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KeyGraph を用いたポートフォリオ分析

第 5 章 分析結果と考察

5.2 質的分析

5.2.1 ポートフォリオ分析(ペアでの読解)

5.2.1.2 KeyGraph を用いたポートフォリオ分析

実践を通して4回作成させたポートフォリオを、KeyGraphを用いて分析した。第1回目 のポートフォリオ分析は、以下の図13の通りである。

図13 ポートフォリオのKeyGraph(ポートフォリオ①)

最も多く使われた、段落分けという方略を使用した理由は、文構造を理解するためや、文 章の流れや内容を理解するためであるということが判った。また、デザイン科の生徒が多い ため、本文を理解するために、絵や図を用いる傾向にあった。テクストの文構造についての 記述も多く、絵や図を使って文構造への意識が高まっていることが窺えた。また、印をつけ た箇所は、重要だと感じたところや、国名や名詞等、文中でキーワードとなり得る箇所、更 には、接続詞等であったことが判った。また、テクストに出てくる国についての記述につい て、本当にそうなのか?と疑問に感じている生徒も多く、疑問に感じた点については下線を 引く等して、後で見直した時に分かり易いようにしていた。

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図14 ポートフォリオのKeyGraph(ポートフォリオ②)

このポートフォリオを作成するにあたって、文構造に着目するという方略を指導した。

そのため、ポートフォリオには、文構造についての書き込みが多く見られた。図14の

KeyGraphを見ても、文構造については、黒ノードで表されており、ポートフォリオへの

記述が目立っていることが窺える。また、疑問に感じた点に下線を引くという方略につい ても、生徒が意識的に使用していることが判る。段落分けの方略の使用は定着しているよ うで、文の内容を分かり易くするだけでなく、段落に分けることによって、文構造が理解 しやすくなると考えていることが窺えた。

図15 ポートフォリオのKeyGraph(ポートフォリオ③)

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図15に示されているように、ポートフォリオ①、②でも用いた重要な語に印をつけると いう方略を、このポートフォリオ③でも用いている。しかし、これまでと異なる点は、その 使用理由についてである。ポートフォリオ①での書き込みには、キーワードに印をつけたの は、重要であるからという理由が多かった。しかし、このポートフォリオ③では、その使用 理由として、重要だと感じた語が、文全体においてどのような影響を与えているのかを考え るためというものが挙げられていた。また、文構造を理解することが、文章の内容理解に繋 がるというコメントもあった。段落分けについても、ただ読み易くするためでなく、その段 落が文全体においてどのような意味をなしているのか、文の流れに意識を向けていること も判った。

また、このポートフォリオを作成する前に、発問の方略について詳しくモデリングを行 った。ペアに対して、テクストの内容についての発問だけでなく、以下のKeyGraph(図 16)からも判るように、登場人物の行動に対する評価をペアに尋ねている。また、自分な らどうするかといった発問もあり、クリティカル・リーディングがペアでの読解で行われ ていることが窺える。赤ノードで表されているように、推測というキーワードが出てきて おり、読解中に推測を行っていることが判る。質問の中には、「なぜ~だと思います か?」という形のものも多く、これは、ペアにテクストの内容に関して推測を求める発問 である。この推測が必要な発問も、クリティカル・リーディングに繋がる方略である。ま た、下線引きや、文構造への注目という方略使用も定着している。

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図16 ポートフォリオのKeyGraph(ポートフォリオ④)

最後に図16のポートフォリオ④である。このテクストは、時系列に沿って書かれており、

ポートフォリオの記述からも、その点に着目している生徒が多いことが判った。また、

KeyGraphでもその点については黒ノードと実線で表されている。また、このテクストは、

登場人物が行った行動により、ノーベル平和賞を受賞したということが、このテクストの内 容である。そのことから、この登場人物がとった行動についてどのように評価するのかにつ いて、書き込みがあった。このテクストの読後には、多くの生徒が、自分ならどうか?登場 人物の行動についてどう思うか?のような疑問が生じていることが、ポートフォリオから も窺える。ここでも、やはり黒ノードで、登場人物自身や、彼が行った行動についての評価 をペアに尋ねていることが判る。内容についての疑問点だけでなく、メタ認知的発問や、ク リティカル・リーディングに繋がる発問が行われている。ポートフォリオ③と同じように、

このポートフォリオ④においても、推測を必要とする発問が書き込まれている。推測をする ことは、赤ノードで示されているが、先に述べたように赤ノードは頻度は黒ノードに比べて 低いものの、重要な意味を占めている語である。