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拡張感度解析に基づく託送経路特定手法

第 3 章 拡張感度解析に基づく複数地点間の託送経路特定手法

3.4. 拡張感度解析に基づく託送経路特定手法

98 (3) n≠l, kのとき

2 1 =0

U gn

(3.3-18)

2 =0

U g n

(3.3-19)

上述の GXGUを用いて式(3.3-3)の方程式から感度行列が得られる。式(3.3-1)中のϕ

( )

U が式

(3.3-12)中の修正項−Kkl ⋅ΔP、式(3.3-3)中のg/∂ϕ⋅∂ϕ/∂UKklに対応している。

得られた感度行列を用いて式(2.3-55)から線路電力潮流感度を計算することにより、託送経路の 特定に必要な線路電力潮流感度を計算することができる。

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3.4.2. 発電所(複数箇所)、需要場所(一箇所)間の託送経路特定手法

次に、ケース3の発電所(複数箇所)と需要場所(一箇所)間の託送経路特定手法について記 述する。これは、新規参入発電事業者が複数箇所に発電所を所有する状況に相当する。この場合 は、需要場所の有効電力を操作変数に選び、託送を行う発電所の発電振替係数を、発電出力の割 合に応じて設定し線路電力潮流感度を求めることで託送経路を特定することができる。

例えば、ある発電事業者がA、Bという2箇所の発電所を持っており、4:6(e.g. 発電所A:4[MW]、 発電所B:6[MW])の割合で発電を行っていたとする。この場合、A、B発電所の発電振替係数を それぞれ0.4、0.6と設定し、線路電力潮流感度を求めることにより託送経路の特定に必要な線路 電力潮流感度を計算することができる。

3.4.3. 発電所(複数箇所)、需要場所(複数箇所)間の託送経路特定手法

最後に、ケース4の発電所(複数箇所)と需要場所(複数箇所)間の託送経路特定手法につい て記述する。これは、新規参入発電事業者が複数箇所に発電所を所有し、大規模需要家が複数の 場所に負荷を持つ場合に相当する。このケースはケース2及びケース3の複合ケースと考えるこ とができる。3.4.1項と同様に、感度に線形性が成り立つという性質を利用する。つまり、複数箇 所の発電所から複数箇所の需要場所への託送を複数箇所の発電所から一箇所の需要場所への託 送の重ね合わせと考える。分解した託送の感度は、3.4.2項のケースとなるため前項の方法により 求めることができる。そして、得られた感度をそれぞれの需要場所の負荷の比率によって重みを かけて足し合わせることにより託送経路を特定することができる。

例えば、ある発電事業者のA、Bという2箇所の発電所からある需要家のC、Dという2箇所 の需要場所への託送を考える。この時、発電所A、Bは4:6(e.g. 発電所A:4[MW]、発電所B:

6[MW])の割合で発電を行っており、需要場所C、Dの負荷量の比率は3:7(e.g. 需要場所C:3[MW]、

需要場所D:7[MW])であったとする。この場合、発電所A、Bから需要場所Cへの託送と発電 所A、Bから需要場所Dへの託送に分解する。分解した各託送の線路電力潮流感度は、各発電所 A、B の発電振替係数をそれぞれ 0.4、0.6 と設定して計算することにより求めることができる。

ここで得られた感度をそれぞれα、βとすると、発電所A、Bから需要場所C、Dへの託送経路特 定に必要な感度は負荷の割合に応じて重みをかけ、0.3α+0.7β により求められる。なお、感度 α 及びβは同一組み合わせの発電所からの託送のため、一度の計算により求めることができる。

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第2章の提案手法及び3.4.1~3.4.3項の手法により、発電事業者と需要家間の任意の組み合わせに おける託送経路を特定することが可能となる。次項に、託送経路特定手法のアルゴリズムを示す。

3.4.4. 託送経路特定手法(任意の発電事業者と需要家間)のアルゴリズム

提案手法のアルゴリズムをフローチャートに示したものが図3.4-1である。

[step1]複数の需要場所への託送:需要場所が複数の場合は[step2]へ、一箇所の場合は[step3]へ移る。

[step2]託送の分解:複数箇所の需要場所への託送は、一箇所の需要場所への託送の重ね合わせと 考え、託送を分解する。具体的には、一箇所の発電所から複数箇所への需要場所への託送の場合 は、一箇所の発電所から一箇所の需要場所への託送に分解する。また、複数箇所の発電所から複 数箇所への需要場所への託送の場合は、複数箇所の発電所から一箇所の需要場所への託送に分解 する。

[step3]複数の発電所からの託送:複数の発電所からの託送の場合は、への託送:需要場所が複数 の場合は[step4]へ、一箇所の発電所からの託送の場合は[step5]へ移る。

[step4]発電振替係数の設定:託送を実施する発電所の出力割合から、発電振替係数を設定する。

例えばA、B 二つの発電所の託送量が 6[MW]、4[MW]の場合、各発電所の発電振替係数は 0.6、 0.4となる。

[step5]スラックノードの指定:託送実施発電所ノードをスラックノードに指定する。

[step6]GX行列の作成:式(2.3-17)~式(2.3-48)により従属変数ベクトルXに関するヤコビ行列GXを 作成する。GXは潮流計算終了時のヤコビ行列を一部修正する方法からも計算可能である。

[step7]GU行列の作成:一箇所の発電所からの託送の場合は、第2章の方法により、複数箇所の発 電所からの託送の場合は、式(3.3-14)~式(3.3-19)を用いて操作変数ベクトル U に関するヤコビ行 列GUを作成する。

[step8]感度行列の作成:[step6]及び[step7]で得られた GXGU行列を用いて、ノード電圧、位相 に関する感度行列Sを作成する。

[step9]有効電力潮流感度の計算:[step8]で得られた感度行列と式(2.3-55)から線路電力潮流感度を 計算する。[step2]において託送を分解した場合は、各託送に対して[step3]~[step9]の手順により線 路電力潮流感度を計算する。

[step10]託送の重ね合わせ:[step2]において託送を分解した場合には、[step9]で得られた各託送に 対する線路電力潮流感度を各需要場所の負荷の比率によって重みをかけて足し合わせることに より、託送経路特定に必要な線路電力潮流感度を得る。

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[step11]託送経路の特定:[step10]により得られた線路電力潮流感度の大きさから託送経路を特定 する。

[step12]同一発電所による他託送の有無:同一発電所が他の負荷ノードと託送を行っている場合に は、その託送経路についても[step9]によって得た同一の線路電力潮流感度行列から特定すること ができる。ここで、同一発電所とは、複数箇所の発電所からの託送の場合は、同一組合せの発電 所でかつ発電所間の出力割合が同じ場合を指す。

[step13]全託送経路の決定:他の発電所又は発電所の組み合わせが同じ場合でも発電所間の出力割 合が異なった託送がある場合には[step1]に移る。全ての託送経路を特定した場合には、プログラ ムを終了する。

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図 3.4-1 託送経路特定手法(任意の発電事業者と需要家間)のアルゴリズム

START

GX[2N×2N]行列の作成 YES

NO

託送の分解

GU [2N×M]行列の作成 複数の需要場所

への託送

複数の発電所 からの託送 YES

NO

発電振替係数の設定

スラックノードの指定

感度行列の作成 S=-[GX]-1[GU] 線路電力潮流感度の計算

END 託送経路の特定 託送の重ね合わせ

託送の分解 の有無

全託送経路の特定 同一発電所における

他託送の有無

YES NO

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