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調査手法

ドキュメント内 平成19年度  (ページ 93-99)

第 8 章 分析結果まとめと今後の方向性

第 2 節 調査手法

1. 調査スキーム

研究者の研究時間の状況等にスコープをあてた先行調査としては、「大学等におけるフルタイム 換算データに関する調査 (注 )報告(平成 15 年 11 月、文部科学省科学技術・学術政策局)」(以下 FTE調査)があり、主としてアンケート調査により研究者数について実際の研究活動時間に即したも のを把握している。

ところが、例えば同じ「研究時間」については、研究分野間での認識の差異等が想定され、また 研究室単位でのタイム・マネジメント、リソース・マネジメントのあり方についても分野間での差異が想 定される。アンケート調査だけでは、これらの十分な捕捉が困難であると想定されるため、本調査に おいては、「アンケート調査+パネル討論」を組み合わせて、より詳細な実態把握を行うことを試み ることとした。

また、本調査では、大学における研究者を取り巻く研究環境を分析するため、パネリストは、大学 で研究活動のみならず教育活動(講義等)も行っている研究者であり、研究室を主宰している方と することにした。パネルでの議論については、研究室主催者(パネリスト、教授クラス)に参加してもら った。一方、アンケート調査に関しては、職位による違いや研究室のまとまりとしての研究時間や研 究支援体制について分析を目的とし、パネリスト及びパネリストの主催する研究室構成員を調査対 象と設定した。

また、研究者が研究時間を確保できているのかを明らかにするため、「研究時間」のみを調査す るのではなく、「研究 者として行なう職 業的 活動の時間」の全てを調査することとした。自 発的 研 究 活 動(休日 の論文 執 筆 等)も含めた実態を調 査したため、大学との雇 用契 約 上の職務 時 間とは 異なる。なお、職業 的 活 動を大きく分けると、「研 究に関する活動」、「教育に関する活動」、「組織 運営に関する活動」、「社会サービス活動」となる。調査は以下の手順で行った。

(注 ) 研 究 従 事 率 の算 定 に必 要な統 計 調 査 の実 施 であり、承 認 統 計 。大 学 等 の研 究 本 務 者 のうち、教 員 、博 士 課 程 在 籍 者 を対 象として行なっており、平 成 20 年 度も文 部 科 学 省 が調 査 実 施 。

第 2 - 1 - 1 図 調査手順

分野によって、問題点の重みの順位が異なると考えられる。

そこで、各分野における

-重みが高いもの(大きな阻害要因となっているもの)

-近年急激に問題になってきているもの を分析する。

①分野特有もしくは強調された問題点

②大学形態(国立、私立、地方など)特有の問題点

③研究者のポジション(教授、准教授、助教、ポスドク 等)

固有の問題点

第一回パネル

(定性的観点)

アンケート調査

(半定量的観点)

z研究活動の実態把握

z研究活動の阻害要因の抽出・リスト化

1.問題点のクラス分け

第二回パネル

(定性的観点)

2.問題点の重み付け

他分野の議論を フィードバック 他分野のアンケート

調査結果をフィードバック

分野共通及び分野特有の問題点の取りまとめ

①【事務局】パネルを設置する。

②【参加者】各分野における現状での研究環境の課題、研究時間に対する阻害要因等について、

論点の抽出を行う。併せて、パネリストに各分野の研究環境を把握するのに必要な項目(調査票 への意見、当該分野固有の課題等)について検討してもらう(第一回パネル)。

③【事務局・参加者】パネリストおよびパネリストが運営する研究室構成員(教授/准教授/助教/

助 手/特 別 研 究 員・ポスドク/企 業 派 遣 研究 員 等/研究 生 /医 局員 その他/研究 補 助 者/

技能者/博士後期課程在籍者/博士前期課程在籍者/学部生・秘書・研究事務その他を想 定。)等について、アンケート調査を行なう。

④【事務局】アンケートを集計する。

⑤【参加者】パネリストにアンケート集計結果などをもとに、全分野に見られる問題点や、当該分野 特有の問 題 点について抽出・整理してもらう。また、それらを解決する現 実的な方 策 について、議 論してもらう(第二回パネル)。

2. 対象分野の設定

対象候補の大学の学部構成や、トムソンロイター社 1の分類を参照しつつ、本調査第一部(デー タ分析)との比較分析、平成 20 年度のFTE調査の結果との比較分析が行えるように、以下の 6 分 野を対象分野とした。

1 http://www.in-cites.com/journal-list/index.html

第 2 - 1 - 2 表 対象分野 分野名

対 象 と な る 主 な 学 部

論文データベース FTE 調査

パネル 1 応用物理学 理 学 部 、

工学部 物理学/工学 理学・実験系(物理学)

パネル 2 化学 理 学 部 、

工学部 化学 理学・実験系(化学)

パネル 3 基礎生物学 理 学 部 、

医学部 基礎生物学 理学・実験 系 (生物 学)/医 学・基 礎系

(基礎医学)

パネル 4 機械工学 工学部 工学 工学(機械工学)

パネル 5 数 学 ・ 理 論

物理学 理学部 物理学/数学 理 学 ・ 理 論 系 ( 数 学 ) / 理 学 ・ 理 論 系

(物理学)

パネル 6 臨床医学 医学部 臨床医学 医 学 ・臨 床 系 (内 科 系 臨 床 医 学 )/医 学・臨床系(外科系臨床医学)

3. 研究者の抽出

パネルに協力頂く研究者(パネリスト)の抽出に関しては、Snowball Sampling を行った。手順につ いては、以下のとおりである。

○ Snowball Sampling の手順

①プロジェクト委員会の委員からのご推薦や、当該分野における論文実績等を参考に Snowball の 核となる研究者を決め(「親」と呼ぶ。今回の場合は各パネル 2 名。)、その方から 2~3 名程度、

本調査にふさわしい方(「子」と呼ぶ。)を紹介してもらう。

②次に、その 2~3 名の子から、ふさわしい方(「孫」と呼ぶ。)をそれぞれ紹介してもらう。このような 段階を 3~4 回繰り返し、パネリスト候補者群を作成する。

③パネリスト候補者群から層化抽出を行い、パネリストを決定する。

○ Snowball Sampling の留意点

①Snowball Sampling の親について、我が国大学の平均値を出すのが目的ではないため、Snowball Sampling の親を我が国の近年の論文産出におけるトップクラス研究者から抽出した。

②パネリスト候補者群からの層化抽出について、大学の種別によって研究環境マネジメント方法が 異なると考えられたため、下記の 5 つの大学分類に属する研究者をパネリスト(計 7 名)として確 保できるように留意した。

<総合大学>

旧帝大(2 名)、国立総合大学(2 名)、私立大学(1 名)

<単科大学>

国公立大(1 名)、私立大学(1 名)

第 2 - 1 - 3 図 パネル参加者の層化抽出方法

■Snowball Sampling

番 号 所 属 氏 名 番 号 所 属 氏 名 番 号 所 属 氏 名

9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26

■分野等 の当ては め

番 号 所 属 氏 名

旧帝大1 1

旧帝大2 2

新制大学1 3

新制大学2 4

私立 5

国公立 6

私立 7

単科大学

6

7

8

総合大学

パ ネ ル ( 候 補 )

2 1

3

4

5

1次抽出:

合計30名程度

2次抽出:

合計7名

4. パネルの設置、運営

6 分野のパネルを、各分野 7 名(のべ 35 名)のパネリストにより構成した。結果として、パネリスト の所属する大 学分 類は、「旧 帝 大(以 下、旧 帝)」、「国立 大 学のうち総 合 大学(国 立 総合)」、「私 立大学のうち総合大学(私立総合)」、「国立大学のうち単科大学(国立単科)」、「私立大学のうち 単科大学(私立単科)」の 5 つとなった。

日程調整に配慮しつつ、各分野のパネルがほぼ同時期に進行するよう留意した。パネル開催は、

「第一回目(二時間): 11~12 月、第二回目(約四時間):1~2 月」のスケジュールで実施した。

○ パネル 6:臨床医学について

臨床医学分野においては、当該分野の特殊性(緊急の診療活動時間などのため。)と、各研究 者の多忙な状況、過去に診療時間の多さを明らかにするためのタイムスタディを学会、個別大学病 院等で多数行っており、回答協力を得づらいとの指摘がなされた。そのため、「アンケート調査+パ ネル討論」として検討することが困難 なため、複数の研究者 へのグループインタビュー形式にて代 替した。したがって、臨床医学分野に関しては、以降のアンケート調査結果部分には含まれない。

第 2 - 1 - 4 表 パネル一覧

分野 大学分類 所属 氏名(敬称略)

旧帝 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授 尾鍋 研太郎 旧帝 京都大学 大学院工学研究科 電子工学専攻 教授 藤田 静雄

国立総合 静岡大学 工学部機械工学科 教授 川田 善正

私立総合 日本女子大学 理学部 数物科学科(物理研究室) 教授 今井 元 国立単科 東 京 農 工 大 学 大 学 院 共 生 科 学 技 術 研 究 院 生 物 システム応 用 科

学府 教授 岩井 俊昭

応 用 物理

私立単科 東京理科大学 理学部第一部 応用物理学科 教授 石井 行弘 旧帝 東京大学大学院 理学系研究科 化学専攻 教授 大越 慎一 旧帝 京都大学 大学院理学系研究科 化学専攻 教授 林 民生 国立総合 三重大学 工学部 分子素材工学科 教授 清水 真 国立総合 茨城大学 理学部 理学科化学コース 機器分析センター長 教授 折山 剛 私立総合 早稲田大学 理工学部応用化学科 教授 黒田 一幸 国立単科 東 京 工 業 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 研 究 科 環 境 理 工 学 創 造 専 攻

教授 吉田 尚弘

化学

私立単科 東京理科大学 理学部化学科 教授 田所 誠

旧帝 名古屋大学 大学院理学研究科(植物科学)教授 町田 泰則 国立総合 お茶 の水 女 子 大 学 大 学 院 人 間 文 化 創 生 科 学 研 究 科 (研 究 院 基

幹部門 自然・応用科学系)教授 山本 直樹

国立総合 宇都宮大学 農学部植物病理学研究室 教授 夏秋 知英 私立総合 早稲田大学 理工学術院 先進理工学部・研究科 教授 胡桃坂 仁志 国立単科 東 京 医 科 歯 科 大 学 医 歯 学 総 合 研 究 科 国 際 環 境 寄 生 虫 病 学 分

野 教授 太田 伸生

基 礎 生物

私立単科 愛知医科大学 教授(寄生虫学教室) 木村 英作

旧帝 東京大学 大学院工学系 研究科 機械 工学専攻 流体工学研究 室

教授 松本 洋一郎

旧帝 北海道大学 大学院工学研究科機械宇宙工学専攻宇宙システム工

学講座 教授 藤田 修

国立総合 千葉大学 工学部都市環境システム学科 教授 中込 秀樹 国立総合 埼玉大学 大学院理工学研究科人間支援・生産科学部門 教授 水野 毅 私立総合 早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科 教授(伝熱工学) 勝田 正文 国立単科 東 京 工 業 大 学 精 密 工 学 研 究 所 ・大 学 院 総 合 理 工 学 研 究 科 メカノ

マイクロ工学専攻 教授 新野 秀憲

機 械 工学

私立単科 東京理科大学 工学部機械工学科 教授 山本 誠 旧帝 東京大学 総合文化研究科広域科学専攻 教授 加藤 光裕 旧帝 東北大学 大学院理学研究科 物理学専攻 教授 日笠 健一 国立総合 金沢大学 教育学部 数学科 教授 青木 健一 国立総合 神戸大学 大学院理学研究科 数学専攻 教授 齋藤 政彦 数 学

理 論 物理

国立単科 東京工業大学 数理・計算科学専攻 教授 小島 定吉 旧帝 名古屋大学大学院医学系研究科 機能構築医学専攻 教授 中尾 昭公

旧帝 大阪大学大学院医学系研究科 教授 木村 正

国立総合 群馬大学大 学院 医学系 研究科 器官 代謝制御学 講座 泌尿器 科

学 教授 鈴木 和浩

臨 床 医学

私立総合 東海大学医学部 循環器内科 教授 田邉 晃久

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