第 2 章 感度解析に基づく託送経路特定手法
2.6. 提案手法のシミュレーションによる検証
2.6.5. 託送経路の特定
本節では、始めに IEEE30 モデルにおいて四つの託送を想定し、提案手法によりそれぞれの託 送経路を特定する。その後、日本の系統モデルであるEAST10モデルにおいて二つの託送を想定 し、託送経路を特定する。
IEEE30モデルでは、図2.6-9のように133kV側の発電所と33kV側の負荷の間に以下の四つの 託送を想定した。
【ケース1:標準距離託送】ノード1(発電所)-ノード23(需要家)
【ケース2:短距離託送】ノード1(発電所)-ノード12(需要家)
【ケース3:長距離託送】ノード1(発電所)-ノード29(需要家)
【ケース4:ケース1の発電所が異なるケース】ノード8(発電所)-ノード23(需要家)
58
図 2.6-9 IEEE30モデルにおけるシミュレーションケース
2 1
3
4
5
6
7 8
9
1 0 12 11
13 14
15
16 17
18 19
20 21
22
23 24 25
26
27
28 30 29
G G G
G C C
ケース1 ケース2 ケース3 ケース4
59 (1) 【ケース1】ノード1-23間の託送
始めにケース 1 の託送経路を特定する。以下に図2.4-1 の託送経路特定手法のアルゴリ ズムとの対応を示す。
[step1]IEEE30モデルに対しアドミタンス行列を作成する。
[step2]ケース1の発電所は、ノード1のため、スラックノードをノード1と指定する。
[step3]式(2.3-17)~式(2.3-48)により式(2.3-11)のヤコビ行列GX(60行60列)を作成する。
[step4]操作変数として各ノードの有効電力出力を指定する。
[step5] 式(2.3-17)、式(2.3-18)、式(2.3-21)、式(2.3-22)よりヤコビ行列GU(60行30列)を作 成する。
[step6] 式(2.3-14)により感度行列 S(60行 30列)を計算する。感度行列は式(2.6-1)の構成 となる。
ここでは、式(2.6-1)の感度行列のうち、ケース1のノード1-23間の託送経路特定に関係す る23列に着目する。23列はノード23の有効電力を操作した時の各ノードの従属変数に関 する感度である。託送経路の特定には、ノード 23 の有効電力を操作した時の各ノードの 電圧及び位相に関する感度が必要となる。ここで注意すべきことは、2.3.1項で述べたよう にノードの種類により従属変数が異なるため、全ノードの電圧及び位相に関する感度が式 (2.6-1)に含まれていない点である。負荷ノード(P-Q 指定ノード)では、従属変数がノー ド電圧及び位相のため、ノード電圧及び位相に関する感度が式(2.6-1)で求められている。
発電所ノード(P-V指定ノード)では、従属変数が位相及び無効電力のため、ノード位相 及び無効電力に関する感度が式(2.6-1)で求められている。スラックノード(E-θ指定ノー ド)では、従属変数が有効電力及び無効電力のため、ノード有効電力及び無効電力に関す る感度が式(2.6-1)で求められている。
従って、発電所ノードのノード電圧に関する感度及びスラックノードにおけるノード電 圧及び位相に関する感度が式(2.6-1)には含まれていないため計算する必要がある。しかし、
これらの感度はいずれも潮流計算時の指定値であることを考慮すると、有効電力の変動に より影響を受けないため0となることがわかる。
60
⎥⎥
⎥⎥
⎥⎥
⎥⎥
⎥⎥
⎥⎥
⎥⎥
⎥⎥
⎥⎥
⎥⎥
⎥⎥
⎥
⎦
⎤
⎢⎢
⎢⎢
⎢⎢
⎢⎢
⎢⎢
⎢⎢
⎢⎢
⎢⎢
⎢⎢
⎢⎢
⎢⎢
⎢
⎣
⎡
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂ ∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂ ∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂ ∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂ ∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂ ∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂ ∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
30 30 29
30 23
30 2
30 1
30
30 30 29
30 23
30 2
30 1
30
30 29 29
29 23
29 2
29 1
29
30 29 29
29 23
29 2
29 1
29
30 2 29
2 23
2 2
2 1
2
30 2 29
2 23
2 2
2 1
2
30 1 29
1 23
1 2
1 1
1
30 1 29
1 23
1 2
1 1
1
P P
P P
P
P E P
E P
E P
E P E
P P
P P
P
P E P
E P
E P
E P E
P P
P P
P
P Q P
Q P
Q P
Q P
Q
P Q P
Q P
Q P
Q P
Q
P P P
P P
P P
P P
P
θ θ
θ θ
θ
θ θ
θ θ
θ
θ θ
θ θ
θ
L L
L L
L L
L L
M M
O M
M
M M
O M M
L L
L L
L L
L L
(2.6-1)
以上より、ノード1-23間の託送経路を特定するために必要なノード23の有効電力操作 時の各ノード電圧及び位相に関する感度の計算結果は表 2.6-8 となった。また、これを図 示したものが図2.6-10及び図2.6-11である。
最初にノード電圧の感度に注目する。表 2.6-8 より各感度がマイナスの値をとっている ことがわかる。これは、ノード 23 の有効電力(負荷)が大きくなった場合に、電圧が降 下することを示している。次に大きさに注目すると、表2.6-8 及び図 2.6-10より操作対象 となっているノード23の感度が最も大きく-0.1067となっていることがわかる。また次に 大きな値をとっているのは、隣接ノードであるノード24及びノード15の感度であり、そ れぞれ-0.0543、-0.0437 となっている。一方、ノード 23 から遠いノード 3、6、7、9、28 の感度は-0.01 以下とノード23の感度の1/10 以下と小さな値となっていうことがわかる。
以上より、有効電力を操作した場合、操作ノードを中心に電圧降下幅が大きくなることが わかる。
次に位相に関する感度に注目する。表 2.6-8 より、ノード電圧の感度と同様に各感度が マイナスの値をとっていることがわかる。これは、ノード 23 の有効電力(負荷)が大き くなるにつれて、位相差が大きくなることを示している。次に、感度の大きさに注目する と、電圧の感度と同様の傾向となっており、操作変数の対象となっているノード 23 の感 度が最も大きく-0.3594となっており、続いて隣接ノードであるノード24、15の感度が大 きな値をとっていることが表2.6-8 及び図2.6-11 よりわかる。以上より、位相についても
61
有効電力を操作した場合、操作ノードを中心に位相差が大きくなることがわかる。
表 2.6-8 ノード23における有効電力操作時の各ノード電圧・位相の感度
ノード 電圧感度 位相感度 ノード 電圧感度 位相感度 1 0.0000 0.0000 16 -0.0121 -0.1840 2 0.0000 -0.0376 17 -0.0126 -0.1761 3 -0.0095 -0.0627 18 -0.0329 -0.2173 4 -0.0121 -0.0779 19 -0.0265 -0.2032 5 0.0000 -0.0623 20 -0.0229 -0.1955 6 -0.0087 -0.0864 21 -0.0189 -0.1851 7 -0.0057 -0.0765 22 -0.0210 -0.2180 8 0.0000 -0.0900 23 -0.1067 -0.3594 9 -0.0096 -0.1424 24 -0.0543 -0.2405 10 -0.0123 -0.1724 25 -0.0293 -0.1878 11 0.0000 -0.1424 26 -0.0299 -0.1883 12 -0.0130 -0.1923 27 -0.0140 -0.1546 13 0.0000 -0.1923 28 -0.0097 -0.0936 14 -0.0236 -0.2186 29 -0.0145 -0.1553 15 -0.0437 -0.2402 30 -0.0148 -0.1556
62
図 2.6-10 ノード23における有効電力操作時の各ノード位相の感度
63
図 2.6-11 ノード23における有効電力操作時の各ノード位相の感度
64
[step7]線路電力潮流感度の計算:[step6]の感度行列と式(2.3-55)をより、線路電力潮流感度 を計算する。感度行列は式(2.6-2)の構成となる。
⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢
⎢⎢
⎢⎢
⎢⎢
⎢⎢
⎢⎢
⎣
⎡
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂ ∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂ ∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
∂
' 30 41 '
29 41 '
23 41 '
2 41 '
1 41
' 30 40 '
29 40 '
23 40 '
2 40 '
1 40
' 30
2 '
29 2 '
23 2 '
2 2 ' 1 2
' 30
1 '
29 1 '
23 1 '
2 1 ' 1 1
P P P
P P
P P
P P P
P P P
P P
P P
P P P
P P P
P P
P P
P P
P
P P P
P P
P P
P P
P
L L
L L
M M
O M
M
M M
O M M
L L
L L
(2.6-2)
式(2.6-2)において、各要素の分子は線路電力潮流であり、分母’はノード有効電力である。
IEEE30 モデルは 30 ノード 41 ブランチの系統のため、線路電力潮流感度行列は 41 行 30 列となる。式(2.6-2)におけるM列(M=1、2、…、30)の要素がノード1-M間の託送経路特定 に使用する線路電力潮流感度となる。従って、経路を特定する託送はノード1-23間のため、
式(2.6-2)の23列目の要素が託送経路の特定に必要な線路電力潮流感度となる。これを抜粋 したものが表2.6-9である。そして、表2.6-9より託送経路を特定した結果が図2.6-12であ る。図2.6-12における実線矢印は感度が0.1以上の経路を示したものであり、実線の太さ が潮流量に対応している。表2.6-9における感度の符号は表2.6-2の対応表の左ノードから 右ノードの潮流を正としている。また、表2.6-9 のブランチ番号と図 2.6-12のノード番号 の対応は表2.6-2のとおりである。
始めに、表2.6-9において、発電端に接続されているブランチ1、2と受電端に接続され ているブランチ30、32に注目する。すると、ブランチ1、2の感度はそれぞれ0.6501、0.4019 であるので、0.6501+0.4019=1.0520より、発電端は託送量の105.2%を発電していることが わ か る 。 一 方 、 ブ ラ ン チ 30、32 の 感 度 は そ れ ぞ れ 0.5901、0.4148 で あ る の で 、 0.5901+0.4148=1.0049より、受電端は100.49%となっていることがわかる。以上より、ノー ド1-23間に託送が行われている様子がわかる。ここで発電量が受電量より託送量の4.71%
大きな値となっているが、これは送電損失を考慮しているためである。
次に託送経路について考える。図2.6-11よりノード1-23間の託送における主要託送経路 は、ノード1-4-12-15-23とノード1-6-10-22-24-23の二つであることがわかる。この二つの 経路を使用して、それぞれ全託送量の約 40%、30%が託送されていることが表 2.6-9 より わかる。その他の経路としては、ノード9-20-19-18-15及びノード6-28-27-25-24-23となっ
65
ていることが図2.6-12より読み取ることができる。
表 2.6-9 ノード1-23間の託送における線路電力潮流感度
ブランチ
線路電力 潮流感度
ブランチ
線路電力 潮流感度
ブランチ
線路電力 潮流感度 1 0.6501 15 0.4522 29 0.1671 2 0.4019 16 0.0000 30 0.5901 3 0.2452 17 0.1000 31 0.2764 4 0.3943 18 0.3898 32 -0.4148 5 0.1254 19 -0.0376 33 -0.1421 6 0.2812 20 0.0986 34 0.0000 7 0.1741 21 -0.0375 35 -0.1432 8 0.1240 22 -0.1065 36 0.1452 9 -0.1225 23 -0.1054 37 0.0001 10 0.0287 24 -0.1052 38 0.0001 11 0.2731 25 0.1079 39 0.0000 12 0.1525 26 0.0381 40 0.0297 13 0.0000 27 0.1691 41 0.1161 14 0.2731 28 0.1106
66
図 2.6-12 ノード1-23間の託送経路特定結果
2 1
3
4
5
6
7 8
9 10
12 11 13
14
15
16 17
18 19
20 21
22
23 24 25
26
27
28 30 29
G G G
G
C C
(2)
1 同 ら る ー
が り 表 2.6
ブ あ か で
【ケース2】 次に短距離
(ノード1-2 同一発電所が ら託送経路の るように、ケ ースの託送経
表2.6-10に が図2.6-14で
、実線の太 表の左ノード 6-14のノー
図 2.6-14に ブランチ15~
あるので、0.6 かる。一方、受 であるので、
ノード1-1 離の託送を想
23間の託送 が他の負荷ノ の特定が可能 ケース 1 の時 経路を特定す
図 2.6
に12 列目の である。図2 太さが潮流量 ドから右ノー ード番号の対
において、発
~19に注目す 6215+0.4024 受電端のブラ
、受電端に
12間の託送 想定したノー 送)と発電所
ノードと託送 能なため、今 時に計算した することがで
-13 線路電
の線路電力潮 2.6-14におけ 量に対応して
ードの潮流を 対応は表
2.6-発電端に接続 する。する 4=1.0239よ ランチ15~
に流れ込む合 67 送
ード1-12間 が同じであ 送を行ってい 今回のケース た線路電力潮 できる。
電力潮流感度
潮流感度を示 ける実線矢印 ている。表
を正としてい -2のとおり 続されてい と、ブラン り、発電側は
19の感度は 合計は潮流
の託送経路 る。従って いる場合は、
スでは新たな 潮流感度行
度と託送経路
示す。表2.6 印は感度が 2.6-10にお いる。また
である。
るブランチ ンチ1、2の感
は託送量の はそれぞれ0
方向を考慮
路を特定する
、2.4.2項の
、同一の線路 な計算は必要
列の 12 列
路の関係
6-10より託送 0.1以上の経 ける感度の
、表 2.6-10
1、2 と受電 感度はそれぞ 102.39%を発 0.6204、0、-0 慮すると 0.
る。この託送 [step9]にあ 路電力潮流 要ない。図 目の要素よ
送経路を特 経路を示し の符号は表 2 0 のブラン
電端に接続 ぞれ0.6215 発電してい 0.0386、-0.15
.6204+0+0.0
送は、ケース るように、
感度行列か 2.6-13にあ り、当該ケ
定した結果 たものであ 2.6-2 の対応 チ番号と図
されている
、0.4024で ることがわ 599、-0.1810 0386+0.1599 か あ ケ
果
応 図
で わ 0 9
68
+0.1810=0.9999 より 99.99%となる。以上より、ノード 1-22 間に託送が行われている様子 がわかる。ここで発電量が受電量より託送量の2.4%大きな値となっているが、これは送電 損失を考慮しているためである。また、ケース1では送電損失が4.71%であったことを考 慮すると、ケース2はケース1に比べ託送距離が短いために送電損失が小さくなっている ことがわかる。
次に託送経路について考える。図2.6-14より、主要な託送経路はノード1-2-4とノード 1-3-4の潮流がノード4で合流しノード 4-12を通る経路である。この経路を使用して、全 託送量の62.15%が託送されていることが表2.6-10よりわかる。この他に、ノード15、16 を通って回り込む潮流もそれぞれ全託送量の 15.99%、18.1%あり、ノード 1-12 間のよう な短距離の託送においても回り込みの潮流が発生していることがわかる。
表 2.6-10 ノード1-12間の託送における線路電力潮流感度
ブランチ
線路電力 潮流感度
ブランチ
線路電力 潮流感度
ブランチ
線路電力 潮流感度 1 0.6215 15 0.6204 29 0.0237 2 0.4024 16 0.0000 30 -0.1009 3 0.2553 17 -0.0386 31 0.0392 4 0.3948 18 -0.1599 32 -0.1006 5 0.1133 19 -0.1810 33 -0.0621 6 0.2545 20 -0.0381 34 0.0000 7 0.0203 21 -0.1799 35 -0.0628 8 0.1121 22 -0.0976 36 0.0636 9 -0.1107 23 -0.0935 37 0.0001 10 0.0125 24 -0.0934 38 0.0000 11 0.2025 25 0.0957 39 0.0000 12 0.1134 26 0.1807 40 0.0133 13 0.0000 27 0.0239 41 0.0505 14 0.2025 28 0.0156
69
図 2.6-14 ノード1-12間の託送経路特定結果
2 1
3
4
5
6
7 8
9 11 10
12 13
14
15
16 17
18 19
20 21
22
23 24 25
26
27
28 30 29
G G G
G
C C
70 (3) 【ケース3】ノード1-29間の託送
続いてに長距離の託送を想定したノード1-29間の託送経路を特定する。この託送につい ても、ケース 1、ケース2 と発電所が同じであるため、託送経路の特定に必要な線路電力 潮流感度はケース1で既に計算されている。従ってケース2と同様に、新たな計算は必要 ない。ケース 1 の時に計算した線路電力潮流感度行列の 29 列目の要素より、当該ケース の託送経路を特定することができる。
表2.6-11に 29列目の線路電力潮流感度を示す。表2.6-11より託送経路を特定した結果 が図2.6-15である。図2.6-15における実線矢印は感度が0.1以上の経路を示したものであ り、実線の太さが潮流量に対応している。表 2.6-11における感度の符号は表 2.6-2 の対応 表の左ノードから右ノードの潮流を正としている。また、表 2.6-11 のブランチ番号と図 2.6-15のノード番号の対応は表2.6-2のとおりである。
図 2.6-15において、発電端に接続されているブランチ 1、2 と受電端に接続されている ブランチ37、39に注目する。すると、ブランチ1、2の感度はそれぞれ0.6770、0.3878で あるので、0.6770+0.3878=1.0648より、発電側は託送量の106.48%を発電していることがわ かる。一方、受電端のブランチ37、39の感度はそれぞれ0.7442、-0.2812であるので、受 電端に流れ込む合計は潮流方向を考慮すると 0.7442+0.2812=1.0254より 102.54%となる。
以上より、ノード1-29間に託送が行われている様子がわかる。ここで発電量が受電量より 託送量の 3.94%大きな値となっているが、これは送電損失を考慮しているためである。ま た、ケース1、ケース2では送電損失がそれぞれ4.71%、2.4%であったことを考慮すると、
ケース3は中間の値となっている。この理由について、託送経路を踏まえて考察する。
主要な託送経路は図2.6-15よりノード28-27(ブランチ36)の変圧器を通るルートであ り、この経路を利用して、全託送量の 68.16%が託送されていることが表 2.6-11 よりわか る。この他に、ノード 4-12(ブランチ 15)、ノード 6-9、10(ブランチ 12、14)を通って それぞれ全託送量の16.31%、19.3%が託送されている。また、需要家であるノード29は、
ノード28-27 の変圧器からの距離が近いことがわかる。以上より、ケース3では、送電損 失の少ない132kV系統の経路を通して託送の多くが実施されているため、ケース1に比べ 託送距離が長いにも関わらず送電損失は小さくなったと考えられる。
以上、託送距離の異なる3ケースについて託送経路を特定したが、提案手法では、これ らの経路を特定するために必要な計算は一回であることがわかる。既存手法である潮流計 算反復法では、託送毎に潮流計算を実施する必要があるため、この点は既存手法に比べ大