• 検索結果がありません。

97

98

b. ガラスバイアル 口内径 6mm 以上で容量が約 2mL のもの。

3)使用装置

測定に使用する装置は次による。尚、GC/MS/MS の満たすべき条件は、装置、測定条 件によって異なる。

a. 多層シリカゲルカラム加熱用ヒーター 温度調節機能を備えたもので、多層シリ カゲルカラムに充填した硫酸被覆シリカゲルの上層 3cm を目的温度で持続的に加熱 できるもの。

b. アルミナカラム加熱用ヒーター 温度調節機能を備えたもので、アルミナカラム に充填したアルミナを目的温度で持続的に加熱できるもの。

c. ガスクロマトグラフ

ⅰ 試料導入部: スプリットレス方式で温度を 220℃以上 300℃以下にできるもの、

又はクールドオンカラム方式で温度を 100℃以上 300℃以下にできるもの。

ⅱ カラム: 0.53mm 長さ 10m のキャピラリーカラムで、前段に内径 0.1mm 長さ 0.6m の液相を使用していないキャピラリーカラムを接続したもの。使用する GC カラムは PCB 全 209 各化合物の溶出位置が実際の測定に採用する GC 条件において判明してい なければならない。

ⅲ キャリヤーガス: 純度 99.999%以上のヘリウムを用いる。いずれも適切な線速 度に調節する。

ⅳ カラム恒温槽温度: 60℃以上 320℃以下の間で温度を一定に保つことができ、1 分間に 20℃以上の昇温ができるもの。

d. 質量分析計

ⅰ トリプルステージ(タンデム、三連四重極)型質量分析計であって、前駆イオン をアルゴンガスにより衝突誘起解離させて生じた生成イオンを測定できるもの。

ⅱ 接続部温度: 220 から 300℃で使用可能なもの。

ⅲ イオン源: 電子イオン化(EI)方式が可能で、温度を 200℃以上に保てるもの。

ⅳ 電子加速電圧: 20 から 70V で使用可能なもの。

(4) 前処理 1) 試料の調製

a. 試料約 0.1g

※2)

を試験管に秤量し、100ng/μL のクリーンアップスパイク溶液 20μL

※3)

を添加した後、イソオクタンを加えて全量を約 200μL とする。

b. (4).1.a で調製した溶液を多層シリカゲルカラムに移し入れ、試験管をイソオクタ ン 200μL で 3 回洗い込んだ後、イソオクタン 200μL にて多層シリカゲルカラムの 内壁を洗浄する

※4)

99

c. 多層シリカゲルカラムに移し入れた溶液が展開している部分

※5)

を多層シリカゲ ルカラム加熱用ヒーターで 85℃にて 60 分間

※6)

加熱した後、多層シリカゲルカラム を 40℃以下になるまで放冷する。

d. アルミナカラムを多層シリカゲルカラム下端に接続した後、ヘキサン 20mL

※7)

を 流下させる。

e. アルミナカラムを多層シリカゲルカラムと切り離し、アルミナカラム加熱用ヒー ターで 85℃

※8)

に加熱しながら、清浄な空気もしくは窒素をアルミナカラムに吹き 込み、アルミナカラムに残留しているヘキサンを乾燥する。

f. 上下逆転させたアルミナカラムをアルミナカラム加熱用ヒーターで 85℃に加熱し ながらトルエン 600μL

※9)

を添加し、アルミナカラム下端にガラスバイアルを置い て、約 200 から 300μL の溶出液を得る。100ng/mL のシリンジスパイク溶液 20μL

※3)

を添加してよく攪拌したものを測定溶液とする。

(5) 機器測定 1) 測定条件

測定条件例、各塩素のクロマトグラフ例を附属書 2.3.1 に示す。

2) 定量法(1)

a.

測定質量数の設定 対象物質及びクリーンアップスパイクそれぞれのプリカ ーサーイオン及びプロダクトイオン(m/z)(付表 2.3.1.1)を設定し、各ピーク の保持時間が適切な範囲にあり、要求される下限値は約 1ng/mL が満たされ、安 定した応答が得られるように、装置を適切に設定する ※10)

b. 質量分析計の調整 装置が作動している状態で必要な項目の条件を設定した後、

質量校正用標準物質を導入し質量校正用プログラムによって行う。

c. 検量線の作成

検量線用 PCB 標準溶液を用いて、JIS K0093 の 6.5 に従って検 量線を作成する。

d. 相対感度の算出 各標準物質及びクリーンアップスパイクのピーク面積を求め、

各標準物質の対応する内標準物質に対するピーク面積の比と注入した標準溶液中の その標準物質とクリーンアップスパイクの濃度の比を求めて検量線を作成し、相対 感度係数(以下 RRF) を算出する。同一塩素数に 2 種類以上の標準物質がある場合 は、それぞれから算出された RRF の平均値とする。

の濃度 標準溶液中の標準物質 クのピーク面積

クリーンアップスパイ

アップスパイクの濃度 標準溶液中のクリーン

標準物質のピーク面積

  RRF

e. 試料の測定 前処理操作で得られた測定溶液を GC/MS/MS に注入し、得られたクロ

100

マトグラムから PCB 化合物の種類ごとに、次に掲げる式によって試料中の濃度を算 出する。尚、PCB 化合物の同定に当たっては、相対溶出時間およびピークにおける イオン強度比が PCB 標準物質および PCB 同定用物質のものとほぼ同等であること。

f. PCB 濃度の算出 (5).2).e で算出した個々の PCB 濃度の総和を、試料中の PCB 濃 度とする。

g. 回収率の確認 クリーンアップスパイクの回収率は、JIS K0093 の 6.4 i)に従っ て算出し、二塩化ビフェニルから八塩化ビフェニルにおいていずれも 50 %以上 120 % 以下であることを確認しておく。

算出された数値の精度管理に関しては、「1.5 精度管理について」に従うこと。

3) 定量法(2)

本法では、簡易定量法として 13 異性体を測定して、PCB 量に換算する方法も採用す ることができる。この計算法については後述の 2.6 PCB の一部の化合物濃度から全 PCB 濃度を計算する簡易定量法を参照すること。尚、13 異性体の分析のためには、ガスク ロマトグラフの分離を良くすることが望ましい。

算出された数値の精度管理に関しては、「1.5 精度管理について」に従うこと。

(6) 留意事項

測定操作において留意すべき点を以下に示す。

※1 これらのカラムは実験室内で自製しても良い。自製した場合は、十分な精製効 果及び回収率が得られることを確認しておくこと。尚、商品化された製品もあり、

又、カラムを装着して試料の前処理を行う装置もあるので、便利に用いることが できる。これらのカラムは、洗浄された状態で販売されているカラムを用いる時 は、特に使用前の洗浄は行わなく済む。

※2 試料量は減量しても良いが、秤量に用いる天秤の精度と PCB の測定における感 度が確保されることを確認すること。

※3 これと異なる濃度を用いても良い。但し、添加量は 50μL 以下とすること。

※4 多層シリカゲルカラムに移し入れる溶液及び洗浄液量は合計でほぼ 1mL とする。

この液量以下あるいは以上であると精製効率が低下することがある。

※5 硫酸被覆シリカゲルの上層約 3cm に相当する。この部分以外を加熱すると精製 当該塩素化合物の濃度(ng/g)=

当該塩素化合物のピーク面積×試料に添加した内標準物質の量(ng)

当該塩素化合物の濃度 (ng/g)= 当該塩素化合物に対応する内標準物質のピーク面積×RRF 当該塩素化合物の濃度 (ng/g)= 1

試料量(g)

×

試料量(g)

101

効率の低下及び PCB の回収率低下が発生することがある。尚、加熱範囲にあるカ ラム中心部分の温度が設定温度になるように、予め加熱条件を検討しておくこと。

※6 加熱温度は 60℃から 90℃の範囲で、加熱時間は任意の範囲で変化させても良 いが、85℃にて 60 分間加熱する場合と同等の精製効果が得られること。

※7 ヘキサンの液量を変化させても良いが、PCB の回収率が確保されることを確認 すること。

※8 加熱温度を変化させても良いが、PCB の回収率が確保されることを確認するこ と。

※9 トルエンの液量を変化させても良いが、PCB の回収率と測定における感度が確 保されることを確認すること。

※10 質量取込時間を長くしたり、グルーピングを行っても良い。又、四重極の配 置やコリジョンガスが異なる装置において感度が取れない場合には設定質量やコ リジョンエネルギーを調整する。

102