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3 米国各州における電力・ガス小売市場の競争評価

3.1 米国連邦政府

3.1.1 電力小売市場における自由化動向

米国電力小売市場における自由化は、当初は州単位で議論が進んだものの、2000年のカ リフォルニア電力危機を受けてその動向は沈静化し、全面的に自由化しているのは13州及 びワシントンD.Cとなっている。

表 3-1 自由化の進行状況

進行状況 州・地域

全面自由化

テキサス州、イリノイ州、オハイオ州、ペンシルベニア州、メリーランド州、ニューヨーク州、デラウ ェア州、コネチカット州、ロードアイランド州、マサチューセッツ州、ニューハンプシャー州、メイン 州、ニュージャージー州、ワシントン特別区

停止・中断等 アリゾナ州、カリフォルニア州、ミシガン州、モンタナ州、ネバダ州、オレゴン州、ニューメキシコ 州、アーカンソー州、オクラホマ州、ウェストバージニア州、バージニア州

(出所) Distributed Energy Financial Group「Annual Baseline Assessment of Choice in Canada and

the United States 2015」、海外電力調査会「海外諸国の電気事業 第1編 2014年版」等より

MURC作成

エネルギーコンサルティング会社のDistributed Energy Financial Group(DEFG)は、米国及び 一部カナダにおける小売自由化状況を評価し、「Annual Baseline Assessment of Choice in

Canada and the United States174」を発表している。これによると家庭需要家の1,710万世帯(適

格需要家の44%に相当)が安価な電力を求めて供給事業者選択をしている。また業務・産業 需要家は、規模が大きくなるほど、より積極的に競争的事業者から供給を受ける傾向があ ることが示されている。

174<http://defgllc.com/publication/abaccus-2015-annual-baseline-assessment-of-choice-in-canada-and-the-united-stat es/>

停止中 活動中

取り組みなし

表 3-2 州別 自由料金市場で供給を受けている家庭需要家数(2014年末時点)

(出所)DEFG「Annual Baseline Assessment of Choice in Canada and the United States」

表 3-3 州別 新規参入事業者から供給を受けている業務・産業需要家数(2014年末時点)

* 小規模・中規模等の分類は州ごとに異なる。

** 家庭部門を含む全販売量を分母とする値になっている。

*** テキサス州では業務・産業部門の全適格需要家が競争環境で供給を受けているが、比較のために旧来 の事業者から(競争的メニューで)供給を受けている需要家を控除している。

**** カリフォルニアとミシガンは、適格需要家に供給量上限が設定されている。

(出所)DEFG「Annual Baseline Assessment of Choice in Canada and the United States」

これらの分析に基づき、DEFGは、現在の小売市場における供給事業者選択状況について、

以下のように総括している。

・ 需要家のニーズは、費用削減と革新的なメニューにある。

・ メニューが多様化し、技術的・料金計算の複雑さが増す中で、家庭も様々なリスク を取りながらメニューを選択している。

・ 小売市場は、今も規制の下に置かれている。規制機関は、送配電サービスや顧客サ ービス・顧客保護等を監視している。

・ 近年の制度改革が、新規参入を順調に拡大している。

・ 典型的な需要家にとっての選択肢を増やし、事業者間の競争を促進するために最も 重要な政策は、デフォルトサービスの廃止である175

・ 小売自由化のリーダーとしては、テキサス州が挙げられる。

175 デフォルトサービスは、需要家保護の観点からも重要な制度と考えられていることから、単純に市場活 性化の観点のみから制度の廃止について議論することができないことは、DEFGも認識したうえで、あえ て問題提起している。

3.1.2 ガス小売市場における自由化動向