第 4 章 フィリピンおよびミンダナオにおける電力セクターの基礎情報、現状、課題
4.1 電力セクターの現状と課題
4.1.1 フィリピン全体
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第 4 章 フィリピンおよびミンダナオにおける電力セクターの基礎
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図表4-1 フィリピンにおけるセクター別電力消費量の推移(2003年~2015年)
(出所)DOE資料に基づき調査団作成
図表4-2 フィリピンの総発電量(2002年~2014年)
(出所)DOE資料に基づき調査団作成
電源の内訳をみると、43%を石炭火力発電所が占め、天然ガス火力発電所が 25%で続 く。フィリピン全体でみて、老朽設備が多く、特にルソン・ビサヤ系統では発電設備の故 障等が生じると、停電が発生する。最近はミンダナオでは需給が改善する傾向にみられる が、全体としてみれば電力供給力の増強が必要な状況である。また、今後、国内で産出す るガスが枯渇すれば、輸入炭を利用した石炭火力発電のウエイトが高まることが予測さ
0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000
2002年2003年2004年2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年
GWh
Biomass Solar Wind Hydro
Geothermal Natural Gas Oil-based Coal
90
れることから、電力自給率が低下する可能性がある。
図表4-3 フィリピン国全体の電源別比率(2014年)
(出所)DOE
4.1.1.2 地方電化
フィリピンの電化率は、最小行政単位であるバランガイでほぼ100%に達しつつある。し かし、個々の需要家では、バランガイ中心部から離れた小集落等で電化が進んでいないとこ ろがあり、電化率は改善の余地がある。
特にミンダナオにおいては、需要家の電化率は 2014年時点で71%にとどまり、ルソン、
ビサヤ(それぞれ92%、91%)と比較して、相対的に低い水準となっている。
図表4-4 フィリピンの電化率(2014年)
Region
Barangays Connections
Potential
Energized/
Completed % Potential
Energized/
Completed %
To date To date
Total Philippines 36,063 36,053 99% 13,081,400 11,174,080 85%
Luzon 15,516 15,513 99% 5,909,500 5,440,235 92%
Visayas 10,956 10,955 99% 3,242,400 2,939,400 91%
Mindanao 9,591 9,585 99% 3,929,500 2,794,445 71%
(出所)国家電化庁(NEA)
4.1.1.3 電気料金
フィリピンの電気料金についてみると、国際的にみて著しく高い水準となっている。国に よっては、補助金が導入されているケースもあり、単純な比較は難しいが、マニラ、セブで は日本を含むアジア他国よりも高い水準にある。
Coal 43%
Oil-based
8%
Natur al Gas 24%
Geoth ermal 13%
Hydro
12% Wind
0%
Solar
0% Bioma
ss 0%
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図表4-5 電気料金の国際比較(インデックス)(2015年)
(出所)JETROに基づき調査団作成
注:2015年のフィリピンの値を1として相対化している。
フィリピンの電力料金の構成要素の中でもっとも比率が高いのは、発電(Generation)コ ストである。主としてマニラ首都圏に電力を供給する同国最大の供給会社であるメラルコ
(Meralco)社の年次報告書によれば、2015年の電力料金のうち、発電コストの占める比
率は54%である。この点を踏まえると、国際水準に比して高額であるとされる電力料金を
抑制するためには、発電の部分で工夫が必要になるといえる。
図表4-6 Meralco平均料金(ペソ/kWh)
料金内訳 2011 2012 2013 2014 2015 (%)
発電 5.12 5.61 5.39 5.34 4.49 54%
送電 1.06 0.98 0.86 0.92 0.87 11%
配電 1.59 1.56 1.66 1.61 1.49 18%
システムロス 0.52 0.52 0.46 0.44 0.37 4%
税金/補助金 /ユニバーサ ルチャージ
0.85 0.97 1.08 1.11 1.00 12%
再エネ発電賦課金 - - - - 0.04 0%
合計 9.14 9.46 9.45 9.42 8.26 -
(出所)Meralco
ちなみに、2015年の発電コストは前年比16%低下しているが、これはメラルコ社によれ ば、燃料費の低下、卸売電力取引市場(Wholesale Electricity Spot Market : WESM)の卸取引 価格の低下を反映したものであるとのことである。また、「FIT-Allowance」の部分につい
Index(Price/GDP per Capita PPP) As of 2015
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
Seoul Beijing Shanghai Guangzhou Singapore Bangkok Kuala Lumpur Jakarta Batam Island Manila Cebu Hanoi Ho Chi Minh Da Nang Yangon Vientiane New Delhi Karachi Colombo Mumbai Dhaka Yokohama
92
ては、フィリピン政府が導入した FIT プログラムによって生じる再生可能エネルギー導入 によって生じる負担をERCの指示に基づいて電力需要家から回収するものである。フィリ ピン政府は 2012 年に FIT プログラムを導入したが、負担分の回収は、2015 年から始まっ た。この負担分については、今後、導入量の増加に伴って、増加するものと予想される。
この間、発電コストの低下には、発電効率を改善することがポイントになる。
図表4-7 日・比の石炭火力発電所の発電効率の差
(出所)経済産業省
4.1.1.4 災害への対応
フィリピンは、我が国同様に、自然災害が多く、電力セクターにおいても災害リスクを低 減することが重要になっている。
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図表4-8 世界リスク報告(2016年)
(出所)国際連合大学