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一般ビデオ 1 肺癌 1 V1-2 Transmanubrial approach を応用した肺癌 縦隔腫瘍手 術 松本 桂太郎 山崎 直哉 土谷 智史 宮崎 拓郎 下山 孝一郎 谷口 大輔 永安 武 長崎大学 腫瘍外科 Transmanubrial approach は 肺尖腫瘍に対して安全に手術

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

AAT に対する transmanubrial approach(TMA)の応

用∼TMA+胸骨正中切開の有用性∼

○清水 淳三、亀水 忠、守屋 真紀雄 北陸中央病院外科 AAT の手術では最も危険を伴う部位を良視野で手術できる approach の選択が重要であり,1)正岡,2) Dartevelle,3)Grunenwald が各々の approach を提唱し,鎖骨下血管などの重要臓器に浸潤する癌を安全・ 完全に切除できるよう修正,工夫している.しかし 2)3)は頚部領域の視野は良好だが胸腔内の視野は不十 分なため,甲状腺癌,頚部腫瘍,浸潤範囲の狭い肺尖部癌に対し有用,また 1)は胸腔内の視野は確保され るが,鎖骨の可動性が小さいため頚部の視野が不十分と考えられる.今回,transmanubrial approach(TMA) の応用として,TMA+胸骨正中切開の有用性を Video にて供覧.【症例】88 歳男.主訴は右前胸部痛.近医 にて右肺尖部腫瘍の診断で当科に紹介.CT で RUL 末梢に空洞を有する径 3cm の腫瘤と第 1,2rib 前弓の破 壊を認め,右鎖骨下動脈の encasement が疑われる AAT と診断,高齢のため術前化学放治を施行せず手術を 行った.【手術手技】鎖骨が TMA に準じた処理ができるよう皮切は右頚部襟状+前胸部正中の連続切開,ス トライカーで胸骨正中切開,浅頚筋群と胸鎖乳突筋を切離,さらに.線鋸で胸骨柄を右第 1 肋間で横断,次 いで線鋸で第 1 肋軟骨を切離,鎖骨下筋,前・中斜角筋を切離し,鎖骨は胸鎖関節を温存したまま上下方へ の可動が得られた.鎖骨下動脈への癌浸潤は根気強く剥離し何とか剥離できた.RULwedge 切除・第 1∼2rib 合併切除の後,Marlex mesh で胸壁を再建した.術後経過は良好で癌性疼痛も無くなった.鎖骨下動脈剥離 部で surgical margin 陽性となり 60Gy の放治を追加,脳転移で術後 1 年で死亡.病理は SQ.【まとめ】1)本 approach は頚部・胸腔の視野が良好で両者への手術操作が安全に連続して行える.2)胸鎖関節が温存でき 病変切除後の固定が容易である.

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

Transmanubrial approach を応用した肺癌、縦隔腫瘍手

○松本 桂太郎、山崎 直哉、土谷 智史、宮崎 拓郎、下山 孝一郎、谷口 大輔、永安 武 長崎大学 腫瘍外科 Transmanubrial approach は、肺尖腫瘍に対して安全に手術を行うという点において有用である。オリジ ナルの方法は、頸部横切開+胸骨丙部の切離+第 1 肋間切除と第 1 肋骨の切離である。しかし、腫瘍の部位 によっては、より尾側までの切開が必要となる場合もみられ、我々は第 2 肋間の切離を用いて、より大きな 視野を得ることが多い。我々の行っている Transmanubrial approach を応用したアプローチについて、ビデ オにて供覧する。症例 1 は、46 歳女性。甲状腺乳頭癌術後縦隔リンパ節再発。腫瘍は右上縦隔にみられ、左 腕頭静脈より尾側へ進展していたため、右頸部襟上切開に加え、Transmanubrial approach を第 2 肋間にて 開胸したアプローチを用いた。左右の腕頭静脈合流部より尾側まで観察でき、腕頭動脈、反回神経など露出 することで、周囲リンパ節とともに摘出した。症例 2 は、54 歳男性。右上葉 Pancoast 肺癌。術前化学放射 線療法を施行し、Partial Response にて手術を施行した。仰臥位にて、頸部襟上切開+Transmanubrial ap-proach を応用した第 4 肋間開胸にてアプローチした。肺門まで視野を確保できるため、肺門部処理を先行し た。その後肺尖部の癒着部剥離を行った。腫瘍の周囲組織への浸潤は結果としてみられず、周囲組織との剥 離を行い、上葉切除術を施行した。腹側の Pancoast 腫瘍を伴う上葉切除を行う場合は、肺尖から肺門部まで 1 視野で行うことができ、第 4 肋間で横切開を加える方法は、リンパ節郭清も含め、時間短縮、安全性に、 メリットがある。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

縦隔へ浸潤する左上葉肺癌に対して transmanubrial

ap-proach を併用し左上葉切除を行った 1 例

○下田 篤史、杉本 龍士郎、片岡 和彦 国立病院機構岩国医療センター胸部外科 【症例】80 歳代、男性 【主訴】胸部異常影 【現病歴】検診胸部レントゲンで異常を指摘。近医での気管支鏡にて腺癌の診断となり、当科紹介となった。 【既往歴】睡眠時無呼吸症候群 【生活歴】タバコ 10 本、51 年 【アレルギー】なし 【入院時検査所見】胸部レントゲンにて左上肺野に腫瘤影を認めた。胸部 CT では左肺上葉に 32m 大の腫瘤 を認めた。縦隔への浸潤を認め、特に左内胸動脈、左第 1 肋骨は浸潤を疑った。PET"CT では SUVmax6.6 の集積を認め、リンパ節には有意な集積は認めなかった。腫瘍マーカーは CEA 10.9ng!ml と上昇を認めた。 【手術】仰臥位での transmanubrial approach+右側臥位での腋窩開胸にて手術施行。左肺上葉切除、ND2a"2、 左腕頭静脈、左第 1 肋骨、左横隔神経合併切除を行い完全切除施行できた。 【結語】今回我々は縦隔へ浸潤する左上葉肺癌に対して transmanubrial approach を併用することで左上葉切 除を施行したので報告する。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

Transmanubrial

osteomuscular

sparing

ap-proach+Paulson approach にて切除した第 1.2 肋骨浸

潤 SST の 1 例

○長阪 智、喜納 五月、内田 嚴、横手 芙美、有本 斉仁 国立国際医療研究センター 呼吸器外科 当科受診の 4 か月程前より右背部痛を自覚、その後、徐々に悪化。整形外科受診も、改善認めず、精査の 胸部 CT 検査の結果、右肺尖部肺癌が疑われ、当科紹介。気管支鏡検査では診断確定に至らず、CT ガイド下 肺生検にて肺扁平上皮癌の診断。第 1、2 肋骨浸潤伴っており cT3N0M0 stage IIB の診断。Chemo!radiation therapy followed by surgery の方針とし、CDDP(80mg)+VNR(20mg)1cycle に Radiation 40Gy の照射 を行った。治療終了後 3 週間後に、手術施行。手術は仰臥位で、Transmanubrial osteomuscular sparing ap-proach で開始、前方第 1.2 肋骨を切除、鎖骨下動静脈を安全に剥離、taping 後、閉創、続いて左側臥位と し、Shaw!Paulson approach にて右上葉切除、第 1.2.3 肋骨合併切除とした(術中第 3 肋骨もマージン確 保のため後方合併切除)。術後は良好に経過。最終病理では、EF.3 ypT3cN0M0 stage IIB(squamous cell car-cinoma)の診断であった。手術後は CDDP(80mg)+VNR(20mg)1cycle を 3cycle 施行。術後 1 年、無再 発生存中である。第 1.2 肋骨浸潤の肺尖部 SST に対し、Transmanubrial osteomuscular sparing approach を用いることで、前方の第 1 肋骨を安全に切除、鎖骨下動静脈も安全に剥離可能であった。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

胸壁浸潤肺尖部肺癌に対して Paulson approach にて鎖骨

下動静脈形成および鎖骨上リンパ節郭清を施行した 1 例

○岡 壮一、森 將鷹、松宮 弘喜、篠原 周一、桑田 泰治、竹中 賢、新居 和人、近石 泰弘、 米田 和恵、平井 文子、田嶋 裕子、永田 好香、黒田 耕志、宗 知子、浦本 秀隆、田中 文啓 産業医科大学 第2外科 【はじめに】胸壁浸潤肺尖部肺癌は腫瘍の占拠部位および浸潤部位により,アプローチ法を考慮する必要があ る.今回我々は,胸壁浸潤左肺尖部肺癌に対して後方アプローチにより鎖骨下動静脈形成および鎖骨上リン パ節郭清を施行した症例を経験したので,術中動画を中心に報告する.【症例】60 歳代の女性.左背部痛を 自覚.CT で左肺尖部にφ40mm の腫瘍を認め胸壁浸潤(第 1,2,3 肋骨浸潤)を認めた.精査にて左肺扁平 上皮癌(c!T3N3M0 stageIIIB,N3;同側鎖骨上リンパ節)と診断した.放射線化学療法(CDDP+TS!1,Ra-diation 76Gy)を施行し PR を得た.手術は Paulson 切開で行った.肺尖部腫瘍部位を胸壁につけた状態で左 肺上葉部分切除を先行した.第 1,2,3 肋骨を前方および後方で切離.後方から鎖骨下動静脈および腕神経 叢を同定.腫瘍部が鎖骨下静脈に固着しており鎖骨下静脈はサイドクランプし切離形成(direct suture)し た.鎖骨下動脈も一部腫瘍と固着しており,中枢末梢側をそれぞれトータルクランプし切離形成(direct su-ture)し,腫瘍部位を胸壁ごと切除した.その後,左肺門部の処理を行い,残存した左肺上葉を切除し縦隔 リンパ節郭清施行.最後に後方から左鎖骨上リンパ節郭清を行い手術終了とした.【まとめ】左肺尖部肺癌に 対して,根治的放射線化学療法後に後方アプローチにより,胸壁合併切除,左鎖骨下動静脈形成,左鎖骨上 リンパ節郭清を施行した症例を経験した.術中動画を供覧することにより手術のアプローチ法等について議 論したい.

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

背側浸潤の肺尖部肺癌に対する前方アプローチの有用性

○白橋 幸洋、岩田 尚、山本 裕崇、松本 光善、竹村 博文 岐阜大学大学院医学系研究科高度先進外科学分野 肺尖部肺癌に対するアプローチは浸潤している解剖学的構造物によってアプローチが決定される.今回背 側浸潤の肺尖部肺癌に対し前方アプローチを追加することで安全に手術を施行し得た症例を経験したので報 告する.症例は 70 歳代女性.2013 年 7 月頃より右背部痛,咳嗽を認め,近医受診した.胸部 X 線で右上肺 野に腫瘍陰影を認め,精査の結果肺尖部肺癌が疑われた.胸部 CT では右 S1 に径 84×68mm の腫瘍陰影を 認め,第 2 肋骨の骨融解像と第 1,第 3 肋骨への浸潤が疑われた.FDG!PET では腫瘍に一致して SUV max 10.84 の集積を認めた.気管支鏡検査の TBB にて扁平上皮癌が疑われた.以上より原発性肺癌 cT3N0M0 stage IIB と診断し,術前導入療法(CBDCA+PTX,RT 40Gy)を施行した.導入療法後の胸部 CT で腫瘍径は 75× 52mm となったものの第 2 肋骨への浸潤に変化はなく,ycT3N0M0 stage IIB の診断となった.腫瘍の浸潤 は主に背側であったが,第 1 肋骨の前方付近までの浸潤が疑われたため,前方アプローチで肋骨を切離した 後後方よりアプローチする方針とした.右鎖骨下から第 3 肋間まで弧状の皮膚切開を入れ,前方より第 1 肋 骨,第 2 肋骨を直視下に切離し閉創した.その後 hook incision し,第 2,3 肋骨の肋横突起関節を離断した。 第 1 肋骨はリュエルで切離し骨性胸郭を合併切除した.その後第 5 肋間開胸し右上葉切除術+リンパ節郭清 を施行した.前方よりアプローチし肋骨切除することで安全に手術可能であった.術後経過は良好で術後 18 病日退院となった.背側浸潤の肺尖部肺癌における前方アプローチの追加は,第 1 肋骨のマージンを確保で きること,鎖骨下動静脈の確認が前方からできることにおいて有用であった.以上ビデオで供覧する.

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

Left side extended sleeve lobectomy type C

○清水 公裕1 、永島 宗晃1 、大瀧 容一1 、尾林 海1 、矢澤 友弘1 、大沢 郁1 、川島 修1 、 上吉原 光宏1 、菅野 雅之1 、伊部 崇史1 、懸川 誠一1 、渥實 潤1 、井貝 仁2 、中野 哲宏1 、竹吉 泉1 1 群馬大学大学院臓器病態外科、2 前橋赤十字病院呼吸器外科 肺全摘の回避は呼吸器外科医にとっての永遠の命題である。全摘回避術は主に気管支形成、肺動脈形成、dou-ble sleeve lobectomy などがあるが、最近の末梢型肺癌の増加に伴い左下葉肺癌の肺門リンパ節転移に対する extended sleeve lobectomy type C の割合が増加している。実際我々の施設において過去 3 年間の左肺全摘 回避手術の内訳は、肺動脈形成術が 2 例、気管支形成が 2 例、type C が 4 例であった。この手術の利点は、 1)区域切除の技術を応用すれば葉間の操作をすることは無しに切除が可能なこと。2)肺動脈の処理が容易 なこと。3)吻合部にテンションがかかりにくいことなどが上げられる。一方で上区と左主気管支を吻合しな ければならないため口径差を上手く調整しなければならない。今回は、我々の行なっている extended sleeve lobectomy type C をビデオで供覧し、手術の工夫や pits and falls について述べたい。我々の気管支吻合のポ イントは 1)血行の保持のためになるべく上区末梢で S1+2 と S3 が分岐する直前の生理的な拡大部まで切除 し吻合に用いること。2)4!0PDSII を用いた全層縫合で必要に応じて気管内結紮も併用すること。3)口径差 の調整に関しては太い主気管支の内腔に細い上区支をラッパ状に吻合することにより、口径差を逆に利用し て狭窄を回避していることなどが上げられる。4 症例の手術平均時間は 244 分、出血量は 152ml で術後に狭 窄などの合併症は経験していない。この extended sleeve lobectomy type C はコツさえ掴めば技術的には比 較的容易な術式であり、合併症も少なく今後は必須の技術だと考え、広めたい手術として発表する。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

DES 挿入 3 か月後に抗血小板薬内服継続のまま右上葉肺癌に

対して double sleeve lobectomy を施行した 1 例

○松永 健志、鈴木 健司、上田 琢也、福井 麻里子、高持 一矢、王 志明

順天堂大学呼吸器外科

背景と目的:近年、冠動脈硬化症に対して薬剤溶出性ステント(DES ; drug!eluting stent)後に肺癌の手術 をする機会は増加している。一般的には 6 か月から 12 か月は 2 剤抗血小板療法が必要であるものの、その対 応は controversial である。今回、DES 挿入後に肺癌が発見され、肺門部肺癌であったことから、わずか 3 か 月後に 1 剤を継続したまま、右上葉肺癌に対して double sleeve lobectomy を施行した 1 例を経験したので報 告する。症例:69 歳、男性。前医で冠動脈硬化症に対して DES stent を挿入した。その直後に胸部レントゲ ンを契機に右肺上葉に mass を認め、当院へ紹介となった。腫瘍は#12u、#4R と一塊となり、右上葉気管 支根部へ侵潤を認めた。この為、ascA2 を形成、気管支を管状に切除し、sleeve lobectomy を施行した。手 術時間は 237 分、出血量は 50cc であった。術後:第 1 病日から抗血小板剤を 2 剤再開、第 2 病日に胸腔ドレー ン抜去、第 7 病日に気管支鏡で吻合部を確認して、第 8 病日に退院となった。現在は吻合部含め、経過良好 であり、術後補助化学療法を行っている。まとめ:原発性肺癌に対して、抗血小板薬内服継続のまま sleeve lobectomy を行った報告はほとんどなく、特に DES stent 挿入直後、抗血小板内服継続での報告はない。出 血のコントロールは十分可能であり、術後経過も良好であった。ビデオを供覧しつつ、重度合併症併存の気 管支・肺動脈形成を伴う肺切除に関して報告する。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

右下葉気管支管状切除・気管支形成術

○橋本 毅久、佐藤 征二郎、小池 輝元、土田 正則 新潟大学大学院呼吸循環外科学分野 【はじめに】肺癌に対する気管支形成術は根治性を維持しつつ呼吸機能温存を図る術式として重要であり、呼 吸器外科専門医が習得すべき一般的な手技といえる。しかし肺葉別にみると右下葉管状切除と中間幹中葉気 管支吻合術がおこなわれることは少ない。中葉を温存しても呼吸機能にあまり影響しないと考えられること や吻合手技の煩雑さから中下葉切除術にされることが多いことが原因の一つと考えられる。中間幹と中葉気 管支吻合は口径差が大きいが今回我々は吻合および口径差の調節が容易にできるように工夫してテレスコー プ吻合をおこなったので報告する。【症例】75 歳男性。血痰と労作時の息切れを主訴に前医を受診。CT では 右下葉 S6 から中間幹に突出する 66mm の腫瘍を認めた。腫瘍マーカーは CEA8.4ng!ml、シフラ 5.6ng!ml と 上昇していた。気管支鏡下生検で右下葉原発の扁平上皮癌、cT2bN1M0 stage IIB と診断された。【手術】後 側方切開、第 V 肋間開胸。A6 は結紮の距離が確保できず直接縫合閉鎖した。管状下葉切除後に中間幹と中 葉気管支の吻合をおこなった。まず術野の奥側にマットレス縫合を 3 針かけて中葉気管支が中間幹の内腔に 入るようにして結紮。その後は結節縫合を 2 針かけて 1 針結紮する形で順次追加。最後に膜様部にもマット レス縫合をかけて膜様部が折り畳まれるように結紮して口径差を調節した。マットレス縫合には両端針、そ の他は片針の 4"0 のモノフィラメント吸収糸を使用した。手術時間は 239 分、出血は 100ml。術後経過は良 好であり 5 病日に胸腔ドレーンは抜去され、9 病日に退院した。病理診断は 50mm、G2、扁平上皮癌、pm1、 n1、T3N1M0 stage IIIA であり、補助化学療法を受けて無再発生存中である。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

分岐部浸潤を疑った肺門部肺癌に対する右 sleeve 肺全摘

○中尾 将之1 、山崎 宏継1 、平井 慶充1 、後藤 英典1 、森 彰平1 、鮫島 譲司1 、松浦 陽介1 、 上原 浩文1 、文 敏景1 、中川 健1 、石川 雄一2 、奥村 栄1 1 がん研有明病院呼吸器センター外科、2 がん研究所病理部 【症例】43 歳,男性.【現病歴】20XX 年 1 月 咳漱、血痰を主訴に近医受診.気管支鏡を施行し右肺扁平上 皮癌と診断され当院紹介.【既往歴】特記事項なし【喫煙歴】30 本×28 年(16!43 歳)B.I.=840【血液検査所 見】CRP 2.5 CYFRA 8.3 と上昇.【呼吸機能】FVC 2.23 L,%FVC 57.5%,FEV1.0 1.95 L,FEV1.0% 87.4% 【CT 所見】右肺 S6 を主座に 50mm 大の充実性腫瘍を認め,右主気管から中間幹は閉塞.中枢は分岐部近傍, 末梢は中下葉分岐部に及ぶ.#7 は腫瘍と一塊となっており評価困難.#4R に短径 8mm 大の扁平な腫大リ ンパ節を認めた.【気管支鏡所見】右主気管支をほぼ閉塞する易出血性の腫瘤が分岐部に近接.EBUS!TBNA を施行し#4R, #7 陰性を確認.【治療方針】右肺扁平上皮癌 cT3N1M0!stage IIIA の診断で手術の方針に. 【術中所見】後側方切開,第 5 肋間開胸.腫瘍によるチェックバルブ効果で虚脱得られず.PA,PV を型の如 く処理.#2R から#4R を頭側から郭清.#7 は左主気管支側から分岐部方向のみ剥離.切離前に気管および 左主気管支前面の用指的剥離を行い授動.気管を竜骨の中枢 1!ring の上縁で,左主気管支を左 1!ring 目の末 梢側でそれぞれ切離.右肺,気管分岐部と縦隔リンパ節を一塊として摘出.左主気管支に術野挿管(外径 7.5 mm ショートカフ)し換気を維持.気管!左主気管支を 4!0 absorbable mono!filament 計 19 針の気道外結紮 で telescope 吻合し肋間筋弁を縫着.手術時間 6 時間 34 分,出血量 400 ml.【術後経過】1POD に胸腔ドレー ン抜去.10POD に軽快退院.術後補助化学療法として CDDP+GEM 4 コース施行.【最終病理診断】多形癌 pT3N2(#7)M0 stage IIIA 術中ビデオを供覧する.

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

気管分岐部に発生した扁平上皮癌に対して分岐部切除再建を

行った 1 例

○苅部 陽子、西平 守道、若松 郁磨、井上 尚、荒木 修、小林 哲、佐渡 哲、千田 雅之 獨協医科大学呼吸器外科 気管分岐部に発生した扁平上皮癌に、肺切除を伴わない分岐部再建(宮本法変法)を行った症例を報告する。 【症例】58 歳、男性。咳嗽を主訴に受診。気管分岐部にポリープ状に発育した腫瘍性病変を認め、気道は高 度狭窄しており、まず気管支鏡下に可及的腫瘍切除を行なった。診断は扁平上皮癌(cT4N2M0)、病変は LN #7 へ進展していたが限局しており、手術の方針とした。【手術】右後側方切開、第 5 肋間開胸。上下肺静脈、 右主肺動脈、気管、左右主気管支をテーピングした。左主気管支を切断し、術野挿管した。右主気管支を、 上幹を残すように中間幹側に切り込み、斜めに切断。気管も切離し、分岐部を切除した。迅速診断にて断端 に癌遺残ないことを確認した。まず、左主気管支と気管を単結節縫合で端々吻合し、分離肺換気チューブを 左主気管支内に再誘導した。次いで、端々吻合部の気管側壁に右上中間幹を端側吻合する孔を作成し、内側 連続縫合、外側単結節縫合にて吻合した。気管、左主気管支、右気管支の 3 点合流部には 8 字縫合を用い気 密性を維持した。出血 201ml、手術時間 351 分。全身状態の回復は順調で、吻合部の治癒も問題ないことを 確認し、25 病日に退院した。【結語】宮本法は右気管支を気管・左主気管支吻合部に吻合する二連銃変法と して報告されているが、今回の右気管支の吻合は気管への端側吻合であり、モンタージュ法に近い形となっ た。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

循環停止下に切除し得た左房腫瘍栓を伴う右上葉肺癌の 1 例

○水口 真二郎、泉 信博、山本 寛子、岡田 諭志、戸田 道仁、原 幹太朗、西山 典利 大阪市立大学呼吸器外科 左房腫瘍栓を伴う右上葉肺癌切除例を報告する。49 歳、男性。頚部痛で近医受診し胸部異常陰影を指摘。 当院紹介時は無症状。造影 CT 上右上葉 S1、2 を占拠する 8cm 大の腫瘍を認め、背側第 2∼4 肋骨まで胸壁 に接するが骨破壊は認めず。上肺静脈内に腫瘍栓を認め、左房内まで連続して進展。経食道エコーで上肺静 脈起始部より左房内に 3cm 長の棒状腫瘍を認めた。PET では主腫瘍は SUV9.7、左房内腫瘍は上肺静脈内と 連続し SUV5.4、葉間 LN に転移が疑われた。気管支鏡検査、CT ガイド下生検で低分化癌あるいは小細胞癌 と診断。腫瘍マーカー上昇なく、c!T4N1M0 stage3A と診断した。手術適応は議論があり微小転移の可能性 や術中塞栓の危険があるが、左房内腫瘍切除先行により致死的な脳梗塞など回避し術後化学放射線療法が施 行できると考え、手術方針となった。非小細胞肺癌で葉間肺動脈浸潤があれば肺動脈形成や肺全摘、小細胞 肺癌であれば単純肺葉切除の方針とした。手術は胸骨正中切開で開始。循環停止下に右主肺動脈を確保し、 左房を切開し腫瘍栓を確認。腫瘍栓は V1 より進展、V4!5 は温存可能で腫瘍栓を除去し、V1!3 を直接縫合 閉鎖した。心膜パッチを用い左房再建し、人工心肺離脱した。胸腔内術中所見で葉間肺動脈は腫瘍、リンパ 節浸潤なし。骨性胸壁浸潤も認めず。術中迅速病理検査で肺静脈切除断端陰性、肺門リンパ節転移を認めず、 腫瘍栓は低分化癌で小細胞肺癌は否定的と診断された。正中切開創のみで右上葉切除および縦隔リンパ節郭 清を施行し終了した。術後経過は良好で第 22 病日に独歩退院。病理組織検査で LCNEC、p−T4N0M0 stage 3A と診断された。補助化学療法を 2 コース施行し術後 1 年経過も再発を認めていない。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

左上葉切除術における前方アプローチによる気管分岐下リンパ

節郭清

○中村 好宏、狩集 弘太、横枕 直哉、大塚 綱志、永田 俊行、原田 亜矢、鈴木 聡一、佐藤 雅美 鹿児島大学大学院 呼吸器外科 当科では肺癌に対して膜構造を意識したリンパ節郭清行っている。左上葉切除術における膜を意識した前 方アプローチによる気管分岐下リンパ節郭清の工夫についてビデオを供覧する。上縦隔と肺門リンパ節のリ ンパ節郭清、肺動脈・肺静脈・葉間を処理後、気管支を切離する前に気管分岐下郭清を行った。術後気管支 瘻予防のため太い気管支動脈は可能な範囲で温存した。また迷走神経の損傷を予防するため、背側で迷走神 経を上下葉間よりやや尾側まで剥離し taping を行った。郭清予定のリンパ節および脂肪を釣り上げておくた め、心膜側を先行して十分剥離した後気管支側の剥離を行った。上肺静脈切断端より心膜を損傷しないよう に露出し、尾側∼背側へ向けて剥離を行った。肺門尾側では、下肺静脈上縁を露出させ、郭清下端とした。 背側へ心膜の剥離を行うと右主気管支が同定でき、その尾側で右下肺静脈を同定でき、同部を郭清の背側下 端とした。この付近の視野はかなり不良で、視野展開が問題である。そこで内視鏡用スポンジ(セクレア)を 剥離下縁に挿入し、視野展開に用いた。右主気管支左側で食道を同定、迷走神経のテーピングを参考に神経 を温存した。腹側尾側で B8 露出部分へ連続させ、左上葉支の方向へ剥離を進めた。右主気管支末梢側から分 岐部・左主気管支と剥離し、前方から気管分岐下リンパ節の郭清を行った。適宜エネルギーデバスを用いて シーリングを行った。背側から気管支への血流がある程度維持できる気管分岐下リンパ節郭清法と考えられ た。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

右中葉肺癌に対する完全鏡視下系統的リンパ節郭清の工夫

○菊池 慎二1 、上田 翔1 、柳原 隆宏1 、佐伯 祐典1 、山岡 賢俊1 、小林 尚寛1 、山本 純1 、 井口 けさ人1 、鈴木 久史1 、後藤 行延1 、酒井 光昭1 、南 優子2 、鬼塚 正孝1 、市村 秀夫1 、 佐藤 幸夫1 1 筑波大学呼吸器外科、2 筑波大学診断病理 肺癌発生部位別にリンパ節転移形式の特徴を検討することにより,系統的なリンパ節郭清範囲を工夫する ことは,肺癌標準手術の質を向上させるために重要である.当院において 2000 年 1 月から 2011 年 1 月まで に,ND2 以上のリンパ節郭清術を伴う完全切除が行われた原発性非小細胞肺癌 351 例を検討したところ,右 中葉肺癌は 13 例で,うち縦隔リンパ節転移を来たしたものは 2 例であった.1 例は#7 に孤立性転移を認め, もう 1 例は#11i,11s,4R,2R に転移を認めた,後者は#7 を経由せずに#11s を経由して上縦隔に至るリ ンパ流路が考えられた.従って,右中葉の原発巣から上縦隔リンパ節への郭清の連続性を保つためには,2 つのリンパ流路を系統的に郭清しなければならないと考えた.1 つ目は#11i から上肺静脈裏面を剥離して気 管分岐下に至り,さらに気管気管支心膜靭帯を切離して気管分岐下と右主気管支前面及び気管前面を連続さ せて上縦隔に至る経路である.2 つ目は#11s から#12u を通過して右主気管支外側を経由して気管右側壁に 至る経路である.我々は完全鏡視下に術野の十分な展開と拡大視野やシーリングデバイスの有効利用により, 気管支動脈を可及的に温存した系統的リンパ節郭清を行う工夫をしている.今回,右中葉発生の肺腺癌 cT2bN 2M0stageIIIA(#4R,7 リンパ節転移)に対して,導入療法後に完全鏡視下右中葉切除,縦隔リンパ節郭清 術を施行した症例を経験した.上記 2 つのリンパ流路を念頭に,系統的な肺門縦隔リンパ節郭清を行った手 術をビデオにて供覧する.

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

完全胸腔鏡下手術における左下葉肺癌・気管分岐部郭清の工夫

○平山 杏、松田 史雄、角岡 信男、稲沢 慶太郎 仙台厚生病院呼吸器外科 左下葉肺癌における気管分岐部リンパ節郭清は、腹側に心臓、背側に下行大動脈と食道が存在することな どから、郭清の最深部までの距離が右下葉肺癌のそれに比して遠く、一般に困難とされる。標準開胸におけ る気管分岐部郭清であれば、助手側から視野展開の器械が挿入可能であることに加えて、板状鉤なども使用 可能であるため、それほど郭清に難渋はしないかもしれない。しかし、胸腔鏡下手術では前述のような器械 は使用できず、視野展開に難渋することが度々経験される。これまで各施設で気管分岐部リンパ節郭清にお いて様々な工夫が行われている。当院では虎ノ門病院式の 3 ポート式完全胸腔鏡手術を施行しているが、ス タッフ数の問題より手術を術者と第 1 助手の 2 人で施行せざるを得ない状況があり、そのような状況でも安 全に良好な視野を確保し、確実な気管分岐部リンパ節郭清を施行できることを目標とした工夫をしている。 実際の手技をビデオで供覧する。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

リガシュアーを用いた肺癌に対する胸腔鏡下縦隔リンパ節郭清

○西岡 清訓1 、岩澤 卓2 1 公立学校共済組合近畿中央病院外科、2 市立豊中病院外科 <背景および目的>エネルギーデバイスは結紮やクリッピングを省略でき、特に鏡視下手術におけるその有 用性は疑う余地がないが、肺癌に対する胸腔鏡下縦隔リンパ節郭清術の認容性に関するまとまった報告はな い。今回我々は、リガシュアーを用いた肺癌に対する胸腔鏡下縦隔リンパ節郭清症例の周術期データを解析 し、その認容性を検証した。また、郭清の実際を動画で供覧する。<対象>当科で 2008 年 1 月から 2014 年 11 月までに、肺癌に対しリガシュアー V もしくはリガシュアー blunt tip を用い完全鏡視下に肺葉切除およ び縦隔リンパ節郭清術を施行した 66 例。<方法>上記症例の周術期データを解析した。<結果>上縦隔郭清 例は 30 例で、出血量(手術全体)は 15g、郭清縦隔リンパ節(病理検査)は 9 個、郭清時間は 35 分、ドレー ン留置期間は 3 日間であった。下縦隔郭清例は 24 例で、それぞれ 25g、7 個、20 分、3 日間、上下縦隔郭清 例は 12 例で、それぞれ 50g、17 個、56 分、3 日間、全症例は 66 例で、それぞれ 25g、8 個、33 分、3 日間で あった(数値はすべて中央値)。郭清に起因する可能性のある合併症は、不整脈を 3 例に認めた。<結論>リ ガシュアーを用いた肺癌に対する胸腔鏡下縦隔リンパ節郭清術は安全に施行でき、認容できる。

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肺癌と気管支拡張症を合併した高度分葉不全肺に対する

fis-sureless bilobectomy

○藤原 俊哉、荒木 恒太、西川 仁士、小谷 一敏、松浦 求樹 広島市立広島市民病院呼吸器外科 【緒言】分葉不全肺に対する肺葉切除は葉間からのアプローチが困難であるために難渋することが多く,術後 遷延性肺瘻の原因にもなり得る.今回,われわれは右上葉肺癌に中葉の気管支拡張症を合併し,さらに高度 分葉不全であった症例に上中葉切除を施行した.【症例】59 歳,女性.既往歴:20 歳代後半から気管支拡張 症.検診にて右上肺野異常影を指摘された.CT にて右上葉に 42mm 大の腫瘤を認め,気管支鏡で腺癌の診 断を得たため,cT2aN0M0 stageIA の診断で手術の方針とした.CT では右中葉と左下葉に著明な気管支拡 張を認め,中葉には複数箇所に肉芽腫を疑う結節影を認め,肺癌が局在する上葉とともに萎縮していた.ま た,高度の分葉不全を認めた.PET!CT では右上葉の腫瘤に SUV max 8.3 の異常集積を認めるのみであった. 手術は上中葉切除を予定したが,分葉不全のため,fissureless bilobectomy を計画した.手術手技を供覧する. 【考察】Fissureless lobectomy は 1998 年に Temes らによって報告された手技である(Ann Thorac Surg 1998 ; 65 : 282−4).われわれも術中判断で葉間形成を諦め,肺門処理を先行する症例を経験してきたが,術前の画 像所見などから計画的に fissureless lobectomy を行えば,手術時間の短縮,術後肺瘻の軽減,早期胸腔ドレー ン抜去が可能になるものと考えられる.【結語】Fissureless lobectomy は胸腔鏡での狭い視野においてはより 有用な手技であると考えられる.

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

葉間からのアプローチが極めて困難な肺癌症例に対する

Ret-rograde lobectomy technique

○大浦 裕之、石田 格、菅原 崇史 岩手県立中央病院呼吸器外科 【はじめに】日常的に行われている肺癌手術の中には特段高度なテクニックは要さないものの、最初のアプロー チ方法を見誤ると高難度手術に変貌する症例が存在する。最近葉間からの展開が極めて困難で術式に工夫を 要した肺癌の 2 例を経験したので供覧する。【症例 1】検診にて右肺門部の腫瘤影を指摘。胸部 CT にて右上 中葉間に跨り葉間肺動脈に近接する 30mm 大の腫瘤を認めた。精査にて診断つかず肺癌疑い(cT2aN0M0, stage IB)として当科紹介。【手術所見】腫瘍は右 S3 と S4 に跨るように存在し、術中針生検にて扁平上皮癌 と診断され上中葉切除(+肺動脈形成)+ND2a の方針としたが腫瘍により葉間肺動脈は全く不可視の状況。 中下葉間を切離後、中葉気管支を切離して観察するに A4+5 分岐部まで腫瘍浸潤あり。主肺動脈を遮断後 TA type の stapler にて A4+5 を切離した。A2b、肺動脈上幹を処理した後(懸念された肺動脈中幹への直接浸 潤なし)、最後に上葉気管支を切離し上中葉と腫瘍を一塊として摘出した。【症例 2】検診チェックの左下葉 末梢腺癌例。cT1aN0M0,stage IA で手術目的に当科紹介。胸部 CT 上左葉間線が全く追えず高度分葉不全 が予想された。【手術所見】分葉不全は予想を遥かに超え左肺はほぼ「単一葉」であった。葉間の展開は困難 と判断し下肺静脈(上肺静脈と共通幹)、A6、下葉気管支、A8!10 の順で処理後、肺門を十分に剥離し上下 葉間の「含気虚脱ライン」を指標として肺実質を stapler により切離し左下葉を摘出した。あたかも超拡大区 域切除の如き術式であった。【結語】術中における不測の事態を可及的に回避するためにも画像診断による解 剖学的予測に基づいた綿密な術前の術式シミュレーションが重要である。

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術前導入化学放射線療法後の右楔状スリーブ上葉切除術の検討

○松本 耕太郎、許斐 裕之、大城戸 政行、一宮 仁 国家公務員共済組合連合会浜の町病院外科 【はじめに】肺癌手術における気管支形成は根治性を確保しつつ肺機能温存を目的とした術式である。今回、 導入化学放射線療法後に安全に施行しえた Deep Wedge 気管支形成術について報告する。【症例】69 歳男性、 胆石症の術前検査で右主気管支に浸潤する右上葉肺癌を指摘。生検で扁平上皮癌と診断された。併存疾患に 糖尿病、心房細動がありインスリン療法、抗凝固薬を投与されていた。PET"CT で上縦隔リンパ節転移を疑 われ cT3N2M0(c"stage IIIA)の術前診断で S"1+CDDP(2 コース)+RT(41.4Gy)による術前導入化学 放射線療法を施行した。治療後の効果判定は PR で右管状または楔状スリーブ上葉切除術を予定した。【手術 所見】アプローチは第 4 肋間・後側方切開で開胸。腫瘍は上葉気管支基部から右気管支へ一部浸潤を疑う所 見を認めたが楔状スリーブ上葉切除で十分根治切除可能と判断した。気管支縫合は 3"0 モノフィラメント吸 収糸で結節縫合し吻合部は心膜前脂肪織で被覆した。【病理組織診断】[SCC,ypT2a,N2;#2R(1!2),M 0(yp"stageIIIA),pl0,pm0,ly0,v0,pa("),pv("),br(")]Ef.2 術後は合併症なく順調に経過した。 【まとめ】化学放射線療法後の気管支形成は通常より縫合不全のリスクが高くなることが危惧される。Deep Wedge 法は気管支の一部が保たれているため縫合が比較的容易で縫合不全の危険性が少ないといわれてい る、しかし気管支への切り込む角度によっては縫合部が不自然な形状となり、逆に縫合不全のリスクを高め てしまう可能性があり注意を要する。また吻合部の緊張緩和のために周囲組織の授動をいかに行うかも重要 であり、ビデオを供覧しながら Deep Wedge 法の良い点、悪い点、手技のポイントについて検討する。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

pN2 肺癌症例に対して導入化学放射線療法(CRT)後に気管

支形成を要した右上葉切除術の 2 例

○西平 守道、荒木 修、苅部 陽子、小林 哲、佐渡 哲、千田 雅之 獨協医科大学呼吸器外科 過去 5 年間に当院にて導入化学放射線治療後に手術を行ったのは 34 例で、気管支形成術を行ったのは 8 例で あった。うち、気管支形成を伴う右上葉切除を行った 2 例につきビデオを供覧する。(症例 1)56 歳男性。主 訴は血痰。CT で#10 と一塊になった腫瘍を認めた。#4R、#7 の気管支鏡下生検で class5。腺癌 3A 期(cT 1bN2M0)と診断され、CRT(40Gy・CBDCA+PTX×2 コース)を施行した。治療効果は SD。手術は腫瘍 が#10 と一塊となり気管支、肺動脈に浸潤していたため肺動脈合併切除し右上葉スリーブ切除を行った。気 管支は 4!0PDS で 15 針結節縫合にて吻合し、有茎心膜脂肪織で被覆した。吻合部の緊張緩和目的に下肺静脈 尾側の心膜に U 字切開をおいた。(症例 2)65 歳男性。主訴は血痰。CT で右上葉の空洞性病変、#4R、#7 の腫脹を認めた。気管支鏡下生検で大細胞癌 3A 期(cT2aN2M0)と診断され、CRT(40Gy・CDDP+VNR2 コース)を施行した。治療効果は SD で手術を施行。腫瘍が#4R、10R と一塊になっており気管支、上大静 脈と強固な癒着を認めた。2R を郭清し、一塊となった 4R!10!12u を右主肺動脈、主気管支、上大静脈から慎 重に剥離した。大動脈前面の心膜を一部合併切除して右上葉と一塊に摘出した。気管支は楔状切除し、3!0PDS で 7 針単結紮にて縫合し肋間筋弁被覆を行った。術後経過は良好であった。通常、気管支形成を行う際被覆 は必須ではないが、CRT 症例では縫合不全の予防目的に心膜脂肪織や肋間筋弁などによる被覆を行なってい る。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

化学放射線療法後に Extended Sleeve Type D を施行し

た 1 例

○鈴木 健司、松永 健志、阪野 孝充、今清水 恒太、王 志明、高持 一矢 順天堂大学 呼吸器外科 【背景】化学放射線療法後の手術が様々な状況下に施行されている。北米で化学放射線療法後の全摘がハイリ スクで避けるべきであると報告されて以来、その是非に関する議論が続いている。一方化学放射線療法後に 行われる気管支形成に関しては北米ではほとんど行われておらず欧州の一部の施設で行われているにとどま る。化学放射線療法後に複雑気管支形成を施行した症例を提示する。【症例】60 歳女性。胸部 CT 上腫瘍は右 下葉に存在し最大径 45mm。肺門リンパ節と一塊に存在した。臨床病期 IIIA で化学放射線療法(concurrent chemoradiotherapy with CDDP and docetaxel)を施行された後に、切除目的に当院を紹介受診。肺腺癌の 診断で放射線 45Gy 照射終了後 3 ヶ月の時点で手術を施行した。【手術】腫瘍は右肺門に位置した。後側方開 胸でアプローチ。腫瘍は中間気管支幹に浸潤し、右肺上葉を preserve すべく、気管支形成術を施行した。右 主気管支と右上葉支は口径差が大きく、結節縫合とした。4!0 non!absorbable monofilament strings を用い た。気管支断端陰性をを確認し、手術終了(手術時間 194 分、出血 420cc)。病理学的に腫瘍は 50% に viable tumor を認めたが、放射線の影響で腫瘍細胞は全体に大型化し細胞同士の接着性に乏しく核は濃縮していた。 腫瘍周囲では肺胞の虚脱、器質化、繊維化、泡沫細胞浸潤をみとめ、放射線肺臓炎の所見。リンパ節は肺門 リンパ節に転移を認めた。4R リンパ節に繊維化とマクロファージの浸潤をみとめ、癌が存在していた可能性 があった。【転帰】術後経過きわめて順調で第五病日に退院、術後 490 日の現在、無再発生存。【まとめ】化 学放射線療法後の extended sleeve を供覧する。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

化学放射線療法有効後に腫瘍の存在していた部位で主気管支切

離、左下葉スリーブ切除で完全切除し得た一例

○野守 裕明、叢 岳、杉村 裕志、武士 昭彦 亀田総合病院呼吸器外科 【目的】術前化学放射線療法の対象となる肺癌は中枢伸展例も多く、気管支形成術を要することがしばしばあ る。術前治療で気管支浸潤部位が瘢痕化していた場合、気管支の切除範囲を腫瘍の存在していた部位すべて を含めるべきか、吻合部の緊張軽減のために瘢痕部位で切離するか、術中に判断の問われることがある。我々 は 2013 年 1 月より術前化学放射線療法後に手術を行った 31 例中、8 例に気管支形成(スリーブ切除 6 例、 楔状切除 2 例)を伴う肺葉切除を行った。その内 4 例は瘢痕部位で気管支切離し断端陰性を確認し手術を終 了しており、断端再発は現在まで生じていない。今回、瘢痕部位で気管支切離し左下葉スリーブ切除を行っ た 1 例を提示する。【症例】67 歳男性。左下葉腺癌、cT4N2M0(左主気管支と大動脈へ浸潤、#5 リンパ節 転移)。左主気管支は分岐部より 3 軟骨輪(2cm 以内)まで浸潤。CDDP+DTX2 コースと放射線照射(40Gy) で PR を得、気管支鏡所見では気管支内の腫瘍は消失。術中所見では左主気管支壁は瘢痕組織に覆われてい たが、同瘢痕部位で主気管支を切離した結果、断端陰性であったので同部位で左下葉スリーブ切除気管支形 成術を施行。病理結果は Ef3。術後の気管支開存は良好。術後 1 年 2 か月の現在、局所再発はない。【結語】 同症例の場合、腫瘍の存在した主気管支の範囲を全て切除するには分岐部直下まで切離する必要があり、そ の場合は吻合部の緊張が高くなり縫合不全のリスクが高くなる。中枢伸展型肺癌において術前化学放射線療 法で気管支浸潤部位の腫瘍が消失し術中の気管支断端が陰性の場合、腫瘍の存在していた範囲すべての気管 支切除は不要の可能性がある。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

左下葉肺門部肺癌に対し,下葉+舌区切除および気管支管状切

除にて左肺全摘を回避できた一例

○川上 行奎1 、坂本 晋一1 、住友 弘幸1 、坪井 光弘1 、梶浦 耕一郎1 、鳥羽 博明1 、中川 靖士1 、 滝沢 宏光1 、吉田 光輝1 、先山 正二1 、近藤 和也2 、丹黒 章1 1 徳島大学胸部内分泌腫瘍外科、2 徳島大学大学院臨床腫瘍医療学 61 歳,男性.3 か月前からの咳を主訴に近医受診.高血圧にて内服治療中.受診時まで喫煙あり.40 本× 35 年.胸部 CT で左下葉肺門部肺癌が疑われ当院紹介.肺門部リンパ節と一塊になった腫瘍により下葉気管 支は閉塞,末梢の肺炎像や舌区気管支への圧排所見あり.気管支鏡では下葉入口部は B6 から隆起していると 思われる腫瘍にて閉塞していた.主気管支粘膜への浸潤は明らかではなかった.生検で扁平上皮癌と診断,cT 2aN1M0 stageIIA.PS0,HJ I さらに呼吸機能的にも全摘可能であったが,気管支形成を付加すれば上大区 は温存できるだろうと判断し手術に臨んだ.上大区下葉間を背側から開いていき肺動脈を露出.肺動脈への 浸潤は認めず.A1+2c の末梢で切離し上下葉気管支の分岐部を露出した.まず舌区気管支を確保,選択的に 舌区に含気を戻した後に舌区気管支を切離した.含気虚脱ラインにそってステープラーで切離,舌区切除を 完了.次いで上大区枝と舌区気管支断端および下葉気管支をまずは深く楔状に切離し下葉切除を完了した. 迅速で主気管支側が断端陽性であったため,気管支を切り足して管状切除とし上大区と主気管支は離断され た.断端陰性を確認した後,4!0 モノフィラメント吸収糸による全周結節縫合にてテレスコープ型に端々吻 合.なお吻合に先立って主気管支側は膜様部で 2 針縫縮,口径差を小さくしている.肋間筋を吻合部に巻き つけ被覆した.8 日目の気管支鏡検査で吻合部の開存は良好.14 日目に退院した.最終病理診断は pT2aN1 M0 stageIIA であった.

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

術前化学放射線治療後左上葉管状切除術において気管支先行切

断、肺動脈処理が有効であった 1 例

○杉村 裕志、野守 裕明、叢 岳、武士 昭彦 亀田総合病院呼吸器外科 【目的】術前化学放射線療法後の III 期局所進行肺癌の手術においては肺門部の癌浸潤部位が瘢痕化して気管 支と肺動脈間の剥離が困難となり双方の処理に難渋する症例がある。術前治療後で肺門部が高度に瘢痕化し た左上葉肺癌手術において肺動静脈遮断下に瘢痕部位で上葉気管支を先行切断し、上葉肺動脈分枝の切離を 行い、上葉管状切除を行い得た症例を経験したので報告する。【症例】60 歳台、男性。左上葉原発肺扁平上 皮癌、cT3N1M0,Stage IIIA。腫瘍は 70mm 大で肺門部リンパ節と一塊となり左肺動脈幹と広く接していた。 腫瘍は上葉気管支を完全に閉塞して左主気管支内に突出していた。CDDP+DTX!46Gy による術前化学放射 線療法を行い PR の後に肺切除術を行った。肺門部の組織は高度に肥厚、瘢痕化していた。心嚢内で左主肺 動脈をテーピングして上肺静脈を心嚢内で切離した。肺動脈分枝は根部で瘢痕に巻き込まれており気管支と 肺動脈の分離も困難であった。左主肺動脈、下肺静脈をクランプし、肺動脈との瘢痕性癒合を残した状態で 腹側から上葉気管支を先行切断した。末梢側気管支断端を肺動脈から鋭的に剥離した。瘢痕部位に隣接した 肺動脈幹の一部をそぎ取る様に上葉への各肺動脈分枝を根部で切断した後に断端を縫合閉鎖した。上葉気管 支は管状切除を行った。肺動脈、気管支切離断端に癌の遺残のないことを確認して R0 切除し得た。【結語】術 前化学放射線療法後の手術では肺門部組織の瘢痕化により肺動脈処理が困難になる場合がある。肺動静脈遮 断下の気管支先行切断は有効な手技であった。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

管状中葉切除を施行した非定型カルチノイドの一例

○張 吉天、青山 晃博、山田 徹、佐藤 雅昭、毛受 暁史、佐藤 寿彦、陳 豊史、園部 誠、大政 貢、 伊達 洋至 京都大学医学部附属病院 呼吸器外科 症例は 26 才男性。肺炎で他院に入院を繰り返し、CT にて右中下葉の無気肺を認めた。前医にて気管支鏡 を施行され、中間気管支幹内腔に腫瘍を認め、生検にて定型カルチノイドと診断され当科を紹介受診。全身 検索にて遠隔転移を認めず手術を施行した。後側方第 5 間開胸。中下葉は完全無気肺であった。気管支鏡所 見と触診から腫瘍は中葉発生と判断した。葉間にて肺動脈を中枢、末梢を十分剥離し、ascending A2,A4+ 5,A6,basal artery にテーピングし、中葉の動脈・静脈を切離し、肺動脈を腹側に牽引して中間気管支幹の 視野を確保した。中間気管支幹中枢と下葉気管支に支持糸をかけ、中枢は 2nd carina の 2 リング末梢で、末 梢側は B6 の中枢で切離し管状中葉切除とした。中間幹の中枢・下葉気管支の支持糸を寄せること、下肺静脈 周囲の心膜を切開することで、気管支吻合部の減張をはかった。気管支は 4!0 吸収性モノフィラメント糸に て、術野から深くなる縦隔側半分を連続縫合で、胸壁側を単結節縫合にて吻合した。下葉気管支内に多量の 泥状痰が認められ、術後シングルルーメンチューブに入れかえて吸痰し右下葉の含気は速やかに改善した。 術後経過は良好で、第 3 病日に胸腔ドレーンを抜去、第 7 病日に退院。術後病理では、非定型カルチノイド、 pT1aN0M0,stage IA と診断された。術後 2 ヶ月で気管支鏡を施行し、吻合部の治癒は良好であった。現在、 術後 5 ヶ月で無再発、経過観察中である。管状中葉切除術は、気管支の視野展開、吻合部の減張に工夫が必 要である。まれな術式であり、本症例の手術動画を供覧する。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

gefitinib 導入療法後に手術施行した右上葉肺癌の 1 例

○森 將鷹1 、平井 文子1 、松宮 弘喜1 、篠原 周一1 、桑田 泰治1 、竹中 賢1 、新居 和人1 、岡 壮一1 、 近石 泰弘1 、田嶋 裕子1 、黒田 耕志1 、米田 和恵1 、永田 好香1 、宗 知子1 、浦本 秀隆2 、田中 文啓1 1 産業医科大学第2外科、2 埼玉県立がんセンター胸部外科 症例は 83 歳女性。2014 年 3 月に検診で胸部 X 線施行し右上肺野に腫瘤影を認めた。CT で右上葉 S1∼3 に 5.0×3.1cm の腫瘤を認め、SVC の左右腕頭静脈流入部から奇静脈中枢側、肺動脈本幹のレベルまで広く接 し、一部圧排所見があったため浸潤ありと判断した。右上葉肺癌 adenocarcinoma cT4(SVC)N0M0 stageIIIA と診断した。EGFR 遺伝子変異(19 deletion)を認め 6 月より gefitinib を開始した。50 日後の CT で腫瘍は 3.3×2.1cm、RECIST 法で 34% 縮小し、SVC から離れたため手術可能と考えられ当科紹介となった。右上葉 肺癌 ycT2a(3.3cm)N0M0 stageIB の診断で手術施行した。腫瘍は S1∼3 に存在し、奇静脈中枢側周囲で固 着しており浸潤が疑われた。左腕頭静脈、右腕頭静脈、心嚢内にて SVC を taping した。SVC に side clamp をかけて奇静脈中枢側を切離、直接縫合した。A1+3 は縦隔側に変位しており gefitinib の効果に伴う影響と 考えられた。そのため A1+3 を SVC の裏面で確保し右上葉切除・縦隔リンパ節郭清(ND2a!2)を施行した。 病理標本では明らかな SVC 浸潤の所見は認められず、yp!T2a(40mm,pl1)N0M0 stageIB と診断した。Ge-fitinib 導入療法により完全切除し得た症例を経験したため報告する。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

術前化学放射線治療後に胸骨正中切開で右肺上葉 sleeve 切除

を施行した N2 局所進行肺癌の 1 例

○宮原 尚文、山下 眞一、緑川 健介、宮原 聡、吉田 康浩、濱武 大輔、平塚 昌文、吉永 康照、 白石 武史、岩崎 昭憲 福岡大学病院呼吸器乳腺内分泌小児外科 58 歳男性.検診の胸部 X 線で異常を指摘され,胸部 CT で右肺上葉の肺門部に 61×56mm 大の腫瘤影とリ ンパ節 4R,7 に著明な腫大を認めた.PET 検査で主病変に SUVmax : 18.0,リンパ節 4R,7,10 にそれぞれ SUVmax : 25.6,8.8,18.0 の集積を認めた.TBLB で NSCLC の診断で臨床診断は右肺癌 cT3N2M0 Stage3A とした.Multiple N2 であったため,術前に CDDP+DOC : 2 コース,放射線治療 total : 40Gy を施行予定であっ たが,化学療法に関しては副作用が強く,1 コースのみで中止とした.治療判定の CT で PR と診断されたた め,手術を施行した.腫瘍は右上葉気管支中枢に位置し,前方のリンパ節 10 から 4R にかけて一塊となり肺 動脈本幹中枢側への浸潤も疑われたため,胸骨正中切開で右前側方開胸を追加したアプローチで行った.右 肺動脈本幹をテーピング後に肺動脈の剥離を行ったが,浸潤はなく A1+3,A2 は切離可能であった.リンパ 節 4R,7 は浸潤なく郭清可能であったがリンパ節 10 は気管支への節外浸潤が疑われたため,右肺上葉の sleeve 切除を行う事で肺全摘術を回避し完全切除ができた.気管支断端の被覆には前縦隔脂肪織を使用した. 術後の合併症としては胸骨正中切開部の離開を認めたが,再閉鎖術を施行し術後 40 日で軽快退院となった. 病理検査では腫瘍,リンパ節ともに Ef.3 であり,pCR であった.術後補助化学療法として CDDP+DOC を 1 コース施行したが副作用が強く,2 コース目は希望されず施行していない.現在術後 1 年半経過しているが, 無再発生存中である. 今回術前化学放射線治療後に前方アプローチによる右肺上葉の sleeve 切除術を施行した症例について供覧 する.

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

Crizotinib にて術前化学導入療法を施行した 1 手術例

○仁藤 まどか、和田 篤史、有賀 直広、大岩 加奈、中川 知己、増田 良太、岩崎 正之 東海大学医学部外科学系呼吸器外科学 【背景】現在、III 期非小細胞肺癌(以降 NSCLC)の標準治療は、化学放射線療法や手術など集学的治療が推 奨されている。近年 III 期 NSCLC における術前導入化学療法に分子標的薬を使用し、良好な結果を得たとす る報告が散見される。今回 Crizotinib を用いた術前導入治療後、手術施行した EML4"ALK 遺伝子変異陽性 肺腺癌の症例を経験したため、文献的考察を含め報告する。【症例】症例は 33 歳男性。倦怠感、血痰を主訴 に前医受診。胸部単純 X 線にて異常所見認め当院紹介受診となった。胸部 CT にて右 S9 に 29×25mm の結 節と縦隔肺門部リンパ節腫大が認められた。気管支鏡検査にて肺腺癌と診断され、ALK 遺伝子変異検査(FISH 法)で EML4"ALK 遺伝子変異が検出された。精査にて遠隔転移なく、EML4"ALK 遺伝子陽性肺腺癌 cT1bN 2M0 StageIIIA と診断された。右肺全摘術回避のため、Crizotinib(500mg!day)を用いた術前導入化学療法 後に手術の方針となった。2 カ月後、胸部 CT にて、腫瘍径 17×19mm 縦隔肺門部リンパ節の腫大も縮小し ており、RECIST : PR と判断した。術前診断 ycT1aN1M0 StageIIA として右中下葉切除及びリンパ節郭清(ND 2a"1)を施行した。最終病理病期は肺腺癌 ypT3N2M0 StageIIIA であった。術後 3 日で Crizotinib を再開。 術後 8 ヶ月、再発なく経過良好であった。【結語】EML4"ALK 遺伝子変異陽性例に対して、Crizotinib にて 術前導入化学療法を施行した 1 例を経験した。現在分子標的薬を用いた術前導入化学療法における治療期間 や手術時期、術後化学療法の必要性に関して明確な指標はなく、その有効性に関しても更なる議論が必要と されるところである。今後の治療戦略の一つとして、症例を重ね検討していく必要があると考える。

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術前放射線化学療法後に左下葉切除(deep wedge

resec-tion)を行った一例

○池田 拓広、甲斐 佑一郎、半田 良憲、向田 秀則

広島市立安佐市民病院

症例)74 歳男性現病歴)C 型肝炎で近医通院中、CT で肝 S6 に SOL を指摘され当院紹介。術前の PET にて 左肺 S6 に集積を認め、気管支鏡検査で B6 の入口部に全周性の腫瘍で閉塞しており 2nd spur に一部伸展し ていた。細胞診では squamous cell carcinoma(cT1aN0M0stage1A)と診断された。左肺全摘の可能性もあ るため、放射線化学療法を選択した。術前治療)放射線療法(40Gy!20Fr),化学療法 weekly CBDCA+PTX 3 コース施行した。効果判定)気管支鏡検査にて B6 は開存しておりわずかな発赤を認めるのみであったが擦 過細胞診にて B6 入口部から squamous cell carcinoma と診断された。2nd spur の発赤は消失していた。手術 所見)胸腔内、放射線照射範囲に癒着は認めなかった。型どおり、下肺静脈、下葉肺動脈を自動吻合器にて 処理し下葉気管支をテーピングした。CRT 前は腫瘍は B6 入口部から 2nd spur の舌区枝根部付近まで伸展し ていたため、舌区枝に切り込むようにして deep wedge resection で気管支形成を行い左下葉切除を施行し た。最終病理)B6a から分岐する 5 次気管支の内腔にわずかに癌細胞を認めるのみで Ef2 と診断された。術 後経過)術後経過良好にて第 9 病日に退院した。術後 7 日目の気管支鏡検査では舌区枝はやや閉塞しかけて いたが 2 ヶ月後の気管支鏡検査では完全に開存しており、肺の拡張も良好であった。

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Bevacizumab 併用導入化学療法後に気管支形成術を行い完

全切除し得た肺腺癌の一例

○有村 隆明、西村 秀紀、小沢 恵介、藏井 誠、小林 宣隆 長野市民病院呼吸器外科 【背景】局所進行肺癌における Bevacizumab(BEV)併用化学療法は腫瘍縮小効果と切除不能非扁平上皮癌 の生存率上昇が報告されている。また、N2 肺癌は全身疾患であり周術期の化学療法が予後改善に寄与すると 期待されている。今回我々は局所進行 N2 肺癌に対する cisplatin(CDDP),pemetrexed(PEM),BEV の導 入化学療法が奏功し気管支形成術を行うことで完全切除し得た肺腺癌の一例を経験したので報告する。【症例】 52 歳、男性。2014 年 2 月の検診で胸部異常影を指摘、胸部 CT で右 S1 に 38mm の腫瘍を認め気管支鏡検査 で腺癌と診断した。FDG!PET では右肺門リンパ節#10,上縦隔リンパ節#4R に集積を認め cT2aN2M0 と 診断した。導入化学療法で CDDP,PEM,BEV 投与を 4 コース施行、FDG!PET でリンパ節の集積は消失し S1 の腫瘍も縮小、ycT1bN0M0 で切除可能と判断した。【手術】審査胸腔鏡で切除不能因子が無いことを確認 し後側方切開・第 5 肋間開胸で手術を行った。腫瘍は胸膜陥入を認めたが胸膜浸潤はなかった。上葉気管支 頭側で右肺門リンパ節#10 と上縦隔リンパ節#4R、奇静脈、迷走神経が一塊となっており、気管支形成 (Wedge)を行うことで上葉切除術が可能であった。気管支切離断端に腫瘍浸潤は無く、肋間筋弁を被覆し手 術を終了した。術後の経過は良好で、術後 7 日目の気管支鏡検査で吻合部の狭窄や虚血は無く、術後 8 日目 に退院となった。病理診断は右肺門リンパ節#10 に僅かな腫瘍の遺残を認め、pT1aN1M0,Ef2 と診断した。 患者は現在も無再発生存中である。【結語】Bevacizumab 併用導入化学療法後に気管支形成術を行った肺腺 癌の一例を経験したので若干の文献的考察を加え手術映像を供覧し報告する。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

肺門リンパ節の気管支浸潤を伴う肺腺癌に対する,放射線化学

療法後の右上葉管状切除術

○合地 史明、太田 紗千子、河野 朋哉、吉村 誉史、寺田 泰二、松原 義人 京都桂病院呼吸器センター呼吸器外科 【はじめに】局所浸潤や 2 群リンパ節転移を伴う肺癌に対して,根治性を高める為に術前放射線化学療法が行 われるが,治療後変化により手術の難度が上がり,周術期合併症の増加が問題とされている.今回,転移腫 大した#11s による主肺動脈と中間気管支幹への浸潤が考えられた肺癌症例に,放射線化学療法を施行後, 右上葉管状切除術を施行した症例を供覧する.【症例】48 歳女性.CT で右肺 S3b に 28×14mm 大の腫瘍と, 右主肺動脈と右上葉気管支から中間気管支幹への浸潤が疑われる腫大した#11s が認められ,気管支鏡所見 では右上葉口はほぼ閉塞していた.PET!CT で腫瘍本体と#2R,#11s へ集積があり cT1bN2M0 と診断され, 術前に CBDCA+PAC と 40Gy の放射線化学療法を行った.【手術方法】前方腋下切開にて第 4 肋間開胸を施 行.気管支狭窄による気道感染と放射線化学療法により,#11s と肺動脈本幹の癒着が強かったが浸潤は認 めなかった.肺動脈を葉間から頭側に向かって剥離し,上肺静脈を切離後に A1!3 を露出して結紮切離した. 気管支と肺動脈本幹も高度に癒着しており,完全に剥離した.気管支の切離は,頭側が上葉気管支から 2 軟 骨輪中枢,尾側は 3 軟骨輪末梢を切離した.気管支吻合は 3!0Vicryl で軟骨部を 10 針単結節縫合,膜様部を 連続縫合で行い,遊離の心膜周囲脂肪織で吻合部を被覆した.【術後経過】8 日目にドレーン抜去し 12 日目 に退院となった.病理では#2R に転移を認めず ypT1bN1M0 で,術前治療の効果と考えられた.気管支吻合 部位に逢着した遊離脂肪組織は術後 6 か月の CT では残存が確認され,1 年後にはほぼ消失していた.術後 9 ヵ月に小脳転移への SRT を施行したが,術後 1 年半の現在,他部位に転移再発を認めていない.

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自然気胸における胸腔内アプローチでの傍脊椎ブロックカテー

テル留置の実際と有用性の検討

○坪島 顕司、若原 鉄平、的場 保巳 高砂市民病院呼吸器外科 【はじめに】近年、胸部外科領域における傍脊椎ブロック(paravertebral block : PVB)の有用性が報告され ている。今回、胸腔内アプローチによる自然気胸に対する PVB の手技の実際とその有用性を硬膜外麻酔と比 較して報告する。【対象と方法】2010 年 6 月から 2014 年 10 月までに自然気胸に対して 3 ポートで胸腔鏡下 手術(VATS)を施行した 59 症例を対象とした。術後鎮痛方法として 34 症例に PVB(P 群)、25 症例に硬 膜外麻酔(E 群)を選択した。胸腔ドレーンの留置期間が 3 日以上の症例は除外した。P 群では胸腔内から 壁側胸膜、胸内筋膜を切開し肋骨に沿う形で傍脊椎腔にカテーテルを留置した。P 群、E 群ともに術後に持 続麻酔を行い、原則として胸腔ドレーン抜去時に鎮痛用のカテーテルも抜去した。【結果】P 群では 4.0±1.8 (中央値 4)肋間にわたって神経ブロックが得られた。P 群、E 群の年齢、性別、BMI などに有意差は認めな かった。手術時間は 88.0±21.1、82.1±41.8(P=0.04)、ドレーン留置期間は 1.8±0.7、1.3±0.6(P=0.01)、術 後嘔気嘔吐(postoperative nausea and vomiting : PONV)は 11.5、38.5%(P=0.05)で有意差を認めた。NRS による術後疼痛評価、術後尿閉、血圧低下では有意差を認めなかった。【結論】1)PVB の手技は容易で平均 で 4 肋間の範囲で神経ブロックが得られた。2)鎮痛効果は E 群と同等で、かつ PONV が減少しており PVB の有用性が示唆された。

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胸腔鏡手術における気腫化肺切除例の検討

○神谷 紀輝、岡 英俊、柳澤 貴子、関 大仁、金田 宗久、鈴木 慶一、石井 良幸、浅沼 史樹、 大作 昌義 北里研究所病院外科 【目的】背景の肺に高度気腫化を伴い気胸や腫瘍性病変を有する症例では、術後の呼吸器合併症や肺瘻が懸念 される。各施設でこれまで様々な検討・工夫がなされているが難渋する症例に遭遇する。今回当科における 検討を行った。【対象】2014.6!12 までに、術前の画像所見で広範囲にわたる気腫性変化を認め、呼吸器の検 査実施例では閉塞性換気機能障害を呈する症例のなかで胸腔鏡下肺切除術を実施した 6 例を対象とした。【結 果】年齢平均 65 歳、男女比 5 : 1、他に有する併存症としては糖尿病:1 であった。最終診断は肺癌:3,転移 性肺腫瘍:1,気胸:1,炎症病変:1、術式は葉切除:1,区域切除:1,部分切除:4 であった。術後ドレー ン抜去は全て 3 日目であった。呼吸リハビリ導入は 2 例に行った。退院は術後 4!6 日目に行われた。合併症 は糖尿病合併した 1 例に遅発性肺瘻を認め、胸膜癒着術により経過した。【考察】再手術には至らなかったが、 再ドレナージを要する症例を認めた。術後の肺炎は低侵襲手術や周術期呼吸リハビリ導入により発症は低下 しつつあるが、リスク因子を複数有する症例の肺瘻については、これまで以上の注意が必要と考えられた。 実際の手術動画で供覧し検討を加える。

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巨大な左上葉 NSCLC に対する dCRT 後の左肺全摘術―左肺

全摘における Central Approach の工夫―

○白石 武史、吉田 康浩、宮原 尚文、阿部 創世、永田 旭、宮原 聡、柳澤 純、濱武 大輔、 平塚 昌文、山下 眞一、岩崎 昭憲 福岡大学呼吸器・乳腺内分泌・小児外科 51 歳男性、cT3N2M0 の NSCLC。左上葉全体を占め胸壁・肺門に接する腫瘤。壁側胸膜直接浸潤が疑われ、 肺門・縦隔リンパ節転移陽性。CDDP+DOC の 2 クール+66Gy 後にリンパ節は縮小したが腫瘤は増大・空 洞化し、腫瘍壊死・化膿症化が懸念された。内科治療では制御困難と考え、切除が計画された。「手術」腫瘍 は肺門部から胸壁に直接浸潤あるいは炎症・瘢痕性癒着を来していると想定され、まず後側方開胸で胸壁側 剥離を行った。上葉部分は強靱な線維性組織で被われていたが胸壁への直接浸潤なく、胸膜外層で剥離。側 方視野での肺門処理は不可能であり、仮閉胸して前方アプローチを行った。胸縦切下に心嚢を開放し、主肺 動脈・上行大動脈間から主肺動脈分岐部を受動し、肺動脈分岐直後の左肺動脈を切断した。上肺静脈は心嚢 内処理した。再び後側方開胸を実施し、下肺静脈を心嚢外で切断。肺動脈脈断端(切除側)を外側へ牽引し ながらボタロー靱帯を切断して AP window 部分の肺動脈剥離を進め、心嚢後壁を解放して主気管支を露出・ 切断した。最後に左肺全体を背側に脱転しながら縦隔背側から大動脈弓部・下行大動脈にかけての癒着を剥 離し肺全摘を完了。「まとめ」根治的化学放射線療法による肺門・胸壁への強固な癒着がある巨大な肺腫瘍を 安全に切除するには、1)側方開胸で胸壁側の癒着を適格に剥離すること、2)前方から安全に肺門処理を行 うこと、の 2 点が重要。右側に比較して左側は前方(心嚢内)から肺門を処理することが困難で注意を要す る。左側肺門への Central Approach の工夫を紹介する。

参照

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