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BOD 法によるポリ(グリシドール)の生分解性評価

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第 2 章 酵素触媒によるポリ(グリシドール ) の合成と生分解性評価 11

2.3 実験方法

2.3.6 BOD 法によるポリ(グリシドール)の生分解性評価

ポリ(グリシドール)の生分解試験では植種源として下水処理場から採取した活性汚泥を用 い、微生物が被験物質を分解するときに消費する酸素量を測定した。生分解率は生物化学的酸 素要求量 (BOD)aと理論酸素要求量 (ThOD)bの比から算出した。

Biodegradation(%) = BOD

T hOD ×100 (2.1)

a 生物化学的酸素要求量(BOD): 化学物質又は有機物が、特定の条件下で、水中での好気的生 物酸化によって消費された溶存酸素の質量濃度。試験物質1 mg又は1 g当たりのmg-酸素量 として表される。b 理論酸素要求量 (ThOD): 化学物質が、完全に酸化されるために必要とさ れる分子式から計算される最大理論酸素要求量。試験物質1 mg又は1 g当たり必要とされる mg-酸素量として表される。

ポリ(グリシドール)のThOD値は以下に記す計算法にて求めた。

2.2式より、ポリ(グリシドール) (分子式: (C3H6O2)n,分子量: 74.1n)が完全分解される には5当量の酸素が必要である。したがって、2.3式より、ポリ(グリシドール)のThOD値 は1.51 (mgO2/mg)と計算される。

(C3H6O2)n+ 3.5nO2 −→3nCO2+ 3nH2O (2.2)

T hOD(mgO2/mg) = 1

74.1×3.5×32 = 1.51 (2.3) BOD値は以下に記す原理で測定した。

BOD測定装置の模式図をFig. 2.5に示す。培養液中の被験物質が微生物によって資化され るときには溶存酸素が消費され、それに伴って放出される二酸化炭素をふらん瓶内に備え付け た容器中のアルカリ液で吸収する。このとき、消費された溶存酸素分の酸素が気相から液層へ 補給されるので、ふらん瓶内の気相の酸素の分圧は低下する。気相は一定の相対圧を保つため にフラン瓶に取り付けたビューレットの下端から水を吸入する。この吸入水量を測定し、式2.4 に示した気体の状態方程式を用いることによって低下した分圧に相当する酸素量を求めること ができる。この酸素量は微生物が被験物質を資化するために消費した酸素量、すなわちBOD 値に相当する。

2.3 実験方法 29

BOD(mgO2/mg) = 32×A

0.082×(273 +B) ×1000

C (2.4)

A:培養液C mL中の被験物質を微生物が分解するのに要した酸素消費量 (mL)(菌体の基礎呼 吸によるブランク試験の酸素消費量を差し引いた値)、B: 温度 (℃)、C:培養液量 (mL).

Aqueous NaOH as a CO2 absorbent

Microorganism

Substrate

Stirring bar

O2 CO2

Water bath at 25 oC

0 2 4 6 8

Fig. 2.5: BOD cultivation system.

(2)測定方法

まず、生分解試験に用いる植種源、無機塩培地及び二酸化炭素吸収液を以下に示す方法で調 製した。

植種液  

横浜市港北区下水処理場より採取した活性汚泥を3時間曝気後に用いた。活性汚泥中の 固形物濃度を求めるために活性汚泥 10 mLをはかり取り、これを80 ℃、昇温デシケー ターを用いて減圧乾燥することにより固形物 54 mgを得た。したがって、活性汚泥中の 固形物濃度は5.4 mg/mLであることを確認した。培養液を調製する際には培養液中の 固形物濃度が30 mg/Lになるようにして活性汚泥を添加した。

無機塩培地  

エアーポンプを用いて3時間曝気した蒸留水 800 mLを1 Lメスシリンダに量り入れ、

下に示すA液を5 mL、B液、C液及びD液を各1 mLずつ添加した。これを1N 塩酸 水溶液を用いてpH 7.0に調製後、曝気した蒸留水で1 Lにメスアップして無機塩培地 を調製した。

溶液A リン酸二水素カリウム(KH2PO4) 8.50 g リン酸水素二カリウム(K2HPO4) 21.75 g リン酸水素二ナトリウム二水和物(Na2HPO4・12H2O) 44.60 g 塩化アンモニウムNH4Cl 0.17 g 3時間曝気した蒸留水に溶かし1 Lに定容した。

溶液B 硫酸マグネシウム七水和物 (MgSO4・7H2O) 22.50 g 3時間曝気した蒸留水に溶かし1 Lに定容した。

溶液C 無水塩化カルシウム(CaCl2) 27.50 g 3時間曝気した蒸留水に溶かし1 Lに定容した。

溶液D 塩化鉄( )六水和物 (FeCl3・6H2O) 0.25 g

3時間曝気した蒸留水に溶かし1 Lに定容した。

二酸化炭素吸収液  

50 wt%水酸化ナトリウム水溶液

BOD測定は以下に記す条件で行った。

被験物質濃度 : 25 ppm 植種液濃度 : 30 mg/L 試験温度 : 25 ℃ 試験日数 : 28日間

2.3 実験方法 31 まず、植種液5.5 mLと無機塩培地994.5 mLを混合し、30 mg/Lの固形物質濃度となる植 種希釈液を調製した。磁気攪拌子を付したBODテスター用のフラン瓶にポリ(グリシドール)

5 mgをはかり取り、そこへ植種希釈液 200 mLを入れた。次いで、フラン瓶に二酸化炭素吸 収液を得れた容器、専用ゴム栓及びマノメーターを装着し、25 ℃の恒温漕に設置した。約2時 間後、マノメーターの目盛りを2.0に合わせ、測定を開始した。同時に、植種希釈液のみの対 照空試験及び被験物質にアニリンを用いた標準試験を行った。生分解試験は28日間行い、1日 毎にマノメーターの目盛りを読み取り、その値からBOD値を求めた。

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