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N H K の大腰筋チェック 6 項目とは

ドキュメント内 NHKの間違いだらけの健康体力づくり番組 (ページ 158-164)

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4  N H K の大腰筋チェック 6 項目とは

力となる大筋群ですが……」と、いうことくらいは十分できます。それ すらできなかったのです。それは大腰筋が理解されていなかったという か、基本的な身体の運動原理が理解されていなかった、といわざるをえ ません。

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という動作は当然増えると思います。しかし、大腰筋がももを持ち上げ る動作(股関節屈曲運動)に係わる筋出力は P.144で述べたように 10

%程度しかないのですから、残り 90%の筋力を考慮しなし、かぎり明確 なチェッ夕方法とはいえません。

②  歩く速さが遅くなった気がする

歩く速さの決め手は、全体重を前方移動させることにあります。その ためには体重を支持する脚力(支持脚)にキーワードがあります。大腰 筋は中ぶらりんになった脚(遊脚)の方の前方移動だけで、全体重を前 方に移動させているわけではありません。(図1‑9参照)

したがって、過去の学者らの研究から、身体の全体重(例:体重60 キロの人)を支持脚の片脚で移動させるのと、大腰筋の仕事である全体 重の 16%(例:9キロ)の遊脚を移動させるのとでは、その動作に影響 を与えるのは大腰筋ではなく、体重支持筋肉であることは明らかです。

しかも歩行運動の場合、支持脚の体重は足を踏み込んだ瞬間に、その 体重の1.5倍 (90キロ)になりますが(理解できない場合はヘルスメー ターに乗ってみるば分かる)遊脚側の場合は、 9キロという脚を振り子 運動の原理でそのまま水平移動させるだけなので、下肢の筋肉や骨にか かる重量を単純計算すれば90キロ対9キロの関係になります。ですか ら、脚力の衰えからくる歩く速度は、支持脚の方が大きな影響力をもつ ことは当然です。

③  猫背になりがち

④  長く座ると何かにもたれたい

この

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つの問題は 「背中が丸くなる」ということですから、背筋と腹 筋の問題であり、大腰筋の問題ではありません。大腰筋は腰椎を後屈さ せる働きもありますが、 基本的に 「背すじを伸ばす」という時に主動的 役割をはたす筋肉で「脊住起立筋=最長筋、腸肋筋、横突聴筋など」の

ことです。

特に、腹筋に係わる問題は第4章の図4‑29のところで述べましたよ うに、椅子に座つての姿勢の場合、最初から股関節が90度に曲がり大 腰筋はゆるんでいますから、その作用はきわめて弱くなり、大腰筋をチェ ッ

クすることはできません。

⑤  階段の一段とばしがつらい

階段を昇ろうとして場合、ももを持ち上げて昇る段に足を乗せるわけ ですが、このももを持ち上げるときに大腰筋が働くことは理解できます。

しかし、一段とばして昇ろうとする場合、ももはより高く持ち上がり 足は段に乗るものの、その足に全体重を乗せて膝と股関節を伸ばすとき に一番大きな力が必要となります。(体重の

2

倍、

6 0

キロの人ならば 120キロ)

すなわち、階段の昇りで主動的役割をはたす筋肉は「股関節=大殿筋」

「膝関節=大腿四頭筋

J

などです。これを補助するのがハムス トリ ング と下腿三頭筋です。したがって、階段昇りで最もつらいのはこの筋肉の 弱体化です。大腰筋ではありません。

⑥  階段は手すりなしではこわい

65才の私が、この 6項目の中でただ一つだけ該当するものがありま した。それは、この下りを前提とする「階段は手すりなしではこわい」

という項目です。

昇り下りの同じ条件でも、下りに向かつて行動するときは着地地点が 遠くなります。すると、まず目が着地地点に対するバランスを取ろうと します。この神経系の動きが恐怖を与えます。昇りは、着地地点が目先 にありますから、バランスが取りやすく、確実に着地地点、をとらえて行 動ができるからです。

個人的問題ですが、私の40歳のころは体重75キロでベンチプレス 180キロも上げるマッチョマンでした。そのころ小学生の子供と長島ス

fーラ ンドで「シャトルループ」という高速で空中回転するレール電車 乗り物に乗りました。

ものすごいスピードで昇っていきますが、昇っていくときはさほど恐 怖もなく、目を開いていましたが、昇りの頂点から逆戻りし真っ逆さま に下り出したときは、余りの恐怖に目をつむり下を向いてしまいました。

子供の神経と大人の神経の違いをまざまざと見せつけられてしまい、マッ チョマンの面子丸つぶれでした。

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すると、その神経系の現象を思い出したかのようにさまざまのところ で現れてきました。あるときスキーでケガ人を運ぶため「下りのリフト」

に乗ることになりました。当然のことながら、スキー場のリフトは昇り 専用で下りのリフ トには乗りません。下りのリフトに乗ったとき、椅子

は昇りと同じ水平なのに目線が下を向くことにより「リフトとは何とこ わい乗り物か」と思いました。

では、 40歳代の私の大腰筋が衰えていたか否かを、当時のトレーニ ング日記の腹筋運動の中から股関節の屈曲運動がともなう種目※でチェッ クしてみます。ちなみに、 60歳代の現在でも、この程度の腹筋トレー ニングを行うことができます。つまり、さほど衰えていないということ です。

.鈴木日記のトレー ニ ン グ 種 目 (システムはサーキット・セット・システ ムで休息1‑2分)( )の図番は関連種目の例

※①ローマンベンチ・シットアップ自体重x20回x3セット(図4‑24)

②ダンベル ・サイドベント 30キロx20回x3セット(図4‑7)

※③45度デイクライン・シッ卜アップ自体重x30回x3セット(図4‑8)

④トランクカール自体重x20回x2セット(図4‑27)

⑤パー ・ツイスト 20キロ x30回x2セット(図4‑6) (4‑19) 

※⑥ベンチ・レッグレイズ自体重x20回x2セット (現在は⑥パーチカル・レッグレイズ=図5‑28)

以上の種目から、もし大腰筋が弱体化していたら※の種目はできませ ん。したがって、階段下りでこわいと感じるのは大腰筋の弱体化ではな く「神経系の問題」なのです。ですから、この現象で神経系の弱体化を チェックするのは適当ですが、大腰筋の弱体化のチェックにはなりませ ん。

それは「知的情報・理解能力を除く筋肉運動神経系の体力は一番下降 しやすく、中でも高齢者になると下肢の振動感覚や平衡感覚は青年期の 50%以下になる」ということが研究でも確認されています。

すわわち、体験的にも、科学的研究でも「大腰筋の衰えによる階段下 りがこわい」とする根拠がありません。それを大腰筋の衰えとするのは

間違いであって、筋肉の衰えは抗重力筋の全てに当てはまることですか ら、 1つ筋肉の衰えを最大の原因とするならば、それは下肢筋群の最大 抗重力筋『大腿四頭筋』です。

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砂大腰筋チェックに関して次のことに注目してください。

。平成15年3月2日に行われました柔道整復師(接骨師・ほねつぎ) 国家試験問題

大運動学の試験の股関節に関して、4問中正解l間選択で次のような出 題があります。

【問題 61】股関節を伸展するのはどれか。 (0は著者が正解としたもの) 1.大筋膜張筋

2.大腿方形筋

3 .

大殿筋

O

4.腸腰筋 ←NHKの解答?

さて、 NHKは大腰筋は股関節の伸展筋にも関与するとして、大腰筋 運動の中に股関節伸展運動を入れていますから、どれを正解とするので しょうか? また、この問題から分かることは、一般に大腰筋と腸骨筋 は分離作用するものではなく、腸腰筋として合体作用するから出題が腸 腰筋となっています。

大歩行に関しては次のような問題がありま した。

【問題64】正常歩行で立脚相(支持脚)から遊脚相への変換期に最大 活動するのはどれか。

1.大殿筋

2 .

股関節内転筋群 3.ハム ス ト リ ン グ

O 4 .

大腿四頭筋

この問題は、第l章の図 1‑9の①から②にみられる動作のことで、明 らかに歩行時にみられる筋肉作用は、その脚の歩行位置において筋肉が 変換することを意味します。歩行時における大腰筋の価値は低いので疑

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似問題に出しでもヲ│っ掛からないから大腰筋が入っていないところも注 目されます。

図516 NHKの大腰筋筋力テスト方法

5‑17 スクワットの作用筋

腸腰筋 l大腿直筋

J(中間広筋) 三五│内側広筋

1外側広筋

大殿筋

¥ 

大腿二 頭筋

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