第 5 章 系統利用状況を反映した託送料金設定手法
5.3. 提案手法のシミュレーションによる検証
5.3.1. 託送料金算出手順
ここでは提案した託送料金設定手法をIEEE30モデルに適用し、ノード1-23間の託送を例に託 送料金算出手順を示す。
(1) 郵便切手方式による料金の算定
IEEE30モデルにおける送電設備の費用の合計は923万4千ドルである。一方、総需要は、
249万1344[MWh]であった。従って、式(5.2-12)中のUCPS2は式(5.2-1)より3.71[$/MWh]と なる。
(2) 潮流方向係数αの算定
潮流方向係数αの算定には送電線亘長、線路電力潮流感度、送電線潮流が必要となる。
各値はそれぞれ表5.3-1、表5.3-2(表2.6-9再掲)、表5.3-3となった。各表におけるブラン チ番号とノード番号の対応は表2.6-2である。また、表5.3-2における感度及び表5.3-3に おける送電線潮流の符号は表 2.6-2 の対応表の左ノードから右ノードの潮流を正としてい る。はじめに式(5.2-2)よりα′を計算する。ここでは、主要託送経路は託送の 5%とした。
従って、表5.3-2より主要託送経路送電線数は30となる。表5.3-2と表5.3-3の符号が同じ 送電線では線路電力潮流感度の絶対値、異なる送電線では線路電力潮流感度の絶対値に-1 を乗じた値をaとし、α′を計算したところ0.826となった。次にα′とA、Bより潮流方向 係数αを計算する。ここでは、A、Bはそれぞれ1.2、0.8とした。式(5.2-3)より潮流方向係 数αは1.165となった。
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表 5.3-1 IEEE30モデルの送電線亘長
ブランチ 亘長[km] ブランチ 亘長[km] ブランチ 亘長[km]
1 40 15 17 29 15 2 60 16 5 30 27 3 85 17 40 31 31 4 33 18 32 32 31 5 120 19 20 33 12 6 127 20 25 34 30 7 65 21 37 35 25 8 20 22 25 36 15 9 18 23 24 37 20 10 65 24 10 38 40 11 7 25 32 39 35 12 15 26 19 40 130 13 10 27 29 41 120 14 5 28 27
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表 5.3-2 ノード1-23間の託送における線路電力潮流感度
ブランチ
線路電力 潮流感度
ブランチ
線路電力 潮流感度
ブランチ
線路電力 潮流感度 1 0.6501 15 0.4522 29 0.1671 2 0.4019 16 0.0000 30 0.5901 3 0.2452 17 0.1000 31 0.2764 4 0.3943 18 0.3898 32 -0.4148 5 0.1254 19 -0.0376 33 -0.1421 6 0.2812 20 0.0986 34 0.0000 7 0.1741 21 -0.0375 35 -0.1432 8 0.1240 22 -0.1065 36 0.1452 9 -0.1225 23 -0.1054 37 0.0001 10 0.0287 24 -0.1052 38 0.0001 11 0.2731 25 0.1079 39 0.0000 12 0.1525 26 0.0381 40 0.0297 13 0.0000 27 0.1691 41 0.1161 14 0.2731 28 0.1106
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表 5.3-3 ノード1-23間の託送における送電線潮流
(3) 託送距離係数βの算定
託送距離係数の算定には、発電所と需要場所の距離が必要となる。距離については、オ リジナルモデルから実測にて最短経路の距離を求めた [5]。その結果ノード 1-23 間は 160kmであった。続いて、託送距離であるβ′=160とA、B、C、Dより託送距離係数βを 計算する。ここでは、A=1.2、B=0.8、C=20km、D=280kmとした。C及びDについては 想定される最短及び最長の託送距離とした。式(5.2-6)より託送距離係数βは 1.015 となっ た。
(4) 負荷平準化係数γの算定
負荷平準化係数γの算定には送電線亘長、線路電力潮流感度の他に送電線利用率が必要 となる。送電線利用率は表5.3-3の送電線潮流及び表5.3-4 の送電線容量(表4.3-1 再掲)
ブランチ
送電線 潮流[MW]
ブランチ
送電線 潮流[MW]
ブランチ
送電線 潮流[MW]
1 1.50 15 39.60 29 -1.42 2 24.60 16 0.00 30 3.94 3 27.60 17 7.60 31 6.42 4 21.90 18 16.00 32 0.68 5 16.05 19 4.80 33 -1.70 6 27.70 20 1.30 34 3.55 7 1.90 21 1.20 35 -5.27 8 16.70 22 4.90 36 19.77 9 6.30 23 1.70 37 7.00 10 -34.90 24 -7.80 38 7.46 11 30.70 25 10.15 39 3.45 12 17.20 26 7.84 40 10.12 13 0.00 27 16.22 41 9.74 14 30.70 28 7.91
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より表5.3-5のように計算できる。表5.3-4及び表5.3-5におけるブランチ番号とノード番 号の対応は表 2.6-2 である。はじめに、式(5.2-8)よりγ′を計算する。ここでは、主要託送 経路を託送の5%とした。従って、表5.3-2より主要託送経路送電線数は30となる。aを 表5.3-2の線路電力潮流感度の絶対値とし、γ′を計算したところ0.339となった。次にγ′及 び A、B、C、Dより負荷平準化係数γを計算する。ここでは、A、Bはそれぞれ 1.2、0.8 とした。C、Dについては送電線の平均利用率から算出する。ここでは、表5.3-5の利用率 が標準負荷時の利用率のため、この時の各送電線の平均利用率を平均利用率とし、その値 よりC、Dを設定した。その結果、平均利用率 33.6%より C=0%、D=67.2%とした。式 5.2-9より負荷平準化係数γは1.002となった。
表 5.3-4 IEEE30モデルの送電線容量
ブランチ
送電線 容量[MW]
ブランチ
送電線 容量[MW]
ブランチ
送電線 容量[MW]
1 62 15 40 29 20 2 62 16 20 30 20 3 62 17 20 31 20 4 62 18 20 32 20 5 62 19 20 33 20 6 62 20 20 34 20 7 62 21 20 35 20 8 40 22 20 36 40 9 40 23 20 37 20 10 40 24 20 38 20 11 40 25 20 39 20 12 40 26 20 40 40 13 40 27 20 41 40 14 40 28 20
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表 5.3-5 ノード1-23間託送時の送電線利用率
(5) 託送料金の算定
以上の結果と式(5.2-12)より、ノード1-23間の託送料金は表5.3-6のように計算され費用 を総需要で割ったUCPS2より 18.5%高い4.40[$/MWh]となった。表 5.3-6 より、主に潮流 方向係数により料金が割高に設定されている様子がわかる。
表 5.3-6 ノード1-23間託送時の託送料金算定結果
2
UCPS
[$/MWh]
潮流方向 係数α
託送距離 係数β
負荷平準
化係数γ α⋅β⋅γ 託送料金 [$/MWh] 3.71 1.165 1.015 1.002 1.185 4.40 ブランチ 利用率[%] ブランチ 利用率[%] ブランチ 利用率[%]
1 2.4 15 99.0 29 7.1 2 39.7 16 0.0 30 19.7 3 44.5 17 38.0 31 32.1 4 35.3 18 80.0 32 3.4 5 25.9 19 24.0 33 8.5 6 44.7 20 6.5 34 17.8 7 3.1 21 6.0 35 26.4 8 41.8 22 24.5 36 49.4 9 15.8 23 8.5 37 35.0 10 87.3 24 39.0 38 37.3 11 76.8 25 50.8 39 17.3 12 43.0 26 39.2 40 25.3 13 0.0 27 81.1 41 24.4 14 76.8 28 39.6
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