点 差
o
・司 上位 下位 上位
彩
.下位
/
実験群 統制群
Fig, 12 SEAS:F1因子の実験条件と適応水準の関係
T2(教師への自己開示)因子については、性、適応水準の主効 果に有意な差がみられ、また、時期間の差に有意な傾向ががみられ
た。
F2(楽しい友人関係)因子については、性、適応水準の主効果 に有意な差がみられ、また、実験条件×性、実験条件×適応水準、
性×適応水準の交互作用がみられた。実験条件の主効果については 有意な傾向がみられた。実験条件×適応水準の交互作用については 下位分析の結果有意な差がみられなかったが、実験群下位群が一番 高い得点を示しでいた。
3 学校環境適応感尺度の考察
本研究においては、ロール・プレイングを実施する事によって学 校生活において不適応傾向を持つ児童にとって、学級集団の中で児 童個人の内面的世界を表現する事で自己に気づき、自発性、創造性 を高め、ひいては自発的、創造的な学級集団の形成もはかれるので はないかと考えて、実践をはかったわけである。
ロール・プレイングによる効果について
一下位群により効果が生じたことについて一
SEAS鮎果を、条件、性腰、適応水準によリグループ分けをし て、ロール・プレイングの効果についての考察を試みた。実験群、
統制群の願誓、男女群にも関わらず、下競群においては1回#から 3回目にかけての上昇が見られる。しかし、その上昇においては、
実験群の方が明らかに大きく、n一ル・プレイングの効果が現れた ものと考えられる。とくに、実験群の女子下位群においてはT1因 子では2倍以上に上昇しその効果が現れ、ロール・プレイングの結 果教師に対して情緒的な絆を強めるという結果がでたと考えらる。
下位群において高い得点の結果を生じたことについては、ロール・
プレイングの実施前には下位群の児童は教師に対して距離を保って 接してきていたのが、それがだんだんと教師に対して、親近感を感 じるようになってきたのではないかと考える事ができる。また、児 童の自尊感情が高まったのではないかとも考えられるが、この点に ついては今後の研究の課題としだい。また、新学年においては新し い担任教師に対する期待感が下位群の児童は、上位群の児童に比べ て高く持っているという事が考えられるのではないだろうか。
同じような点として、友人関係も新学期には新しいネットワークが できるのではないかと思う期待もあり、男子においても女子におい ても上昇の傾向をたどっていると考えられる。
一51一
ロール・プレイングによる効果について
一女子により効果が生じたことについて一
女子群の方が、男子よりもロール・プレイングの効果が大きくで ているが、それは、女子の方が男子よりも素直にロール・プレイン グに臨み、実際に演じることに興味を持ち演じることに抵抗が少な かったということから生じた結果ではないかと考えられる。このこ とについては、第4節の「振り返り表分析結果」において述べるが、
女子の方が男子に比べて振り返り表においても高い得点を示したと いう事から、女子においてより効果がでたのではないかと考えられ
る。
また、T1霞子が爽験群女子の下泣群で非常に上昇しているとい うことについても、教師に対して、情緒的なつながりがもてるよう になってきたことを示し、その面からも、学級のなかで安定感を感 じるようになってきたことも考えられる。
SEAS得点の変化について
実験群において特徴的に見られる事として、男女ともロール・プ レイング実施後の得点が急激に下降する事である。合計得点におい ても、また、他の因子においてもその傾向がみられる。そのことに ついては、青山(1981)のロール・プレイングの実践例の報告(社会 的地位の低い生徒の指導)によっても「学級集団のまとまりは、や や下降傾向をたどっている。」とあり、 「ロール・プレイングを実 施する事により、児童が自発的に自分の感情を表現するようになる と、必ず衝突が起こり、排斥が増加し、好ましくない現象が起こる が、これは、一時的であり、ロール・プレイングをすすめていく事 により、関係は好ましい方向に変化する」とされており、継続して 実施する事により一度学級集団の中で対立などを生じその後、また、
学級集団の再構成の過程を図っていくのではないかと考えられる。
よって、ロール・プレイングにより、生じた自発性が、より創造的、
建設的な方向に成長して行くように指導過程の改善、適当な主題の 設定などが求められるのではないだろうか。
実践にあたっての問題点
T1因子に関して、実験群男子上位群が大きく下降傾向を示した のであるが、これについては実験群のクラスにおいて担任教師と男 子児童の間において、生徒指導の面において、気持ちのズレから感 情のこじれが生じるという出来事が、ロール・プレイング実施頃に あった。特に、上位群に属する男子児童数名が教師に対して反抗的 な態度をとり、険悪な雰囲気を感じた。その男子児童はクラスに対 する影響力が強く、当然他の児童も教師に対する感情の上で大きな 影響を受けたものと考えられる。そのために、教師に対しての情緒 的な絆に関しての因子得点が低いという結果がでてきたのではない かと考えられる。これが、実験群のクラスに影響を与えたのは否定 できないことであろう。
同じく、実験群男子上位群のF1因子(友人との信頼関係)にお いてもPRE一・TESTと比較してPOST−TESTにおいて、非常に低い得点を示 しているのだが、これも前に述べた教師との感情のもつれの原因に なった出来事との関係が大きくでてきているものと推測される。
他の問題点は、不可抗力であるが、季節的に冬のさなかで、イン フルエンザの流行で、欠席の児童が多くまた、出席していても体調 がすぐれなかったりして集中出来なかったことも挙げられる。その ために、時間的に短縮せざるを得なかった。
一53一
第2節 心理的距離地図実施結果
1 心理的距離地図
本研究で用いた、心理的距離地図(Psychological Dis七ance Map:
以下PDMとする)は新しい対人的環境測定法として、 Wapner(1978)
が開発した。PDMは、被験者にとって親しい入を、その心理的距 離を考慮しつつ所定の用紙に記入していくものである。その特徴と
して、小泉(1985)は「被験者のイメージが直接反映され、データと して得られる情報量も豊富である。さらにPDMは視覚的に把握が 容易であり、また、投影法的な手法であるため、被験者が児童・生 徒の場合心理的抵抗も少ない」と述べている。また、友人に対する 擁斥の記入を求めない等の教育的配慮も加えやすいという利点もあ
る。
PDM用紙は正方形の枠の中央に自己を表す顔の絵を記したもの で、各被験者には、枠内にクラスで親しい友人を最大6名まで(何 名でもよいが、筆者はクラスの人数などから6名とした)○で表し、
その名を記入する事、その際、親しい友人ほど中央の自己に近くな るように記入する事を求めた。(Appendix参照)
2 心理的距離地図の結果
児童の集団の中の門門関係を調べるために、ロール・プレイング 実施前、実旛後、新学年はじめの3回PDMを実施して分析した。
そして、マトリックスを作成、選択数、被選択数、相互選択数、社 会的地位指数を求めた。
社会的地位指数(lndex of Sociomet。ric Status Score:以下ISSS とする)はクラス内での相互選択・相互排斥も考慮した選択排斥の比 率を表したものであり、本研究においては選択関係のみを用いた。
ISSSの理論的最高値は9、最低殖は一1となるが、本研究においては選
択関係だけを用いたので、従ってこの場合の最高値は1、最低値はe となる。ISSSは集団内における被選択が多く被排斥が少なければ、
概して高くなる。
ISSSの算出方法として田中(1967)の方法を採用した。
ISSS・1/2(CRS/(N・一1)+(鵬高邑)/b)選択排琢数を制限した場合 MC:相互選択数 MR:相互撲回数 D:選択排斥劉限数
N:成員数: CRS:被選択tw 一一被擁斥数
Table一・11実験群におけるPDMに関する平均(鵬と標準偏差(S.D)
男子上位群 聾=13 男子下位群 襲=1塩
P盈E P◎ST1 POST2 PRE P⑪ST1 POST2 選択数 腋 5, 615 5,538 5,308 5,357 5,124 5,500 s,D 0, 738 ◎,634 o,991 o,972 0,860 1,052
被選択 財 7, 154 6,077 5,077 3,786 4,h3 4,857
s。D 1, 833 1,goo 1,591 2,076 2,503 2,531
相互 翻 4、 692 3,538 3,3G8 2,071 2,357 3,071 選択 S,D o。 821 1,oo9 1,538 o,884 1,394 1,668 ISSS
■
0, 502 0,389 G,352 0,230 0、26.0 ⑪,329S。D 0, ogo 0,104 0,14⑪ ◎,098 0,151 0,175
_L
PRE女子上位群P⑪STI POST2国=16 P既女子下位群POST1 N=16POST2選択数 図 5, 471 5,647 5,353 5,200 5,400 5,467 s,D 1, 419 0,478 0,681 ⑪,9◎9 0,879 0,718
被選択 団 7, 529 6,176
52計
3,467 4,533 荏,467S。B 1, 649 亙,790 ユ,926 2,◎29 2,446 2,187 帽互 醗 4, 765 4,529 3,882 2,4GO 3,267 3,133 選択 S,D o, 730 1,091 1,323 G,879 1,569 1,360 ISSS@ ! 鱈
0。 513 ◎,472 0,402 0,253 0,342 0,328
S, D I g, e69 e, 111 rJ, 134 1 e, 099 e, 164 g, 143
一55一
ISSS項目得点により、実験群男子、実験群女子、統制群男子、統翻 群女子を上位群と下位群に分けて分類したものがTable−11,
Table−12である。
Tab三e−12統制群におけるPDMに関する平均(M)と標準偏差(S,B)
男子上位群 聾=24 男子下位群 擁=25 PRE P⑪ST1 P⑪ST2 PRE POST1 POST2 選択数 嫉
r。D
5,800 O,632
5,840 O,833
5,400
P,⑪2◎
5,125 P,092
5,708 O,455
魂.958 P,428
被選択 触
刀DD
7,080 P,412
6,48⑪
P,857
5,600 Q,349
3,792 Q,327
4,667 Q,303
4,958 Q,669 相互