〈表現材〉
○従来の表現
支持体 :画用紙(26 × 20cm)
描画材 :鉛筆・色鉛筆・クレヨン・パス・サインペン・マーカー 水彩絵の具・ふで 等
※描画材は児童が選択し使用するものとした。支持体は,調査の条件を統一 するためにCGのディスプレと同じ大きさの画用紙とした。
OCGでの表現
使用機器 : 使用ソフト:
入力装置
NEC PC一一9821CX2
「ファイン・アーチスト(マイクロソフト)」
「:PCペイントブラシ(アスキー)」
マウス
※使用ソフトは,児童が操作しやすく,機能がわかりやすい点,マルチメデ ィア指向の特殊機能が充実している点で「ファイン・アーチスト」を,描 材の種類,色数等の描画機能が充実している点で「PCペイントブラシ」
を選択した。詳細については「2項(1)道具について」でまとめている。
〈調査項目〉
上記の調査によって得られた児童の表現に関するデータを次の観点から分析し
た。
・道具について
・表現した題材からの分析 ・表現過程の分析
・表現の際に使った道具の分析 ・発達段階による分析
【対象】
〈従来の描画材での表現〉
小学校低学年(2年生)
中学年(4年生)
高学年(5年生)
48名
2.従来の描画材での表現とCGでの表現の比較
調査は,児童による従来の描画材での表現とCGでの表現を比較したものであ る。次の三つの視点から分析を行うこととする。
(1)道具について
(2)表現した題材からの分析
(3)表現過程からの分析
(1)では,児童の使った描画材やCGソフトの概要をまとめ,(2)では,
児童が表現したものを題材別に分類し,それぞれの描画材による表現の傾向を分 析する。(3)では,それぞれの表現がなされる過程を記録をもとに,使った道 具,表現の順序等,児童のかく行為について分析する。また,それぞれの項で学 年の比較を行い,発達段階による違いをまとめることとする。
(1)道具について
この調査ではCGを新しい描画材(道具)として位置づけ,従来の描画材との 比較を行っている。そこで,児童が使用した道具についての概要をまとめてみた。
■従来の描画材
この調査では使用する描画材に制約は設けず,児童が自由に選択し使用するこ ととした。調査の事前に描画材についての説明を行い,使いたい描画材を児童に 準備させ,不足するものを調査者が準備する形を取った。児童が準備した描画材
を分類すると表:3−2−2−1のような結果となった。
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クレヨン
絵の具
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コンテ
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表:3−2−2−1
凝材
2年 4年 5年
全体
鉛筆 色鉛筆 クレヨン
48(100eX) 25(52.1%) 25(52.IX)
33(100%) 27(81.8%) 15(45.5X)
30(100X) 21(70.0%) 6(20.0%)
111(100%) 73(65.8X) 46(41.4X)
絵の具 サインへ●ン コンテ 22(45.8X) 16(33.3%〉 O〈O.on)
14(42.4%) 27(81.8X) O〈O.O%)
10(33.3%) 13(43.3X) 1(3.3X)
46(41.4X) 56(50.5%) 1(O.9X)
崇単位は人()内は各学年・全体に占める割合
児童が準備した描画材を分類すると,基本的な道具として全員が「鉛筆」は持 ってきており100%であった。次に「色鉛筆」が多く低学年で52.1%,中学年で 81.8%,高学年で70%,全体でも65.8%の児童が持ってきていた。次は「サイン ペン(含むマーカー)」で低学年は33.3%であったが,中学年で81.8%,高学年
では43.3%,全体でも50.5%であった。「クレヨン(含むパス)」は学年があが るにつれて減る傾向が見られたが,低学年で52.1%,中学年で45.5%,高学年で 20%,全体では41.4%であった。「絵の具」も同じようには学年があがるにつれ て減る傾向が見られ,低学年で45.8%,中学年で42.4%,高学年で33。3%,全体 では41.4%であった。「コンテ」は高学年の児童が1名持ってきただけであった。
「鉛筆」「色鉛筆」「サインペン(含むマーカー)」「クレヨン(含むパス)」
「絵の具」は低学年から使った経験のある描画材であり,かなりの数の児童が準 備していた。「クレヨン」は発達段階的に見ても低学年での使用頻度が高く,高 学年では持ってきた児童が減ったものと考えられる。「絵の具」については,発 達段階的には高学年の児童のほうが持ってくる児童が多いことが予想されたが,
逆に減っていた。このことについては,絵の具に対する苦手意識,準備の煩わし さ,かきたい題材に対する適性等の理由が原因と考えられる。また,「コンテ」
を使った経験:のある児童はほとんどなく,持ってきた児童も家庭でしか使ったこ とがなかった。「はしペン」等の描材を持ってきた児童もなく材料体験が不足気 味であることが感じられる。
また,「鉛筆」「色鉛筆」「サインペン」が上位を占めたことから,児童が自 由に描画材を選んだ場合には,面材よりも線材を選ぶ傾向が強いといえる。
それぞれの描画材の特性については,既に2章の中でまとめているので省略し
ている。