第3節 非行改善と立ち直り支援効果の検証 1 退所後の子どもの主な非行内容
3 関係機関との連携と支援
「児童相談所が約37%で最も多い。地域の関係機関との連携は不足」
○ 退所児童の自立支援における連携先関係機関は、児童相談所が約37%で最も多 くなっています。
○ 次いで、子どもの退所後の生活場所である児童養護施設との連携が約10%あり ます。
解説
○ 「福祉事務所」などの地域の関係機関が少ないのは、これまで施設職員との関わ りが少ないことが原因であると思われます。
○ 「特になし」の中には、問題行動がないために連携の必要がないというケースも あります。また、ケースによっては施設職員が関係機関との連携が不足したまま、
単独で問題解決に当たっている場合もあります。
児童自立支援施設の取組
○ 子どもが退所した後も、問題が起きたときには児童相談所の担当児童福祉司と連 携を取りながらアフターケアに当たります。
○ 子どもが再び非行を行い家庭裁判所に送致されたときには、家庭裁判所の調査官 から連携を求められることがあります。
図2-22 施設職員が連携した関係機関
36.5 9.6
6.0 5.4 3.0 2.4 1.2
7.5
41.6
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45
児童相談所 児童養護施設 家庭裁判所 学校 家庭等 警察 福祉事務所 その他 特になし
合計=378(複数回答)
%
非行防止のポイント 2
児童自立支援の分析は、児童自立支援施設の現場で働く生活寮担当職員を中心に、多 くの職員の協力を得て行いました。
家庭的な支援と親身なアフターケアを実践してきた施設の立場から、子どもの非行を 防止するポイントとなる関わりや取組をまとめました。
1 子どもに対する保護者の支援
○ 保護者は子どもの非行を「年齢がくれば解決する問題」として放置せず、子ども に向き合い、真摯に話し合い、理解し合う姿勢を持つことが必要です。
○ 子どもが施設から退所した後も、保護者自らが施設や児童相談所と連携して立ち 直りを支援する姿勢が大切です。
2 地域の協力
○ 実習やアルバイトを行なった子どものほとんどは、働いた経験から自信を持ち、
順調に社会で働けるようになります。子どもが実習やアルバイトを行う時には、雇 用先の会社等を始め、地域の協力が欠かせません。とりわけ子どもの多様な希望職 種に対応するためには、今後より多くの会社等の協力を得ることが必要です。
○ 地域の社会福祉施設などにおけるボランティア体験では、子どもたちは人とのふ れ合いや利用者の方から感謝される喜びを実感することで、多くのことを学び、達 成感を得ることができています。夏休み期間などを有効に活用し、子どもたちが地 域でいきいきとボランティア活動できる場を拡充することが必要です。
3 児童相談所や関係機関との連携
○ 施設から退所した子どもが、地域に戻って自立を図るための具体的な支援体制が 必要です。児童相談所が地域の児童委員等と連携して、定期的に退所児童の進路や 家庭についての相談を行うことや、日常生活での声かけ・見守りなどの実施が求め られています。
○ 施設職員は現に施設に入所している子どもの援助があるため、退所児童の希望に 添った行動がすぐにとれないのが実情です。素早く的確なアフターケアを実施する ためには、施設職員が地域の関係機関との連携を深め、ネットワークに加わるなど して、地域の関係機関がすぐに子どもの相談に応じられる体制を充実することが必 要です。