• 検索結果がありません。

○林 明男

1

、竹内 幸康

1

、大瀬 尚子

1

、須崎 剛行

1

、谷口 聖治

1

、前田 元

1

、平野 博嗣

2

1独立行政法人国立病院機構刀根山病院呼吸器外科、2独立行政法人国立病院機構刀根山病院病理部

【背景・目的】肺分画症は比較的稀な疾患で、分画肺の感染を繰り返し血痰・喀血を来すことがあるため通常 は外科的に異常肺を摘出する。近年肺癌に対する胸腔鏡下手術が一般的になり、また小型末梢肺癌に対する 区域切除も数多く行われている。当科に於いても肺癌に対する胸腔鏡下肺区域切除は近年全体の約 10% を占 める。一方、肺分画症は良性疾患であり、可能な限り低侵襲でかつ肺実質減少や呼吸筋損傷を最小限にとど めることを考慮すると胸腔鏡下区域切除の良い適応だが、その様な報告はまだ少ない。今回我々は肺葉内分 画症に対し胸腔鏡下肺区域切除により分画肺を切除した症例を 2 例経験した。当科での過去の手術例と併せ て考察する。【対象・方法】2004 年 1 月から 2014 年 11 月の当科に於ける肺分画症手術症例 9 例を Retrospec-tive に検討。【結果】症例 1 は 36 歳女性、肺葉内分画症に対し胸腔鏡下左 S10 区域切除:異常血管は結紮切 除、術後 10 日目に退院した。症例 2 は 44 歳男性、同じく肺葉内分画症に対し胸腔鏡下左 S10 区域切除:異 常血管は結紮及び自動縫合器、術後 14 日目に退院した。過去 10 年で当科に於いて 9 例の肺分画症手術例が あり、上記 2 例以外は全例肺葉切除が行われた(うち胸腔鏡手術 1 例)。異常血管の処理は結紮、クリップ、

自動縫合器など多様であった。術後に胸部 CT を施行した症例において異常血管切除断端に動脈瘤を形成し た症例は認めなかった。【結語】肺分画症に対し、胸腔鏡下肺区域切除により低侵襲でかつ肺機能を可能な限 り温存しつつ分画肺を摘出し得た。異常血管の処理は多様であったが、術後に血管断端に動脈瘤を形成した 症例は無かった。

第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

右胸膜肺全摘術後に認めた MRSA 膿胸に対して開窓後、大網 充填により閉鎖しえた 1 例

○篠原 周一

1

、黒田 耕志

1

、岩浪 崇嗣

2

、森 將鷹

1

、松宮 弘喜

1

、桑田 泰治

1

、竹中 賢

1

、 近石 泰弘

1

、岡 壮一

1

、平井 文子

1

、宗 知子

1

、浦本 秀隆

1

、田中 文啓

1

1産業医科大学第二外科、2新潟労災病院 呼吸器外科

【はじめに】胸膜肺全摘術(EPP)は呼吸器外科において最も侵襲の大きい術式のひとつであり,術後合併症 がおこりやすい.今回 EPP 後に MRSA 膿胸となり,開窓術を行い、大網充填と胸郭形成により二期的に閉 鎖しえた一例を経験したため術中動画をまじえて報告する.【症例】60 歳代男性.咳嗽を主訴に当科紹介と なり、右胸水穿刺で悪性胸膜中皮腫が疑われ当科で右胸膜肺全摘術施行された.術後経過は良好だったが,

創部の治癒が不良であり、POD18 に発熱認め,右術後膿胸と診断。開窓術を行った.以後はガーゼ交換を行 い,創部の浄化を促し,術後 270 日目に胸郭形成術と大網充填による膿胸閉鎖術を行った.手術は胸腔内を 生食 5L で洗浄した後に,第 4,5,6,7,8 肋骨をまず切離し,さらに第 2,3 肋骨の切離を行った.開腹し,

右胃大網動脈を温存して大網を採取した.横隔膜を切開し経横隔膜的に胸腔内に大網を充填した.大網は胸 腔内に固定し,space が十分埋まっていることを確認して手術を終了した.術後経過は良好であり,悪性胸 膜中皮腫の再発なく,また膿胸も再発なく外来で経過観察を行っている.【考察】胸膜肺全摘術後膿胸の閉鎖 を行った症例はまれであり,大網充填と胸郭形成により閉鎖しえた一例を経験した.残存した肺はなく,膿 胸腔の死腔を埋めるためには胸郭形成が有効だが,再発を防ぐためにも大網充填は有用であった.

第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

右膿胸開窓術後に VAC システムが著効した治療経験

○石川 慶大

1

、進藤 学

1

、草野 真暢

1

、川村 健

1

、佐藤 未来

2

、山本 洋平

2

、丁子 卓

2

、竹藪 公洋

2

1小樽協会病院外科・呼吸器外科、2小樽協会病院呼吸器科

【はじめに】VAC(Vacuum!Assisted Closure therapy 持続陰圧吸引療法)システムは陰圧とフォームドレッ シングの組み合わせがつくりだす環境が創部の肉芽形成を促進する治療方法である。VAC の膿胸への応用の 報告は限られているが、このたび我々は右膿胸開窓術後に VAC システムを導入し著効した 1 例を経験した ので報告する。【症例】76 歳男性。糖尿病にて他院で治療中、悪寒、全身倦怠感で前医受診。右膿胸の診断 で胸腔ドレナージ、抗生剤投与するも改善なく、当院呼吸器科転院。ドレーン追加挿入するも状態の改善が 認められず、外科紹介。CT 上、右胸腔内に Cavity と被包化された右胸水貯留をみとめた。保存的治療では 改善が認められないため、手術を施行した。術中所見では胸腔内に被包化された内容物を広範囲にみとめた ため、開窓術を施行した。この際胸腔内容積は 500ml であった。開窓術後 3 病日目に胸腔内 VAC システム を導入した。週 1 回程度の VAC グラニュフォーム交換を胸腔鏡補助下に施行し、VAC システム導入後 1 週 目には胸腔内容積 50ml、3 週後には 20ml となり、開窓腔はほぼ自然閉鎖される状態に至った。開窓術後 28 病日に手術(胸腔閉鎖術)を施行した。術後は胸腔内持続吸引後、閉胸術後 15 病日でドレーン抜去し、リハ ビリを経過ののち、術後 34 病日で退院した。現在術後約 9 か月経過するもあきらかな膿胸の再燃は認めてい ない。

第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

胸腔鏡下膿胸腔掻爬術を施行した Lemierre 症候群に合併し た左急性膿胸の 1 例

○太田 英樹、河合 秀樹、藤嶋 悟志

秋田赤十字病院 呼吸器外科

【はじめに】Lemierre 症候群は,咽喉頭領域の感染を契機に内頸静脈の血栓性静脈炎から敗血症性塞栓症が 生じ,肺などの遠隔臓器に膿瘍を形成する全身の感染症である.起炎菌は嫌気性菌が多く,特に Fusobacterium necrophorum(以下,Fn)が 95% 以上を占める.以前は死亡率が高い疾患であったが,咽頭炎に対する抗 菌剤使用によって forgotten disease と表現されるまで死亡率が減少した.しかし,近年の抗菌剤使用制限に よって罹患率が増加傾向にあり注意を必要とする.胸腔鏡下膿胸腔内掻爬術が有効であった Lemierre 症候群 に合併した左急性膿胸の 1 例を経験したので報告する.【症例】75 歳,男性.【主訴】咳嗽,咽頭痛,血痰,

発熱.【既往歴】特記なし.【喫煙歴】20 本 45 年,10 年前に禁煙.【現病歴】2 週間以上続く咽頭炎症状で受 診した.CT で両側多発肺膿瘍と左胸水が認められ,胸腔ドレナージで得られた胸水で Fn が培養同定された.

血液培養は陰性で,内頸静脈の血栓性静脈炎は指摘できなかった.Lemierre 症候群による多発肺膿瘍に合併 した急性膿胸と診断し約 3 週間の抗菌剤投与後に手術を施行した.【手術】2 ポートの胸腔鏡下膿瘍腔掻把術 を施行した.S6 肺膿瘍と胸壁に強固な線維性癒着が認められ,同部位の胸腔内穿破が急性膿胸の原因であっ た.手術時間 1 時間 22 分.【術後経過】術後 3 日目に胸腔ドレーンを抜去し,術後 5 日目に退院した.現在,

再燃はない.【考察】血栓性静脈炎の頻度は 30〜70% であり,本例では血栓性静脈炎を認めなかったが Le-mierre 症候群と診断した.肺膿瘍の頻度は 95% 以上とされ,膿胸はその 10〜15% に合併する.稀な感染症 であり手術報告は少ない.診断治療の遅れにより死亡率が上がる疾患のため文献的考察を加えて報告する.

第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

肺膿瘍穿破による急性有瘻性膿胸に対する醸膿胸膜切除、肋間 筋弁被覆術

○金内 直樹、濱田 顕、鈴木 克幸、渡辺 光、渡辺 勇

日本海総合病院呼吸器外科

【はじめに】肺膿瘍穿破による急性有瘻性膿胸は重篤な基礎疾患を伴っている高齢の方に発症する事が多く、

早急な対応を取らなければ致命的な経過をたどる事が多い。我々は肺膿瘍穿破による急性膿胸膿胸に対し、

醸膿胸膜切除により肺の拡張が得られることを確認したうえで、瘻孔を肋間筋弁で被覆する手術を 9 例に対 し行ってきたので報告する。【症例 1】80 代男性。左胸部痛を訴え当院受診。CT にて肺膿瘍穿破による急性 膿胸を診断し、緊急手術となった。胸腔鏡下醸膿胸膜切除を施行し、観察すると左上葉に大きさ 1cm ほどの 瘻孔が確認できた。肺の拡張が得られることを確認したうえで、瘻孔直上の肋間筋弁を採取し、被覆閉鎖し た。手術時間 1 時間 38 分。術後リハビリを継続し、術後 25 日目に元気に退院となった。【症例 2】80 代女性。

関節リウマチのためステロイド内服中であった。全身倦怠感を訴え当院受診。CT にて肺膿瘍穿破による急 性膿胸と診断し、緊急手術となった。胸腔鏡下醸膿胸膜切除を施行し、観察すると右中葉に大きさ 1cm ほど の瘻孔が確認できた。肺の拡張が得られることを確認したうえで、瘻孔直上の肋間筋弁を採取し、被覆した。

手術時間 2 時間 8 分。術後リハビリを継続し、術後 19 日目に元気に退院となった。また、これまで同様の手 術を行った 9 例全例元気に退院となっている。【まとめ】肺膿瘍穿破による急性有瘻性膿胸は重篤な基礎疾患 を伴っている高齢の方に発症する事が多く、手術による早い解決が重要であると考えている。肋間筋弁によ る瘻孔閉鎖は簡単に採取、閉鎖できる有用な術式であると思われる。