第 4 章 フィリピンおよびミンダナオにおける電力セクターの基礎情報、現状、課題
4.3 フィリピンおよびミンダナオの電力セクターにおけるインフラニーズ
4.3.2 フィリピン電力セクターロードマップ
上述のエネルギー戦略に基づき、DOE ではエネルギー各分野のロードマップを作成して いる。このうち特に電力セクターでは、2030年までに以下の5点の改善を目指している。
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・ 電力産業の完全な再構築
・ 電力供給セキュリティの確保
・ 電力アクセス改善
・ エネルギー耐久性の高いインフラの導入
・ 電力市場の独立性の達成
このような目標達成に向けて、DOE では「電力セクターロードマップ(Power Sector
Roadmap)」として、発電、送電、配電、電力供給、市場開発、制度的支援メカニズムのそれ
ぞれの分野について、以下のとおりロードマップを定めている23。
(1) 発電
短期(2016-2017) 中期(2018-2020) 長期(2021-2030)
・ 電力プロジェクトを国家的意義の あるプロジェクトと宣言
- 不動産税および地方税免除 - ビジネスパーミットと営業ラ
イセンス発行促進
・ 発電のための燃料ミックス政策策 定
・ ルソン、ビサヤ、ミンダナオグリッ ドでの24時間365日の電力需要お よびリザーブの要件を満たすため に必要な追加の発電所(ベースロー ド、ミッドメリット、ピーキング)
のポートフォリオ提供
・ 発電事業への民間投資の奨励
・ NPC/PSALM の発電設備の民営化
の追求
・ 発電事業への民間投資の 奨励の継続
- 市場主導政策開発の 継続
- 政策と規制の透明性 向上
・ 発電セクターの効率性向 上に関する国家戦略の実 施
・ 化石燃料ベースの発電 所の排出レベルの削減
・ 発電技術における新技 術導入(例:海洋発電, 燃料電池、原子力発電、
等)
(出所)DOE(2016)を基に調査団作成
(2) 送電
短期(2016-2017) 中期(2018-2020) 長期(2021-2030)
・ 下記目的から送電プロジェクトの 適時の完了を促進する
- 新しい発電所をグリッドに接 続しこれらの発電電力の導入 を可能にする
- 既存の伝送設備の輻輳の問題 を取り除く
・ 伝送システムインパクト研究の実 施におけるルールと手順を強化す る
・ 強化・敏速な送電開発計画を立て る発電投資家ガイドの提供
・ 主要3系統(ルソン、ビサヤ、ミン ダナオ)の接続に関する研究・促進
(レイテ―ミンダナオ間の接続プ
・ 送電システムのアップグ レードおよび拡張プログ ラムの継続的実施
・ 風速300kphへの耐久性の ある耐久性の高い送電設 備の導入を通じた耐久性 プ ロ グ ラ ム (Resiliency Program)の導入
・ 送電バックボーンと代替 送電経路を増やす
・ ビ サ ヤ―ミ ン ダナ オ 系統の接続の完了
・ エ ネ ル ギー 耐 久性 の 高 い 送 電シ ス テム の 構築
・ 比較的大きなSPUG地 域 の メ イン グ リッ ド への接続(例:パラワ ン島、ミンドロ島、シ キホル島など)
23 DOE (2016), Power Sector Roadmap
110 ロジェクト)、主要グリッドと島嶼
部のグリッドとの接続(例:ミンド ロ島など)
(出所)DOE(2016)を基に調査団作成
(3) 配電
短期(2016-2017) 中期(2018-2020) 長期(2021-2030)
・ 必 要 な 配 電 設 備 の 適 時 導 入 促 進 ( 例 :CAPEX provisionなど)
・ 運用・制度的効率化に向けた配電開発計画の強化
・ 規制対応強化
・ 配電事業の規模の経済促進(例:共同での行動、需 要集約、供給競売など)
・ 消費者の新たな需要に対する政策的規制的支援の 提供
・ 電気料金の透明性向上
・ 競争的選定プロセスを通じた適切な電力供給契約 の確保
・ 電力リプレースおよびペナルティ規定を盛り込む よう電力供給契約の強化
・ 消費者にとって最小限のコストでより 良いサービスが提供できるような配電 網のアップグレードおよび拡張プログ ラムの継続的実施
・ 配電ユーティリティの運用・管理におけ る運用効率化およびグッドガバナンス に係る改善の継続
(出所)DOE(2016)を基に調査団作成
(4) 供給
短期(2016-2017) 中期(2018-2020) 長期(2021-2030)
・ 1MW 以上の電力需要家のための 競争義務化
・ 750kW以上の競合する電力需要家
のための完全なオープンアクセス
・ 小 売 集 約 のた め の 市場 調 査実 施
(750kwおよび500kW)
・ 小売供給契約の透明性向上
・ 小売集約の開始
・ 500kW 以下へのオープン
アクセス
・ ミ ン ダ ナオ に おけ る
RCOAの実施
(出所)DOE(2016)を基に調査団作成
(5) 市場開発
短期(2016-2017) 中期(2018-2020) 長期(2021-2030)
・ WESM設計の改善
・ 独立した市場オペレーターの任命
・ ルソン・ビサヤ・ミンダナオにおけ るNPC資産の民営化の継続
・ 組み込みジェネレーターへの政策
・ ミンダナオ電力市場の実施に係る 準備活動の実施
・ スマートグリッドに関するロード マップ開発
・ ミンダナオ電力市場実施
・ 予備/エネルギー市場の共 同最適化
・ 再生可能エネルギー市場 の運用開始
・ ルソン・ビサヤ・ミンダナ オにおけるNPC資産の民 営化の継続
・ 全セクターにおけるスマ ートグリッド政策
・ 先物市場/金融送金権/
電力スポット市場/デ リバティブ市場
・ WESMにおける Demand Bidding
(出所)DOE(2016)を基に調査団作成
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(6)制度的支援メカニズム
短期(2016-2017) 中期(2018-2020) 長期(2021-2030)
・ 情報、教育、コミュニケーションキャンペーンの強化
・ 継続的な市場運営監査およびMetering Service Provided Review
・ WESMルールレビュー
・ DOE電力データベース管理システムの構築
・ DOEの能力強化
・ マーケットオペレーターパフォーマンスのモニタリング
・ WESMルールへのコンプライアンスのモニタリング
・ JCPCへの半年ごとのEPIRAステータスレポートの定期的な提出
・ ECの制度強化プログラムの監督・支援
・ 発電計画ソフトウェアおよび送電計画ツールの調達を通じた発電計画強化支援
(出所)DOE(2016)を基に調査団作成