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1.肝癌における腫瘍マーカー2) 肝細胞癌に特異的に出現する

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Academic year: 2022

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(1)Vo1.25. No.4.1982. (273). 〔シ ン ポ ジ ウ ム 〕 腫 瘍 マ ー カ ー に つ い て. 1.肝 2). 癌 に お け る腫 瘍 マ ー カ ー. 肝 細 胞 癌 に 特 異 的 に 出現 す る γ‑GTP. 澤武. 紀 雄**・ 中 源. isoenzyme. (novel. 雅 俊**・ 尾 崎. 時 夫**・ 登 谷. 大 修**. 米島. 学**・ 服 部. 信**. 監 治**. 若林. 問 で,第IIIよ は. じ. め. に. 哺乳 動 物 の 肝 に お け る γ‑GTPは 著 し く低 下 す る.1)一. γ‑GTP)*. りに 検 出 さ れ る第II'分 画,お よび 第I分. 画 の ご く 陰 極 よ りに 検 出 され る 第I'分. 画 が 肝細 胞 癌 に. 特 異 的 な活 性 帯 で あ る.著 者 らは,こ れ らを 前述 した ご. 胎 生 期 に高 く,生 後. と くhepatoma. 方,肝 細胞 癌 の発 癌 にお い て,前. specific novel γ‑GTPと 呼 称 して い る.. 癌 性変 化 と して 注 目 され て い る過 形 成 結 節 に お い てす で. 第I'分. に強 い γ‑GTP活. ン グを 起 こ した よ うに み え る場 合 が 少 な くな い.こ の よ. 性 が 現 われ,癌. 化 が 進 行 す るに 従 い,. 画 は しば しば 第I分 画 が 幅 広 くあ た か もテ ー リ. 活 性 が 増 加 す る こ とが 知 られ て い る.2〜7)この よ うに 肝. うな 場 合 に は,第I分. 細 胞 癌 で は α‑fetoprotein(AFP)と. 方,第I'分. 白 と して の性 格 を有 す る γ‑GTPが. 同様に癌胎児性蛋 産 生 され,こ. 画 がCon. Aに 親 和 性 があ り,一. 画 が 非 親和 性 で あ る性 質 を 利 用 し,Con. A. れが血. 中 に分 泌 され る こ とが 示 唆 され て い る.8)著 者 らは この よ うな 点 に 注 目した 研 究 よ り,肝 細 胞 癌 患 者血 清 に 特 異 的 に 出 現 す る γ‑GTP. isoenzyme(novel. γ‑FGTP)の. 存. 在 す る こ とを 報 告 して きた.9〜15)ここで は,本isoenzyme の 臨 床 的 意 義 とそ の 性 格 に つ い て,こ れ まで に え られ た 成 績 に つ い て 言 及 す る. 血 清 γ‑GTP γ‑GTP. isoenzymeの. isoenzymeの. 分 離 に は 各 種 の 支 持体 を 用 い た. 様 々 な 方 法が あ る が,肝 γ‑GTP. isoenzymeを. 分 画 と 特 異 活性 帯. 細 胞 癌 に 特異 的 に 出 現 す る. 検 出 す る に はpolyacrylamideを. 持 体 に 用 い る 方 法 で 行 う必 要 が あ る.Disc電 で も 一 応 可 能 で あ る が,わ せ ね ば な らず,そ amide. gradient. 支. 気泳動法. ず か のheterogeneityを. 区別. れ に は 密 度 勾 配 を 形 成 し たpolyacryl‑ gel. slabを. Fig.. 用 い ね ば な ら な い.著. 1.. A;. 者. from. ら10,11)の 検 出 法 の 詳 細 は 別 に 報 告 し て い る の で 省 略 す る が,こ. の方 法 に よれ ば 血 清. γ‑GTPはFig.1に. γ‑GTP. 示す. isoenzymogram. alcoholic. C;. from. D;. from. liver. injury,. hepatocellular. plasmin領 *. **. 活 性 帯 に 分 画 可 能 で あ る.こ 域 に 泳 動 さ れ る 第II分 and. experimental. hepatocellular Norio Sawabu. Clinicsl. carcinoma.. shima,. Nobu. , Masatoshi Hattori,金. の う ちcerulo‑. 画,第IIと studies. Nakagen,. tic. 第III分 画 の. obstructive. on. novel. Kenji. 沢 大 学 医 学 部 第1内. γ‑GTP. Ozaki,. liver. protein. isoenzyme. Tokio. 科 学 教 室.. ‑31‑. which. Wakabayashi,. is. found. Daishu. B. jaundice E;. cancer, with. serum and. carcinoma,. choledocholithiasis,. よ うに13の. of. F;. from. due. to. metasta‑. normal. serum. amidoblack.. specifically. Toya,. Manabu. in. sera. Yone‑. of.

(2) (274)生. 物物理化学 Table. Table 2.. 1.. Incidence. of. novel. 画 は 肝 細 胞 癌200例 中97例(49%)に. 検出さ. れ る.肝 細 胞 癌 以 外 で は 転 移 性 肝 癌 の52例 中2例,肝 変57例 中1例,ア. isoenzyme.. Incidence and combination of specificbands in sera of various hepatobiliarydiseases.. 添 加 後 の 血 清 を 再 泳 動 す る こ とに よっ て 分 別 が 可 能 で あ る.第II分. γ‑GTP. ル コ ール 性 肝 障 害 の36例 中1例. 硬. と出 現. 3例,肝. 硬 変1例,慢. 2例 に 陽 性 で,そ. 性 肝 炎1例,ア. の 出現 率 は279例. ル コー ル性 肝 障 害 中7例,約3%に. る.た だ し,肝 細 胞 癌 以 外 の 症 例 は血 清 総 γ‑GTP活 が100mU/ml以. 上 の高 γ‑GTP血. な 性. 症 例のみについて検. 頻 度 は 低 い なが ら,第II分 画 の陽 性 例 を 認 め て い る.ま. 討 した 成 績 で あ り,こ の よ うな 点 を考 慮 す る と肝 細 胞癌. た,第II'お. 以 外 で のnovel. よび 第I'分. 画 の肝 細 胞 癌 に お け る陽 性 率 は. そ れ ぞれ47%,48%で Table 1に 示 す よ うに,稀. あ り,他. の疾 患 に お い て も,. う.と. γ‑GTP出. こ ろで,AFPは. と され てい た が,RIA法. な が ら陽 性 例 が み られ る.こ. 現 率 は さ らに 低 い と い え よ. 当 初 肝 細 胞 癌 と胎 児癌 に 特 異 的 に よ る鋭 敏 な 測 定 法 の 導 入 に. れ らの活 性 帯 の うち,少 な く とも1つ の活 性 帯 が 認 め ら. よ り特 異 性 が 問題 に な っ てい る.こ. れ る場 合 を 陽 性 とす れ ば,肝 細 胞 癌 以 外 で は 転 移 性 肝 癌. 500ng/ml以. ‑32‑. の 際AFPの400〜. 上 を陽 性 とす れ ば 肝 細 胞 癌 に 対 す る特 異 性.

(3) Vol.. は高 くな るが,そ れ で も肝 硬 変や 消化 器 癌 の転 移 性 肝 癌. γ‑GTP活. で5%前. の 急 性 増 悪 な ど,他. AFPの. 後 に 陽 性 に な る.こ の よ うな事 実 が あ っ て も, 腫 瘍 マ ー カ ー と して の 臨 床 的価 値 は 揺 る ぎ な い. も の で あ る.Novel. γ‑GTPも. 肝 細胞 癌 以外 の疾 患 に お. い て若 干 の陽 性例 も み られ るが,AFPと. 同様 に肝 細 胞. 癌 に特 異 的 な 腫 瘍 マ ー カー と考 え て よか ろ う. γ‑GTPの. ず に γ‑GTP活. 特 異 活 性 帯 で あ るII,II',I'分. 画 の うち,少 な くと. 癌200例 中109例(55%)の に. 陽 性 率 が え られ る.さ らに 手. 1982. の γ‑GTPの. (275). 上 昇 を きた す よ うな 病. 性 の高 い 肝 細 胞 癌 で は,殆. novel γ‑GTPが. novel. ん どの 場 合,. 出 現 して い る よ うで あ る.肝 性 が100mU/ml以. じい わ ゆ る. あ るalkaline phosphatase活. γ‑GTPの. 細胞癌患. 上 に 限 る と,. 陽 性 率 は71%に 達 す る.同. ductal enzymeで. も1つ の 活 性 帯 が 出現 す る場 合 を 陽 性 とす れ ば,肝 細 胞. 4.. 態 を 合 併 し てい る場 合 が 多 い.こ の よ うな 病 態 を 合 併 せ. 者 血 清 で γ‑GTP活. 出現 と臨 床 的 事 項 との 関 係. No.. 性 の著 明 に 高 い 場 合 に は 閉 塞 性 黄 疸 や 肝 硬 変. novel γ‑GTPの Novel. 25.. 性値には. 有 無 で 明 らか な 差 異 は 認 め られ て い な. い. 血 清AFP値. と の関 連 を み る と,Fig.3に. く,一 般 にAFP高. と,Table. 性 が 低 くな る400ng/ml以. 下 で も,76例 中29例(38%). に 陽 性 例 が 認 め られ る.こ. の よ うに,AFP低. 2に 示 す ご と く,II, II',I'が. す る場 合 が 陽 性 例109例 中79例(72%)を. と もに 出 現 占め,他 の 組. きに はAFP陰. 合 せ は さ ま ざ まで,い ず れ も頻 度 は 低 い. Novel γ‑GTPの も の ほ ど,よ. 出現 は,血 清 総 γ‑GTP活 性 値 が 高 い. 性値 が80〜90mU/mlで. の陽 性 例 が あ る(Fig.2).. Fig.. 2.. Correlation γ‑GTP of. Novel. with isoenzyme. もnover γ‑GTPが. positivity and. serum. of. か し,AFPの. 性 例(AFP. の 診 断 に お い て もnovel isoenzymeの. り高 率 で あ る こ とは い うま で も ない が,血. 清 総 γ‑GTP活. り高 率 で あ る.し. 値 群 でnovel. 示す ごと. 技 の 安 定 した 最 近 の100例 に 限 る と,そ の 陽 性 率 は63% 達 す る.次 に,こ れ ら活 性 帯 の 出 現 す る組 合 せ を み る. γ‑GTPの. 陽 性 率が よ. 肝 細 胞 癌 に 対 す る特 異. non‑producing γ‑GTPが. 値 例,と hepatoma). 有 用 で あ る点 で,本. 臨 床 的 重 要 性 が あ る とい え る.. γ‑GTP 陰 性 で,. Fig. 3. Correlation with positivityof novel r‑GTP isoenzyme and serum levels of AFP. The dotted line indicates AFP. levelsof 400ng/ml.. novel. activity. γ‑GTP.. ‑33‑.

(4) (276)生 Table. 物物理化学 3は 日本 肝 癌 研 究 会 で 提 案 され て い る肝 シ ンチ. グ ラ ムに よ り進 行 度 を 分 類 し て,novel 率 を 検 討 した もの で あ る.Table 度 に従 いnovel. γ‑GTPの. γ‑GTPの. 出現. 3に 示 す ご と く,進 行. 陽 性 率 が高 くな る とい う関 係. は な く,肝 シ ンチ グ ラ ムで 欠 損 像 の み られ な いstage に おい て も53%と,全. で,正 常 ヒ ト腎 よ り 同 様 な方 法 で え た γ‑GTPと. I. 体 の陽 性 率 と変 わ らな い,高 い 出. 現 率 が え られ てい る.こ の よ うな 傾 向 はAFPに. おいて. Table pH,. 4に 示 す ご と く,基. Na+,. K+,. ンやEDTAに. Ca++,. 質 に 対 す るKm値,至. Mg++,. よ る影 響,耐. Zn++,な. 熱 性,さ. らに は 各 種 ア ミノ. 酸 の ア ク セ プ タ ー と して の 反 応 な どの 物理 化 学 的 性 質 に ほ,肝 癌 γ‑GTPと. 腎 γ‑GTPの. 間 に は 明 らか な差 異 は. み られ な い.一 方,Ultrogel. に お い て も,個 々の 症 例 毎 に そ れ を 産 生 す る性 格 が か な. に よ る分 子量 の 推 定 値 は,肝 癌 γ‑GTPは92,000で. り違 っ て い るた め,そ の よ うな 性 格 の 強 い もの は 早 い 時. の に対 し,腎. 産 生 し,一. 方,そ. うで ない もの. は か な り進 行 して もほ とん ど産 生 しな い の で あ ろ う.し か し,個 々 の 症例 で み る と,腫 瘍 の 増大 と とも にnovel γ‑GTPの. 産 生 も増 加 し,血. 適. どの 金 属 イ オ. も従 来 か らい わ れ て い る こ とで あ るが,本isoenzyme. 期 か ら本isoenzymeを. 比較検. 討 した成 績 につ い て 述べ る.. γ‑GTPは. ACA‑34を. 約81,000で. 用 い た ゲ ル 炉過 ある. あ る.. Table 4. Comparison of physicochemical properties of r‑GTP from hepatocellularcarcinoma (HCC) with those from normal kidney.. 中へ の 出現 率 も 高 くな る と. 推 測 され る.事 実,著 者 らは癌 の進 展 と ともに 本isoen‑ zymeが. 出現 して く る症 例 を経 験 して い る.ま. 本isoenzymeが. 陽 性 で あ っ た が,切. た,術 前. 除後 消 失 した 肝 細. 胞 癌 を3例 に 経 験 し てお り,ト レー ス マ ー カ ー と し て も 有 用 で あ る と考 え てい る.さ 例 中2例 に も本isoenzymeの. らに,い わ ゆ る細 小 肝 癌9 陽 性例 を 経 験 して お り,. 早 期 癌 の診 断 法 と して も期 待 され るで あ ろ う.. Table 3.. Incidence of novel r‑GTP of hepatoma.. and stage. 血 清 γ‑GTPの γ‑GTPはHに. 場 合 と同 じ方 法 で 電 気 泳 動 す る と,腎. 近 似 した 部 位 に,肝 癌 γ‑GTPはIIお. I'の 部 位 に や や 幅広 く 泳 動 され る.Con 肝 細 胞 癌 組 織 よ り精 製 し た γ‑GTPの Novel. γ‑GTPの. 準 じ て 精 製 し た γ‑GTPに. 清 中 にnovel. 組 織 を80mM. MgCl2溶. γ‑GTP陽. γ‑GTPで. 占 め,肝. 癌 γ‑GTPの. を 含 有 す る0.1M. Tris‑HCl緩. 衝 液(pH8.0)で. 57℃ 熱 処 理,硫. え られ た も の を 組 織 抽 出 液 と し,次 34に. ら に,凍. 安 分 画 を 行 っ た 後,bromelain処 い でUltrogel. よ る ゲ ル 炉 過,DEAE‑Sephacelに. ク ロ マ トグ ラ フ ィ ー を 行 っ て,部 ヒ ト肝 の. γ‑GTP活. 加 え,生. 理 して ACA‑. 分 精 製 し て い る.正. 吸 着 分 画 が80%余. りを. 場 合 とは 著 し く異 な って い る.さ 理 後 にCon. Aの. 親和性をみ る. に 明 らか な差 は 認 め られ ない のに 対 し,腎. γ‑GTPで. neuraminidase処. A吸. 理 に よ り,大 部 分 がCon. に 溶 出 され る よ うに な る.Fig.4は. 結 融 解,. Con. A吸. 常. 製 が 困難 な の. ‑34‑. は. 着分画. 肝 癌 と腎 γ‑GTPを. 着 と 非 吸 着分 画 に分 け て 電 気 泳 動 した もの で. あ る.肝 癌 のConA吸. よ るイ オ ン交 換. 性 は 非 常 に 低 く,精. A非. と,肝 癌 の場 合 に は 処 理 前 後 で 吸 着,非 吸 着 分 画 の割 合. 可溶 化. 遠 心 後 の 上 清 にacetoneを. はCon. らに,neuraminidase処. XとDOC. 癌. A吸 着 分 画 に 溶 出 され る のに. 対 し,腎. 間 遠 心 後 の 沈 渣 をTriton. ず る 沈 殿 よ りエ ム ル ジ ョ ン を 作 る.さ. γ‑GTPは80〜90%がCon. ついて. 液 で ホ モ ジ ェ ネ ー トを 作 り,そ. A親 和 性 に. 例 毎 に そ の値 が 多 少 違 うが,肝. 性 の 剖 検 肝 細 胞癌. の40,000g,30分. し,27,000g,30分. つ い て み る と,症. 性 格 を 解 明 す るた め に 肝 細胞 癌 組 織. よ りOrlowskiら16)に 言 及 す る.血. 性格. よび. の に 対 し,Con. 着 分 画 はIの 部 位 に泳 動 さ れ る. A非 吸 着 分 画 は そ の や や 陰 極 よ りのI'. の部 位 に泳 動 され,両 者 は泳 動 上 明 らか に 区 別 され る. 一 方 ,腎 γ‑GTPに お い て はCon A吸 着,非 吸 着 分 画 の.

(5) Vol.. よ り,pIは5.3に. な る.一. 25.. No.. 4.. 1982. 方,肝 癌 γ‑GTPはpI4.0. と よ り酸 性 側 に あ るが,neuraminidase処 と腎 γ‑GTPと. 理 後 はpI5.25. あ ま り変 わ らな い 値 を 示 す よ うに な る.. 次 に 両 者 の 部 分 精 製 した もの を,抗 結 合 させ たSepharose. 4Bに. ヒ ト正 常 全 血 清を. よる 免疫 吸着 を利 用 して,. 夾 雑 蛋 白を 除 い た 後,家 兎 に 免疫 して,え に よ り,免 疫 学 的 検 討 を 行 っ て い る.肝 γ‑GTPは. (277). られ た 抗 血 清 癌 γ‑GTP,腎. と もに 抗 肝 癌 γ‑GTPウ サ ギ抗 血 清,あ. 抗 正 常 腎 γ‑GTPウ れ,Fig.5に. る いは. サ ギ 抗血 清 で ほ ぼ 同 じよ うに 中 和 さ. 示 す よ うに,Ouchterlony法. で も これ ら. は 互 に 隔 合 す る1本 の 沈 降 線 を 形成 す る.さ novel γ‑GTP陽 Fig.. 4.. γ‑GTP. 性 患 者 血 清 に 抗 正 常 腎 γ‑GTPウ. 血 清 を 加 え て,反 応 させ た 後 に γ‑GTP. isoenzymogram.. うと,他. らに, サギ抗. isnenzymeを. 行. の 非 特 異 的 な活 性 帯 ば か りで な く,II, II',. I'のnover. γ‑GTPも. 消 失 し,抗 原 ・抗体 の 複 合 化 し. て,原 点 よ りに残 った と考 え られ る活 性 帯 だ け に な る. 以 上 の よ うに,肝. 癌 と正 常 腎 γ‑GTPの. 間には酵素学. 的 性 格 に は 明 らか な 差 異 は み られ な い.ま た,免 疫 学 的 に も両 者 には 強 い 共 通 抗 原 性 が 認 め られ,さ. らに 血清. γ‑GTP. 異,非 特. isoenzymeの. 各 活 牲 帯 に 対 して も,特. 異 を問 わず に 共 通 な抗 原 牲 を 有 す る こ とが 示 唆 され て い る.こ. の よ うに,novelγ‑GTPは. 同 じ活 性 を 有 す る酵. 素 で あ るが,異 な っ た遺 伝 子 に コー ドされ る1次 構 造 の 違 っ た蛋 白 よ りな る酵 素 とい う,古 典 的 な意 味 で の アイ ソザ イ ムの定 義 に は一 致 しえ な い とい う成 績 が え られ て い る.今. 日,こ の よ うな定 義 に一 致 しな い,synzyme,. allozymeな. ど もア イ ソザ イ ム と して 扱 い,広. され て い る現 状 に あ り,novel. γ‑GTPも. 義に解釈. この 範 疇 に 入. る もの で あ ろ う. 近 年,主. と して膜 糖 蛋 白に つ い て で あ る が,癌 に お い. て 糖 蛋 白の 糖 鎖 構 造 に 形成 不 全 の生 ず る こ とが 注 目され て い る.17)上 述 した よ うに,著 者 らの成 績 に お い て も, Fig.. 5.. Double. immunodiffusion. stained. with. γ‑GTP. in. agarose. gel. 肝 癌 γ‑GTPと. activity.. れ ず,Con. 正 常 腎 γ‑GTPに. Aやneuraminidaseに. は 抗 原 性 の違 い はみ ら 対 す る感 受 性,易. 動. 度 や 等 電 点 に お い て,か な りの 相違 がみ られ て い る.こ の よ うな点 よ り,肝 細 胞癌 に お け るnovel. γ‑GTPも. 糖. 鎖 の 形 成 不 全 に よ り生 じた 糖 鎖構 造 の違 い を反 映 した ア イ ソザ イ ムで あ る と も 推 察 で き る.し 両 者 間 に 泳 動 上 の 差 異 は 明 ら か で は な い.さ neuraminidase処 場 合 に はCon 移 動 し,泳. 理 に よ り泳 動 度 を 検 討 す る と,肝 A吸. 着,非. に はneuraminidase処. γ‑GTPで. あ るII, II',I'の. か し,novel. 各 分 画 の ど の よ うな糖 鎖. 癌 の. 構 造 が 癌 に 特 異 的 な の か,あ る い は お互 に どの よ うな関. 吸 着 分 画 は 供 に よ り陰 極 側 へ. 連 に な って い るか は,未 だ 多 くの解 明せ ね ば な らぬ 問 題. 動 位 置 は ほ ぼ 等 し くな る.し か し,腎. が あ り,さ らに 各 方 面 か らの研 究 が 必要 で あ ろ う.. γ‑GTP. 理 前 後 で 泳 動 度 に は 明 らか な 移. 動 は 認 め ら れ な い,ampholiteを い て み る と,腎. ら に,. 用いた等電点分画につ. のpIは4.4で,neuraminidase処. 理に. ‑35‑. ま. と. め. 肝 細 胞 癌 に 特 異 的 に 出現 す る れovel γ‑GTPに. つい.

(6) (278)生. 物物理化学. て,現 在 まで に え られ てい る著 者 らの 臨 床 的,基 礎 的 な 成 績 に つ い て 述 べ た.Novelγ‑GTPの. 本体 に 関 して は. 未 だ 不 明 な 部 分 も多 い が,臨 床 的 に は 特異 性 の高 い 腫 瘍 マ ー カー で あ る こ とは 明 白で,肝 細胞 癌 の血 清 生 化 学 的 診 断 法 と して 重 要 な 地 位 を 占め る もの と期 待 され る.. 謝 辞:本 研 究 は,厚 生 省 が ん 研 究 助 成金 に よ る研 究, 腫 瘍 マ ー カ ー に よ るが ん 診 断 の 開発 に 関す る研 究(班 長 服部. 信),が. ん の集 学 的 治 療 の研 究(班 長. 文 部 省 が ん 特 別 研 究,癌 的 研 究(班 長. 4) Cameron, R., et al.: Cancer Res., 38: 823, 1978. 5) Sells, M. A. et al.: Brit. J. Cancer, 40: 274, 1979. 6) Jalanko, H. and Ruoslahti, F.: Cancer Res., 39: 3495, 1979. 7) Kitagawa, T. et al.: Gann, 71: 536, 1980. 8) Taniguchi, N. et al.: Biochim. Biophys. Acta, 391: 265, 1975. 9). 澤 武 紀 雄 他:医. 末 舛 恵 一),. 10). Sawabu,. 胎児 性 蛋 白質 の生 化 学 的 ・臨 床. 11). 澤 武 紀 雄 他:医. 12). 澤 武 紀 雄 他:癌. 平 井 秀 松)の 研 究 費 で 行 わ れ た.記. して. N.. 学 の あ ゆ み,98,670,1976. et. al.:. Gann,. 69:. 601,. 1978.. 学 の あ ゆ み,106:288,1978. と 化 学 療 法,6(Suppl3):459,. 1979.. 深 く謝 意 を 表 わ す.. 13). 文. Sawabu,. N,. et. al.:. Ann.. Acad.. Med.,. 9:. 206,. 1980.. 献. 1) Albert, Z. and Rzucidlo, Z. et al.: Acta histochem., 37: 34, 1970. 2) Kalengayi, M. M. R. et al.: J. Natl. Cancer Inst., 55: 579, 1975. 3) Fiala, S. et al.: J. Natl. Cancer Inst., 51: 151, 1973.. 14). 澤 武 紀 雄 他,日. 15). Sawabu,. 16). Orlowski,. M.. 240:. 1965.. 17). ‑36‑. N.. 338,. 高 崎 誠 一,木. 本 臨 躰,38:4606,1980. et. al.: and. 幡. Cancer. (in. press).. Meister,. A.:. J. Biol.. 陽:代. 謝,16:1725,1979.. Chem.,.

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