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襲騨

図:4−2−4−4 「石の絵」作例 (Super kid)

○あて字辞典(1時間)

対 象 高学年

ねらい:○いろいろな表現を試し,想像したことや思ったことが表現できるよう      に工夫する。

    O字から発想を広げ,表現や効果を工夫することができる。

対象ソフト:CGソフト全般

主1こ使う膿:加工機能(文字) 描画機能 展開:1.あて字を発想する。

    2.拡大した字に,色を付けたり加工したりして「あて字」をつくる。

    3.複数印刷する。

    4.製本して辞典にする。

備 考:表現に関する調査でも字を題材とした表現が見られた。従来の表現では     字はポスターでしか扱われていなかったが,CGではどのソフトでも字     を表現に使えるようになっている。入力に関してもFineArtistのように     あいうえお配列のキーボードが画面上にでて簡単にできるように配慮さ     れたものもある。児童の活動は,字から視覚的なあて字を発想し,色や     特殊効果で表現を試し,できたものを学級でまとめて辞典をつくる共同     製作へと発展する流れとなる。発想に関しても個人で行うだけでなく,

    グループ単位で行うなど発想が広がるような展開となるよう配慮したい。

赤面 身ぶるい     横長 レンガ塀

図:4−2−4−5 「あて字辞典」作例 (PC Paintbrush)

Oお団子でかこう(1時間)

対 象:高学年

ねらい:○いろいろな表現を試し,想像したことや思ったことが表現できるよう      に工夫する。

    ○道具(描画ツールや特殊効果)から発想を広げ,使い方や効果を工夫      することができる。

対象ソフト:PhotoshOP

主1こ使う櫨:描画機能(グラデーション) 加工機能

展開:1.画面のモードをグレースケールにする。

    2.描画色を白,背景色を黒にする。

    3.グラデーションの「円形」「比較(明)」を選択する。

    4.2点を指定する形式で球体に見える円を続けてかく。

    5.お団子をつないだような表現を楽しみ,かくものを発想する。

    6.できた表現に色をつけたりする。

備考:中・高学年では立体感のあるCGでの表現に興味を示した児童が多かっ     た。現時点では児童が扱える3Dソフトはないが,表現の手法によって     立体的に見える表現をすることは可能である。円形のグラデーションは,

    中心の位置によって円を球体のように見せることができる。この特性を     いかしたのがPhotoshopでのグラデーションによる球体つくりである。

    明るさの限界にくるとグラデーションが止まる特性により球体同士が合     体したようなおもしろい効果が表れる。児童もこの効果に興味を持ち,

    発想を広げることが予測される。色づけが通常とは違う手順になるので,

    RGB変換などCGの色の特性を経験:したあとに行うようにする。

図:4−2−4−6 「お団子でかこう」作例 (PhotoshoP)

3節 CGを使った教材の問題点と方向性

 4章では,調査結果をもとに教材化の視点を明らかにし,その視点の中から

「混色など色作りにつながる教材」fユニv・一クな表現を楽しみ発想を広げる」

「表現する行為を楽しむ」「想像したことやイメージを表現する」による教材案 を開発した。現在の学校教育で使うことができることを第一条件に開発してきた が,実践に向けては次のような問題点がある。私見を交えてこれからの方向性に ついても考えてみた。

1.マウスでの描画

 CGでの表現の使用感に関する考察でも述べたが,鉛筆やふでなどの従来の描 画材に比べてマウスは,微妙な表現をするのにあまり適した描画材とはいえない。

調査した児童の30%も描画が難しいと感じており,高学年で観察的表現が見られ なかったことからも明らかである。教材案の中ではスキャナを使うなどしてこの 問題に対応したが,現在,従来の鉛筆に相当する,タブレットとペン型入力装置 が普及しはじめており,将来的にはマウスにとって変わることが期待できる。

2.3Dグラフィックスやアニメーションの扱い

 現在の学校教育の環境で,3Dやアニメーションを扱うことは不可能であるこ とは2章で述べてきた。教材案の中には擬似的な3Dや紙芝居的なアニメーショ ンを題材として取り上げているが,本格的な3Dやアニメーションを作成できる 児童用ソフトが登場するのも,そう遠くないことが予測される。児童の興味・関 心が高かったこれらの表現が教材として活用できるよう,先行研究などに目を向

け実践を行っていきたい。

3.CGの捉え方

 CGでは,その特性である即時性と保存による再表現によって,一つの題材か ら複数の異なる作品や連続した作品を作ることができる。このような表現の形態 は児童にとってあまり馴染みがないものである。また,2Dグラフィックスにお いても,ディスプレ上にあるものとプリンタで紙に打ち出したものとでは大きな 違いがある。これらを従来の絵として考えたときに,児童は,どのレベルを絵と して捉えるのかという問題がある。CGは児童が絵に対して持っていた概念を変 えていく可能性もあり,今後の実践の申で明らかにしていきたい問題である。

4.CG表現の評価

 表現活動を中心とする学習の評価は,現在の教育の中でも大きな問題となって いる。CGを使った表現では,教材案でも示したように従来の描画材以上に,表 現を楽しむ活動が多くなる。また双方向的な学習過程を辿るために,従来型の評 価方法の適用が難しいといえる。はっきりしているのは,各種の機能により表現 に関する技術的な差が縮まり,発想の質や幅が問われる評価となるであろうとい

う点である。この問題に関しても実践を通して探っていきたい。

5.コンピュータの使用環境

 CGでの表現を行う前提として,学校にCGが使えるコンピュータがなければ ならない。コンピュータは平成元年度より文部省の補助により,小・中学校に設 置されてきたが,初期に設置されたものは表示色の限界が16色であり,表現活動 を行うのに十分なものとはいえない。また,表現の幅を広げるためにはスキャナ などの周辺機器の設置も必要である。さらに表現を楽しむには一人に1台のコン

ピュータが必要であるが,予算的な問題で,中学校でも2人に1台という学校が 多く,小学校ではさらに厳しいのが現状である。グループ学習や交替で表現する などの解決策があげられているが,いずれにしても,十分な表現時間の確保が必 要である。

6.CGに対する批判

 3章2節で美術教育がCGに対してあまり積極的でないのは, CGでの表現が 実材を伴わないからであるということについて触れたが,これは初期のCGソフ

トが従来の画材のシミュレーションにばかりに力を入れて開発されたためであろ う。前出の多田2)も「ツールの面では,既存の画材を模倣したり,物質の表面の 質感を模倣することに関心が向けられているCGシステムが多く,そうした優れ

た機能に 描かされている きらいがある。」と述べている。このようなシミュ レーションなどに関するi批判に対応して,現在,独自の加工機能を持ったCGソ フトが次々に開発されている。CGも電気と光という手で触れることができない 実材を扱う道具であり,これからの発達の方向がこの問題を解決する鍵となるで

あろう。

<注記>

1) 剴カの発達特性については次の文献を参考にした。

 小泉晋也 『絵を描くこころ』(いわき市立美術館1986)

 真鍋一男・宮脇理 監修  『造形教育辞典』(建畠社1991)

 辻田嘉邦・宮坂元祐・板良敷敏 『図画工作の展開』(日本文教出版1988>

2) ス田  『画材大全』P166

〈参考文献〉

文部省  『小学校指導書 図画工作編(平成元年6月)』 (開隆堂出版 1989)

丹波皓夫編  『実践図画工作科の授業・3 絵に表す[低学年]9(同朋舎 ユ992)

吉井宏編   『実践図画工作科の授業・4 絵に表す[中学年コ』(同朋舎 1992)

東山明編  『実践図画工作科の授業・5絵に表す[高学年コ』(同朋舎 1992)

佐藤理 『コンピュデザイン カタチの発想法』(グラフィック社 1993)

ッァイトメディァスタジオ編

    『Super Kidテクニ・カルワークブック』(青林堂 1994)

ステップ・バイ・ステップ・グラフィックス編集部

    『MACデザイン・バイブル』    (ホルベイン画材 1993)

Michael Gosney・Linnea Dayton共著 戸川隼人監訳

    『デジタルペインティング』     (アスキー 1993)

Adele Droblas・Seth Greenberg著 :丸本達也訳

    『Photoshop 3.ojスーパーバイブル』 (翔泳社 1995)

Ka i krause著 山崎達夫訳 『Photoshop Tips&Tricks』(ソフトバンク1995)

■おわりに

CGでの表現を楽しむ児童 一「表現に関する調査」での一・場面一

 「CGは,現在の美術教育の課題である 多様な表現 を実現できる,新しい 表現の道具として活用できるのではないか」これが,この研究のテーマであった。

 1章では,CGの発展の過程とその活用範囲を調べ,美術との関連を探った。

CGによる表現が新しい表現としてテクノロジー・アートの中に取り入れられ,

コンピュータ・アー・一トとという分野で発展するとともに,CG自体が表現の道具 としても進化し,デザイナーをはじめとするプロのアーチストだけでなく,誰し もがCGによる表現を行うことが可能になってきたことが明らかになった。

 2章では,美術教育とCGの関連について表現の道具という視点から探った。

その中で,現在の平面表現が抱える課題が明らかになった。研究の目的で述べた

「個性に応じた多様な表現」と「表現過程の重視」である。この課題に対して重 要な役割を果たすのが表現の道具である。そこで,従来の画材とCGの比較分析 を行った。その結果,CGの特性である,選択肢の多い描画機能とかき直しがで きる修正機能が課題に応えきれる可能性が見えてくるとともに,子供を主体とし て道具を取り扱うという方向も明らかになった。そこで,CGを使った授業実践 や先行研究について調べたが,機器の普及に関する問題と,CGの美術教育での 扱われ方により事例は少なく,十分な結果がえられなかった。

 そこで,3章では子供を対象としたCG表現に関する調査を行うこととした。

調査では,次の三つの視点から子供とCGの関わりをとらえることとした。

①CGソフトで表現されたものの捉え方

②CGソフトと従来の描画材の表現の違い

③道具としてのCGの受けとめかた

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