけで,一方の場合が安全で,他 方の場合が危険なのは何に原因するのであろうか。」
この問題を与える問題状況は,言語的に与える場合と,なまの現象を観察させながら言語で与えて いく場合とあるが,その与え方は次項の調査の仕方のところでのべる。
§3 調 査方 法
(1)調査対象
茨城大学教育学部1年生,3グループ,計122名。内訳はAグループ40名,Bグループ41 名,Cグループ41名。
上の問題は中学生や高校生にはかなりむずかしし問題のようである。この問題を解決するのに必要 な知識は中学生でも持っている内容であるともいえるが,問題の文脈の中でそれを使い生かしていく ことはむずかしい。そこで今回はまず大学1年生を対象として調査した。なお,今後本研究と同種の 調査を高校生,中学生,小学生にふさわしい内容で行っていく考えを持っていることを付記しておき
たい。
(2)調査の手順
①Aグループ
つぎのような手順で,問題を与え,解答を求め,ヒントを与え,再び解答を求めるという流れ で調査した。
問題
↓………1次思考(概念的,観念的に原因を探究する思考)
1次解答(20分間で提出させる。)
ォ概念でヒントを与える。(下記)
↓………・…・・2次思考(使用すべき知識を問題に結びつける思考)
2次解答(15分間で提出させる。)
ォ図で問題の焦点を示す。(下記)
↓ ………3次思考(使用すべき知識を問題のイメージ構造に結びつける思考)
3次解答(15分間で提出させる。)
概念ヒソト
「この原因は,つぎの二つの事実に関係が深い。
1.硫酸と水とでは,硫酸の方が密度が大きい。
a 硫酸と水とでは,硫酸の方が沸点が高い。」
図ヒント
硫酸@↓ 水
水 硫 酸
第 1 図
はじめに,§2で示した問題を言語的に与える。ここでまず第1次の思考が行われる。問題状況を 頭の中にえがき,水と硫酸の加える順序の違いによる危険さの違いが何に起因するのかを思案する。
加える順序の違いはどんなところで,どんな側面に違いをもたらすのか,それはどんな現象を起すか と考えていく。この考え方は概念的,観念的に原因を探究する思考といえよう。
ここで1次解答を求め,集めてしまってから,概念でヒントを与える。ヒントで示す二つの事実は,
問題の現象に密接に関係することで,原因を考えるのに有力な支えになる。
2次解答を集めてから,図によるヒントを与える。これは,これまでに原因を考えつかない者に思 考の焦点化を進めさせるために,水と硫酸が出会う肝腎の場所を指示し,発熱したその部分がつぎに
どうなるだろうかと問い,思考の方向を示唆するヒントである。
② Bグループ
問 題
↓・…………・……・1次思考(概念的,観念的に原因を探す思考)
1次解答 (20分間で提出させる。)
ォ
観察
↓………2次思考(概念的,観念的にある程度絞った原因のありかについての意識の 2次解答 (15分間) もとに事象の中に原因を探す探究的思考)
観 察:試験管(太めのものがよい)に%程度の濃硫酸を入れ,上からピペットで水を引き続き 滴下し,液が擾ね上って試験管壁に付着する様子を観察する。
つぎに加える順序を逆に同様の操作を行い,観察する。
①と同じ1次思考,1次解答を経て,観察に入る。まず濃硫酸に水をピペットで引き続き滴下し,
液が機ね上るのを見て沸騰現象を認め,それが下方では起きずに上方局部で起こることから,熱が集 中する事実に気づいていくことが期待される。
つぎに水に濃硫酸を滴下し,発熱した液の部分が下方にすう一っと流下してしまうことから,熱が 拡散していく事実に気づいていくことが期待される。
③ Cグループ
問題と観察
↓………1次思考(事象の中に原因を探す観察にもとつく探究的思考)
1次解答(20分間)
@↓
ト観察
↓・………・・2次思考(観察の中である程度気づき考えた原因について再観察の中でもう 2次解答(15分間) 一度吟味し,新しく気づいた事象を原因に結びつける探究的思考)
@↓
T念でヒントを与える。
………・………・・R次思考(2回の観察でも原因に結びつく現象に明瞭には気づくことができ
なかった者が,使用すべき知識を問題に結びつけて観察経験から
↓ 原因を探す思考)
3次解答(15分間)
今度は,はじめに問題を与えるときに,同時に事象の観察をさせるのである。事象を観察しながら 問題をつかむともいえる。これまでのA,B両グループの場合は,はじめに問題をつかむとき,いず れも概念的,観念的に問題をつかむのであるが,このCグループでは問題の意味を言語的につかむと 同時になまの事象を観察するので,問題の把握の仕方は強さと深さを増すと期待される。
つぎに1次解答を経て,再観察をし,2次思考に入る。この再観察においては,原因についての探 究的思考をしている過程で,さきに観察した事象をもう一度観察し,前より立ち入った観察をするこ とによって現象からヒントをつかもうとする構えに応じようとするものである。重ねて行う観察によ って問題解決が一段と促進されることが期待される。
ついで,Aグループの2段階目と同じ概念によるヒントを与えて,それまでの2度にわたる観察経 験と結びつけ,解決をさらに促進しようとしたのである。
(3)評価法
正答を説明するための図を,つぎに示す。
硫 酸 水←
̲↓/ノ
/1\
/」\
/ 1 \
〆 + \
水 硫 酸
アの場合 イの場合 第 2 図
アの場合
硫酸が水の表面に落ちて,発熱し,熱い硫酸水溶液ができる(図の斜線部)。ところが硫酸は水よ り密度が大きいので,もちろん硫酸水溶液も水より密度が大きい。密度が大きいものは,より密度の 小さい水の中を下へ落ちていくのが自然である。したがって,いったん熱い水溶液となった部分は,
すみやかに水中を落下し,周囲に分散して温度の均一化に向かうと考えられる。だから特定の一部分 に熱がこもって,特別の高温度になることはないであろうと推論できる。
イの場合
硫酸の表面に水が落ちて発熱し,いったん温度の高い硫酸水溶液ができるというところまでは,ア の場合とまったく同じであるが,今度の場合には,密度のより大きい硫酸の上に,より小さい硫酸水 溶液が浮かぶ形になるので,下へ落下することなく,したがって熱の分散は行われない。
さらに,もうひとつの条件として,そのように後から後から水が落ちてきて温度上昇をした硫酸水 溶液の部分は,ついに沸点に達する。なぜならば,硫酸水溶液は水よりも沸点が高く,硫酸よりも沸 点が低いはずなので硫酸の沸点に達する前に斜線の部分の沸騰が起こると考えられる。したがって,
沸点に達した硫酸水溶液は急激な膨張をするので,まわりの硫酸もともに容器の外部にまで飛び散っ てしまうであろうと推論できる。
以上のような説明ができるわけであるが,評価する場合は,硫酸と水の密度のちがい(前記の概念 ヒント・1にのべたこと)によるア,イニつの場合の比較ができているとき1点,沸点のちがい(概 念ヒント・2にのべたこと)による説明ができているとき1点,したがって計2点を満点として採点
した。
なお,不十分な説明しかできていない場合でも,アの場合とイの場合の比較の視点はつかめている と判断できるときは,0.5点を与えた。
ところで,学生の中には,上記の密度と沸点のちがいによる説明の外に,比熱のちがいを取りあげ て説明しようとする者がいるが,長期間を経て現われる現象ならいざしらず,この場合のように瞬間
的に起こる沸騰現象が現われるか否かという問題においては,比熱の影響は水と硫酸の加える順序の ちがいにもとつく危険の有無を説明する因子にはならないと判断できるはずであるので,除外した。
また学生によっては,硫酸と水との分子間結合力とか水和熱などの概念を持ち出して説明する者もい るが,これらの概念と関連する現象は二つの場合に全く共通して起こる現象であり,二つの場合のち がいを説明する因子とはなり得ないことは,いうまでもない。
§4 調 査 結 果
(1)平均得点
上記のような評価方法で,2点満点の採点をした結果を平均得点で示すと,第1表のようになる。
また,この結果を100点満点に換算して示すと,第2表のようになる。
第1表 平均得点(2点満点) 第2表 平均得点(100点満点)
グループ段階
A B C グループ段階 A B C
1次解答得点 0.20 0.19 0.28 1次解答得点 10.0 9.5 14.0
2次解答得点 0.94 0.75 0.93 2次解答得点 47.0 37.5 46.5
3次解答得点 1.14 1.62 3次解答得点 57.0 81.0
ここで,AおよびB グループの1次解答得点がほとんど同点に近いのは,調査方法でのべたように 問題の与え方が第1段階では全く同じであることによるのであるが,このことはグループの構成メン バーが平均得点からみて同程度であることを示しているといえよう。
(2)各グループの得点分布
今度は,各グループの得点が,0点から0.5,1,2点(1.5点の者はいなかった)にどんな分布 を示しているかをみるために調べてみると,第3〜5表のようになる。
第3表 Aグループの得点分布(%)
段階 得点 0点 0.5点 1点 2点 1次解答 72.1 16.3 11.7 0.0
2次解答 41.6 0.0 23.4 35.6 3次解答 25.4 0.0 34.6 39.8
第4表 Bグループの得点分布(%)
段階 ん点 0点 0.5点 1点 2点
1次解答 82.1 6.1 8.0 3.9 2次解答 25.7 16.1 50.3 8.0
第5表 Cグループの得点分布(%)
段階 得点 0点 0.5点 1点 2点 1次解答 69.1 9.5 19.1 2.4
2次解答 2.4 31.7 63.5 2.4
3次解答 2.4 9.5 19.0 69.1
第3〜5表の結果をグラフで示すと,第3図〜5図のようになる。
、。客
Bグループ
9G 90
Aグルー一プ
80 80 、、
70
、噺、、
60 50 S0
、、、 へ、
̲ / \ 、
、y \ /
\ / \、 、
30 \,次\ // 3° /
2次\ / \
20 P0
鞍\\一グ @ 2°
\誌/ \@ N> \、
@ と一一一一一一一...一.一鳶
0
軸、 、 、
@ 、 0
0 05 1ρ 1β 20点 0 0.5 1ρ 15 20点
第 3 図 第 4 図
10 go
8 Cグループ
76
、、、・、 〈
5
430 ・、 /
̲/ \
20
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/ \、
ィ\ノ /\\、 \、
10 、f3@ \\\ 、 、 喝
00 05 1ゆ 15 20点
第 5 図
§5 結果の考察
はじめに第1,2表をみて印象的なことは,AおよびBグループの第1段階のようにヒントも観察 の機会も与えないでただ問題に直面させると,意外といってもよいほどの低得点を示すことである。
100点満点で10点前後である。このことは,この種の原因探究ということは仲々にむずかしく,
ある程度の知識を持っていてもそれが問題解決に結びつかず,困難をきわめるものであると考えられ
る。
しかし,学習した知識が真に役立つのは応用場面であり,真の学力というものはこのような場面で 働らくものでなくてはならない。したがって問題解決能力を養うための方策を求めることは,大変重 要なことであると改めて感じさせられるのである。
(1)観察なしの場合
ここでまず,観察なしの場合について考察しておき,その後で観察の寄与について考察することに する。
①概念ヒントの効果
Aグループの2次解答得点は,観察なしで概念ヒントを与えた場合の得点を示しており,1次 解答得点との差は概念ヒントの効果を意味する。第2表,Aグループをみるとわかるように,100点 満点で1次の得点が10.0であるのに対して,2次の得点は4ZOであり,著しい効果といえる。この
ことは,概念ヒントで与えた密度と沸点についての水と硫酸のちがいの事実が,直載的に原因探究の 思考の方向を示唆したものと考えることができよう。
ただここで注意しなくてはならないのは,高得点者が増加する反面,0点の人数がその割りに減少 しないことである。つまり第3表にあるように1次で0点が721%いたのに対し,2次では41.6%
であるから,ヒントを与えた割りには減少していないと思われるのである。
したがって,概念ヒントの効果は,一部の者に相当の効果を与えるとともに,効果を与えない者も かなり多数存在するという結果になっている。ヒント効果のない者と著しい者とに分裂している。つ
まり,概念ヒントを受けとめてそれを生かすのにはかなりのレデイネスが必要といえよう。
このレデイネスについては,解決に必要な知識や経験を以前に学び取るときの学び方が大いに関係 しているものと考えられる。このことは追求を要する,教育上重要な問題であろう。
②図ヒントの効果
第1表,Aグループの3次解答得点をみると,2次の場合よりある程度の得点上昇(100点 満点で10点)を示している。図で思考の焦点を示唆しているのでその効果は納得できるものである が,それでも0点の減少はそれほどでない。第3表によると依然として25.4%の者が0点であり,そ
の意味では,この図ヒントも概念ヒソトの効果と似た傾向を持っているといえよう。
(2)観察の寄与
①観察だけの効果
観察をさせて,また考えさせたとはいっても,特別なヒントは何も与えていない。ただ観察に 直面させただけである。しかし,その効果は大きい。第2表,Bグループでは,100点満点で1次 でa5点だったのが,37.5点1まで上昇している。なまの現象を観察することの効果は予想以上に大
きいといってよいであろう。
そして,興味あることに,概念ヒントの効果に比べると低得点者にも,高得点者にも,効果を表わ し,ほぼ全面的に上昇していることが,第4表,第4図からわかる。概念ヒントの場合のような効果 のない者と著しい者とへの分裂がみられないのである。ここに観察の効果のすぐれた特徴が読みとれ るわけである。
②再観察の効果
第2表,Cグループの1次解答得点をみると,14.0であり,A, Bグループの10点程度の 得点よりも高い。つまり観察をしながら問題を与えられるということは,効果的である。ただ,何し
ろ問題把握段階であるから,解答にすぐ結びつけることはかなりむずかしいので,特に大きな効果と はいえない。
しかし,2次で再観察した場合は,46.5まで著しい向上を示している。このことから,ヒントは なくとも,観察を重ねることの効果が非常に大きいことを結論づけている。しかも,この場合の特徴 は第5表,第5図からわかるように,2次解答において,0点が激減していることにある。全面的に 得点上昇するという非常に効果的な結果をもたらしているのである。
③再観察後の概念ヒントの効果
第2表,Cグループ3次解答の81.0という平均得点は,今回の調査においては,最高点であ る。100点満点で81という点は大部分の者に大きな効果を与えたといえよう。しかも第5表,第5 図でわかるように,満点の者が6a1%に及び,0点は2.4%にすぎない。全面的に効果ありといえ
る。
観察しながらの問題把握,考察からの再観察,また考察してからの概念ヒントという過程は,この 調査で最高の効果を示したのである。このことから観察の効果と概念ヒントの効果とが相乗的に働ら いたものと考えることができよう。
§6結 論
問題解決過程において,観察がどれだけ有効な寄与をなし得るものかを調べるため,濃硫酸を水で 稀釈するとき,濃硫酸を水に注ぐのは安全であるが,水を濃硫酸に注ぐのは急激な沸騰現象を起こし
て危険である事実を取り上げ,水と硫酸の加える順序のちがいだけでこのような危険の有無をもたら す原因はどこにあるのかという問題を大学1年生に投げかけ,その問題解決に寄与する方策を実験的 に比較検討した。その結果は,大略つぎの通りである。
(1)観察なしで問題解決をさせる場合は,水と硫酸の密度と沸点についての事実,すなわち概念に よるヒント効果が大きいことがわかった。この効果の特徴は,効果の著しい者と効果のない者にある 程度分裂する傾向が大きいことである。また,図によって思考の焦点を示すヒントの効果もかなりの 程度の大きさを示すことがわかる。
(2)なまの観察をする場合は,観察だけの効果でも相当に大きいことがわかった。そしてその効果 の特徴は,低得点者が大巾に減って,高得点者が大巾に増えるという全面的な促進をもたらすところ にある。
また,問題を与える段階で観察しながら,問題を把握することもある程度の効果を示すが,考察し てから再観察すると,一段と大きな効果を及ぼすことがわかった。
さらに再観察後に,概念によるヒントを与えると,観察と概念ヒントの相乗効果が働らき最も大き
な効果を示した。
㈲原因探究という本報での問題解決過程においては,観察の効果(再観察をふくめて)と概念に よるヒント効果を適宜組み合わせて用いることが最も有効であることがわかった。つまり,はじめに 現象の観察をしながら,問題把握をなし,考察し,つぎに再観察し,また考察し,つぎに概念ヒント によって考察するという過程は,問題解決を著しく促進することが認められた。
(本研究の内容は,1979年8月25日,日本理科教育学会全国大会(於神戸大学)において研究
発表してある。)
注
1)高野恒雄 「理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第28報)一観察における観点の意味(1)二1
『茨城大学教育学部紀要』25号1975年,pp.23〜32.
2)同 上 「理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第29報)一観察における観点の意味(2)一」
『茨城大学教育学部紀要』26号.1976年,pp.43〜51.
3)同 上 「理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第30報)一観察における観点の意味(3)一」
『茨城大学教育学部紀要』28号,1978年,pp.13〜20.