第 5 章 分析結果と考察
5.2 質的分析
5.2.4 授業に関するアンケート分析
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たいというコメントもあった。この、参考にしたい、見習いたいとペアが感じている生徒 のポートフォリオには、方略などが丁寧に書き込まれており、理解度も高いことが判っ た。このように、自分が気づかなかった点に気づくということは勿論、教師ではなく他の 生徒の良い所を吸収するということが、相互教授法においては重要である。生徒同士で感 想を言わせると、相手に気をつかって、良い点のみコメントする傾向にある。この相互評 価を行う前には、意義を伝え、効果的な読解が出来るようになるために、適切に評価をす ることを確認した。ペアの良い点は取り入れて自分のものとし、修正した方が良いと思わ れる点については指摘をして、ペアの読解過程の改善に寄与するよう指導した。
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このKeyGraphから判ることは、お互いに教え合う活動においては、自分と相手がお互
いに協力し合うことによって、理解が深まったと感じている。また、自分にはない視点で 問題を見ることが出来、ペアの優れている点を真似することも可能であると考えているこ とが窺える。ペアで読解を行うことにより、文章の全体の内容が分かり易くなったという ことがよく判る。更に、ペアでの活動について、良い方法であると好意的な意見を持って いることも判った。また、質問項目5)の「一人で読むのに比べて、ペアで読むのは効果的 だったと思いますか」に対する回答は、図21のようなKeyGraphで表される。
図21 授業に関するアンケート 質問項目5)
ペアで読むことによって、文章の内容についてより理解が深まったということが窺える。
また、新たな考え方も発見することも出来るとしている。更に、受動的な授業とは異なり、
ペアでの活動はお互いの意見を聞くことに集中し、能動的に活動をすることも出来る。その ことによって、居眠りを防止出来るだけでなく、全体の内容理解がしやすくなっていること が判る。
また、8)の「ペアでお互いに教え合いながら読解を行ったり、自分のペアに対して質問を 考えたりすることは、自分自身がどのように英文の内容を読解しているのか確認するため に効果的だったと思いますか」という質問項目についての KeyGraph は図 22 の通りであ る。
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図22 授業に関するアンケート 質問事項8)
発問することによって、自分自身の理解も深まる。更に質問を作成することによって、内 容理解が深まるとともに、問題となる点にも気づくことが出来る。
最後に、13)の「これまでの授業での活動を通して感じたことを自由に書いて下さい」と いう質問項目についてのKeyGraphは次の図23の通りである。
図23 授業に関するアンケート 質問項目13)
ペアでの活動によって、自分とペアでの活動で、今自分が持っている知識について意識し、
更に、これまでの読み方について読解の方法について確認したり、把握したりしている。そ
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れが、今の自分の読解へと繋がっていることも判る。また、方略を理解することによって、
内容理解も深まると感じていることが窺える。
ポートフォリオを用いた読解活動が、方略へ意識を高めたり、使用を促進したりする際、
に効果的であったかという質問項目については、ペアでの読解、個人での読解いずれにおい てもある程度は効果的であったという結果であった。また、ペアでの読解活動についての意 見を尋ねる項目では、自分が気づかなかった点を気づかせてくれるペアの存在についての 言及が多くみられた。個人での読解では、分からない単語や表現があっても、そのまま読み 進めていくが、自分が分からない点についてペアが知っていれば、その疑問点は即座にクリ アになる。また、ペアも同じ点について疑問を持っていたとしても、2人で知恵を出し合い ながら推測をすることが、個人で行うよりもスムーズであると言える。更に、能力が高いペ アの方略使用や読解過程を真似するという意見もあった。通常の授業では、教師が行うモデ リングをペアが行っているのである。これは、本研究で取り入れている相互教授法が持つ特 徴である。ペアでの活動に対して、楽しいとか、効果的であったという好意的な意見が大多 数を占めていたが、中には、ペアに対して遠慮をしてしまい、自分の意見を十分に言えなか ったというコメントもあった。本研究は、通常の授業を通して行っており、一緒に読解を行 うペアは、隣同士の生徒とした。そのため、男女のペアもいれば、あまり話をしたことがな いペアもいた。ペアは概ね、そのような状況下において、お互いにコミュニケーションを取 りながら、どちらかがイニシアチブを取るという形で読解を進めていた。しかし、中にはペ アに馴染めず、ストレスを感じた学習者もいたように感じる。このペアの組み方は、今後更 に検討する必要があると言える。
方略使用への意識は、ある程度変わり、ペアでの読解で自分とは違った視点に気づいたり することは出来たが、自分の読解について振り返りを行い、その結果を次の読解へと繋げて いくメタ認知的方略は、今回の研究を通して定着したとはいえない。振り返り活動において、
ペアもしくは個人で自分の読解について振り返ることは出来る。しかし、その振り返り活動 で気づいた改善点を、その後に生かしていくことは難しいようであった。この点について、
今後は、振り返り活動後すぐに、同じ程度のテクストを用いて実際に改善点を試させること が必要であると言える。振り返り活動から次の読解活動までの間に時間があきすぎると、せ っかく振り返った内容を忘れてしまうからである。
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また、発問については、発問の方略に焦点を当てた活動では用いることが出来るが、一連 の読解過程において自問自答を行うことは、難しいということも、このアンケート結果から 判った。この点について何度も繰り返し行い、定着させることが重要であると言える。
今回の研究において学んできた方略を、これからの読解で使用するかという質問項目に ついては、かなりの生徒が使いたいという回答をしていた。実際に、実践期間後の読解にお いても、テクストへの書き込みを行う学習者は多い。効果的であると感じた方略については 積極的に使い続け、定着している。
活動について自由に記述させた。最初は、これまでの授業と違い、ペアで話をしながら進 めていく読解を楽しいと感じ、この活動に好意的に取り組み始めた。活動を進めていくにつ れて、学習者はこのペアでの活動の意義について理解し始め、ペアから学んだり、一緒に考 えたりすることを通して、深い読解を行うことが出来るようになっていく。相互教授法にお いては、ペアが教師の役割を果たしていく。
このアンケートを分析すると、ペアでの読解について好意的な考えを持っていることが 判った。また、本研究で行ってきた相互教授法についても理解していることも窺えた。一方 で、読解への振り返り活動の意義については、更に説明をする必要があったようである。た だ振り返って終わりではなく、次の読解へと繋げていくことが重要である。学んだ方略につ いて、効果的だと判断した方略については、使用が定着していることも判った。