研 究 代 表 者 (2016 年 3 月 現 在 のものを記入)
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(2) ※ ホームページ等で公表します。 (様式2-1) 立教SFR-院生-報告. 研究成果の概要(図・グラフ等は使用しないこと。). 2 0 1 5 年 度 S F R 研 究 の 期 間 は 、本 研 究 の 博 士 課 程 後 期 課 程 6 年 目 に 該 当 し た 。そ の ため研究内容の大半を博士論文の中間報告書と、博士論文の下書きに反映させた。 C. S. ル イ ス の 伝 記 的 事 実 や 時 代 的 背 景 と い う 外 的 デ ー タ を 調 査 し た も の を 分 析 し、自分なりのルイスの伝記をまとめることができた。一次資料に加え、すでに刊 行されているルイスの伝記や自伝を参照にしつつ、新しい視点で書かれた伝記の内 容を吟味し精査した。その上で自分なりの視点からルイスが影響を受けた思想や作 品、時代背景などと照合させつつ、歴史的事実に基づくものを証拠として取り上げ、 論証を行った。 具 体 的 に は 19 世 紀 か ら 20 世 紀 の 時 代 背 景 の 歴 史 的 な 視 点 か ら の 論 証 と 、 そ れ に 基づきながらルイスの出自、彼のキリスト教回心への経緯、そして彼の思想の源と なっているとされる、彼が影響を受けた人々の思想、著作を精査し、先行研究と合 わせて論じた。 そして、ルイス研究の先行研究の中でも自らの研究に近いテーマを持つものを取 り上げて精読し、分析と考察を深めた。これらを踏まえた上で、ルイスのキリスト 教信仰の特質を作品から読み取り、彼の信仰ならびに思想が示されたものとしてい かに作品を読むかひとつの読み方を探求した。 以 上 の よ う な 経 緯 で 2015 年 度 の 研 究 を 行 っ た 。 成 果 の 概 要 が 以 下 の 通 り で あ る 。 1. 先 行 研 究 と 目 的 の 設 定 先行研究の中でも本研究に関わる研究のいくつかに的を絞って着目した。そして 大きく分けて三つの動向についての研究を収集した。第一に、伝記などルイスの全 体像を見るもの、第二に、キリスト教神学者らによるルイスの著作からキリスト教 思想を汲み取る研究、そして第三に、最も蓄積のある文学研究であった。それらの 先 行 研 究 を 踏 ま え た 上 で 、本 研 究 に お い て は 、C . S . ル イ ス の 作 品 か ら 彼 の 思 想 や 信 仰を拾い、規定の枠にとらわれず、彼の言葉そのものに目を向けて、その思想を紐 解いていくことを本研究の目的として設定した。 2. C. S. ル イ ス の 伝 記 C. S. ル イ ス の 「 キ リ ス ト 教 」の 考 察 に 入 る 準 備 段 階 と し て 、彼 の 全 体 像 に 照 射 し た 先 行 研 究 を 中 心 に 踏 襲 し つ つ 、 彼 の 「 キ リ ス ト 教 」 へ の 「 回 心 」 と 、「 神 話 」 と の 関 連について着目し、検討した。中でも彼の自伝『喜びの訪れ』と、先述の通り、デ ータ化に今回時間を割いた未刊行資料などから、彼の生涯を客観的、主観的に追っ た。さらに、彼の著作『天路逆程』を取り上げ、彼がその執筆過程で「キリスト教 信仰へと後戻りした過程を記述しようと思う」と表現したことを汲み取った。彼の 「キリスト教」への道のりがこの作品で間接的に物語られている特徴から、吟味さ れた形で彼が「キリスト教」を受け入れた経緯を読み取り、彼にとっての「キリス ト教」の源と、そこへの道のりを追うことができた。.
(3) ※ ホームページ等で公表します。 (様式2-2) 立教SFR-院生-報告. 研究成果の概要 つ づ き 3. C. S. ル イ ス の 「 煉 獄 」 「神 話」とい う解 釈 をき っか けに 、彼 の「回 心」経緯 を見 た こと に加 えて 、彼の 持 つ「 煉 獄 」に つ い て の 独 自 の 考 え 方 に 焦 点 を 当 て て 考 察 し た 。特 に 、先 に 扱 っ た 作 品 『 天 路 逆 程 』 や 、「 煉 獄 」 を 明 確 に モ チ ー フ と し た 作 品 『 天 国 と 地 獄 の 離 婚 』 を 取 り 上 げ 、彼 の 記 述 を 見 な が ら 、作 品 に 提 示 さ れ た「 煉 獄 」は 全 く 彼 独 自 の も の でアングリカンが否定するものでもローマ・カトリックが肯定するものでもない、 新し い特 有の「キ リ スト 教」から 生じ た「煉 獄」であ ると い うこ とを 分析 する こと ができた。. 4 .「 煉 獄 」 と 関 連 し た 「 救 済 」 「煉獄」についての独自性を瞥見した後、それに関連して、彼の考える「救済」 と は い か な る も の で あ る か と い う 問 い を 立 て た 。中 で も 彼 が『 ナ ル ニ ア 国 物 語 』の 最 終 巻 で 描 出 し て い る 死 後 の 世 界 に 相 当 す る 場 面 で 、彼 独 自 の「 煉 獄 」を 投 影 し つ つ 、「 救 済 」 が 描 か れ て い る こ と に 着 目 し た 。 特 に 、 他 宗 教 の 者 の 「 救 済 」 の 可 能 性を提示していることについても検討できた。 5 .「 救 済 」 と 関 連 し た 「 自 己 放 棄 」 「煉獄」と「救済」を関連づけて見たことを踏まえて、彼が「真実の神話」と 表 現 し た キ リ ス ト の 物 語 を 、ど の よ う に 人 々 に 伝 え た の か に つ い て 瞥 見 し た 。特 に『 キ リ ス ト 教 の 精 髄 』 を 中 心 に 、『 痛 み の 問 題 』 や 『 奇 跡 論 』 に も 同 時 に 目 を 向 け つ つ 、 彼 が「 自 己 放 棄 」し て 神 に 従 う こ と を 勧 め て い る 言 葉 に 着 目 し た 。彼 の「 自 己 放 棄 」 の 概 念 を 取 り 上 げ な が ら 、彼 が「 真 実 の 神 話 」を 語 る 中 で キ リ ス ト の 生 き 方 が「 自 己 放 棄 」そ の も の で あ っ た と 彼 が 捉 え て い る こ と を 見 た 。そ の 過 程 で は 、彼 が 師 と し て い る ジ ョ ー ジ・マ ク ド ナ ル ド が 提 示 し た キ リ ス ト の 物 語 が い か な る も の で あ っ た か を 概 観 し 、 そ の 上 で 、 C. S. ル イ ス が 考 え 、 人 々 に 提 示 し た 「 自 己 放 棄 」 に つ いて検討した。 6 .「 神 話 」 と 執 筆 行 為 C. S. ル イ ス の 著 作 か ら 、 彼 の 執 筆 行 為 に つ い て 拾 い 、 彼 が フ ァ ン タ ジ ー を 最 も 好 む 執 筆 形 態 と し て い る こ と を 瞥 見 し た 。 さ ら に 、 J. R. R. ト ー ル キ ン の エ ッ セ イ に 書 か れ た フ ァ ン タ ジ ー に 対 す る 考 え 方 に 彼 が 同 意 し て い る こ と や 、「 神 話 」 の 形 式 に つ い て も C . S . ル イ ス の 記 述 を 収 集 す る こ と が で き た 。文 学 批 評 を 中 心 と し た ル イ ス の 著 作『 批 評 に お け る 一 つ の 実 験 』で 、彼 が「 神 話 」を 6 分 類 し た 上 で 、 「神 話 」を 読 む 体 験 は 、怖 れ か し こ む 経 験 を も 生 む も の で あ る と 考 え て い る こ と を 拾 い 出 し た 。そ の 上 で 、彼 の 執 筆 行 為 と 、先 に 考 察 し た 彼 の 概 念 を 連 関 さ せ て 分 析 し た 。 7. ま と め C . S . ル イ ス の 著 作 等 か ら「 煉 獄 」 「救済」 「 自 己 放 棄 」の 3 概 念 を 取 り 上 げ つ つ 、 彼 の 執 筆 行 為 と の 関 連 に つ い て 考 察 し 、 彼 の 「 キ リ ス ト 教 」 と は 、「 神 話 」 に 基 づ く執筆行為そのものであったと結論づけることができた。 上記内容の一部を博士論文の中間報告書として提出し、受理された。 また、2 人の有識者に原稿の校閲を依頼して、彼らにもご指導いただいた。そして結論 部分を含む博士論文の下書きが完成した。. ※この(様式2)に記入の成果の公表を見合わせる必要がある場合は、その理由及び差し控え期間等 を記入した調書(A4縦型横書き1枚・自由様式)を添付すること。.
(4) ※ ホームページ等で公表します。 (様式3) 立教SFR-院生-報告. 研究発表 (研究によって得られた研究経過・成果を発表した①~④について、該当するものを記入してください。該当するものが多い 場合は主要なものを抜粋してください。 ) ①雑誌論文(著者名、論文標題、雑誌名、巻号、発行年、ページ) ②図書(著者名、出版社、書名、発行年、総ページ数) ③シンポジウム・公開講演会等の開催(会名、開催日、開催場所) ④その他(学会発表、研究報告書の印刷等). ①雑誌論文 ・岡 田 理 香 、 「 キ ャ ロ ル と 交 流 し た ジ ョ ー ジ・マ ク ド ナ ル ド ― ― 作 品 執 筆 と キ リ ス ト 教 信仰における自由なあり方」 M i s c h M a s c h 第 1 7 号 、 日 本 ル イ ス ・ キ ャ ロ ル 協 会 、 2 0 1 5 年 11 月 、 2 3 - 3 3 頁 。. ・ 岡 田 理 香 、「 C . S . L e w i s の T h e L a s t B a t t l e に み る 終 末 観 」、 工 学 院 大 学 共 通 過 程 研 究 論 叢 、 52-1 号 、 2015 年 、 23-34 頁 。 ・岡 田 理 香 、 「 C . S . ル イ ス が『 天 国 と 地 獄 の 離 婚 』で 描 い た 新 た な 煉 獄 」、D E R E K( 立 教 大 学 大 学 院 キ リ ス ト 教 学 研 究 科 )、 3 5 号 、 2 0 1 5 年 、 3 3 - 4 6 頁 。. ④その他 ・ 研 究 成 果 の 一 部 を 2 0 1 5 年 9 月 11 日 桜 美 林 大 学 に 於 い て 「 C . S . ル イ ス が 『 天 国 と 地獄の離婚』で描いた新たな煉獄」という題で、日本基督教学会大会にて発表した。 ・ 研 究 成 果 の 一 部 を 2016 年 3 月 18 日 上 智 大 学 に 於 い て「 真 実 の 神 話 と し て の キ リ ス ト 教 ― ― C. S. ル イ ス 「 神 話 は 事 実 に な っ た 」 か ら 」 と い う 題 で 日 本 基 督 教 学 会 関 東 支部会にて発表した。. ・ 研 究 成 果 の 一 部 を 、 工 学 院 大 学 情 報 学 部 に お い て 春 学 期 に か け て 「 C. S. ル イ ス の 『 ナ ル ニ ア 国 物 語 』」 と い う 内 容 で 講 義 し た 。 ・博士論文中間報告書を提出し、口頭試問を通過して受理された。.
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