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正しいスクワットと間違いスクワット

ドキュメント内 NHKの間違いだらけの健康体力づくり番組 (ページ 86-91)

1)スクワットのかまえ

(1)スクワットのかまえの問題点

最近の健康雑誌や単行本、あるいは、テレビの健康番組などで図

3 ‑ 1 0

3 ‑ 1 2

のような

N HK

スクワットがよく取り上げられています。自体 重で行う ヒンズー・スクワッ ト程度でも、どれもが「背中や腰を曲げて しゃがむと腰を痛める」という理由で 「両足を肩幅くらいにして立ち、 両手を頭の後ろで組んで背筋を伸ばしてかまえる」と解説しています。

中には背すじを真っすぐに伸ばさないと腰を痛めるといい、図

3 ‑ 1 6

のAように背すじラインまで入れて解説しています。これでは日常生活 でも背すじを伸ばさないと腰を痛めることになります。これらは トレー ニング効果と安全性という面からみて、極めて重要な問題なのでここで 詳しく説明をします。

(2)かまえで背すじは伸ばさない

かまえで背すじを伸は、さない理由は、図

3 ‑ 1 7

A

B

の姿勢を比較 すれば分かります。背すじを伸ばすという指導方法は、いわゆる「気を

図3‑16 最悪の背筋伸は、しスクワ y

ひざがつま先より も前に出ている

‑土田隆著『ムリせず脂肪を燃やす!体脂肪』より

視線が下を向くと、頭が下がって上体が傾き、からだの重心が動いてしまう ために、十分な運動効果が期待できなくなります。

3 NH K朝の生活ほっとモーニング

つけの姿勢

J

Aの姿勢を意味します。このAの姿勢をとると脊椎の解剖 生理学湾曲はS字を描いていますから、腰椎の後屈はより強くなること

になります。(①腰痛誘発原因)

かまえで背すじ緊張をしてしまうということは、スクワッ 卜動作に移 るときスクワッ ト・ポジションまで腰が下がらず図3‑18のBようになる

そんきょ

か、 無理 に 腰 を 下 ろ せ ば 図3‑18のCような、い わ ゆ る 相 撲 の 蹄 据 姿 勢 になってしまい(②転倒を誘発する原因)となります。または背すじが 曲 が り (③腰 椎 障害)を起こす恐れがあります。

図3‑17 スクワッ トフォームの違い A(気をつけ姿勢)B(リラックス姿勢)

C (

スクワッ ト・ ポジション)

+Aは背すじをイ111ばすことによ り、脊椎のS字湾曲が強くな り重力抵抗に弱し、が、Bはリ ラックスすることにより、脊 惟が直線的となるので重力に 対する抵抗力が強くなる。① のプラス腹筋力により腹腔圧 が高まり脊維の湾曲を防ぐこ とができる。

図3‑18 最悪の背すじ伸ばし姿勢からの 図3‑19 人と猿の立位姿勢の違い 膝屈伸

スクワット 信濃毎上l新聞J'92728

(3)背すじはリラックスしてかまえる

これに対して図3‑17のBの姿勢はリラックスの自然体で「休め」の 姿勢であります。この姿勢は図3‑19の猿の脊椎と同じように「真っす

ぐの腰椎ライン」となり、腰椎が保護されることになります。

さらに、この図 3‑17のBの姿勢に①のような腹筋の緊張を与えれば、

腹筋の緊張により腹腔圧力はますます高まり、腰椎は背と腹の前後から サンドイツチとなり、強く保護されることになります。図3‑17のAの 姿勢は一見正しいように見えますが、腹腔圧力を高める腹筋に緊張を与 えにくいといえます。(⑤腰痛保護)

このことを示したものが図3‑20です。 ①腹筋と②背筋の働きによる 姿勢維持と腰痛防止の関係を示したもので、両者の関係は単に腹筋によ る腹腔圧で腰椎を守るというだけでなく、腹筋の働きは③のように骨盤 をも引き上げ、背筋の緊張を高め、骨盤を水平方向に、S字の腰椎をよ り垂直方向に保ち、重力に対して強い脊柱状態を作り出します。

現在、身体の保護という立場から誤った考えで 「かまえは背すじ伸ば す」という定説みたいなものができてしまいましたが、これは明らかに 改めなければなりません。

3‑20 腹筋、背筋の働きによる姿勢維持と腰痛防止

.①の腹筋と②の背筋の働き で、 ③の骨盤が引き 1:‑げら れ、正しい姿勢が保たれる。 その反対に、腹筋の弱体化 が起こると、④腹腔内圧が 腹部側に逃げ、骨盤が前傾 し腰惟の湾曲が強くなり、

腰痛の原因を作り出す。

H'i NH Kの生活ほっとモーニング

2 )

ス ク ワ ッ ト の し ゃ が み 姿 勢 (フ ィ ニ ッ シ ュ ・ ポ ジ シ ョ ン) (1)姿勢からみたフィニッシュの違い

スタート姿勢からフィニッシュ ・ポジションまでの一連 の 動 き を 示 し た も の が 図3‑21で す。 最 も 重 要 な 動 きを 示 し た も の がAの 姿 勢 か ら 腰 を 下 ろ し な が らDの 姿 勢 と な る フ ィ ニ ッ シ ュ・ポジションであります。

背 す じ を伸ばすスクワットと背すじをリラックスするスクワットのフィ

3‑21 スクワットのスター卜からフィニッシュまでの動き

フィニッシュ 中間フォーム

a ‑ ι

.

3‑22 背すじ伸ばし11奈曲げスクワット

ょ や

3‑23

スター卜

., 

J

"・e

.背すじを伸ばして11奈だけ 曲げるヒップ&太もも運 動は、11奈に負担がかかる だけで、効果ところか危 なし、。

湯 浅 呆 元 『あなたは7紗で やせられる』より

(オスク。ット・腔骨粗面シュラッテ

ニッシュ ・ポジションの大きな違いがNH Kの図3‑24でみられます。

一番重要なポイン卜となりますフィニッシュ ・ポジションは、図3‑ 21のDと24・25で明らかなように、その重心ラインはGにあります。

なぜフィニッシュ ・ポジションが重要かというと、かまえのポジショ ンのときは重心バランスを崩しでも、どちらの方向にもステップして逃 げられますが、フィニッシュ ・ポジションでは逃げることができません。

つまり転倒などの危険な状態が発生するということです。

(2)フィニッシュからみた安全性と効果(ハーフ・スクワッ トの意味) フィニッシュ・ポジションにおける筋肉と関節にかかる運動負荷はき わめて重要であります。まずもって、安全で、合理的で、効果的なもの でなければなりません。

しかしながら、 一般的な指導法はNHKにみられるように 「素人が腰 を下ろすと危険だから、半分だけ膝腰を曲げなさい(ハーフ・スクワッ

ト)Jという指導が多く行われます。

ハーフ・スクワッ トが安全でフル ・スクワッ トが危険である、などと いう根拠はどこにもありません。もともとハーフ・スクワッ トを行う目 的はフル ・スクワッ トではできない巨大重量を行う場合に採用するもの で、一般的な健常者が自体重でできるスクワッ 卜に対して行うものでは ないのです。スクワッ トを知らない指導者は 「ハーフでスクワッ 卜をす れば安全である」と、スクワッ トの意味をはきちがえています。

しかも、ここでいうNHKなどが行ーっているハーフ ・スクワットは、

その安全性の保証どころか膝障害などの危険な問題をかかえています。

(3)  N H Kの危険な背すじ伸ばしスクワット(図3‑12と24参照) 危険なスクワットとは何かというと 「膝障害の発生問題」です。図3‑ 24のGラインからみた図3‑24のAから Bのような姿勢をとると、膝関 節のみに大きな負担がかかり、膝関節を痛めやすくなることは明白です。

そこで膝にどのくらいの負担がかかるかということを、力学的に計算 してみますと図3‑24と25のようになります。

3 NHKの生活ほっとモーニング

図324 背すじ伸ばしスクワット(問題スクワッ )

G  A  .

40kg 

180 

18 

4

0kg  80kg 

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