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第 2 章 ミンダナオにおけるインフラ整備状況および今後の計画

2.3 関連法規・規程、政策、制度

2.3.1 インフラ整備に関する制度・規程等(全般)

フィリピンにおけるインフラ整備に関する法規・制度等のうち、インフラに関係する主な ものを以下の表に、種類別(全般、投資、環境、土地関連)に示す。

図表2-9 フィリピンにおけるインフラ整備に関する法規・制度等(全般)

名称 概要

民法典(共和国法 386 号)

各種権利関係を規制する。外資制限との関係で特記されるべき事項 として、民法典は土地の所有権と構築物の所有権は全く別とし、構 築物自体を外国人が所有することは可能としている点が挙げられ る。また、現地企業とのパートナーシップについても規定がある。

会社法(国会法 68 号)

会社を設立する場合に関係する。なお、外国資本が40%を超えて会 社設立を行う場合は、オムニバス投資法、外国投資法の規定に従わ なければならない。

労働法典(1974 年 大統領令442 号)

労働法は1974 年制定の大統領令442 号「フィリピン労働法」が基

本法となっている。更に各実施細則および関連通達において雇用条 件や福利厚生、労使関係、解雇、定年退職等が規定されている。

内国税法典(共和 国法8424 号)

1997 年フィリピン内国歳入同法典および関連法令は、個人所得税、

累進課税最大32%、法人税30%、最低法人所得税2%、不当留保金

課税10%、付加価値税12%、酒税、たばこ税等を定めている。

日比租税条約 日比租税条約は 1980 年に両国間における二重課税を防止するため に締結され、2009 年 1月 1 日から改正後の新税率が適用されてい る。恒久的施設を通じた事業所得についてのみ、現地関係国は課税 することができる等を定める。

知的財産法典(共 和国法8293 号)

フィリピンにおいて知的財産を保護する中心法規は、1997 年フィリ ピン知的財産法典(共和国法8293 号)であり、侵害の構成要件、罰 則、損害賠償について規定を設けている。

日比経済連携協定 日比両国間の貿易投資自由化・拡大、相互依存関係深化の法的枠組 みを整備するため、2006年日比経済連携協定が締結された。

AFTA (ASEAN 自 由貿易地域協定)、

CEPT(共通効果特 恵関税)協定

AFTA 実現のステップとして共通効果特恵関税(CEPT)を、一部例

外を除く原則すべての品目について実施した。除外対象品目は、国 防、生命・健康保護、歴史・考古学的保護に係るものとされている。

建設業免許法 フィリピン建設業許可委員会(PCAB)が発給する許可の取得等が定 められている。外資40%以下の現地法人が建設業許可を取得できる。

建築基準法 建設全般に関する規制・規則や着工前に取得が必要な許認可等が定 められている。

民間工事統一約款 建設産業庁(CIAP)が、契約および履行に関する約款を定めている。

(出所)各種文書に基づき調査団作成

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図表2-10 フィリピンにおけるインフラ整備に関する法規・制度等(投資)

名称 概要

オムニバス投資法

(1987 年大統領令 226号)

税務上の優遇措置やその他の優遇措置を拡大して比国への投資を推 進するために 1987 年に制定された。インセンティブを伴う投資に 関する法律として位置づけられている。優遇措置の適用を受けるた めには、投資委員会(The Board of Investment: BOI)に登録して、承 認を受ける必要がある。登録した企業は、法人所得税の一定期間の 免除、その他原材料などの輸出に関する免税、労務費に関する追加 控除等の優遇措置が適用される。

外国投資法(共和 国法7042号)

従来オムニバス投資法に含まれていた「インセンティブを伴わない 投資」に関する規定に替わるものとして 1991 年に制定された。同 法はネガティブリストに記載されている事業に対する外国人の出資 比率規定を明確化したものである。

アンチ・ダミー法

(コモンウェルス 法108 号)

外資規制を回避するためフィリピン人に資金などを提供し形式上の 株主とし、実質的には外国人が企業を支配することが考えられる。

これを規制する法律がアンチ・ダミー法である。

特 別 経 済 区 域 法

( 共 和 国 法 7916 号)

1995 年に制定された特別経済区域法は、指定された経済地区に進出

する企業に対して優遇措置を与えるもの。例えば、フィリピン経済 区庁(Philippine Economic Zone Authority: PEZA)、スービック湾、ク ラーク特別経済区、オーロラ特別経済区等が該当する。

製品又はサービスにつき 70%以上輸出の経済区に存する登録輸出 企業に関して、登録以降4 年間(非パイオニア企業)、又は6 年間

(パイオニア企業)の法人税免税期間を設定し、同期間終了後にお

いては5%総所得課税を課す優遇措置を規定した。

基 地 転 換 開 発 法

( 共 和 国 法 7227 号)、基地転換開発 法改正法(共和国 法9400 号)

基地転換開発法は、軍事基地(クラーク空軍基地、スービック海軍 基地、関連基地)を生産活動拠点へと転換すること、その管理機関

として 1,000 億ペソを資本金とする基地転換開発公社、および、そ

の下部組織としてスービック湾地区行政庁、クラーク開発庁を設置 した。また、同改正法により、要件を具備してスービック湾地区行 政庁、クラーク開発庁に登録された輸出企業は、共和国法 7916 号 の法人税免除を付与されることとなった。

(出所)各種文書に基づき調査団作成

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図表2-11 フィリピンにおけるインフラ整備に関する法規・制度等(環境)

名称 概要

環境関連法規制 国家の環境政策、環境目標、健康な環境を享受する権利、環境影響 評価の実施および執行機関、ガイドライン等および、大気質、水質、

土地利用、天然資源、廃棄物についての管理制度を定めている。

環境アセスメント 制度確立法(1978 年 大 統 領 令 1586 号)

環境アセスメントに関する手続等を定めている。

環 境 保 護 指 針

(1977 年大統領令 1151 号)

政府機関および営利企業等が、自然に重大な影響を与える事業を行 う際には「環境影響報告書(Environmental Impact Statement: EIS)」を 作成することを求める。

改正環境影響評価 審査基準ガイドラ イン

環境保護指針に基づき、環境影響報告書を作成する際のガイドライ ンである。

大気浄化法 有害ガスを排出する都市ごみ、医療系廃棄物、有害廃棄物の焼却を 禁止している。

バイオ燃料法 フィリピン国内の自動車等に使用される液体燃料にバイオ燃料の含 有が義務付けられている。

(出所)各種文書に基づき調査団作成

図表2-12 フィリピンにおけるインフラ整備に関する法規・制度等(土地関連)

名称 概要

外国人投資家によ る私有地長期リー ス に 関 す る 法 律

( 共 和 国 法 7652 号)

外国人投資家による産業全般に関わる利用に供される土地は、最長 75 年間のリースが認められる。産業活用を伴わないリース期間は、

大統領令471号により最長50 年である。

コンドミニアム法

( 共 和 国 法 4726 号)

区分所有建物(占有部分・共有部分・敷地利用権が一体の物)に関 しては、対象建物の40%までの外国人による所有が認められる。

国家平等保護地域 制度法

先住民族文化社会の経済的・社会的・文化的な幸福、福利および健 康を保証するため、彼らの先祖伝来の土地に対する権利を保護する 法律。希少かつ危険にさらされている動植物種が生息する顕著な地 域ならびに生物学的に重要な公用地の保護を目的とした、フィリピ ン国内の保護地域の確定と管理が規定されている。

先祖伝来の土地・

領地所有権利の証 明、範囲設定およ び認可の細則

先 住 民 族 に 対 し 先 祖 伝 来 の 領 地 所 有 権 利 証 明 書(Certificate of Ancestral Domain Claims: CADC)および先祖伝来の土地所有権利証明 書(Certificate of Ancestral Land Claims)を授与する省令である。

先住民の権利に関 する法律

先住民問題に関する国家委員会を創設し、実施機構を設立し、それ らを目的とした資金を調達し、先住民文化共同体および先住民の権 利を認知、保護、促進するための法律である。

持続的森林管理お よび社会的公正を 達成するための国

植林地や既存の森林を保全し、山地住民の生活向上を図ることを目 的とする。地元住民の組織化と権限を与えられた住民組織が、森林 資源の利用や開発、保護保全の責任を通して森林地や沿岸部の効果

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名称 概要

家戦略 的持続的な管理を行う仕組みを与えることによって、持続可能な森 林管理を進めるための戦略である。

地域住民組織に対して 25 年契約の林野利用権を認めて、地域住民 による自然資源管理を進める政策であり、基本理念は①森林資源の 持続的な管理、②社会的公正と地域共同体の福利、および環境天然 資源省と地域社会の綿密な連携である。

(出所)各種文書に基づき調査団作成

2.3.2 インフラ整備に関する制度・規程等(セクター別)

フィリピンにおけるインフラ整備に関する法規・制度等のうち、各セクターに関係する主 なものを以下の表に記載する。

図表2-13 フィリピンにおけるインフラ整備に関する主な法規・制度等(セクター別)

セクター 名称 概要

鉄道、

海 運 、 電 力、水道

公共サービス法 鉄道・海運等のコモンキャリア、電力、並びに水道 などの公共サービスを受託する事業者は、公共サー ビス法に基づき、政府により厳しく監督される。

鉄道 フィリピン国鉄法(共 和国法4156号)

フィリピン国鉄が鉄道を建設および運営するに際 しての資金調達方法、並びに国鉄の権限や機能等を 定める。

道路 フィリピン・ハイウェ イ法(共和国法917号)

高速道路の建設、運営や資金調達等を定める。

電力 電 力 産 業 改 革 法

(EPIRA)

2001年に施行された電力産業改革法(Electric Power Industry Restructuring Act, 2001: EPIRA)により、電 力事業の自由化に向けた改革が進められてきた。国 営電力公社(NPC)所有の発電所は2012 年末で約 91%が 民営化 され 、 卸電 力事 業者(Independent Power Producer: IPP) との 電 力 購 買 契 約 (Power Purchase Agreement: PPA)で規定されていたNPC の 電力購入・販売の権利も民間に売却された。一方、

ミンダナオの電力セクターは他地域と比べ民営化 が遅れている。

電力 再生可能エネルギー法

(共和国法9513号)

フィリピンは30年以上前から輸入石油に依存しな い国内のエネルギー資源開発に関する政策および 立法措置を進めてきた。中でも再生可能エネルギー は、供給の安定性や経済性・耐用性に優れた発電事 業と位置付けられ、地熱、小水力、海洋、太陽光、

風力についてそれぞれ大統領令で各種税制優遇策 が講じられた。そして2008年12月、再生可能エネ ルギー法が制定され、固定価格買取制度(Feed-in Tariff: FIT)の導入や新たな優遇措置により、さらな る民間主導の再生可能エネルギー開発を奨励して いる。