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議論

ドキュメント内 課税の経済分析 (ページ 166-171)

A Ramsey-Cass-Koopmans モデルにおけるラッフ ァー・カーブ

E.3. 政府支出の現在価値( PVG )

3. 議論

ただし,

m= h 1−β

[

ρ+ (g(1−h)−r)β− 1

2σ2x2β(1−β) (28)

1

2k2σ2β(1−h)[1 +β(1−h)]

]

= h

1−β [

ρ+ (g(1−h)−r)β− 1 2σ2

{ α−r

σ2(1−β)− β(1−h)k 1−β

}2

β(1−β)

1

2k2σ2β(1−h)[1 +β(1−h)]

] , である.

[2] Boyd, John H. III (1990), “Symmetries, Dynamic Equilibria, and the Value Function,” in R. Sato and R. Ramachandran eds. Conservation Laws and Symmetry, Kluwer, 225–260.

[3] Hubbard, R. Glenn, Jonathan Skinner, and Stephan P. Zeldes (1994), “The Importance of Precautionary motives in Explaining Individual and Aggre-gate Saving,” Carnegie-Rochester Conference Series on Public Policy, 40, 59–125.

[4] Malliaris, A. G., and William A. Brock (1982),Stochastic Methods in Eco-nomics and Finance, North-Holland, Amsterdam.

[5] Merton, Robert C. (1971), “Optimal Consumption and Portfolio Rules in a Continuous-Time Model,”Journal of Economic Theory, 3(4), 373–413.

[6] Rodriguez, Alvaro (1993), “Precautionary Saving and the Laursen-Metzler Effect,” Journal of International Money and Finance, 12(3), 332–343.

[7] Turnovsky, Stephan J. (1993), “The Impact of Terms of Trade Shocks on a Small Open Economy: A Stochastic Analysis,” Journal of International Money and Finance, 12(3), 278–297.

[8] Van Der Ploeg, Frederick (1993), “A Closed-Form Solution for a Model of Precautionary Saving,” Review of Economic Studies, 60(2), 385–395.

[9] Weil, Philippe (1993), “Precautionary Savings and the Permanent Income Hypothesis,” Review of Economic Studies, 60(2), 367–383.

[10] Zeldes, Stephan P. (1989), “Optimal Consumption with Stochastic Income:

Deviations from Certainty Equivalences,”Quarterly Journal of Economics, 104(2), 275–298.

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日本の税制の効率性評価 −限界分析による解法−

1. 序論

本章の目的は,異時点間一般均衡動学モデルを用いて日本における資本所得 税,賃金税,消費税の厚生費用を計測することである.本章の主要な結果は,妥 当なパラメータ値の下では消費税が最も効率的であり,資本所得税が最も非効 率的であること,及び,資本所得税の賃金税並びに消費税に対する差別的厚生 費用(differential welfare cost)は追加的に発生する税収の約10% から20%と いうことである.しかしながら,課税の厚生費用の大きさは税率の初期構造に 強く依存している.初期資本所得税率が低い場合には,資本所得課税の厚生費 用は消費課税のそれより小さいことが有り得る,すなわち,資本所得税が三つ の税の中で最も効率的である可能性がある.

課税の厚生分析を動学的枠組で最初に行ったのは,Diamond(1970)である.し かし彼のライフサイクル世代重複モデルでは遺産の問題は捨象され,分析は長 期均衡間の比較に限られていた.世代重複モデルを用いずにこの問題を最初に取 り扱ったのはSinn(1981)及びChamley(1981)である.彼らのモデルは完全予見 を備えた無限生命を持つ代表的個人が異時点間最適化行動を行う一般均衡動学

本章作成に関して,林敏彦,本間正明,井堀利宏,神谷和也,岡村誠,斎藤慎,八田達夫 の各教授から有益なコメントを頂いた.ここに記して感謝したい.もちろんありうべき誤りは すべて筆者の責に帰する.本章は,まず最初にNishioka(1989)として英語でEconomic Studies Quarterly(現在はJapanese Economic Review)に掲載されたものを,日本語に直して修正・

加筆し西岡(1994)(平成4年度文部省科学研究費補助金奨励研究(A)の助成を受けている)に

モデルである.しかしながらSinn(1981)の分析は長期均衡の比較静学に限られ ており,調整径路は考慮に入れられていなかった.これに対してChamley(1981) は調整径路を考慮に入れて資本所得課税の厚生分析を行った.ただ彼のモデル では労働供給が外生的であったので,諸税の効率性の比較はできなかった.次

にChamley(1985),Judd(1987)は労働供給を内生的にし,調整径路を考慮に入

れて資本所得税,賃金税の厚生分析を行った.共通する結論として,同一税収 を生み出すという条件の下で,妥当なパラメータ値の範囲内では資本所得課税 の厚生費用が賃金課税に比べて大きいという結果を得ている1

本章では次の3点を分析する.

1. Chamley(1985),Judd(1987)の分析枠組を用いて,動学的一般均衡モデル で日本の税制の課税の厚生費用を測定する.

2. 消費税を明示的に導入することによって,資本所得税,賃金税,消費税の 効率性を順序づける.これより,初期資本所得税率が低いときには,消費 課税よりも資本所得課税の方が効率的になり得る場合があることを示す.

Chamley(1985),Judd(1987)では,消費税を明示的にモデルに導入してい ないため,このような可能性は観察されていなかった.

3. 初期の税率構造が効率性の順序に強く影響し,従って初期資本所得税率が 低いときには資本所得税が最も効率的になり得る可能性を示す.日本にお いては,資本所得の中には低い税率が課されているものもあるので(例え ば,キャピタルゲイン,生命保険など),賃金税と消費税を減税しそのよ うな資本所得の税率を高くすることによって経済厚生を増加させる可能性 がある.

しかしながらこの結論は,選択されているパラメータ値に強く依存している.

本章では,基準年に経済が定常均衡にあるように割引率を設定した.Chamley,

1無限に生きる代表的個人によるモデル分析を行うので,同世代間,異世代間ともに分配問題 は捨象する.また同様の問題分析を行う別のアプローチとしては,Auerbach, Kotlikoff and Skin-ner(1983),Auerbach and Kotlikoff(1987)のライフサイクル世代成長モデルとBallard, Shoven and Whalley(1985),Ballard, Fullerton, Shoven and Whalley(1985)のCGEモデルがある.し かしながら前者は遺産の存在を無視している点に問題があり(Kotlikoff and Summers(1981) 実証結果を参照.),後者は貯蓄決定行動がアドホックである.

Juddは 任意に割引率を設定しているが,これは初期状態に経済が定常均衡に あるという仮定と矛盾している.このために本章で用いている割引率は彼らの ものより大きいが,そのため資本所得増税の長期的効果よりも短期的効果の相 対的重要性が高まっている.短期的効果は一括税的効果に近いので,本章にお ける厚生費用の推定値は Chamley,Judd のそれよりも小さくなっている.資 本労働間代替弾力性に関しては,現実のデータに即した相対的に小さな値を採 用することにより,資本所得課税の厚生費用は Chamley,Judd のそれよりも 低い値が出ている.

以上より,効率性の順序に特に影響を与えるパラメータとしては,次の3つ がある.

(1)初期税率

(2)割引率

(3)資本労働間代替弾力性

この中でも初期税率は特に大きな影響を持ち,この値が変わると結果がまっ たく逆転してしまうこともある.Judd は資本所得税が Chamley の結果よりも さらに大きな厚生損失を生むという結果を出しているが,それは初期税率とし て設定された(Chamley の値よりも高い)資本所得税率の高さにかなり依存し ているのである.

本章の構成は次の通りである.第2節では税制の変化を分析するモデルを提 示する.厚生指標として,distortionary tax を用いて税収を限界的に一単位変 化させる時の厚生変化を示す限界厚生費用を用いる.第3節では日本経済に関 してシミュレーションによる税制変化の限界分析を行う.結論に大きな影響を 及ぼす各パラメータ値について詳細な説明を行うが,特に実証が困難な効用関 数のパラメータ値については,対応する弾力性値から妥当な範囲を選択してい る.第4節では調整径路上での資本所得課税の経済的意味の解釈を行う.第5 節は結論である.

2. モデルと厚生尺度

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