作品5のキャラクター,作品6の鳥,作品11の機関車のように表現技法よりもモ チーフが選択の大きな要素になっているケースが見られる。また,作品1や作品
8のように表現のしかたには興味を持つがモチーフが好感度を下げているケース
もあった。
表:3−1−3−7は,好感度に関するそれぞれの要素が占める割合を,学年別に見た ものである。「モチーフ」,「色」,「形」がどの学年でも高い数値を示してい るが,あまり学年差のない「モチーフ」や「色」に比べて「形⊥は学年があがる につれて割合が減ってきている。これは,低学年の方が形に対する興味が高いこ とを表している。また微妙な変化ではあるが,「立体感」,「光」,「くり返し」
という要素は,学年があがるにつれて好感を持つ児童が増える傾向が見られ「模 様」は学年が低いほど好感をもつ傾向が見られた。
50
4D
30
2e ID
4一一一曜▽一一一曽一r ロー一「璽一一一一1一層一騨一r冒曹,層「冒一■卿薗r−oo一一■一璽一一,■
Ei一ア立燗 質感 色 形 検様 光 繰返しその他 晒2年図4年団6年
表:3−1−3−7 2年
ここにあがってきた要素は,「従来の絵画表現で好感度をもつ表現」と重なる 部分があることが推測され,一様に全ての要素が「コンピュータの表現での好感 度を持つ表現」と断定はできない。しかし,児童が好感を持つ表現の要素である ことは明らかである。また,これらの要素は児童が表現してみたいという欲求を 持つ要素であると言い換えることができる。児童がCGで表現するものの中にこ れらの要素が影響を与えることが予想される。
この要素をふまえ2節では,従来の描画材による表現とコンピュ 一一タによる表 現の比較調査の結果を分析し,それぞれの表現の特性を明らかにしていきたい。
2節一■児童の表現に関する調査
1.調査の概要【目的】
児童の従来の描画材による表現と,CGによる表現についての実態調査をおこ ない,その分析結果から,児童のCGによる表現の特性や傾向を明らかにする。
【方法】
〈グループ分けと調査時間〉
各学年を従来の描画材による表現グループとCGによる表現グループに分け,
さらにCGのグループを,使用するソフトによって二つに分ける。比較のために 題材は,全学年,自由題材とする。
従来の方法による表現は1回,CGによる表現は,操作やソフトに対する習熟 度を考慮して,4回とする。
CGの表現は,最初にCGの操作練習に2時間をとり,その間にソフトの様々 な機能の紹介を合わせておこなう。表現は2回おこなう。
グループ 従来の描画材
CG
学年 FINE ABTIST PC PAINTBRUSH 操作練習1 操作練習1
表現1回目
操作練習2 操作練習22
表現1回目 表現1回目表現2回目 表現2回目
計1時間 計4時間 計4時間
操作練習1 操作練習1 表現1回目 操作練習2 操作練習2
4
表現1回目 表現1回目表現2回目 表現2回目
計1時間 計4時間 計4時間
操作練習1 操作練習1
表現1回目
操作練習2 操作練習25
表現1回目 表現1回目表現2回目 表現2回目
計1時間 計4時間 計4時間
全・査 酎27時酎
削 3 司ln Q4 削
従来の描画材での表現は,図工の時間を使い学級単位でおこなう。CGでの表
現は,機器の台数の都合により,
して調査する。
〈各時間の展開〉
○従来の描画材での表現
8名1グループの小集団単位で,放課後を利用
児童 教師 備考
○課題の提示
○描画材についての説明
画用紙 描画材
○構想 ○発想に関する助言
○表現 ○表現技法に関する援助
○作成過程の記録
VTR
○作品の保存
OCGによる表現
児童 教師 備考
○課題の提示
○表現機能の説明
CGソフト
○構想 ○発想に関する助言
○表現 ○表現技法に関する援助
○作成過程の記録
VTR
○作品の保存
FD
〈表現材〉
○従来の表現
支持体 :画用紙(26 × 20cm)
描画材 :鉛筆・色鉛筆・クレヨン・パス・サインペン・マーカー 水彩絵の具・ふで 等
※描画材は児童が選択し使用するものとした。支持体は,調査の条件を統一 するためにCGのディスプレと同じ大きさの画用紙とした。
OCGでの表現
使用機器 : 使用ソフト:
入力装置
NEC PC一一9821CX2
「ファイン・アーチスト(マイクロソフト)」
「:PCペイントブラシ(アスキー)」
マウス
※使用ソフトは,児童が操作しやすく,機能がわかりやすい点,マルチメデ ィア指向の特殊機能が充実している点で「ファイン・アーチスト」を,描 材の種類,色数等の描画機能が充実している点で「PCペイントブラシ」
を選択した。詳細については「2項(1)道具について」でまとめている。
〈調査項目〉
上記の調査によって得られた児童の表現に関するデータを次の観点から分析し
た。
・道具について
・表現した題材からの分析 ・表現過程の分析
・表現の際に使った道具の分析 ・発達段階による分析
【対象】
〈従来の描画材での表現〉
小学校低学年(2年生)
中学年(4年生)
高学年(5年生)