No.30)、2,3,3',4-テトラクロロビフェニル(IUPAC No.55)、シリンジスパイクに 2,2’4,4’,6,6’-へキサブロモビフェニルを用い、それぞれのクリーンアップスパイ クについて個別の RRF を算出する。
b. クリーンアップスパイクの回収率の確認
試料溶液をGC/NICI-MSに注入して測定し、各内標準物質のピーク面積を読み取り、次に掲 げる式によって、クリーンアップスパイクの回収率を算出する。
クリーンアップスパイクである 2,4,6-トリクロロビフェニル(IUPAC No.30)、
2,3,3',4-テトラクロロビフェニル(IUPAC No.55)それぞれについて回収率を算出し、
そのそれぞれの回収率が 70%以上 120%以下の範囲から外れるときは再度前処理を行い、再 分析する
※10)
。なお、スルホキシドカートリッジは、特徴的な PCB 異性体の溶出パターンを持ってい る為、IUPAC No.55 と IUPAC No.207 の PCB 異性体などについても(5).5).a.及び (5).5).b.と同じ手法で回収率を求め、前処理での回収状況で判断を行う
※11)
。6) 定量法 a. K値の算出
(5).4).でアサインした検量線用 PCB 標準溶液のクロマトグラムのピークごとに、ピ ーク面積(A1)を読み取り、その面積と当該ピークのピーク番号に対応する CB0(%)
から次の式によって K 値を算出する
※12)
。クリーンアップスパイク
の回収率(%) =
100
×
RRF
= ×
クリーンアップスパイクのピーク面積
シリンジスパイクのピーク面積 高さ
クリーンアップスパイクのピーク面積 RRF=
シリンジスパイクのピーク面積
122
1
% A K CB
b. CB
2
(%)の算出(5).4).でアサインした試料溶液のクロマトグラムのピークごとに、ピーク面積(A2)
を読み取り、その面積と当該ピークのピーク番号にかかる K 値から次の式によって CB
2
(%)を算出する※12)
。CB
2
(%) = K × A2c. PCB濃度の定量
次に掲げる式によって試料の PCB 濃度(mg/kg)を求める
※12) 、※13)
。(6) 留意事項等
測定操作において留意すべき点などを以下に示す。
※1 GC/NICI-MS法は、PCB等ハロゲン化合物に高感度かつ高選択的に検出が可能であ り、また、絶縁油の主成分である炭化水素には感度がない利点を有するため、精製 操作を簡略化できる可能性があるが、絶縁油成分が多く残っている場合など夾雑成 分が多い場合、EI法よりイオン化に夾雑物の影響を受け易い特徴がある。
※2 溶出状況は条件により異なるため、事前にPCB標準溶液や絶縁油で溶出挙動や回 収率を確認する。
※3 クリーンアップスパイクは、工業製品において主要な異性体を避け、定量値に 影響を与えないピークであり、前処理操作においてPCB工業製品と挙動の似た異性 体を選択することが重要である。濃度及び添加量は、分析装置の感度等から判断し 決定すれば良い。最終希釈はヘキサンで行うこと。
※4 濃度及び添加量は、分析装置の感度等から判断し決定すれば良い。
※5 本硫酸処理((4).1)b.から(4).1).f)は試料によって省略して差し支えない場 合がある。そのことが明らかな場合は、油試料0.2gを秤り取り、これにクリーンア
測定溶液の量(mL) 試料量(g) PCB濃度
(mg/kg)=
Σ CB
2
(%)Σ CB
0
(%) PCB標準溶液の濃度(μg/mL)× ×100
クリーンアップスパイクの回収率( %)
×
測定溶液の量( mL ) 試料量( g ) PCB 濃度
( mg/kg ) = Σ CB
2 (%) Σ CB
0 (%) PCB 標準 溶 液の濃度( μ g / mL ) × ×
100
クリーンアップスパイクの回収率( % )
×
123
ップスパイク混合溶液100μL
※7)
、ヘキサン200μLを加えて混和して、その全量を用 いてスルホキシドカートリッジで処理((4).2)以降)を行う。但し、この本硫酸処 理を省略した前処理を行い、例のクロマトグラム上に以下のような異常が認められ る場合は、本硫酸処理を省略してはならない。・1臭素化ビフェニルのピーク形状の変化(高さ比 1/3 以下のブロード化)。
・2臭素化ビフェニルのピーク形状の変化(高さ比 1/5 以下のブロード化)。
・m/z35 のクロマトグラムの異常(ベースラインの上昇、ピーク分離の変化、ピーク のブロード化)。
・特定の時間帯でのピークの感度低下。
なお、一連の硫酸処理を行いスルホキシドカラムカートリッジクリーンアップした 試料溶液におけるクリーンアップスパイク(2,3,5-トリクロロビフェニル/IUPAC No.23と2,4,6-トリクロロビフェニル/IUPAC No.30)の回収率が、70%以上120%以下 の範囲から外れるときは、再度硫酸処理を実施する。
※6 試料量は減量しても良いが、秤量に用いる天秤の精度とPCBの測定における感度 が確保されることを確認すること。量り取った量を有効数字3桁以上で記録する。
※7 クリーンアップスパイク及びシリンジスパイクについては、これらと異なる濃 度を使用しても良いが、測定用液中の濃度が検量線用PCB標準溶液と同じ濃度になる ようにすること。
※8 定容量は、分析装置の感度や内標準物質の濃度、夾雑物の濃度などの条件を満 たせば増減しても良いが、十分に事前検討を行うこと。
※9 感度が良好な場合、附属書添付の例よりも多くのピーク確認できる場合がある。
※10 PCB濃度が高い試料を分析した時は、その中に含まれるクリーンアップスパイ クが加えて測定されているため、回収率が高く求められる。このような時は絶縁油 試料を希釈して再分析する必要がある。
※11 該当異性体の回収が出来ていない場合、スルホキシドカラムの分画条件を再 確認後、該当試料の再分析を行う。
※12 用いたPCB内標準物質をΣCB0(%)及びΣCB2(%)の計算から除く。
※13 計算式において、「クリーンアップスパイクの回収率 (%)」は2,4,6-トリク ロロビフェニル(IUPAC No.30)と2,3,3',4-テトラクロロビフェニル(IUPAC No.55)
の平均回収率を採用する。