第 2 章 日英大学システムの全体構造
第 1 節 日本における大学システムの全体構造
2. 総事業費、外部受け入れ研究費、内部使用研究費
日 本の財 務 リソースについて、総 事 業 費および外 部 受け入 れ研 究 費 の総 額を以 下 に示す。総 事業費としては期間 A→D で 16%増、外部受け入れ研究費としては 80%増となっている。規模自 体は伸ばしているものの、後述する英国の大幅な拡大と比較すれば、その伸びは大きくない。
*「トップ 10%論 文 数」とは、分 野 ごとの被 引 用 数 が上 位 10%以 内となる論 文 数 を指 す。
第 1 - 2 - 2 図 日本の大学システムの総事業費・外部受け入れ研究費総額
6,922,374 7,013,832
298,410 367,734 440,150 538,036 7,325,124 6,307,145
0 1,000,000 2,000,000 3,000,000 4,000,000 5,000,000 6,000,000 7,000,000 8,000,000 9,000,000
A. 95~97 B. 98~00 C. 01~03 D. 04~06
金額(百万円)
総事業費 外部受け入れ研究費
(注 1)科 学 技 術 研 究 調 査 データを集 計 。「総 事 業 費」は、科 学 技 術 研 究 調 査 における「総 支 出 額」に相 当 。
(注 2)A~D の各 期 間 における金 額 を年 平 均 に換 算 。
日本(科学技術研究調査)では、総事業費・外部受け入れ研究費以外にも、大学が研究活動に 支出した金額を示す「内部使用研究費」のデータが得られる。以下では、これを国公私立別に集計 し、その特徴を分析した。
まず、内部使用研究費の総額を国公私立大学別に集計した結果を以下に示す。期間 A→D に おいて、国立が 19%、私立が 18%、公立 11%の伸びを示しており、総事業費の伸びと概ね対応し ている。
第 1 - 2 - 3 図 内部使用研究費総額の推移
0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 1,600,000 1,800,000 2,000,000
A. 95~97 B. 98~00 C. 01~03 D. 04~06
金額(百万円)
国立 私立 公立
上図を見ると総額では私立大学の方が国立大学よりも大きいが、これは私立大学が非常に多数
存在しているためである。実際、1 大学当たりに換算すると国立大学の規模が大きく、資源が集中し ていることが分かる。
第 1 - 2 - 4 図 内部使用研究費総額の推移(1 大学当たり)
0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000
A. 95~97 B. 98~00 C. 01~03 D. 04~06
1大学当たり金額(百万円/大学)
国立 私立 公立
また、内部使用研究費に占める人件費の比率を以下に示す。これを見ると、国立大学に比べて、
私立・公立大学の人件費比率が高いことが分かる。つまり、実質的に研究へ支出できる金額(総額 から人件費を除いた部分)*に注目すれば、国立大学への資源集中傾向はさらに強まることになる。
大 学 システム全 体の資 源 分 布 については次 章 以 降で詳 しく分 析 するが、以 上 の結 果 から研 究 費 は規模の大きな国立大学に集中している状況が確認できる。
第 1 - 2 - 5 図 内部使用研究費に占める人件費比率の推移
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
A. 95~97 B. 98~00 C. 01~03 D. 04~06
国立 私立 公立
* 科 学 技 術 研 究 調 査 において、内 部 使 用 研 究 費 に含まれる「人 件 費」には研 究 以 外 の活 動(教 育 など)に費 やされた部 分 も含 んでいる。従って、内 部 使 用 研 究 費 総 額 から人 件 費 部 分 を除くことで、研 究 活 動 に直 接 支 出 された部 分 を、より正 確 に抽 出 で きる。