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主要外資関連法規

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第5章  外資制度の概要 6

II. 主要外資関連法規

投資形態 :旧外国投資法よりも多様な形態が可能に

出資比率規定 :原則自由(合弁時、現地資本出資比率30%以上という規定を撤廃)

投資分野 :投資禁止分野以外、原則自由に(ただし、条件付き投資分野あり)

投資手続き :登録のみで投資証明書が取得できる投資案件の上限金額を引上げ パフォーマンス要求 :輸出比率、現地調達率等の要求はなし

企業形態 :従来は有限会社のみ  →  株式会社も可能に

全会一致ルール :決議は定款に規定された方法で実施。全会一致ルールは強制しない

(2) 共通投資法の施行細則のポイント 

  ベトナムでは、法律が制定された後、その具体的な運用規則を定めた施行細則が発表さ れる。共通投資法と統一企業法に関しては、現時点で、いくつかの外資系企業にとって重 要な施行細則が既に発表されている。とくに重要なのは共通投資法の施行細則 Decree

No.108/2006/ND-CPで、奨励投資分野および奨励投資地域のほか、投資案件の管轄や投資

証明書の取得手続きを定めている。

図表 5-4  投資に関する新しい法体系 

(注)    は既に発表された各法律の施行細則。

(出所)JICA市川氏資料より

  共通投資法の施行細則Decree No.108は2006年9月22日に発表され、同年10月に発 効した。以下に、施行細則Decree No.108で示された、これまでの投資手続きと異なる点 や新しい点のうち、主なものを挙げておく。

<法律> <施行細則> <附属文書(Appendix)>

共通投資法 投資に関する細則

BOT・BTO・BTに関する細則

ベトナム企業の海外投資に関する細則 国家資金プロジェクトに関する細則

・優遇分野(特別奨励分野)

・ 〃    (奨励分野)

・優遇地域(特別困難地域)

・ 〃    (困難地域)

・投資禁止分野

・条件付き投資分野

統一企業法 企業登録に関する細則

外資系企業の再登録に関する細則 国営企業の再登録に関する細則 国家管理に関する細則

持株会社設立に関する細則

(2006年7月1日発効)

(2006年7月1日発効)

(Decree No.108/2006/ND-CP)

(Decree No.101/2006/ND-CP)

(Decree No.88/2006/ND-CP)

(Decree No.78/2006/ND-CP)

(Decree No.78/2007/ND-CP)

・投資案件の管轄区分の変更:これまでのカテゴリーA、Bという区分から、以下のように 変更された(共通投資法下での首相案件、省レベル人民委員会案件、工業区管理委員会 案件の内容については、「総論第5章 Ⅳ. 管轄官庁」を参照)。

      <旧外国投資法>      <共通投資法>

・分権化の進展:MPI がこれまで果たしていた役割の多くが、省レベル人民委員会および 工業区管理委員会に移管。例えば、投資案件の書類受理、審査(関係省庁からの意見は 聴取する)、投資証明書の発行は、首相案件を含め、省レベル人民委員会または工業区管 理委員会が行うことになった。

・首相案件であっても審査の必要がないもの:首相案件となっている投資分野が、①首相ま たは首相に認められた機関に承認されたマスタープランに含まれている場合、②ベトナ ムが加わっている法律や国際条約に基づいた条件を満たしている場合、投資証明書発行 機関は、首相の判断に委ねることなく投資証明書を発行できる。

・保険・金融・会計・監査は首相承認案件から外れる:旧外国投資法で首相承認案件とされた 同分野は、共通投資法では除外された。これらの分野は、WTO加盟に伴うコミットメン トで市場開放が約束されている。

・法人所得税と輸出入関税の優遇措置対象となる投資分野・地域:法人所得税と輸出入関税の 優遇措置は、基本的に法人所得税法、輸出入関税法の各施行細則に基づいて提供される が、対象となる投資分野および地域については共通投資法の施行細則(Decree No.108)

に、優遇税率は、改正所得税法の施行細則(Decree No.24)に基づく。

  以上の点を見ても分かる通り、これまで投資許可の手続き上、重要な役割を果たしてき たMPIに替わり、省レベル人民委員会と工業区管理委員会が、投資証明書等の書類受理・

審査・発行といった具体的手続きを進めていく。他方、今後MPIは、いかに投資促進を図 るべきかなど、政策的な面で役割を果たすことになる。これに伴い、投資証明書の発行・

カテゴリーA    −首相案件  

カテゴリーB    −MPI案件

  −省レベル人民委員会案件   −工業区管理委員会

首相案件

省レベル人民委員会案件 工業区管理委員会

投資案件の審査手続きにも変更がある(詳細は「総論第5章 Ⅶ.投資証明書取得手続き」を 参照)。

2.その他の関連法規 

  共通投資法、統一企業法の他に、ベトナムに進出する企業に関係のある主な法律として、

以下のものがある。

(1) 税法 

  ベトナムに進出した外資系企業は、ベトナムの企業と同様に、関連税法により、法人所 得税、付加価値税、特別消費税などが課税される。ただし、政策的な配慮から、外資系企 業には法人所得税や付加価値税等の各種の減免措置が設けられている。

  外資系企業に対する法人所得税の優遇措置は、基本的に2003年に改正された法人所得税 法(No.09/2003/QH11)、および同法の最新の施行細則(Decree No.24/2007/ND-CP)に基 づき適用される。なお、外資系企業に適用される標準税率は、2004年1月1日から28%と なっている。税法についての詳細は、「第5章 Ⅷ.税制」を参照のこと。

(2) 輸出入関税法 

  ベトナムに進出した外資系企業は、外国から機械設備や部品・原材料等を輸入する場合 には、輸出入関税法(Law No.45/2005/QH11)の規定に従って輸入関税が課税される。た だし、外資系企業には政策的な配慮から輸入関税の減免措置が準備されている。なお、輸 出加工区内の企業は外国とみなされ輸入関税や輸入時の付加価値税は課税されない。輸出 入関税については、第5章の「Ⅵ.主要投資インセンティブ」、「Ⅷ.税制」を参照のこと。

(3) 労働法 

  2003年1月1日に発効した労働法(2002年改正、Labour Code、Law No.35/2002/QH11)

は、その後、労働争議の解決に関する事項(第14章)に一部修正が加えられた案が、2006 年11月29日に国会を通過、2007年7月1日に発効した(Law No.74/2006/QH11)。同年 8月8日には、その施行細則Decree No.133/2007/ND-CPが公布された。

  ベトナムに進出した外資系企業は、ベトナム人を雇用するに当たり、労働法に規定され ている労働契約、労働条件、社会保険、労働組合活動、労働紛争処理等に関するルールに 従わなければならない。また、外国人の雇用に関しては、2003年9月17日付の施行細則 Decree No.105/2003/ND-CP と、それに修正を加える 2005 年 7 月 13 日付 Decree

No.93/2005/ND-CPに就業規則や雇用枠などが規定されている。

  このほか、従業員に関連する法律として、社会保険法が2007年1月1日に発効した(Law No.71/2006/QH11)。また、失業保険は2009年1月1日から実施される予定である。

(4) 土地法 

  土地法(law No.13/2003/QH11)は2004年7月1日から施行されている。

  ベトナムでは、土地は全人民の所有に属するものとされ、土地法により国家が全人民の 代理として土地を管理する権限を有している。従って、ベトナムに進出しようとする外資 系企業は、国家より土地のリースを受け、土地リース料を払う。あるいは、国家より土地 をリースされている他者からの再貸借も可能である。用地取得に関しては、第5章「Ⅸ.用 地取得」を参照のこと。

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