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道路 31

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第6章  物流・インフラ

I. 道路 31

  国道5号線(130km)はハノイ〜ハイフォン間を通じる高速道路である。所要時間は約2 時間であるが、二輪車も同じ道路を走っているので、余裕をみた方が良い。なお、ハノイ 市中心部ではトラックの総積載量に応じて通行規制がとられている。例えば、総積載量2.5 トン以上の場合、午前 6時〜午後9時は走行禁止となっている。ホーチミンでもほぼ同じ ような措置が取られている。ダナンはやや緩めの規制となっている。

  国道18号線(160km)は、国道5号線の北側に位置し、ハノイとカイラン港を結んでい る。所要時間は2時間半〜3時間である。現状では、5号線に比べて二輪車の量が相対的に 少なく、トラックとっては多少走りやすい。

  中部の道路網の中心都市はダナンである。ここから第一東西回廊がスタートしダナン北 部のフエ、ドンハを通過し、ラオスの国道 9 号線を経由してタイやミャンマーへと繋がっ ている。

  南部では、国道 1 号線がホーチミンからさらに南部のカントーまで延伸しているほか、

ホーチミンからは国道 22 号線が北西に伸び、プノンペンへ通じている(第二東西回廊)。 国道51号線は、ホーチミンとブンタウを結んでいる。

  ベトナムの道路網は、ODAや国際金融機関の支援を受けつつ、今後も整備が進められる 予定である。以下は、その具体例である。

【我が国のODA】

  我が国の対ベトナム円借款ロングリスト(2007〜2009年度)によると、道路関連プロジ ェクトでは次のような案件が候補として挙がっている。このうち「南北高速道路建設計画」

は、「ホアラックハイテクパーク計画」、「南北高速鉄道建設計画」とともに日越間の3大プ ロジェクトの一つに数えられている。

【ハノイ市放射国道改修計画】 ハノイ市と近接主要衛星都市との連結の為のハノイ市放射国道(3 号線(ハノイ・タイグェン間)、6 号線(ハノイ・ホアビン間) 31号線(ハノイ・チュングハ間))の拡幅

【国道2号線整備計画】 ノイバイとビエッチを結ぶ道路の建設

【ラムドン・ドンナイ省 ザウザイ〜

ダラット間高速道路建設計画】

ザウザイとダラットを結ぶ道路の建設

【南北高速道路建設計画】 国土を南北に縦貫する高速道路の建設

【サイゴン東西ハイウェイ建設計画

(第五期)

ホーチミン市周辺の幹線道路網の建設

2.周辺国との国際物流(東西回廊・中越物流・南北回廊) 

  ベトナムと他のGMS32諸国間のモノの動きは、今のところ海上輸送が中心であるが、ADB の支援を受けて、GMS諸国を結ぶ道路網の整備が進められている。その中でも、第一東西 回廊、第二東西回廊(南部経済回廊とも呼ばれる)、中越物流は、ベトナムに進出した日系 企業にとって大きな関心を集めている(図表 6-2)。

図表 6-2  ベトナムと周辺国との国際物流ルート 

モーラ ミャイ ン ダナン

香港

ヤン ゴン

ホーチミン プ ノン ペン

ラ ン ソ ン ラ オ カ イ

昆明

ハノイ

ビ エン チャン

ド ン ハ

バン コク

広州

サ バ ナ ケ ッ ト

東莞 ピ ン シ ャ ン

南寧

深圳

ピ サ ヌ ロ ー ク

ナコンラチャシマ ム ク ダ ハ ン

バン コク〜ハノイ  (約 1600km)

 トラ ック : 3-4日、2100$

 船    : 8-12日、1000$

バン コク〜HCM (約900km)

 トラ ック : 2日、1400$

 船    : 2-3日、600$

ハノイ 〜華南 (約 1200km)

 トラ ック : 3日、1800$

 船    : 6日、1300$

南北回廊

第一東西回廊

第二東西回廊

(南部経済回廊)

(注)車(トラック)と船の所要日数およびコストは目安。

(出所)日系物流企業資料、ジェトロ資料、ほか各種資料よりJOI作成

(1) 第一東西回廊 

  第一東西回廊プロジェクトは、インドシナ地域をベトナム中部から東西に横断する運輸 インフラ(道路、橋梁、港湾等)整備構想のことであり、ADBや日本のODA 資金などに よって整備されている。第一東西回廊は、東側のベトナム・ダナン港と、西側のミャンマ ー・モーラミャイン港をつなぐルートである。2006年12月、ラオス(サバナケット)・タ イ(ムクダハン)国境にかかる第二メコン国際橋が完成し、同ルートはほぼ直線経路で開 通した(全長1,450km)。それまでは、サバナケットから北上してラオスの首都、ビエンチ

32 GMS(Greater Mekong Subregion、拡大メコン圏)の次の6ヵ国がメンバーとなっている;タイ、ベ トナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、中国(雲南省)

ャン経由でバンコクへ向かわざるを得ず、時間的なロスが生じていた。

  第一東西回廊は、バンコク〜ハノイ間の陸路輸送の利便性向上に大きく貢献すると期待 されている。第二メコン国際橋の完成により、バンコク〜ハノイ間の陸上輸送距離は

1,925kmから1,555kmへ短縮され、所要日数も約4日間(4泊5日)から約3日間へ短縮

された。他方、ハノイ〜バンコクの海上輸送は、8〜12日間(ほぼ2週間)かかっている。

  このように、陸上輸送は海上輸送に比べて輸送時間が短いことから、タイからの部品供 給など、ベトナム進出日系企業の期待は大きい。2005年以降、いつくかの日系物流企業が 実証実験を行い、実際に顧客の要望で緊急輸送を行い始めている。しかし残念ながら、以 下のような理由により海上輸送よりコストが割高となり、商業的に定期便輸送ができるま でには至っていない。ワンストップ通関や電子化も概して遅れている。

  ①片荷の問題;タイから輸出するものはあるが、ベトナムから輸出するものがない。

  ②積み替えの問題;ベトナムのトラックはタイに入国できず、荷物の積み替えが必要(ラオス は入国可)。その結果、積み替え作業のコストが付加され割高に。

図表 6-3  インドシナ諸国の国境通関の状況 

ベトナム ラオス カンボジア タイ

通関場所 国境で手続き完結 国境で手続き完結 プノンペン税関 国境で手続き完結

通関所要 時間

0.5〜2日 0.5〜1日 1.5〜3日(書類審査に1週

間ほどかかる)

数時間〜1日

税関検査 全量検査 全量検査 全量検査 指定貨物のみ

通行車線 右側 右側 右側 左側

他国車両の 乗り入れ

貨物積み替え場まで タイ車両の乗入れ可

(要事前登録)、

ベトナム車両の乗入れ可

(目的地限定、要事前承 諾)

貨物積み替え場まで ラオス車両の乗入れ可

(要事前登録)

電子化 2010年までに通関システ ム構築予定(ハイフォン港な ど、いくつかの地点でで試 験的に導入中)

未導入 未導入 導入済み

(出所)ジェトロ「ASEAN物流ネットワークマップ」(20077月)、その他資料より作成

(2) 第二東西回廊 

  第二東西回廊は、ベトナム・ホーチミン(サイゴン港)からカンボジア・プノンペンを 経由してタイ・バンコクを結ぶプロジェクトであるが、次のような課題の解決に時間がか かっており、積極的に活用されるには至っていない。

  ①通関手続きの所要時間やコストが他国より多くかかる   ②橋、道路の未整備

  ③片荷の問題に加え、輸送量が少ないことから、海上輸送より割高

(3) 中越物流 

  ベトナム〜中国を結ぶルートはいくつかあるが、現在注目されているのはハノイ北東に 位置するランソンと、中国広西チワン自治区・憑祥(ピンシャン)を結ぶルートである(図 表 6-2)。ハノイ〜ランソン間は、国道1号線を北東に約150km、所要時間は約3時間であ る(ランソンから中国国境まではさらに 20km)。中越物流に関してはとくに中国側で改善 が進んでおり、2005年12月、中越国境の友誼関と南寧を結ぶ高速道路(南友道路、約180km、

片側 2車線)が開通した。この結果、ハノイ〜南寧の所要時間は、それまでの約7時間か ら約5時間へ短縮された(南友道路はベトナム側の国道1号線に接続)。

  ベトナム北部と中国華南地域を結ぶ陸上輸送は、いよいよ定期便輸送の段階に入ってき た。中越物流に関しては、これまで、いくつかの日系物流会社が実際にトラックを走らせ、

道路の状況や通関にかかる所要時間を調査する実証実験を行っており、チャーター便によ る輸送も回を重ねていたが、2007年9月、ドラゴン・ロジスティクス(住友商事系)が定 期便の輸送を開始した(週2便)。他の日系物流会社についても、定期便の開始に目処がつ いたとの報道があるほか、混載での輸送も可能となったようで、ベトナム北部と中国華南 地域との陸上輸送は今後活発化していくものと予想される。

  東西回廊と同様に、中越物流でも片荷の問題が指摘されてきた。今回の定期便輸送にあ たっては、ハノイから華南へキヤノンのプリンター(完成品)を輸送し、華南からハノイ へは電子部品を輸送するという形でこの課題を克服している。

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