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ポリ(アスパラギン酸ナトリウム)の生分解性評価

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第 3 章 酵素触媒によるポリアスパラギン酸の合成と生分解性評価 43

3.3 実験方法

3.3.4 ポリ(アスパラギン酸ナトリウム)の生分解性評価

3.3 実験方法 65

BOD(mgO2/mg) = 32×A

0.082×(273 +B) ×1000

C (3.4)

A:培養液C mL中の被験物質を微生物が分解するのに要した酸素消費量 (mL)(菌体の基礎呼 吸によるブランク試験の酸素消費量を差し引いた値)、B: 温度 (℃)、C:培養液量 (mL).

Aqueous NaOH as a CO2 absorbent

Microorganism

Substrate

Stirring bar

O2 CO2

Water bath at 25 oC

0 2 4 6 8

Fig. 3.11: BOD cultivation system.

3.3 実験方法 67 (1-b) 測定方法

まず、生分解試験に用いる植種源、無機塩培地及び二酸化炭素吸収液を以下に示す方法で調 製した。

植種液  

横浜市港北区下水処理場より採取した活性汚泥を3時間曝気後に用いた。活性汚泥中の 固形物濃度を求めるために活性汚泥10 mLをはかり取り、これを120℃、昇温デシケー ターを用いて減圧乾燥することにより固形物 54 mgを得た。したがって、活性汚泥中の 固形物濃度は5.4 mg/mLであることを確認した。培養液を調製する際には培養液中の 固形物濃度が30 mg/Lになるようにして活性汚泥を添加した。

無機塩培地  

エアーポンプを用いて3時間曝気した蒸留水 800 mLを1 Lメスシリンダに量り入れ、

下に示すA液を5 mL、B液、C液及びD液を各1 mLずつ添加した。これを1N 塩酸 水溶液を用いてpH 7.0に調製後、曝気した蒸留水で1 Lにメスアップして無機塩培地 を調製した。

溶液A リン酸二水素カリウム (KH2PO4) 8.50 g リン酸水素二カリウム (K2HPO4) 21.75 g リン酸水素二ナトリウム二水和物 (Na2HPO4・12H2O) 44.60 g 塩化アンモニウム NH4Cl 0.17 g 3時間曝気した蒸留水に溶かし1 Lに定容した。

溶液B 硫酸マグネシウム七水和物 (MgSO4・7H2O) 22.50 g 3時間曝気した蒸留水に溶かし1 Lに定容した。

溶液C 無水塩化カルシウム (CaCl2) 27.50 g 3時間曝気した蒸留水に溶かし1 Lに定容した。

溶液D 塩化鉄( )六水和物 (FeCl3・6H2O) 0.25 g

3時間曝気した蒸留水に溶かし1 Lに定容した。

二酸化炭素吸収液  

50 wt%水酸化ナトリウム水溶液

BOD測定は以下に記す条件で行った。

被験物質濃度 : 25 ppm 植種液濃度 : 30 mg/L 試験温度 : 25 ℃ 試験日数 : 28日間

まず、植種液5.5 mLと無機塩培地994.5 mLを混合し、30 mg/Lの固形物質濃度となる植 種希釈液を調製した。磁気攪拌子を付したBODテスター用のフラン瓶にポリ(アスパラギン 酸ナトリウム)5 mgをはかり取り、そこへ植種希釈液 200 mLを入れた。次いで、フラン瓶 に二酸化炭素吸収液を得れた容器、専用ゴム栓及びマノメーターを装着し、25 ℃の恒温漕に設 置した。約2時間後、マノメーターの目盛りを2.0に合わせ、測定を開始した。同時に、植種 希釈液のみの対照空試験及び被験物質にアニリンを用いた標準試験を行った。生分解試験は28 日間行い、1日毎にマノメーターの目盛りを読み取り、その値からBOD値を求めた。

(2) KO 017株によるポリ(アスパラギン酸ナトリウム)の生分解

これまでに当研究室でポリ(アスパラギン酸ナトリウム)の資化菌を土壌中からスクリーニ ングした結果、音澤によりKO 017株が得られている125)。この菌株を平面培地で培養したと きに、主として白色のコロニーが得られたが、その他にも淡黄色のコロニーが確認された。そ こで、ポリ(アスパラギン酸ナトリウム)を唯一の炭素源にして集積培養を行うことにより、

白色のコロニーを単離した。

(2-a) KO 017株の集積培養

集積培養に用いた液体培地及び固形培地の調製方法を以下に記す。

液体培地  

蒸留水1 L当たりの炭素源及び無機塩の組成を以下に示す。この無機塩培地100 mLに 唯一の炭素源としてポリ(アスパラギン酸ナトリウム)200 mg (0.2 wt%)を溶解し、1N NaOH及び1 N HClを用いてpH 7.0に調製し0.2 wt%ポリ(アスパラギン酸ナトリウ ム)を含む液体培地を調製した。

炭素源: ポリ(アスパラギン酸ナトリウム) 2000 mg 無機塩: 塩化アンモニウム 2000 mg   リン酸水素二カリウム 200 mg 硫酸マグネシウム七水和物 200 mg 塩化カルシウム二水和物 2 mg

硫酸鉄七水和物 1 mg

硫酸マンガン四水和物 2 mg

硫酸亜鉛七水和物 7 mg

硫酸銅五水和物 0.05 mg 塩酸チアミン(VB1·HCl) 0.05 mg 固形培地  

上記の0.2wt%ポリ(アスパラギン酸ナトリウム)を含む液体培地200 mLに寒天粉末

4 g (2 wt%)を添加し、オートクレーブで滅菌した後、滅菌シャーレに約25 mL流し入

3.3 実験方法 69 れ、固まるまで室温で静置し0.2 wt%ポリ(アスパラギン酸ナトリウム)を含む平面培 地を調製した。また、保存用スラントの作成では滅菌後の培地 約6 mLを試験管に流し いれた後、シリコン栓をして再びオートクレーブで滅菌を行った。

上記の固体培地に生理食塩水で104倍希釈したKO 017株を塗布し、30℃、3日間インキュ ベートした。インキュベート後に得られた白色のコロニーを同様にして固体培地で培養した。

この操作を再度繰り返すことによってKO 017株の単離を行い、この分離株の同定をNCIMB Japanに依頼し、rRNA遺伝子について部分塩基配列を解析し、MicroSeqのデータベースを 照合した。その結果、KO 017株は相同率100%でBrevibacillus reuszeriが最も近縁な菌群で あると同定された。単離したKO 017株はスラントに塗布し、30 ℃で3日間インキュベート した後、冷蔵庫で保存した。

(2-b) 無細胞抽出液の調製

液体培地100 mLを500 mL坂口フラスコに入れ、オートクレーブを用いて滅菌した。これ

にKO 017株を白金耳を用いて添加し、ウレタン栓をして30 ℃で好気的に振とう培養を行っ

た。振とう培養を3日間行った後、培養液0.1 mLを同組成の液体培地に添加し、植え継ぎを 行った。植え継ぎ後の培養液20 mLを遠心分離(12,000 rpm, 4℃, 30 min)を行うことによっ て菌体を沈殿させ、上清及び沈殿した菌体を分離した。沈殿した菌体を20 mLの生理食塩水 に懸濁させ、再度遠心分離を行い、菌体を沈殿させた。この操作をさらに2回繰り返すことに よって菌体を洗浄した。こうして、培養液500 mLから2.52 gの湿重量で菌体を得た。

得られた菌体2 gをpH 7.0のリン酸バッファー10 mLに懸濁させ、そこへ50 mgのTween 80を添加した。この溶液を超音波破砕機を用いて30 分間破砕し、KO 017株の無細胞抽出液 を得た。

(2-c) KO 017株の無細胞抽出液によるポリ(アスパラギン酸ナトリウム)の分解

20 mL試験管にポリ(アスパラギン酸ナトリウム)10 mgをはかり取り、そこへ無細胞抽

出液 1mL及び生理食塩水 4mLを加え、ウレタン栓をし、30 ℃、2日間振とう培養を行っ た。培養後、培養液をメンブランフィルタ (Mixed cellulose ester, poresize 0.2 µm)を用い てメンブラン濾過を行い、水に不溶な成分を除去した。次いで、濾液を限外濾過カートリッジ

(ULTRACENT 30)を用いて遠心分離を行い、菌体由来の水溶性高分子を除去した。得られた

濾液を濃縮後、そこへSEC測定用の溶離液 10 mL を入れて溶解させた。この溶液をSECに より分子量分布を測定することによって、ポリ(アスパラギン酸ナトリウム)の培養前後の分 子量分布を比較した。

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