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第 2 章 ミンダナオにおけるインフラ整備状況および今後の計画

2.2 政府関係組織・人員体制、予算

2.2.2 主要な関係組織の人員体制および予算

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(1)産業の現状および目標

・ ミンダナオは従前より、ココナッツ、バナナ、パイナップル等の農産品の輸出額が大 きい。世界シェアの大きな農産品もあり、今後も引き続き輸出向けの農産品の生産拡 大を目指す。

・ 島内は観光資源が豊富であり、観光業には潜在的な発展可能性がある。

・ ハラール産業やイスラム金融など、アジア内でイスラム関連の市場が拡大しており、

島内のイスラム教徒にとってビジネスチャンスである。

・ 近年、情報通信のインフラ整備が進んだため、IT-BPO 産業に対し、官民双方から投 資が予定されている。

・ ミンダナオには豊富な鉱物資源があるため、鉱業は高い成長可能性を有している。外 国人投資家もミンダナオ島の鉱物資源に興味を示しているが、開発の際は、(i) 環境 に配慮しているか、(ii) 地元政府が鉱物資源に対して適切な対価を得られるか、(iii) 地元経済が鉱業で十分な付加価値を生み出し利益を得られるかという点に配慮しな ければならない。

(2)インフラの現状および目標

① インフラの現状と課題(全般)

・ 首尾一貫したインフラ開発計画がない。(例:統合道路、橋梁、物流、水資源マネジ メント等)

・ インフラ開発・維持管理の資金が政府に不足している。

・ PPPの開発計画を実施するための政治環境が弱いために、民間セクターからの投資が 不足している。

・ 公共インフラを窃盗したり破壊したりする犯罪や、特定地域における治安の問題が ある。

② サブセクター別の問題と開発機会

【電力】

・ 地域の深刻な電力不足は短期的には緩和されるが、2020 年までに 1,000MW 以上、

2030年までに1,500MW以上の新規発電容量が必要である。水力発電は安価だが、森

林伐採により、河川およびダムへの土砂の堆積の問題をもたらす。気候変動の影響を 受けて、この問題はさらに悪化している。発電における化石燃料のシェアが増してお り、外貨流出に加えて環境コスト削減目標から遠ざかっている。一方で、電力消費量 の増加を管理し、送配電システム内の損失並びに電力の窃盗および浪費を削減する ことに強いニーズがある。

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【運輸交通】

・ 国道の34.8%、およびバランガイ道(自治体が整備した道)の95%が舗装されていな い。また、舗装された道路の39.2%が劣悪な状態である。

・ 都市鉄道に対し住民から強い要望があるが、F/S調査の結果、投資の採算性について は論争が続いている。カガヤンデオロ市とイリガン市との間を結ぶ82.5kmの鉄道開 発プロジェクトには、外部資金が得られる予定である。

・ 貨物の輸送量は毎年 2.5%と堅調に増加しているが、ミンダナオの128か所の港湾へ の船の寄港回数は減少している。減少理由として、カボタージュ法等の制度の不備や、

非合理的に高い輸送費・取扱費、設備老朽化による安全性への懸念が挙げられている。

・ RORO船(主に自動車用甲板を有する貨物船)の増加は、ルソン島からの輸送時間を 短縮し、輸送コストを減らすため、経済活動を促進し利益をもたらしている。

・ 既存の空港は改修される必要があり、短期および長期的な自然のリスクに対し適切 な対処がなされる必要がある。また、島嶼部では最寄りの空港まで陸路により4時間 以内でアクセスできるように、空港を配置する必要がある。

・ 低所得層および学校にとっては、情報通信インフラへアクセスするための費用の負 担が重い。そのため、情報通信セクターにおける人材開発の機会を損なっている。

③ サブセクター別の目標(電力、運輸交通)

【電力】

・ ミンダナオにおける電力開発と持続可能性に関する長期計画を作成する。

・ 電力料金政策を改め、ミンダナオにおける電力開発への投資を抑制するような問題 点を解消する。

・ 発電および送配電システムにおける電力の損失に関する問題に慎重に対処する。

・ 民間の電力投資と公共の参加を促すような仕組みを強化する。

・ 再生可能エネルギーおよび国産エネルギーのシェアを拡大し、エネルギーミックス の多様化を進める。

・ 環境負荷を減らすため、大規模水力発電所ではなく、小規模水力発電所建設の優先順 位を高める。

・ 再生可能エネルギーの設備開発の優先順位を高める。その研究開発のための専用の ファンドを設ける。

・ ミンダナオ卸売電力スポット市場を 2014 年に開業し、電力市場の競争性を高める。

・ 地方電力協同組合を包括的に強化する。

・ 電力の節約および電力政策に関して、情報提供と教育キャンペーンを強化する。

【運輸交通】

・ 交通・物流システムにおいて、内陸、海岸、島嶼間における水上交通の役割を拡大す る。

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・ 交通・流通システムの非効率性と高コストの原因となっている政策および規制を、そ れらに関連している業界と共に改革する。(例:カボタージュ法、鉄鋼製品への高い 輸入関税)

・ 陸上、航空および水上交通システムを統合し、一貫した相互依存ネットワークに整理 する。

・ 主要な幹線道路については、世界水準の全天候型の高速道路にアップグレードし、必 要であれば新規に建設する。(例:ミンダナオの東西の連絡道)

・ 地方政府機関および自治体の同盟関係を強化し、法的な環境を整え補助金のシステ ムを活用して、自治体による道路の建設を進める。

・ 一貫輸送および物流のスーパーハイウェイを補完するため、他のインフラ計画と綿 密に調整して、鉄道システムの長期計画を策定する。

・ 既存の空港のアップグレード、拡張および近代化の優先順位を高める。特に、島嶼部 にある空港と、ミンダナオ島の中核地域に計画している最先端の空港の建設の優先 順位を高める。

・ インフラ資源の有効利用のため、利用者による料金支払の政策を強化する。

2.1.2.2 地域開発計画(現状計画の一覧、概要、今後の更改見通し)

ミンダナオの各地域のうち、本調査の対象都市を含む地域の開発計画について、インフラ 開発の観点から概要をまとめると以下のとおりである9

(1)カラガ地域開発計画改訂版(Revised Caraga Regional Development Plan(2013-

2016))10

① 陸上交通

カラガ地域内の1,477.925kmの国道ネットワークの全てを舗装する計画があり、公共事 業道路省 (Department of Public Works and Highways: DPWH)は2016年までに201億ペソを 投じるが、工事は翌年度以降も継続して行われる。さらに、観光地へアクセスするための

道路(計179.61km)を建設又は改良するため、44億ペソの投資をする。

② 海上交通

当地方の港湾が増加する取扱量に対応しきれなくなったため、ミンダナオ島とシアル ガオ島を結ぶ4か所のRORO船のためのターミナルを建設する。

9 NEDAによる国家開発五カ年計画(2017-2022年版)の完成・公表後に各地域の開発計画も更改され る見通しであり、その作成と承認手続が進められている。

10 カラガ地域には、本調査対象都市のうちブトゥアン市、スリガオ市が含まれる。

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③ 電力

電力セクターにおいて当計画に記載されたプロジェクトは、全て民間セクターによる ものである。プヨ川水力発電プロジェクト(30MW)、マイニット湖水力発電プロジェク ト(25MW)、ワワ川水力発電プロジェクト(25MW)およびカバドバラン流込み式発電所

(9.75MW)の4件が挙げられている。

(2)ダバオ地域開発計画改訂版(Revised Davao Regional Development Plan (2014-2016))

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① 陸上交通

幹線道路の舗装、都市を結ぶ国道の改良、アグサン~ダバオ間道路やダバオ~コタバ ト間道路などの幹線道路の拡張、橋梁の改良と建設、東ダバオ州とコンポステラ・バレ ー州において農場と市場を結ぶ道路の建設、ダバオ市内の都市鉄道およびミンダナオ 島の主要都市間を結ぶ鉄道の建設、交通需要マネジメントの導入、都市部における歩道、

自転車道およびバイパス道の整備、並びにアイランド・ガーデン・シティ・オブ・サマ ルとダバオ市を結ぶ橋のF/S調査などを、優先度の高い計画として挙げている。

② 海上交通

パナボ又はタグムにおけるRORO船用ターミナルの建設のF/S調査、およびダバオ(サ サ)港の拡張などを優先度の高い計画として挙げている。

③ 航空

ダバオ国際空港におけるレーダー設備の建設およびITシステムの改修などを優先度の 高い計画として挙げている。

④ 電力

タリカッド島での発電所の建設、バイオマスおよび太陽光発電の導入、民間資本による テルマ・サウス石炭火力発電所(300MW)の建設、EEI重油火力発電所(15MW)の建設、

並びにツダヤ水力発電所(第1:6.7MW、第2:7MW)の建設などを、優先度の高い計画 として挙げている。

11 ダバオ地域には、本調査対象都市のうちダバオ市が含まれる。

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(3)北ミンダナオ地域開発計画中期改訂版(Northern Mindanao Regional Development Plan Midterm Update (2013 -2016))12

① 運輸交通

北ミンダナオ地域において最も優先順位の高いインフラ案件は、ラギンディガン国際 空港の商業運用の開始(2013年6月15日に開港)と、ミンダナオ・コンテナ・ターミナ ル(Mindanao Container Terminal : MCT)の拡張である。ラギンディガン国際空港とMCT の連携プロジェクト(Operation of Laguindingan Airport-Mindanao Container Terminal Allied Projects: OLA-MCTAP)は、両者を連携して、両者の利便性と効率性を共に高めるよう設 計された。ラギンディガン国際空港とMCTは、共にカガヤン~イリガン回廊に位置して おり、北ミンダナオ地方内で経済波及効果をもたらしている。

さらに、カガヤン~イリガン産業貿易回廊の発展を支えるため、高速道路とミンダナオ 鉄道システム(Mindanao Railway System: MRS)の開発が計画されている。

② 電力

ミンダナオ島内の発電量の67%は、北ミンダナオ地方内にある国営電力公社(National

Power Corporation: NPC)の発電所が占めている。発電所の新設計画のうち主要なものの1

つに、アグス第6水力発電所(ユニット1および 2)に係る改良プロジェクト(予算 26 億ペソ)があり、同発電所の稼働可能年数を30年間に延ばす計画である。また、フィリ ピン送電会社(National Grid Corporation of the Philippines: NGCP)が「ミンダナオ・バック ボーン送電系統開発プロジェクト(Mindanao Backbone Transmission Project: MBTP)」(予 算95億ペソ)を進めている。

(4)ソクサージェン地域開発計画改訂版(Updated Soccsksargen Regional Development Plan 2013 -2016)13

① 陸上交通

ソクサージェン地域の陸上交通では、産業エリア、学校・病院、観光地へのアクセスを 改善するための道路の建設計画があり、ジェネラルサントス市の環状道路(予算 1 億ペ ソ)およびスララ~セブ~マイトゥム湖道路(予算 1.7 億ペソ)などが計画されている。

② 電力

電力に関しては、当地域内での発電の自給率を上げるため、ジオン山の地熱発電、スル タン・クラダット州およびサランガニ州での 4 件の水力発電などの再生エネルギーの案

12 北ミンダナオ地域には、本調査対象都市のうちカガヤンデオロ市が含まれる。

13 ソクサージェン地域には、本調査対象都市のうちジェネラルサントス市が含まれる。