6.1 セミナー開催の趣旨および概要
本調査の一環として、2017年2月に、経済産業省とMinDAとの共催により、「ミンダナ オ電力・エネルギーセミナー」をフィリピン国ダバオ市にて開催した。
本セミナーでは、はじめに、ミンダナオのインフラ開発ポテンシャルに着目し、電力分野 を中心とした現在のインフラ開発の状況および今後の計画について概観した。また、本邦企 業が有するインフラ技術をミンダナオインフラ関係者へ紹介し、円借款案件や日本企業の 案件受注を目指すとともに、日本の技術・ノウハウとミンダナオ現地のプロジェクトニーズ とのマッチングを促した。特に、本セミナーを通じて、ミンダナオのインフラ開発の最新情 報を提供するとともに、当地のインフラ事業に関わる両国官民のキーパーソンによる直接 交流の場になることを目指した。
セミナー当日は、MinDA アロント長官、モンテネグロ次官補が参加しスピーチを行った ほか、調査対象自治体の市長、現地商工会の会頭等、ミンダナオインフラ開発に係る官民の キーマンが参加し、日比間で活発な交流が行われた。
本セミナー開催に関する概要は以下のとおりである。
【セミナー名】ミンダナオ電力・エネルギーセミナー
【日 時】平成29年2月16日(木)9時30分~12時30分
【会 場】マルコポーロ・ダバオ ボール・ルームI & II
【参 加 者】日本側58名(うち政府関係者13名、民間企業ほか45名)
比側ほか44名(うち比政府・自治体関係者24名、国際機関関係者1名、民間企業他 19名)、合計102名
図表6-1 セミナー光景
(出所)調査団撮影
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6.2 当日のアジェンダ
セミナー当日のアジェンダは以下のとおりである。
Time Agenda Speaker
9:00-9:30 Registration
9:30-9:35 Opening remarks Mr. Shinji Hirai,
Director, Financial Cooperation Division, METI
9:35-9:40 Welcome remarks Sec. Datu Abul Khayr D. Alonto Chairman
Mindanao Development Authority 1) Mindanao Development Plan
9:40-10:00 Outline and Issues of Mindanao Development Plan
Asec. Romeo M. Montenegro Deputy Executive Director Mindanao Development Authority 2) Japan’s support and action plan for Mindanao Development
10:00-10:20 Mindanao Infrastructure Study Report
Mr. Satoshi Yamada, Executive Director,
Ernst & Young ShinNihon LLC 10:20-10:40 Q&A / Coffee break
3) Case Study Presentation
10:40-11:00 Improving Disaster Resiliency of Electric Power Distribution Network
Mr. Kenichi Kuwahara,
Shikoku Electric Power co., Inc Mr. Takeshi Kuwabara,
Sompo Risk Management & Health Care Inc.
11:00-11:20 Introduction of Small Size Geothermal Power Plant
Mr. Taiga Todoroki
Commercial, Thermal Power Global Sales, Toshiba Corporation
11:20-11:40 History of Power / GSC Future Aspect
Mr. Hiroshi Fujii Chief Technical Officer
Mitsubishi Hitachi Power Systems Asia Pacific Philippines Branch 11:40-12:00 Chodai's Renewable Energy
Projects towards Regional Development in Caraga, Mindanao
Mr. Satoshi Kato
Head of Manila Representative Office, Chodai Co., Ltd.
12:00-12:10 Q&A
4) Actions to be taken by the Philippine Government 12:10-12:30 Philippine Energy Plan - Current
Status and Future Plan
Mr. Jesus Tamang Director, DOE 5) Networking Lunch
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6.3 セミナーにおける議論の概要
セミナーにおけるプレゼンテーションおよび議論の概要は、以下のとおりである。
(1) 経済産業省挨拶(Opening Remarks)9時40分~9時50分 貿易経済協力局資金協力課 比良井 慎司 課長
・ 2017年1 月に安倍首相がダバオを訪問した際、ミンダナオの電力に関するアクシ ョンプランを作成したいと述べた。そのため、我々は電力アクションプランを起案 し、内容を精巧に作り上げる必要がある。
・ ミンダナオは将来の成長の余地があり、日比の二国間関係においても重要である。
・ 本日のセミナーは電力・エネルギーがテーマであるが、これらはミンダナオに住む 人々の生活改善のためのキーエレメントである。
・ 日本はフィリピン同様自然災害が多く、それを技術で補ってきた。
・ 今日のセミナーでは、日比のネットワークを作りたい。
(2) MinDA挨拶(Welcome Remarks)9時50分~10時00分 アロント長官
・ 現在、ミンダナオは諸外国からの投資に対して開かれている。
・ ミンダナオは天然資源が豊かであり、諸外国との繋がりも以前より広がっている ため、将来ミンダナオへの投資が増える見込みについては楽観的に捉えている。
・ 進行中の計3,000MWの電源開発や、JICA等の支援を受けた港湾・空港の整備等の インフラ投資を通じて、ミンダナオの経済を持続的に成長させる。
(3) MinDAプレゼンテーション
「 ミ ン ダ ナ オ 開 発 計 画 の 概 要 と 諸 課 題 (Outline and Issues of Mindanao Development Plan)」10時00分~10時30分
モンテネグロ(Romeo M. Montenegro)次官補
・ 特に ARMM(ムスリム・ミンダナオ自治区)の貧困と低電化率が課題。電化率の 向上に焦点を当てている。
・ 20年前は発電量のうち95%が水力などの再生エネルギーであったが、現在の再生 可能エネルギーの比率は30%のみ。5年間で石炭火力発電が増加した。
・ ベースロードキャパシティの増加には時間がかかるが、今後は再生可能エネルギ ーを増やす計画である。
・ PPPの活用は、特に電力分野について関心がある。
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図表6-2 経済産業省挨拶、MinDA挨拶光景
経済産業省比良井課長挨拶 MinDAアロント長官挨拶
(出所)調査団撮影
(4) 新日本有限責任監査法人プレゼンテーション
「ミンダナオのインフラ調査結果(Mindanao Infrastructure Study Report)」 10時30分~10時40分
海外企画部 エグゼクティブ・ディレクター 山田 聡
・ エネルギー自給および電化率の改善については、日本から支援できると考えてい る。
・ 投資を呼ぶためには、公的セクターの関与が重要である。電力の需要と供給のバラ ンスの確保は重要であるが、民間のみに任せると偏る可能性がある。
・ 日本企業は技術を有しており投資をしたいと考えているが、ミンダナオへの投資 にはリスクがあると考えている。
(5) 日本企業プレゼンテーション
① 「 フ ィ リピ ン の配 電 ネッ ト ワ ーク に おけ る 災害 の 影 響軽 減 (Improving Disaster Resiliency of Electric Power Distribution Network)」
10時55分~11時20分
四国電力 事業企画部海外事業推進室 統括管理グループリーダー 桑原 憲一様
SOMPOリスケアマネジメント 執行役員 グローバル事業部長 桑原 健 様
・ 日本もフィリピンと同様、台風の被害をよく受ける。
・ 自然災害による被害を完全に回避することは不可能であるが、合理的に軽減する ことは可能である。
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・ 資金を確保するのが難しいという事情は理解しているが、事前に対策を講じてお くことで、対策費用と被害からの復旧費用の合計額を減らすことができるので、リ スクマネジメントの観点から検討してほしい。
② 「小規模地熱発電所(Introduction of Small Size Geothermal Power Plant)」11時20分
~11時40分
東芝 火力・水力事業部 海外火力営業第二部 海外営業第四担当 轟 大河 様
・ 大規模の地熱発電所は多数の井を掘らねばならず、開発費用がかかる上、稼働して 収益を得られるまでの時間がかかる。
・ 一方、小規模の地熱発電所であれば少数の井を掘るだけで、早期に稼働開始できる。
さらに、過去に掘ったが今は使用していない休眠中の井を再利用することが可能。
・ 地熱発電には背圧方式と凝縮方式の 2 種類があるため、井の大きさや環境規制等 を考慮して決めてほしい。
③ 「電力の歴史とグローバルサービスセンター(GSC)の将来的側面(History of Power / GSC Future Aspect)」11時40分~12時00分
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)アジア太平洋フィリピン支社技術チーフ 藤井 宏志 様
・ 電力の歴史、フィリピン国内でのMHPSの実績と拠点について発表した。
・ MHPS は石炭ガス化複合発電(IGCC)のような最新技術にも取り組んでおり、全 世界での供給量はボイラーで5,000基以上など多数にのぼる。
・ フィリピンで現在進行中の案件には、San Buenaventuraでの500MWの石炭火力発 電所等がある。
・ トレーニングを重視している。日本国内の技術をフィリピン人に伝えたい。
④ 「長大のカラガ地域における再生可能エネルギー分野での取り組み(Chodai's Renewable Energy Projects towards Regional Development in Caraga, Mindanao)」 12時00分~12時20分
長大 マニラ事務所長 加藤 聡 様
・ カラガ地域ブトゥアン市周辺の PPP 案件の状況、および長大が再生可能エネルギ ー関連で実施したMETIのFS調査の結果を報告した。
・ フィリピンは日本企業にとって良い位置にあるが、ルソンやビサヤに比べるとミ ンダナオ島への進出企業数は少ない。ミンダナオには安全面のリスク、政治に関連 するリスク、および地元パートナーに関連するリスクがあることに起因している。
・ ミャンマーがアジア最後のフロンティアだとよく言われるが、ミンダナオ島もア