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ケース・スタディ・インタビュー

第 5 章 分析結果と考察

5.2 質的分析

5.2.5 ケース・スタディ

5.2.5.4 ケース・スタディ・インタビュー

154 スラッシュ

キーワードに着目する 段落分けと要約

文の全体を理解するため 下線引き

文を理解するために必要な単語に下線を引く 疑問に感じた箇所に下線を引き、?マークをつける 書き込みを色分けする

文構造に着目する 例示・例文 発問

読解中に疑問に感じたことを、書き込む

text-based, inference, critical reading、メタ認知的発問

更に、この生徒は、個人の読解でのポートフォリオへの書き込みを、いくつかの色を用い て行っている。この点が特徴的であったためインタビューで尋ねた。色分けは、それぞれ発 問、文構造といったように、書き込みの種類ごとに行っていたとのことであった。方略につ いても、ペアの読解で使用した方略を個人の読解でも使用することが出来ていた。

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ドで示されている推測については、段落や読み込み等のキーワードが赤ノードで示されて おり、推測を行う際に、テクストの読み込みや、パラグラフ毎の理解が必要であると考えて いることが判る。また、活動については、これまで今回の実践のように、長期間に渡ってペ アで読解を行うことに対して好意的に感じていることも窺える。

図24 生徒Aのインタビュー分析

この第1グループの生徒は、第3グループの生徒とペアを組んでおり、発問の方略を行 う際には、自分が理解しているかを確認するとともに、相手にも、質問に答えることを通 して理解を深めてもらいたいと話していた。このような相互教授が、ペア活動を通して自 然に行われてきたことも、インタビューから判った。また、pre-testとpost-testについて 尋ねたところ、pre-testでは、何を聞かれているのかも理解出来なかったと話していた。

しかし、post-testでは、それぞれの質問に対して、この質問では、こういうことが聞きた いのだろうなという、質問の意図が分かるようになっていた。これは、pre-test以降に行 ってきた方略指導とその練習の効果であると言える。特に、発問の方略で、実際に自分で 発問することによって、今度自分が答える側にまわった時に、発問者の意図が分かるよう になったと考えられる。

図25は、生徒Bへのインタビューの分析結果である。

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図25 生徒Bのインタビュー分析

上のKeyGraphでは、方略というキーワードが黒ノードで表されている。また、この生

徒については、pre-testにおいて、自分の意見とその理由を答えなくてはならない、

critical response項目について難しかったとインタビューで話をしており、KeyGraphに

もそれが表れている。また、全体というキーワードが黒ノードで示されている。インタビ ューでは、最初は細かくテクストを読みすぎて、分からない単語や表現があると、飛ばし て読んでいたのが、実践を通して、全体的にテクストを見ることが出来るようになったと 話していた。また、実践の最初に行ったpre-testと最後に行ったpost-testのテクストに ついて、post-testにおいて随分読み易くなったと話していた。最後に行ったpost-testで は、実践を通して行ってきた活動が効果的であったと感じており、KeyGraphにも示され ている。

最後に生徒Cへのインタビューである。この生徒は、第1グループの生徒とペアを組ん でおり、4回行ったペアでのポートフォリオを見ると、回を追うごとに方略への意識が高 まっていったことが窺える。最初は、ペアを組んでいる生徒の書き込みが目立っていた が、次第に、この生徒の書き込みも増えていった。

この生徒のインタビューをKeyGraphで示したものは、図26の通りである。

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図26 生徒Cのインタビュー分析

このKeyGraphを見ると、方略というキーワードが黒ノードで示されていることが判

る。また、方略についてReflection sheetで振り返ることが次の読解改善に効果的である とインタビューでも述べており、KeyGraphでも表れている。先に述べたように、この生 徒は第1グループの生徒とペアを組んでいるため、この振り返り活動は、非常に重要な場 であったと言える。Reflection sheetを用いて、使用した方略が効果的だったかを振り返 り、それが効果的でなかったら、次はどのようにすれば良いかを話し合うことが出来てい た。

また、pre-testとpost-testについては、問われている質問の内容が理解出来なかったと 話していた。しかし、発問の方略を学ぶことにより、どのように答えれば良いのかも理解 することが出来るようになっている。また、インタビューで、テクストに直接書き込みを することによって、視覚的に文構造やキーワードを捉えることが出来るとも話していた。

3名の生徒のインタビューについて分析を行った。どの生徒も、活動を通して方略への意識 が高まったと感じている。生徒Aは、「自分達が今まで何をやってたかっていうのも分かる ようになったし、自分達の今まで自分達がやったのをちゃんと残して、次につなげるってい う意味ではいいことだったと思います。」と答えている。生徒 B は、「自分達に必要だった 方略とか、これはそこまで使わなくて大丈夫だったんじゃないかとかを振り分けられたか ら、次のやつを読む時に思い出しながら読んだりとか。」また、生徒C は、「そういう毎回

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見直しを行うことで、もっとこういう方略を使ったら、もっとこの文章が簡単に意味を捉え ることが出来たんじゃないかなとか思ったりして。で、次にそうやって使うと、その通りに なったりすることがありました。」このように、Reflection sheet を用いて振り返り活動を 行うことで、方略への意識が高まり、次の目標設定を行うことも出来る。

また、3名とも、pre-testでは、特にcritical response項目については、何を問われてい るのか、どのように答えて良いのか分からなかったと話していた。確かに、テクストの内容 について自分がどう考え、なぜそう考えたのかを述べなくてはならないタイプの質問は、教 科書にも掲載されておらず、生徒は慣れていない。しかし、実践で発問についての方略を学 習し、実際にペアに対して発問を行い、個人の読解でも疑問をもちながら読むことを行うこ とによって、発問側の意図を理解することが出来るようになった。Post-test において、全 体のcritical response項目の平均値が向上した(第1グループ3.22→3.55、第2グループ 1.27→3.09、第3グループ0.88→2.66)。

本研究では、実践を通して 4 回のポートフォリオを作成させた。それぞれのポートフォ リオにおける書き込みについて、KeyGraphを用いて分析した。その結果については、先に 紹介した通りである。この、ケース・スタディの生徒達へのインタビューは、実践が全て終 了した後である。ポートフォリオへの書き込みは、使用した方略についてのものが多い。ポ ートフォリオ④では、使用した方略とともに、「評価」というノードが表れていた。このノ ードは、ポートフォリオ④で初めて表れたものである。インタビューにおいては、「質問」

「理由」「意見」という言葉が出てきている。これらのキーワードは、テクストへの評価へ と繋がるものである。このことから、活動を通して、自分の意見に基づいてテクストを評価 する方略が身についていったと言える。