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第2節 調査によって詳しく分かった非行の実態 1 家庭内暴力

2 学校内の暴力行為

「非行相談があった子どもの約13%は学校内で暴力行為がある」

○ 暴力の内容は「生徒への身体的暴力」の相談件数が最も多く、「授業妨害」と「先 生への身体的暴力」が続きます。

○ 暴力を行った子どもの初発年齢は13歳までが大半を占めています。

○ 「学校内の暴力行為」が1年以上の長期にわたって続いたものが約35%ありま す。

解説

○ 児童相談所が非行相談として受理した「学校内の暴力行為」は、約4%しかあり ません。しかし、全ての非行相談から「学校内の暴力行為」の有無について調査し た結果、全非行相談のうち約13%に「学校内の暴力行為」が認められました。

児童相談所の取組

○ 現在、中学校ではサポートチーム(注)1を中心とした非行防止の取組が進んでい ます。児童相談所も必要に応じてこのチームに参加し、相談活動と援助を行ってい ます。

(注)1 サポートチーム

主に中学校に通う子どもの問題行動に適切に対応するため、学校・教育委員会と地域 の関係機関の職員からなるチームを組織化し、地域で子どもの指導助言を行うもの。主 に学校・教育委員会と児童相談所、警察、保護司、児童委員、精神科医などにより構成 される。

図1-33 学校内の暴力行為

先生への身体的

暴力 3.3%

生徒への身体的 暴力 4.1%

器物破損 1.6%

授業妨害 3.9%

不明 15.3%

なし 71.8%

合計=1199

14.1 1.3

14.1

35.3 20.5

3.8 2.6

8.3

0 5 10 15 20 25 30 35 40

不明 18歳 17歳 16歳 15歳 14歳 13歳 12歳 11歳 10歳 9歳以下

合計=1199

図1-34 学校内の暴力行為を始めた年齢

図1-35 学校内の暴力行為があった期間

不明 7.1%

3年以上 5.8%

1年以上3年 未満

28.8% 3ヶ月以上1年 未満 42.3%

3ヶ月未満 16.0%

合計=1199 0.0

0.0 0.0

事例 6

学校と連携して、粗暴なF君(男子:中学2年生)の改善を図った事例

事例の概要

○ F君は直情的ですぐに暴力をふるう父親と溺愛する母親のもとで育ちました。

F君は中学生になると、次第に暴力的なものに強く憧れるようになっていきまし た。中学1年の秋からは、学校内で同級生に対して暴力を振るうことが増えてき ました。

○ F君の父親は若い頃に暴走族に入っていたこともあり、「男なら多少の暴力行 為があって当たり前だ。そのうち落ち着くようになるからそれでいい。」とF君 の行動を肯定的に捉え、問題にしませんでした。一方、母親は「何か事件が起こ れば、全部我が子が悪いと決めつけられる。」と、学校に対して不信感を募らせ ていました。このような両親の養育態度が原因でF君は学校の指導にのらず、教 員への暴力、授業妨害、授業抜け出しなどを繰り返していきました。

援助の展開

○ ある時、F君がオートバイ盗で警察から書類通告されたため、児童福祉司は保 護者に了解の上で中学校の教員と話合いを持ちました。その結果、関係機関が連 携した指導体制をとり、両親の協力を得て対応する必要があると判断しました。

そして、児童相談所は学校と指導方針を一致させて取り組むことにしました。

○ また、両親の協力を得るため、中学校は家庭訪問をした上で両親と話し合い、

これまでの誤解を解いて関係の強化を図りました。児童相談所は毎月F君と両親 に面接を行う一方、中学校とは指導方法や登校状況を確認しながら、指導の強化 を図りました。

○ その結果、F君の両親には中学校への信頼感が芽生えました。F君も児童福祉 司に対しては本心を話すことができるようになり、自分の悪かった点を振り返っ て反省するようになりました。F君はその後、学校での暴力行為が減り、立ち直 りが進みました。

援助のポイント

○ 児童相談所と学校が連携を深めてF君の指導体制の一致を図ったことが、F君 と両親の考え方を変える契機となりました。

○ F君に対する定期的な面接の実施と両親の協力体制を築くことによって、F君 の非行からの立ち直りが促進されました。

第 5 章 非 行 相 談 効 果 の 検 証

こ の 章 の 概 要

1 関係機関との連携

○ 児童相談所が最も多く連携を取った機関は「学校」で、約52%に上ります。次 に多かったのは「警察」との連携です。

2 効果的な非行相談の実施

○ 子どもに対しては、受容的な姿勢で相互理解を深めた上で、非行からの立ち直り 方を具体的に教える「指導」が最も有効です。

○ 保護者には、親子関係改善や子どもへの対応の要点を説明するなどの「助言」が 最も有効です。

○ 非行が改善した要因は「保護者の協力」が約31%で最も多く、子どもの非行 からの立ち直りを左右する重要なポイントとなっています。次に児童相談所が行 う「通所指導」と「学校の協力」の数値が高くなっています。

○ 非行相談後の子どもの成長点は、子どもの内面の成長を表す「情緒の安定」が約 20%に上っています。次に親子の関係の再構築や修復を示す「親子関係の改善」

が約19%でした。

17.3 4.9

1.8 2.8

3.5 4.9

5.8 7.9

30.7

52.0

0 10 20 30 40 50 60

連携なし その他 医療機関 子ども家庭支援センター 福祉事務所 児童委員・主任児童委員 家庭裁判所 児童福祉施設 警察 学校