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博 士 ( 獣 医 学 )徐 光 源

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Academic year: 2021

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博 士 ( 獣 医 学 )徐    光 源

    学 位 論 文 題 名

    Genetic and Developmental Study     of Tatteredhokkaido( ヱ ー'dhomouse

Tatteredhokkaid。 (Tdho)マ ウ ス に お け る 遺 伝学 的お よぴ 発生 学的 研究 ]

    学位論文内容の要旨

  遺 伝 性 疾 患 マ ウ ス が 、 系 統 維 持 過 程 に お い て 偶 然 発 見 さ れ た 。 本 疾 患 マ ウ ス は 皮 膚 に 痂 皮 が 生 じ 、 優 性 ・ 伴 性 遺 伝 を 示 し て 雄 個 体 が 生 ま れ な い と い う 特 徴 を 持 つ こ と か ら 原 因 遺 伝 子 がX染 色 体 上 に 存 在 す る も の と 推 定 さ れ た 。 し か し 、 詳 細 な 遺 伝 子 解 析 は 行 わ れ て い な か っ た の で 、 初 め に マ イ ク 口 サ テ ラ イ ト マ ー カ 遺 伝 子 を 利 用 し て 本 疾 患 マ ウ ス の X染 色 体 上 で の 位 置 を 解 析 し た 。 そ の 順 序 は 、 X染 色 体 の セ ン ト 口 メ ア 側 か ら (Tdho働 鮒 鰡 丶 儺Mと 駈 、 以 鮒 と | 乃 ) ― 倣 鮒 と | ガp 働コ町舶卆嬲コ町と|口チロむW簡チ仍噺と|ウ伊ぬコ灯甜.ワ.ぢであった。このマウスの遺伝子の 位 置 と 臨 床 症 状 が Z択 ウ ス と 類 似 し て い る こ と か ら 、 複 対 立 遺 伝 子 n加 と 名 付 け た 。 尉 マ ウ ス はX線 照 射 に よ り 人 為 的 に 誘 導 さ れ た 変 異 で あ る が 、 触 ° マ ウ ス は 自然発症変異という違いがある。

  発 生 学 的 に 異 常 雄 胎 子 は125日 目 で 正 常 胎 子 と 同 様 に 生 存 し て い た が 、145日 目 に は 死 亡 し て い た 。 雄 胎 子 を 組 織 学 的 に 観 察 し 致 死 の 原 因 を 検 討 し た 。 さ ら に 触 ° の 異 常 に 関 連 す る 遺 伝 子 群 を 解 明 す る 目 的 で 、 妊 娠125日 目 の 正 常 雄 個 体 と 異 常 雄 個 体 と を 用 い PCRselectcDNAサ ブ ト ラ ク シ ョ ン 法 を 行 な っ た 。 NM

( 正 常cDNAか ら 異 常cDNAを 弓 「 い た 群 ) か ら 得 ら れ た88ク 口 ー ン 中 、6ク 口 ー ン の 胎 子 ヘ モ グ 口 ビ ン 関 連 遺 伝 子 ( zetaお よ びepsi10nhemog10bins) が 検 出 さ れ た 。 一 方 、MN群 ( 異 常cDNAか ら 正 常 cDNAを 引 い た 群 ) の 88ク 口 ー ン 中 、19ク 口 ー ン の 成 熟 ヘ モ グ 口 ビ ン 関 連 遺 伝 子 (alphaお よ びbetahemog10bins) が 検 出 さ れ た 。 二 つ の 群 で 同 一 遺 伝 子 は 検 出 さ れ な か っ た 。 ま た グ 口 ビ ン 遺 伝 子 の ノ ー ザ ン 解 析 の 結 果 、 正 常 雄 個 体 と 異 常 雄 個 体 の 間 で 胎 子 お よ ぴ 成 熟 ヘ モ グ 口 ピ ン 遺 伝 子 に 明 ら か な 発 現 差 が 認 め ら れ た 。 さ ら に 組 織 学 的 検 索 か ら 、125日 目 の 異 常 雄

(2)

胎 子 で胎 子 型赤 血 球の 細 胞死が 観察された 。以上の所 見から、血 球形成異常 が

Tdho

マウス雄胎子に生じていることが推察された。

  Tdho

の複 対立遺伝子 てある刪め 原因がEbp (

Emopamil binding protein

)の変 異 によると同 定されたこ とから、Tdho の原 因遺伝子も

Ebp

であ ると考え、 その可 能 性 を検 討 した 。

Tdho

マウ スの

Ebli伝子には2

箇所の点 突然変異が 検出され、

EBP

の第

3

番目 膜 通過 部 位の

2

つの ア ミノ 酸 が 置換 し てい る ことが認め られた。

すなわち、132 番のleucine カsproline に、133 番のserine カscysteine に置換してしヽ た 。ノーザン プ口ット解 析により、

Ebp

遺伝子 の発現量は 正常胎子と 異常胎子の 間 で差は認め られなかた 。このこと から、Tdho マウス の

EBP

は 機能欠損夕 ンバク で あると推定 された。ガ ースク口マ トグラフイーを用いた解析から、正常雌個体 の血液中には通常検出されないcholesterol の中間代謝産物であるcholest −8 (9 )ー

en

3

ロ一01 が 、Tdho 異常雌個体 に蓄積して いることが 明らかにさ れた。一方、

cholesterol

と7 ―

dehydrocholesterol

の濃 度は正常雌個体と異常雌個体の間で差 が なかった。 以上の結果 に基ずき、 雄異常胎子の致死と血球異常、雌異常個体の 痂皮との関連を議論した。

  

人 の疾患であ る

X

一linked chondrodysplasia punctata (

CDPX2

) も最近Ebp 遺

伝 子の変異に 起因することが報告され、その臨床症状がTdh °マウスのように皮膚

に 痂皮が生じ 、優性・伴 性遺伝を示 して雄個体が生まれないという特徴を持つこ

と が報告され た。CDPX2 と

Tdho

マ ウスの原因 遺伝子の一 致と臨床症 状も似ている

こ とから、Tdho マウ スはヒトの 本疾患の有 用なモデルマウスであると今後期待さ

れる。

(3)

学 位 論 文 審 査 の 要 旨 主査   教授   渡辺智正 副査   教授   斉藤昌之 副査   教授   梅村孝司

副査   教授   林   正信(酪農学園大学)

     学 位 論 文 題 名

Genetic and Developmental Study of Tatteredhokkaido ( Tdho ) mouse

[Tatteredhokkaid。(耐カッマウスにおける遺伝学的および発生学的研究]

  系統維 持過程に おいて偶 然発見さ れた遺伝性 疾患マウ スは、皮 膚に痂皮 が生じ、 伴性 遺 伝を 示 し て雄 個 体が 生 まれ ないとい う特徴を持 つことよ り原因遺 伝子がX染 色体に存 在する ものと推 定された 。マイク 口サテライ トマーカ ーを利用 して、染 色体上て の位置 を 解析 し た とこ ろ 、X染色 体 の セン ト 口メ ア 側2番 地に 同定さ れた。こ の位置お よび臨 床 症 状 が Tdマ ウ ス と 類 似 し て い る こ と か ら 、 複 対 立 遺 伝 子Tdね と 名 付 け た 。   異 常 雄 胎子 は 妊娠12.5日 目 では 生 存し て い たが 、14.5日目 には死亡 していた 。Tdね の異常 に関連す る遺伝子 群を検索 する目的で12.5日目の正 常雄胎子 と異常雄 胎子を用い cDNAサ ブ ト ラ ク シ ョ ン 法 を 行 な っ た 。 正 常cDNAか ら 異 常cDNAを 弓 【 い た 群 か ら 得 ら れた ク 口 ーン の 中に 、 胎 子グ ロ ビン 遺 伝 子が 検 出さ れた 。一方、 異常cDNAから 正常 cDNAを弓「 いた群の ク口ーン の中に、 成熟グロビ ン遺伝子 が検出さ れた。グ ロビン遺伝 子のノ ーザンブ ロット解 析の結果、正常雄胎子と異常雄胎子間で発現に差が認められた。

ま た組 織 学 的検 索 から12.5日 目 の異 常 雄胎 子 で 胎子 型 赤血球の 細胞死が 観察され た。

  Td遺 伝子 の 原因 がEbp (Emopamil binding protem)の 変異に由 来すると 同定された ことよ り、丁dん 。の原因 遺伝子もEりであると考え、その可能性を検討した。丁dA。マウ ス のEり 遺 伝 子 に は2つ の 点 突 然 変 異 が 検 出 さ れ 、EBPの 第3番 膜 貫 通 部 位 の ア ミ ノ 酸 が 置 換 し て い る こ と が 確 認 さ れ た 。 す な わ ち 、132番 のLeuProに 、133番 のSer がCysに 置 換 して い た。 ノ ー ザン ブ ロッ ト 解 析よ り 、Eり遺伝子 の発現量 は正常胎 子と 異 常胎 子 の 間で 差 が認 め られ なかった 。この結果 、丁dA。マ ウスのEBPは 機能欠損 夕ン バクで あると推 定された 。コレス テ口ールの 中間代謝 産物の定 量から、 通常検出 されな いcholestー8(9)−en‐3p‐olが丁dA。異常雌個体の血液中に蓄積していることが明らかと なった 。したが って、丁d^。マウスはEり遺伝子に突然変異が起こり、コレステ口ールの 代謝異 常により 、雄胎子 の致死、 血球異常お よび皮膚 異常が生 じるもの と推定さ れた。

ヒ ト の 疾 患 で あ るX1inkedchondrodysplasiapunctataEBP遺 伝 子 の 変 異 に 起 因 することが最近報告され、その臨床症状は丁dん。マウスと類似している。このことから、

(4)

丁dA 。マウスはヒトの有用なモデルマウスと詮りうる。

  

以上のように、本論文はX 染色体上のE り遺伝子に起因する新たな疾患マウスを発見

し、ヒトのコレステ口ール代謝異常のモデル動物となりうることを明かにしたものであ

り、獣医実験動物学への貢献は大である。よって、審査員一同は、徐光源氏が博士(獣

医1 の学位を受ける資格が十分あると認めた。

参照

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