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第 4 章 フィリピンおよびミンダナオにおける電力セクターの基礎情報、現状、課題

4.1 電力セクターの現状と課題

4.1.2 ミンダナオ

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図表4-8 世界リスク報告(2016年)

(出所)国際連合大学

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図表4-9 ミンダナオにおけるセクター別電力消費量の推移(2003年~2015年)

(出所)DOEに基づき調査団作成

図表4-10 フィリピンの地方別の発電量の推移(2003年~2015年)

(出所)DOEに基づき調査団作成

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図表4-11 ミンダナオの総発電量(2002年~2014年)

(出所)DOEに基づき調査団作成

電源別にみると、2015年は水力発電が44%を占め、次いでディーゼル発電が32%を占め ている。主な電源を水力に頼っているため、発電所の多くが水資源の豊富な島北部に偏って いる。一方で、島全体の需要のおよそ半分は、島南東部のダバオ地域周辺に集中しており、

北部で発電した電力を南部に送電する構造となっていた。なお、水力発電は、水資源量に影 響されやすく、渇水等に脆弱である。

ただし、2016年以降は石炭火力発電所が多く運転開始していることから、2017年には下 図のとおり石炭が56%を占める構造に大きく変わる見込みである。

図表4-12 ミンダナオの電源別発電量比率(2015年および2017年)

(出所)MinDA 0

1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年

GWh

Biomass Solar Hydro Geothermal Oil-based Coal

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4.1.2.2 調査対象各地域の状況

(1)ダバオ地域

ダバオ地域は、4基のディーゼル発電所および2基の水力発電所が稼働しており、これ らの発電所の総発電出力は252.8MWである。エネルギー源別の発電出力をみると、ディ ーゼル発電が205.7MW、水力発電が47.1MWである。また、オフグリッドの地域につい ては、国家電力公社(NPC-SPUG)が所有する3基の発電所から電力を供給している。こ れらの発電所は北ダバオ州および南ダバオ州に位置し、総発電出力は1.34MWである。

ダバオ地域の配電組合および電力会社は以下のとおりである。

① 配電組合

・ 東ダバオ州配電組合(Davao Oriental Electric Cooperative: DORECO)

・ 北ダバオ州配電組合(Davao del Norte Electric Cooperative: DANECO)

・ 南ダバオ州配電組合(Davao del Sur Electric Cooperative: DASURECO)

② 電力会社

・ ダバオ電力会社(Davao light Power Company, Inc.: DLPC)

(2)カラガ地域

カラガ地域には発電所がなく、全ての電力は島内の他地域で発電された電力に完全に 依存している。各州に配電組合があり、これら各州の配電組合がそれぞれ基幹となるフィ リピン国家送電会社(National Grid Corporation of the Philippines)の送電網を通して島内の IPP事業者から電力を購入し、地域へ配電を行っている。

カラガ地域の配電組合は以下のとおりである。

・ 北スリガオ州配電組合(Surigao del Norte Electric Cooperative)

・ 南スリガオ州配電組合(Surigao del Sur Electric Cooperative)

・ 北アグサン州配電組合(Agusan del Norte Electric Cooperative)

・ 南アグサン州配電組合(Agusan del Sur Electric Cooperative)

(3)北部ミンダナオ地域

北部ミンダナオ地域は、8基の水力発電所(小水力発電所も含む)、5基のディーゼル発 電所、1基の石炭火力発電所、1基のバイオマス発電所、1基の太陽光発電所が稼働して おり、これらの発電所の総発電出力は1,172MWである。エネルギー源別の発電出力をみ ると、水力発電(小水力発電も含む)は739.9MW、石炭火力発電所は232MW、ディーゼ ル発電所は163.2MW、バイオマスは35.9MW、太陽光発電は1MWである。北部ミンダナ オ地域は、水力発電(小水力発電も含む)が総発電出力の 63%を占めており、水力発電 によって発電された電力に大きく依存している。

北部ミンダナオ地域の配電組合および電力会社は以下のとおりである。

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① 配電組合

・ 西ミサミス州配電組合I (Misamis Occidental I Electric Cooperative: MOELCI I)

・ 西ミサミス州配電組合II(Misamis Occidental IIElectric Cooperative: MOELCI II)

・ 東ミサミス州配電組合I (Misamis Oriental I Electric Cooperative: MORESCO I)

・ 東ミサミス州配電組合(Misamis Oriental IIElectric Cooperative: MORESCO II)

・ ファースト・ブキドノン州配電組合(First Bukidono Electric Cooperative : FIBECO)

・ ブキドノン州配電組合II(Bukidnon II Electric Cooperative: BUSECO)

・ カミギン州配電組合(Camiguin Electric Cooperative: CAMELCO)

・ 北ラナオ州(Lanao del Norte Electric Cooperative: LANECO)

② 電力会社

・ カガヤンデオロ電力会社(Cagayan Electric Power and Light Company, Inc.: CEPALCO)

・ イリガン電力会社(Iligan Light and Power , Inc.: ILPI)

(4)ソクサージュン地域

ソクサージュン地域は、3基のディーゼル発電所および1基の地熱発電所が稼働してお り、これらの発電所の総発電出力は、189.5MW である。エネルギー源別の発電出力をみ ると、ディーゼル発電所が81MW、地熱発電所が108.5MWである。

ソクサージュン地域の配電組合および電力会社は以下のとおりである。

① 配電組合

・ コタバト州配電組合(Cotabato Electric Cooperative: COTELCO)

・ 南コタバト州配電組合I (South Cotabato Electric Cooperative: SOCOTECO I)

・ 南コタバト州配電組合II(South Cotabato Electric Cooperative: SOCOTECO II)

・ スルタン・クダラット州配電組合(Sultan Kudarat Electric Cooperative: SUKELCO)

② 電力会社

• コタバト電力会社(Cotabato light and Power, Inc.: COLIGHT)

4.1.2.3 ミンダナオにおける電源別発電所の立地状況

(1) 水力発電

DOEによると、2016年12月31日時点でミンダナオでは、14基の水力発電所が稼働し ており、これら水力発電所の多くが北部ミンダナオ地域に集中している。ダバオ地域では 電力需要が多いが、水力発電所は Tudaya 1(6.6MW)、Tudaya 2(7MW)、Shibulan Hep

(42.6MW)およびTalomo Hep(4.5MW)のみとなっている。

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既存の水力発電所の位置を示すと下図のとおりである。

図表4-13 既存の水力発電所の位置(2016年現在)

(出所)DOEに基づき調査団作成

(2)石炭火力発電

ミンダナオにおける石炭火力発電所はいずれも最近導入されたばかりであり、2016 年 12月31日時点では5基の石炭火力発電所のみ稼働している。なお、これらの既存の石炭 火力発電所の内訳は、東ミサミス州ヴィジャヌエヴァの232MW(運転開始は2006年)と 270MW(同2016年)、南ダバオ州サンタクルーズの300MW(同2015年)、東ダバオ州マ

リータの150MW(同2016年)、サランガニ州マシムの118MW(同2016年)である。既

存の石炭火力発電所の位置は次図のとおりである。

施設名:AGUS 1

所:Marawi City, Lanao Sur 量:80MW

施設名:AGUS 2

所:Saguiaran, Lanao Sur 量:180MW

施設名:AGUS 4

所:Baloi, Lanao del Norte 量:158.1MW

施設名:BUBUNAWAN 場 所:Baugon, Bukidnon 量:55MW

施設名:AGUS 6

所:Buru-un, Iligan City 量:200MW

施設名:AGUS 7

所:Buru-un, Iligan City 量:54MW

施設名:PULANGI 4 所:Maramag, Bukidnon 量:255MW

施設名:TUDAYA 2

所:Santa Cruz, Davao del sur 量:7MW

施設名:SHIBULAN HEP 所:Santa Cruz, Davao del sur 量:42.6MW

施設名:TUDAYA 1

所:Santa Cruz, Davao del sur 量:6.6MW

施設名:AGUSAN

所:M. Fortich, Bukidonon 量:1.6MW

施設名:AGUS 5

所:Buru-un, Iligan City 量:55MW

施設名:CABULIG HEP

所:Claveria, Misamis Oriental 量:9.2MW

施設名:TALOMO HEP 所:Mintal, Davao City 量:4.5MW

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図表4-14 既存および今後稼働予定の石炭火力発電所の位置(2016年現在)

出所:DOEに基づき調査団作成

(3)地熱発電

現在ミンダナオで稼働中の地熱発電所は、南ダバオ州にあるアポ山地熱発電所のみで ある。DOEによると、北コタバト州において出力108.48MWの地熱発電所が開発段階に あるほか、開発前段階の地熱発電所が7か所ある。既存の地熱発電所、開発段階・開発前 の段階にある地熱発電所の位置は次図のとおりである。

施設名:Mindanao Coal U1&U2 所:Villaueva, Misamis Oriental 量:232MW

施設名:Therma South U1&U2 所:Santa Cruz, Davao Del Sur 量:300MW

施設名:SEC

所:Maasim, Saragani 量:118MW

施設名:FDC MISAMIC U1&U2 所:Villaueva, Misamis Oriental 量:270MW

施設名:SMC Malita U1 所:Malita, Davao Occidental 量:150MW

稼働中 今後稼働予定

施設名:Balingasag Thermal CFBC Coal-Fired Power Plant 所:Balingasag, Misamis Oriental 容 量:165MW

施設名:GNPower Kauswagan Clean Coal-Fired Power Plant 所:Kauswagan, Lanao del Norte 量:540MW

施設名:Southern Mindanao Coal Fired Power Station Unit2 所:Maasim, Saragani 量:100MW 施設名:SMC Malita U2 所:Malita, Davao Occidental 量:150MW

施設名:FDC MISAMIC U3 所:Villaueva, Misamis Oriental 量:135MW

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図表4-15 既存の地熱発電所、開発段階・開発前の段階にある地熱発電所の位置

(2016年現在)

出所:DOEに基づき調査団作成

4.1.2.4 ミンダナオにおいて今後稼働予定のプロジェクト

ミンダナオにおいて今後稼働予定のプロジェクトの容量の合計は 1687.9MW である。エ ネルギー源別にみると、石炭火力発電所が1,510MW、石油火力発電所が29.54MW、水力発

電所が134.2MW、バイオマスが14.2MWである。なお、ミンダナオにおいて今後稼働予定

のプロジェクトは次頁に示す一覧のとおりである。

アポ山地熱発電所 出力:103.2MW

北コタバト地熱発電所 出力:108.48MWe 北スリガオ州マイニット

(30MW)

商業中 開発段階 開発前の段階

東ミサミス州バリンガサッグ

(20MW)

西ミサミス州アムピロ

(30MW)

南サンボアンガ州レイクウッド

(40MW)

南ダバオ州カタパガン Mt.Shibulan

南ダバオ州北コタバト Mt. Talomo-Tico 南ダバオ州北コタバト

(20MW)

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図表4-16 今後稼働予定のプロジェクト一覧

プロジェクト名 場所 容量

(MW)

稼働開始年月

(見込み)

石炭火力発電所

FDC-Misamis CFB Coal-Fired Power Plant Project

東ミサミス州ヴィジャヌエヴ

405 201611-12

SMC Davao Power Plant Project Phase I

Unit1 南ダバオ州マリータ 150 201611

SMC Davao Power Plant Project Phase I

Unit2 南ダバオ州マリータ 150 201612

Balingasag Thermal CFBC Coal-Fired

Power Plant 東ミサミス州、バリンガサッグ 165 20171月-5

CNPower Kauswagan Clean Coal-Fired

Power Plant 北ラナオ州カウスワガン 540 20183

Southern Mindanao Coal Fired Power

Station Unit2 サランガニ州マシム 100 2018

石油火力発電所

Peakpower Soccsargen, Inc. Bunker Fired Power Plant

南コタバト州ジェネラルサン

トス 13.94 201612

Peakpower San Francisco, Inc. Bunker Fired Power Plant

南アグサン州サンフランシス

5.2 20173 Peakpower Budiknon, Inc. Bunker Fired

Power Plant

ブキドノン州マノロ・フォーテ

ィック 10.4 20176

水力発電所

New Bataan コンパステラバレー州ニュー

バターン 2.4 20171

Manolo Fortich 1 ブキドノン州サンチャゴ 43.40 20176

Manolo Fortich 2 ブキドノン州サンチャゴ 25.40 20176

Lake Mainit 北アグサン州ジャボンガ 25 201712

Puyo Hydoelectric Power Project 北アグサン州ジャボンガ 30 20187

Asiga HEPP 北アグサン州サンチャゴ 8 20198

バイオマス発電所

PTCI Rice Husk-Fired Biomass

Cogeneration Facility マギンダナオ州 1.6 201611

GEEC Biomass Cogeneration System マギンダナオ州 2.6 201611

LPC Rice Husk-Fired Biomass Power Plant

Project マギンダナオ州 10 201611

合計 1687.9

出所:MinDAに基づき調査団作成

4.1.2.5 地方電化

ルソン、ビサヤと同様に、バランガイ単位でみると、ミンダナオでもほぼ全てのバランガ イが電化されている。しかし、次表にみるようにバランガイの中でも僻地にあたる地域では、

電化が進んでいない。ミンダナオにおいては、域内の経済格差の改善が重要な政策課題であ り、こうした未電化の地域の解消は、重要な課題である。特に、ムスリム・ミンダナオ自治 区(ARMM)の電化率は、2014年時点で36%と特に低い水準にとどまっている。