研究科名 研 究 代 表 者 (2015 年 3 月 現 在 のものを記入)
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(2) ※ ホームページ等で公表します。 (様式2-1) 立教SFR-院生-報告. 研究成果の概要(図・グラフ等は使用しないこと。) 本 研 究 の 目 的 は , 精 神 科 ク リ ニ ッ ク に 通 院 す る う つ 病 患 者 に 対 し て , NIRS 機 器 を 用 い て , NIRS 測 定 に よ る 抑 う つ 症 状 評 価 の 有 用 性 を 検 討 す る こ と で あ っ た . 測 定 部 位 で あ る 前 頭 前 野 を 関 心 領 域 ( 右 : R I F G・ 中 央 : C I F G・ 左 : L I F G ) に 分 け , 平 均 賦 活 量 と 抑 う つ 得 点 の 関 連 を 検 討 し た と こ ろ , 左 側 部 ( LIFG) に お い て は 抑 う つ 得 点 が 高 く な る と 平 均 賦 活 量 が 低 下 し て お り ,重 症 群 は 軽 ~ 中 等 症 群 と 比 べ て よ り 平 均 賦 活 量 が 低 い 傾 向 に あ っ た . こ の こ と は , NIRS を 用 い た 先 行 研 究 に よ っ て も , う つ 病 患 者 に お いて言語流暢性課題遂行時の左前頭前野の平均賦活量の増加が見られないことが報告さ れ て い る . ま た , fMRI や PET の 先 行 研 究 の 結 果 と も 一 致 す る . 以 上 の よ う に , 本 研 究 で は 簡 易 型 NIRS 機 器 を 用 い た が , 他 の NIRS 研 究 だ け で な く fMRI, PET に よ る 先 行 研 究 と 同 様 に 抑 う つ 症 状 と 左 前 頭 前 野 活 動 の 低 下 と の 関 連 が 示 さ れ た こ と は 注 目 に 値 す る .し か し な が ら ,先 行 研 究 を 概 観 す る と ,抑 う つ 症 状 と 左 前 頭 前 野 活 動 以 外 と の 関 連 を 指 摘 す る研究もある. 本研究の結果と同様に左前頭前野の平均賦活量の増加が見られなかったとする研究で は , ハ ミ ル ト ン う つ 病 評 価 尺 度 ( 以 下 HAMD) 得 点 が 平 均 5.3 点 ( SD =4.0) と 寛 解 ~ 軽 症域の患 者や,軽う つ状態の 患者を 対象 にしたも のが多 い .一方,左 前頭前 野だ けでなく 右 前 頭 前 野 の 広 範 囲 で も 機 能 低 下 傾 向 が 確 認 さ れ た 研 究 で は , HAMD17 項 目 得 点 が 16.6 点 ( SD =4.5) と 中 等 ~ 重 症 域 の 患 者 が 対 象 で , さ ら に 診 断 基 準 は 満 た さ な い が パ ニ ッ ク 発 作 経 験 の あ る 者 も 含 ま れ て い る . パ ニ ッ ク 障 害 の NIRS 研 究 に お い て も , う つ 病 と 同 様 に 左 前 頭 前 野 機 能 の 低 下 が 報 告 さ れ て い る が ,右 前 頭 前 野 を 含 む 前 額 部 前 頭 前 野 全 体 の 機 能低下を指摘する研究もあるため,併存疾患の影響も考慮する必要がある. また左右両側部において平均賦活量の低下が確認された研究では,対象のほとんどが入 院 患 者 で あ り , ベ ッ ク う つ 病 評 価 尺 度 ( BDI) は 平 均 16.56 点 ( SD =8.14) と 軽 ~ 中 等 症 域 で あ る が , 罹 病 期 間 が 平 均 157 ヶ 月 (SD =169)と 長 く , 過 去 の 抑 う つ エ ピ ソ ー ド も 平 均 3.9 回 ( SD =3.5) と 多 く な っ て い た . さ ら に , 重 症 度 と 右 前 頭 前 野 活 動 の 関 連 を 報 告 し た 研 究 は , HAMD21 項 目 が 平 均 16.7 ±4.8 点 と 軽 ~ 中 等 症 域 で あ っ た が , 罹 病 期 間 が 平 均 69.6 ヶ 月 ( SD =49.2) と 長 く , 機 能 の 全 体 的 評 定 ( GAF) 値 も 平 均 57.6 点 ( SD =9.3) と 社 会 的 機 能 が 低 下 し て い た . 以 上 の 研 究 結 果 と 比 べ て ,本 研 究 で は 対 象 者 は 精 神 科 ク リ ニ ッ ク の 通 院 患 者 で あ り ,平 均 罹 病 期 間 は 短 く ,心 理 社 会 的 機 能 が 著 し く 低 下 し て い な い 者 が 多 い こ と か ら 右 前 頭 前 野 機 能 と の 関連が確認されなかったものと考えられる. ま た 本 研 究 で は ,関 心 領 域 の 中 央 部 に つ い て も ,重 症 度 に よ る 差 は 確 認 さ れ な か っ た も の の ,左 前 頭 前 野 と 同 様 に 抑 う つ 症 状 と の 関 連 が 確 認 さ れ た .こ れ に つ い て は , HAMD17 項 目 得 点 お よ び 自 殺 関 連 得 点 が 大 き い ほ ど , 課 題 開 始 20 秒 後 に お け る 前 頭 極 部 す な わ ち 中 央 部 で の 脳 血 流 変 化 の 低 下 が 確 認 さ れ た と い う 研 究 結 果 も あ る .ま た ,抑 う つ 得 点 の 合 計 で は な く ,抑 う つ 症 状 の 各 得 点 別 に 検 討 し た 研 究 で は ,早 朝 覚 醒 の 症 状 得 点 が 高 く な る ほど中央部の脳血流変化が低いことが確認されている. こ の よ う に , 本 研 究 の 結 果 だ け で な く , 先 行 研 究 に お い て も 抑 う つ 症 状 と NIRS 測 定 の 結 果 に 一 貫 性 が 見 ら れ な い 理 由 と し て ,対 象 者 の 抑 う つ 得 点 の 分 布 や 入 院 の 有 無 ,罹 病 期 間,その他の精神疾患などの併存などさまざまな属性の違いが考えられる.したがって, NIRS を 用 い た 抑 う つ 症 状 評 価 に お い て は , こ れ ら の 属 性 や 病 態 の 影 響 を 考 慮 し , 併 存 疾 患 の 有 無 に よ る 比 較 や ,寛 解 期 な ど 病 相 期 に よ る 比 較 な ど の 検 討 が 必 要 で あ る と 考 え ら れ る. 本 研 究 の 限 界 と し て は , DSM な ど の 特 定 の 診 断 基 準 や 構 造 化 面 接 を 実 施 し て い な い た め,抑う つ症状 を呈 する様々 なサブ タイ プが含ま れてい てい た可能性 もある .加 えて,本 研 究 で は 投 薬 内 容 を 統 制 し て お ら ず ,薬 剤 の 影 響 を 十 分 に 検 討 で き て い な い .う つ 病 患 者 で は 健 常 者 と 比 べ て さ ま ざ ま な 前 頭 前 野 機 能 の 低 下 が 示 唆 さ れ る も の の ,知 見 の 一 貫 性 に か け る と い う 指 摘 も あ り ,今 後 は 対 象 者 の 抽 出 基 準 を 統 制 し ,課 題 中 の 平 均 賦 活 量 だ け で な く 課 題 前 半 / 後 半 と い っ た NIRS の 特 徴 で あ る 時 系 列 的 な デ ー タ や , 抑 う つ 症 状 別 , 各 c h 別 の 検 討 も 行 う 必 要 が あ る と 考 え ら れ る .そ の 際 に ,対 象 者 の 抑 う つ 得 点 分 布 や 各 種 属 性に十分留意し,先行研究との比較検討を行うことが重要であると考えられる..
(3) ※ ホームページ等で公表します。 (様式2-2) 立教SFR-院生-報告. 研究成果の概要. つづき. ※この(様式2)に記入の成果の公表を見合わせる必要がある場合は、その理由及び差し控え期間等 を記入した調書(A4縦型横書き1枚・自由様式)を添付すること。.
(4) ※ ホームページ等で公表します。 (様式3) 立教SFR-院生-報告. 研究発表 (研究によって得られた研究経過・成果を発表した①~④について、該当するものを記入してください。該当するものが多い 場合は主要なものを抜粋してください。 ) ①雑誌論文(著者名、論文標題、雑誌名、巻号、発行年、ページ) ②図書(著者名、出版社、書名、発行年、総ページ数) ③シンポジウム・公開講演会等の開催(会名、開催日、開催場所) ④その他(学会発表、研究報告書の印刷等). ①. 岩 山 孝 幸 ・ 松 永 美 希 ・ 鍋 田 恭 孝 ・ 片 山 信 吾 ( 投 稿 中 ). 近 赤 外 分 光 法 を 用 い た 抑 う つ 症 状評価の有用性に関する検討.心身医学. ④. 岩 山 孝 幸 ・ 松 永 美 希( 2 0 1 4 ).精 神 科 外 来 患 者 に お け る 抑 う つ 症 状 と 前 頭 前 野 活 動 の 関 連( 2 )― 近 赤 外 分 光 法 ( N I R S ) を 用 い た 予 備 的 研 究 ― 第 7 8 回 日 本 心 理 学 会 大 会 一 般 研 究 発 表 ポ ス タ ー 発 表 , 2014 年 9 月 10-12 日 : 京 都 府 京 都 市 . 岩 山 孝 幸( 2015)近 赤 外 分 光 法( NIRS)を 用 い た 前 頭 前 野 機 能 測 定 に よ る 抑 う つ 症 状 評 価 の 有 用 性 に 関 し て 立 教 大 学 大 学 院 現 代 心 理 学 研 究 科 2014 年 度 博 士 論 文 中間報告書(未公刊).
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