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CEPT 協定から ASEAN 物晶貿易協定( ATIGA )ヘ

ドキュメント内 助川, 成也 (ページ 79-82)

1992年 1月に署名し、翌 1993年に発効したAFTA‑CEPT協定は 10条しかない極めて 短い協定で、あった口発効後、経済相会議や首脳会議等を通じて対象範囲の拡大、 AFTA特恵 税率削減の加速化、後発加盟国の参加など様々な制度変更を背景に、新たな議定書を次々と 採択してきた口例えば、「AFTA‑CEPT協定修正議定書J (1995年 12月)、「センシティブ 品目と高度センシティブ品目の特別措置に関する議定書」(1999年 9月)、「CEPT措置に おける TELの実施にかかる議定書」(2000年 11月)、「輸入関税撤廃のためのAFTA‑CEPT 協定修正議定書」(2003年 1月)、「センシティブ品目と高度センシティブ品目の特別措置 に関する議定書修正のための第一議定書」(2004年9月)、などがあげられるロ更には原産 地規則や運用上の証明手続き(OCP)等は協定とは別に採択されているD また、関税削減・

撤廃の前倒し等各種措置の中には、 AFTA評議会やASEAN首脳会議で合意や声明に盛り 込まれただけで法的根拠が暖昧な措置もあった白

2007年 11月のASEAN首脳会議で採択されたASEAN経済共同体(AEC)実現のため の工程表「AECブループリント」では、 AFTA‑CEPT協定の脆弱性を解決すべく、包括的 な協定として見直すことを掲げた。その結果、これまでのASEANの関税・非関税面での域 内貿易に関する全ての取り組み、義務、約束を一つの包括的な文書として統合した上で、

AFTA‑CEPT協定を刷新したASEAN物品貿易協定(ASEANTrade in Goods Agreement :  ATIGA)を策定、 2009年2月に署名した口これまでASEANが締結してきた 11本の協定・

議定書はATIGAに取って代わられることになった(表3‑4。)

表3‑4 ム官GAに取って代わられる協定等文書一覧

No.  文書名 署名目

ASEAN特恵貿易取極め 1977224ASEAN特恵貿易取極めのもとでの特恵関税拡

19871215日 大の改善の議定書

ASEAN自由貿易地域(AFTA)のための共通効果

1992128日 特恵関税協定(AFTA‑CEPT協定)

ASEAN特恵貿易取極め修正議定書 19951215AFTA‑CEPT協定修正議定書 19951215ASEAN産業協力(AICO)措置の基本協定 1996427センシティブ品目及び高度センシティフ、品目の特

1999930日 別な取扱いに関する議定書

CEPT措置の一時的除外品目リスト実施に関す

20001123日 る議定書

輸入関税撤廃のためのAFTA‑CEPT措置に関す

2003131日 る修正議定書

10 ASEAN産業協力(AICO)措置の基本協定の修正

2004421日 議定書

11  センシティブ品目及び高度センシティブ品目の特

200493日 別な取扱いに関する議定書の第1修正議定書

出所) ASEAN物品貿易協定(ATIGA)より著者作成。

注) 2011810日に開催された第25回AFTA評議会で承認。

ATIGAは加盟各国の圏内手続きを経て、 20105月に発効した。 ATIGAには、これま でAFTA‑CEPT協定にはなかった、①貿易円滑化、②税関、③任意規格・強制規格および 適合性評価措置、④衛生植物検疫、⑤貿易検疫措置、の 5つの要素を新たに加えた。また、

内容をより明確化し、措置実施面が強化された。例えば、非関税措置についてAFTA‑CEPT 協定では、第5条(その他の規定)で譲許対象品目について、数量制限の撤廃と 5年以内の 非関税障壁の撤廃のみ規定されていたが、 ATIGAでは第4章の全5条を丸々当て、非関税 措置の適用、数量制限の一般的な撤廃、その他の非関税障壁の撤廃、外国為替の制限、輸入 ライセンス手続きについて明記したD また、非関税障壁の撤廃スケジュールを国毎に明記、

フィリピンを除く先発加盟国は 2010年迄に、フィリピンは 2012年迄に、後発加盟国は 2018年までの柔軟措置を容認されながら 2015年迄に、それぞれ撤廃が求められるべま た、アジア太平洋経済協力(APEC)会議で策定されたFTAの最良慣行をモデ、ノレに、 WTO

41非関税擁壁の削減・撤廃スケジュールは明記されたものの、撤廃には圏内法の修正が求められる措置 も少なくなく、加盟各国各々の期限までの撤廃は実現してない。

整合性、 WTOを超えた取り組み、透明性、包括性、協議と紛争解決メカニズム、協力、定 期的見直しなどの原則が掲げられ、 ATIGAではこれらの規定が各章に盛り込まれるととも

に、貿易円滑化の原則(第48条)は、 APECの貿易円滑化原則をそのまま採用した420

ATIGAでは第5条で最恵国待遇(MFN)を規定している口現在、ASEAN加盟国はASEAN の枠組みのもとでの FTAに加え、各国の独自戦略に基づき FTAを締結するなど、東南ア ジア地域のFTAネットワークは多方面且つ重層的になっているロその中でASEAN各国が 個別に域外国に対し、域内に比べより低い関税を付与している場合もある。その場合、

ATIGA第5条では、他の加盟国は当該加盟国に対し、同等の待遇を付与するよう交渉を要 求することが出来ることを明記した。ただし、最も低い関税率を加盟各国に自動的に付与す るMFNの自動適用にまでは踏み込めていない。しかし、それを差し引いても、AFTA‑CEPT 協定が全11章98条を抱える ATIGAに移行したことにより、 AFTAは法的、制度的、包括 的、かっ除外品目が少ない極めて高度な国際水準のFTAになった口

ATIGAの第四条(輸入関税の削減または撤廃)第2項では、貿易品目をスケジュール AからスケジュールHに再分類した(表3‑5)口もともと AFTA‑CEPT協定では、関税削 減・撤廃対象品目の IL、一般的除外品目である GEL、そしてILへの準備が整わない一時 的除外品目TEL、農産品を中心としたセンシティブ品目 SLと高度センシティブ品目HSL、 に分けられていたロ

ATIGAで分類された品目について、本論文の研究対象期間である 2015年末までに多く の分類で関税削減・撤廃の作業は終了しているが、その時点で関税が残存しているのは、カ ンボジアのスケジュールD(未加工農産品のO〜5%への関税削減)、米に代表される未加工 農産品スケジュールE(各国独自スケジュールで、MFN税率削減)、カンボジア、ベトナム のスケジュールG (石油製品の関税を全加盟国が合意したスケジュールに基づき削減)、ス ケジュールH (一般的除外品目)、そして後発加盟4カ国について関税撤廃が 2018年 1月 まで猶予されている総品目の7%分の品目であるロ最終的にAFTAは2018年 1月に完成を 迎えるロ

42石川(2009b

表3‑5 Pi..GA関税削減・撤廃における品目別スケジュール分類

分 誼 対象晶目 対 象 国 措 置

ASEAN先行加盟6カ国 |撤廃

スケジュールA ラオス・ミャンマー・ベトナム 200911固までに全品目の関税率を05 % カンボジア 200911固までに80%以上の品目の関税率を05 % スケジュールB 情報通信技術(ICT)品目 ASEAN後発加盟4カ国 3グループ!こ分け、20080910年までに関税撤廃 スケジュールG 優先統合分野(注1) ASEAN後発加盟4カ国 2012年までに関税撤廃

ASEAN先行加盟6カ国 2010年まで lO5 %への関税削減

ベトナム 2013年まで、!こO5 %への関税削減。ただし砂糖製品は スケジュールD 未加工農産品 2010年まで。

ラオス・ミャンマー 2015年までに05 %への関税削減 カンボジア 2017年までに05 %への関税削減 スケジュールE 未加工農産品 ASEAN全 体 各国独自スケジュールでMFN税率削減

タイ 関税割当外関税率を自こ国撤の廃品。目分類による関税削減に

スケジュールF 従い削減、2010年までl

関税割当外関税率を自国の品目分類にこ撤よ廃る関税削減に ベトナム 従い削減、、201320142015年までl

スケジュールG 石油製品 ベトナム、カンボジア 全加盟国が合意したスケジュールに基づき削減 スケジュールH 一般的除外品目 ASEAN全体 廃・削減対象外

[その他 総品目数の7 %以下 ASEAN後発加盟4カ国 2018年まで猶予。

出所) ASEAN物品貿易協定(ATIGA)から著者作成。

注)優先統合分野(PIS)は①農産物加工、②自動車、③エレクトロニクス、④漁業、⑤ゴム製品、⑥繊維・衣 類、⑦木製品、③e・ASEAN、⑨ヘルスケア。

ドキュメント内 助川, 成也 (ページ 79-82)