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博 士(獣 医学) 百田憲司

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Academic year: 2021

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博 士(獣 医学) 百田憲司

    学 位 論 文 題 名

Studies on theinMbitoryacdutyofg―endmod伍ed 母 】a珊nedChohgodeoXynucle而desagむnsthuman   immunode蚯CienCyuruStyp争linfeC60n励 び め 勿

(グアニン塩基に富む5 末端修飾オリゴ核酸の 抗ヒト免披オく全ウイルス1型活性に関する研究)

  本 論 文 は、 エ イ ズ 治 療 の一 助 となる 新規抗 ヒト免 疫不 全ウイ ルス

(HIV)剤の 開発を 目指 し、修 飾オリ ゴ核酸 のin vitroでの抗HエV活 性を評価しつつ活性向上に向けた誘導体の改良およびそのウイルス増殖 阻害メカニズムを探索した研究をまとめたものであり、以下の三章からな る。

  第 一 章 で は 修 飾 オ リ ゴ 核 酸SA−1042の 抗HIV活 性 に 関 す る 研 究 をまとめた。  本探索研究の当初の目的は、ウイルス由来のDNAおよび RNA、更にウイルス蛋白質の翻訳レベルでのウイルス増殖阻害効果を示 すアンチセンス核酸の同定であった。標的部位としてウイルスの転写を強 く促進させるTat夕ンパクをコードする遺伝子に着目し、オリゴ核酸分 子保護の目的で、同分子内5 末端にジメトキシトリチル(DmTr)基の 修飾を施したアンチセンスオリゴ核酸を設計した。tat遺伝子上の標的 部位に対して相補鎖を有する配列の異なる様々な5 末端修飾オリゴ核酸 を 合 成 し 、感 染MT−4細 胞の 細 胞変 性効果 の阻害 を指標 とし た抗HIV 活性測定法を用いて評価した。その結果、抗HIV活性が強くかつ細胞毒 性 が 弱 い 修 飾 オ リ ゴ 核 酸SA―1042(5 ‐DmTr‑TGGGAGGTGGGTCTGー

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3 ) が 選 択 さ れた 。 こ のSA−1042の 抗HIV活性 は 、 その5 側のグ アニン 塩基に 富む配 列(5 ‑TGGG‑3 )に依 存していた。さらにSA‑

1042の 抗HエV活 性 に はDmTr基 が 必 須 で あ っ た 。 そ こ で 活 性 増 強 の目的 で様々 な5 末 端修飾 基を用 いてSA−1042誘導体を合成し、母 化 合 物 で あ るSAー1042と の 活 性 を 比 較 し た 所 、DmTr基 で 修 飾 さ れたSA一1042より 強い 活性を 示す誘 導体は 認め られな かった 。次に SA―1042の 阻 害 作 用 機 序 を 探 る目 的 で 本 物 質の ウ イ ル ス の増 殖 サ イクルにおける阻害ステップを調べた。しかしながら、期待されたアンチ センス効果による阻害は認められず、本物質はウイルス増殖サイクルの初 期段階である吸着侵入ー融合段階で阻害することが示唆された。一般にデ キストラン硫酸に代表されるウイルスの吸着侵入に関与する吸着阻害剤 は、異なるウイルス株間での感受性低下が問題視されている。そこで、シ ンシチ ューム 形成能 の異 る新鮮 臨床分 離株10株と実験室標準株5株に 対 す る SA−1042の 感 受 性 を 、 ヒ ト 活 性 化 リ ン バ 球 とHeLaCD4 陽性細胞を用いて評価したところ、一株を除き高い抗HエV活性が認めら れた。従って本物質は、異種株間に於ても、またトロピズムの異なる株間 に 於 て も 十 分 な 効 果 が 発 揮 さ れ る も の と 期 待 さ れ た 。   第 二 章 で は 修 飾 オ リ ゴ 核 酸SA一1042の 抗HIV作 用 メ カ ニ ズ ム に関 す る 研 究 をま とめ た。第 一章の 結果よ り、SA―1042の阻 害作用 点はアンチセンス効果とは異なり、HIVの増殖過程の初期段階の阻害が 示唆されたことから、そのうち、吸着から宿主細胞染色体への挿入までの 過程を中心に探った。薬剤接触時間に対する影響を調べた所、ウイルス吸 着 時 にSA−1042を 共 存 さ せ た 場 合 に は95% 以 上 の 感 染 が 抑 制 さ れた が 、 ウ イ ルス 吸 着1時 間 後にSA―1042を感 染 細 胞 に接触 させて もプロウイルスDNAのシグナルに変化みられなかった。そこでウイルス

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吸 着 時 に 働 く ウ イ ル ス エ ン ベ ロ ー プ タ ン パ ク のgp120と そ の 宿 主 側 受 容 体 で あ る CD4夕 ン ノ ヾ ク と の 相 互 作 用 に 及 ぼ すSA一 1042の 影 響 を 、 抗 体 を 用 い た 結 合 阻 害 試 験 に よ り 調 べ た 。 そ の 結 果 、SA一 1042は gp120に 働 き CD4に 対 す る 作 用 を 阻 害 す る こ と が 示 唆 された。

  ま た 、 SA― 1042が グ ア ニ ン 塩 基 に 富 む (G一 rich) 配 列 を 有 し てい ること に注 目し、 相補 鎖とは 無関 係なグアニン三連続塩基配列を有 す る DmTr修 飾 15量 体 に つ い て 活 性 を 検 討 し た 結 果 、 SA― 1042 と 同 等 な 活 性 が 認 め ら れ 、 さ ら に こ の よ う なG−rich配 列 は あ る 高 次 構造をとることが示唆された。

  第 三 章 で は グ ア ニ ン 四 重 鎖 構 造 を 形 成 す る5 末 端 修飾 抗HIV活性 の 至 適 最 小 配 列 の 同定 に 関 す る 研 究 を まとめ た。 第一章 の研 究から 、SA− 1042の 活 性 は 5 末 端 修DmTr修 飾 基 に 隣 接 し て い る 三 連 続 し た グ ア ニ ン 塩 基 配 列 から な る 特 異 的 な コ ア配列 (5 ‑TGGG‑3 )に依 存し た 活 性 が 示 さ れ た 。 そ こ で 本 章 で は 、SA―1042の 活 性 に 必 要 な 至 適 最 小 配 列 を 求 め る た所 、 コ ア 配 列 を 含 む5 末 端修 飾 六 量 体 (5 ‐DmTr‑

TGGGAG一3 ) に 、SA一1042と 同 等 な 活 性 が 示 さ れ た 。 第 ー 章 と 同 様 に 活性 増強の ため 、5 末端修 飾基 の最適 化を行った。5 末端修飾を施し た19種 の 置 換 基 のう ち 、3,5‐ ジ ベ ンジ ル オ キ シ ベ ン ジル (DBB)基 が 最 も 優 れ 、 そ の 抗 HIV活 性 はSA一 1042の 約 2倍 で あ っ た 。 次 に 活 性 に 必 須 な 最 小 配列 を 求 め る た め 、 最適修 飾基 を含む 六量 体(5 ‑DBB‑

TGGGAG‑3,)の3 側を削ったオリゴマーについて検討した所、母六量体よ りも活性は劣るが四量体のコア配列(5 ‐DBB‐TGGGー3 )が最小鎖長である ことが判明した。

  至 適 最 小 配 列 を有 し 最 適5 末 端 修 飾基(DBB)と3 末端修 飾基 の2ー ヒ

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ドロキシエチルフ オスフォリル基(p‑HE)で両末端を 保護された六量体 Rー9528 8(5 ‑DBB‑TGGGAG−pHEー3 )につしゝて、NMR,CDスペク トル解析を行いコンピューターグラフイクにより平行な四重鎖構造を有 する三次構造モデルを推定した。また5 末端修飾基を含む六量体(5 ・ DBB‑TGGGAG‑3 )に於いても、五面のグアニン四量体と一面のアデニン四 量体からなる平行な四重鎖構造が予想された。しかし5 末端修飾基を持た な い 六 量 体 、d(TGGGAG) で は 四 重 鎖 構 造 も 形 成 せ ず 抗HエV活 性 も示さなかったのヮ、5 末端修飾基は活性と高次構造形成に必須であると 考えられる。これらの構造活性相関の研究により、本誘導体の活性には、

四重鎖構造とその5 末端に修飾を施した疎水基の両者が必須であること が示唆された。

  以 上の結果から、5 末端修飾G―richオリゴマーは、 特異的な高次 構 造 を 形 成 す る こ と に よ り HIVのgp120と 相 互 作 用 し てCD4や その他のHIV受容 体への結合を阻害し、ウイルス増殖の初期過程である 細胞への吸着侵入ー融合段階を阻止するものと結論した。このように5 末端 修飾G一richオ リゴ マーは、ユニー クな作用メカニズ ムを有する 新 規 抗 HIV活 性 物 質 で あ り 、 今 後 の 臨 床 応 用 が 期 待 さ れ る 。

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主査教授斉藤昌之 副査教授小沼   操

副 査 教 授    高 島 郁 夫 副査教授大塚栄子ぼ淳研究m

    学位論文題名

Studies on theinMbitoryacdutyof5‐endmo(駈ed gumn争 nChoHgodeOXynude而deSagainstbuman   imnlunode丘cienCyViruStゾpe‐1infeCdon励ぴヵァD

(グアニン塩基に富むぎ末端修飾オリゴ核酸の 抗ヒト免疫で仝ウイルス1型活性に関する研究)

  本 論 文 は 、 ヒ ト 免 疫 不 全 ウイ ル ス (HIV)に 対する 薬剤 の開 発を 目指 して 、各 種の オリ ゴヌ クレ オチ ドの 抗HIV活性 とそ の作 用機 構を 調べ た研 究成果をまとめたもので、

全体で3章から構成されている。

  1章 で は 、HIVウ イ ル ス の 転 写 を 促 進 す るTat蛋 白 質 を コ ー ド す る 遺 伝 子 に 着 目し 、こ れに 対す るア ンチ セン スオリゴヌクレオチドを合成して、その活性を調べた。

そ の 結 果 、 グ ア ニ ン 塩 基 に 富む15量 体 の5 末 端をジ メト キシ トリ チル 基で 保護 した も の (SA1042) が 、 細 胞 毒 性 が 弱 く か つ 抗HIV活 性 が 強 い こ と が 示 さ れ た 。   2章 で は 、SA1042の 抗HIV作 用 の メ カ ニ ズ ム に つ い て 検 討 し た 。 し か し 、 当初 予想 して いた アン チセ ンス 効果による阻害は認められず、むしろウイルスの増殖サ イク ルの 初期 段階 であ る吸 着侵 入ー融合段階で作用することが明らかとなった。更に詳 細 な 解 析 に よ っ て 、 SA1042は ウ イ ル ス エ ン ベ ロ ー プ 蛋 白 質gp120に 働 き 、 宿 主 側 受 容 体CD4と の 相 互 作 用 を 阻 害 す る と の 結 論 を 得 た 。 こ の 考 え は 、SA10 42と 同 様 に グ ア ニ ン 塩 基 に 富む ジ メ ト キ シ ト リ チ ル 基 修 飾15量 体 であ れば 、相 補鎖 と は 無 関 係 で あ っ て も 同 様 の 阻 害 活 性 が あ る と ぃ う 事 実 か ら も 裏 付 け ら れ た 。   そ こで 第3章で は、 これ らの修 飾オ リゴ ヌク レオ チド の構 造と活性の関係について、

Nuclear magnetic resonanceやCircular dichroism分析、コンピューターグラフイックスによる モデ ル化 等の 手法 を用 いて 解析 した。その結果、これらのオリゴヌクレオチドがグアニ ン四 重鎖 構造 を形 成し しか も5 末端 に疎 水基 を持 って いる ことが、活性に必須である との結論に達した。

  こ のよ うに 、本 論文 は、5 末 端が 修飾 され たグ アニ ン塩 基に富むオリゴヌクレオチ ド が 、 特 異 的 な 高 次 構 造 を とる こ と に よっ てHIV増殖 の初 期過 程を 阻害 する こと を明

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らかにしたものであり、ユニークな作用メカニズムの解明と併せて新規抗HIV薬剤開 発へと発展することが期待される。よって、審査員一同は百田憲司氏が博士(獣医学)

の学位を受ける資格が十分あると認めた。

参照

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